コンテンツにスキップ

ボルボ・V40

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ボルボ・V40
Second generation
VOLVO V40
概要
製造国 ベルギーの旗 ベルギー
販売期間 2012年–2019年
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアハッチバック
テンプレートを表示

V40(Volvo V40)[1]は、スウェーデンの自動車メーカー、ボルボ・カーズ[2]が生産・販売していた乗用車である。1995年にステーションワゴンとして発売された。

2012年に2代目が発売された。2019年モデルをもって、シリーズの生産終了が決定。事実上の廃盤となった。後継はボルボ・XC40

初代(1995年 - 2004年)

[編集]
ボルボ・V40(初代)
1995年発売モデル
前期型(1995年 - 2000年)
後期型(2000年 - 2004年)
概要
製造国 オランダの旗 オランダ
販売期間 1995年 - 2004年
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドア ステーションワゴン
駆動方式 前輪駆動/四輪駆動
パワートレイン
変速機 4速・5速AT / 5速MT
サスペンション
マクファーソンストラット式
マルチリンク式
車両寸法
ホイールベース 前期:2,550mm
後期:2,557mm
全長 前期:4,470mm
後期:4,521mm
全幅 前期:1,720mm
後期:1,717mm
全高 前期:1,410mm
後期:1,426mm
車両重量 1,330 - 1,405kg
系譜
後継 ボルボ・V50
テンプレートを表示

1995年に発売。当時のV40の公式日本名は「ぶいよんじゅう」。ボディ形状はステーションワゴンである。

生産は(当時)オランダ政府・三菱自動車工業・ボルボの合弁会社であったネッドカーで行われた。同じ工場でプラットフォームを共有する三菱・カリスマとともに生産された。

2000年、内外装を変更。ヘッドランプ・テールレンズなどのデザインが変更となる。同時にホイールベースの延長、サスペンションの見直しやタイヤサイズの変更も実施された。

2004年、後継モデルV50の発売に伴い、V40の販売終了。

2代目(2012年 - 2019年)

[編集]
ボルボ・V40(2代目)
2012年発売モデル
外装 前期型(2012年 - 2016年)
内装 前期型(2012年 - 2016年)
概要
製造国 ベルギーの旗 ベルギー
販売期間 2012年 -(欧州)
デザイン サイモン・ラマー
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアハッチバック
駆動方式 前輪駆動/四輪駆動
プラットフォーム ボルボ・P1プラットフォーム
パワートレイン
変速機 6速DCT(パワーシフト)
6速AT
6速MT
サスペンション
マクファーソンストラット式
マルチリンク式
車両寸法
ホイールベース 2,645mm
全長 4,370mm
全幅 1,785mm(標準車)
1,800mm(Rデザイン・クロスカントリー)
全高 1,440mm(標準車・Rデザイン) 
1,470mm(クロスカントリー)
車両重量 1,430kg(標準車)
1,540kg(Rデザイン)
1,580kg(クロスカントリー)
その他
ユーロNCAP(2012) ☆☆☆☆☆
自動車排出ガス規制 平成17年排出ガス基準75%低減
テンプレートを表示

2代目[3]は、2012年9月15日ジュネーブモーターショーでデビューし、欧州では同年秋から販売を開始した。翌2013年春から日本で販売される。

2代目V40は5ドアハッチバックで、クーペのC30・セダンのS40・ワゴンのV50を統合した後継車種として開発された。標準モデルのほかにスポーツタイプの「Rデザイン」、クロスカントリータイプの「V40クロスカントリー」がある。

基本骨格として、先代と同じ「フォード・C1プラットフォーム」と共通の「ボルボ・P1プラットフォーム」を用いる。

エンジンはガソリンエンジンとディーゼルエンジン。最高出力の2.5 Lガソリンエンジンは187 kW(254 PS)を発揮する。燃費低減機構としてアイドリング・ストップシステム、ブレーキ・エネルギー回収システムが挙げられる。トランスミッションは6速MT、トルクコンバーターによる6速AT、そして「パワーシフト」と呼ばれる湿式多板クラッチによる6速デュアルクラッチトランスミッションがある。

