DSRC

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DSRC英語: Dedicated Short Range Communications)とは、車両との無線通信に特化して設計された5.8GHz帯のISMバンドを用いた一方向、または双方向の無線通信技術。専用狭域通信あるいは狭域通信と呼ばれる。

概要[編集]

DSRCの特徴として、アンテナ指向性と高精度なキャリアセンスにより、通信エリアを意図的に狭くコントロールしている。高度道路交通システムITS: Intelligent Transport Systems)で利用されており、路側機と車載器の間の通信でドライバーへ様々なサービスが提供されている。

日本においては、ARIB STD-T75「狭域通信(DSRC)システム標準規格」により、相互接続性が確保されている。変調方式としてASK方式とπ/4シフトQPSK方式の2種類があり、ASK方式では1Mbps、π/4シフトQPSK方式では4Mbpsの通信速度を実現している。

ASK方式を使