安全装備として追突を回避・軽減の自動ブレーキ機構である「シティ・セーフティ」が標準搭載のほか、歩行者を検知して回避・軽減する「ヒューマン・セーフティ」、車線逸脱を防止する「レーン・チェンジ・マージ・エイド」、車両の急接近を警告する「レーン・キーピング・エイド」、道路標識を読み取ってディスプレーに表示する「ロード・サイン・インフォメーション」などのパッケージ・オプションがある。この他、世界初採用の「歩行者エアバッグ」をオプション設定している。

オフロードバージョンのクロスカントリーは専用の内外装に前輪駆動・四輪駆動が用意される[注釈 1]

スポーツモデルのRデザインは、黒を基調とした専用の内装と足回りを持つ。

「Rデザイン」、「クロスカントリー」共に垂直に配列されたLEDランプを備えた専用マスクを備える。リアには左右独立マフラーを装備。

日本での販売

[編集]
  • 2013年
    • 2月19日 - 発売。
    発売時は標準車のみで、グレード設定はベース車の「T4」と上級仕様の「T4 SE」の2種。日本の保安基準に適合させるため、フロントバンパーカバー下部のLEDデイタイムランプは装着されず、メッキパーツの装着となる[注釈 2]。歩行者エアバッグは全車種受注オプションとなる。派生モデルである「T5 Rデザイン」が4月23日に、「クロスカントリー T5 AWD」が5月7日にそれそれ発売された。
    • 6月7日 - 一部改良モデルとなる2014年モデルが発売。予定より2ヶ月前倒ししての発売となった。
    2014年モデルでは自動ブレーキ機構に自転車の検知機構が追加されたほか、ベースモデル「T4」にレザー・パッケージ、ナビゲーション・パッケージのオプションが新たに設定された。上級モデル「T4 SE」はナビゲーション・パッケージが標準装備となり価格は329万円[注釈 3]
    • 12月2日 - 価格改定を実施。セーフティ・パッケージを全車標準装備とし、ナビゲーション・パッケージおよびレザー・パッケージのオプション価格を引き下げた。「T4 SE」は標準装備だったナビゲーション・パッケージをオプション装備に戻した[4]
  • 2014年11月20日(「T5 Rデザイン」) / 12月18日(その他全車)- 一部改良[5][6]
セーフティ・パッケージにリアビューカメラを加え、全10種類の安全装備・運転支援機能「IntelliSafe10」とした。
マルチメディアシステム「SENSUS」を一新し、インターネット接続機能や音声認識機能、ITSスポット(DSRC)対応ETC車載器を追加。また、オプションのプレミアムサウンド・オーディオシステムは新たにharman/kardon製スピーカーを採用した。
従来装備されていなかったLEDドライビングライトを追加。
「T5 Rデザイン」は、新たにDrive-E 2.0 L 4気筒直噴ターボ「T5」エンジンとトルクコンバーター式パドルシフト付8速ATを採用。
  • 2015年
    • 3月30日 - 「クロスカントリー T5 AWD」に新パワートレーン「Drive-E」搭載モデルを設定(限定200台)[7]
    「T5 Rデザイン」と同じく、Drive-E 2.0 L 4気筒直噴ターボ「T5」エンジンとトルクコンバーター式パドルシフト付8速ATを採用。
    • 7月23日 - ディーゼルエンジン搭載車を発売。同時に一部改良[8][9]
    V40 / V40クロスカントリーに、Drive-E 2.0 L 4気筒クリーンディーゼル「D4」エンジン搭載車を追加。「D4」エンジンは最高出力190 PS、最大トルク400 Nmを発揮する。自動車取得税および自動車重量税が免税(100%減税)。トランスミッションは、新開発のトルクコンバーター式パドルシフト付8速ATが採用される
    ガソリン車は従来の1.6 L 4気筒直噴ターボ「T4」に代えて、Drive-E 1.5 L 4気筒直噴ターボ「T3」エンジンを採用(当初は9月1日発売予定と告知されていたが、8月19日に前倒し発売[10])。最高出力152 PS、最大トルク250 Nm、JC08モード燃費は16.5km/L。自動車取得税が40%、重量税が25%減税。トランスミッションも、「T4」の6速デュアルクラッチトランスミッションから、新開発のトルクコンバーター式6速AT(ロックアップ機構付)に変更された。
    「クロスカントリー T5 AWD SE」には、限定車として先行していたDrive-E 2.0 L 4気筒直噴ターボ「T5」エンジンとトルクコンバーター式パドルシフト付8速ATを採用。
  • 2016年7月5日 - フェイスリフト[11]
トールハンマーをモチーフにした新世代ボルボを象徴するデザインを採用するとともに、内装を変更。装備面では歩行者エアバッグを全車標準装備化。その他グレード体系や装備内容の見直しを実施。
  • 2017年8月22日 - 特別仕様車「V40 D4 ダイナミックエディション/V40クロスカントリーD4 ダイナミックエディション」発売[12][13]

ボルボ・カー・ジャパンは、ボルボの正規販売店権利を所有する役員らを集めた会議の中で、V40シリーズの新車販売を、2019年モデルの在庫をもって終了すると発表した。現時点で2020年モデル以降のモデルチェンジの予定も無く、事実上の廃盤になる見通し。新車在庫の残り台数は、2019年6月現在で約4,000台。現在V40を生産しているベルギーにある工場は、XC40等のSUV車の生産に注力する。

ギャラリー

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 日本仕様のT5 クロスカントリーは四輪駆動のみ。
  2. ^ Rデザイン/クロスカントリーはフロント部にLEDを装着するが、デイタイムランプの機能はない。
  3. ^ 「T4 SE」は20万円の値上げになったが、他車種の価格は据え置かれた。

出典

[編集]
  1. ^ アーバン・ショートワゴン VOLVO V40 ボルボ・カーズ(公式サイト)
  2. ^ ボルボ・カーズ(公式サイト)
  3. ^ 【2012ジュネーブショー】ボルボ、Cセグメントハッチバックとして生まれ変わった「V40」”. Car Watch. (2012年03月19日). 2018年10月16日閲覧。
  4. ^ ボルボV40シリーズ全車に、車両や歩行者に加えサイクリストを検知する 自動ブレーキをはじめ、10種の先進安全・運転支援機能装備を標準化 2013/11/08
  5. ^ ベストセラーモデル「VOLVO V40」の最もスポーティなバリエーション「V40 T5 R-DESIGN」に、新世代パワートレーンDrive-Eを搭載し、発売開始』(プレスリリース)Volvo Car Japan、2014年11月20日https://www.vcj-press.jp/pressrelease/201411202021年6月2日閲覧 
  6. ^ ボルボ、V40/V40 Cross Country/V70/XC70/S80の一部仕様を変更』(プレスリリース)Volvo Car Japan、2014年12月18日https://www.vcj-press.jp/pressrelease/201412182021年6月2日閲覧 
  7. ^ 新パワートレーン「Drive-E」を搭載したVolvo V40 Cross Countryを発売』(プレスリリース)Volvo Car Japan、2015年3月30日https://www.vcj-press.jp/pressrelease/201503302021年6月2日閲覧 
  8. ^ V40シリーズ、60シリーズの一部仕様を変更』(プレスリリース)Volvo Car Japan、2015年7月23日https://www.vcj-press.jp/pressrelease/201507232021年6月2日閲覧 
  9. ^ 新世代Drive-Eクリーンディーゼルを主力5車種に搭載』(プレスリリース)Volvo Car Japan、2015年7月23日https://www.vcj-press.jp/pressrelease/20150723-12021年6月2日閲覧 
  10. ^ ボルボV40シリーズに新開発1.5Lダウンサイジングターボエンジンを搭載』(プレスリリース)Volvo Car Japan、2015年8月19日https://www.vcj-press.jp/pressrelease/201508192021年6月2日閲覧 
  11. ^ 【2012ジュネーブショー】ボルボ、Cセグメントハッチバックとして生まれ変わった「V40」[2016年7月マイナーチェンジ 試乗レポート]”. autoc-one. (2016年07月12日). 2018年10月16日閲覧。
  12. ^ 「ボルボV40」に「ダイナミックエディション」登場”. webCG. (2017年08月22日). 2018年10月16日閲覧。
  13. ^ Volvo V40 LINEUP ボルボ・カーズ(公式サイト)

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]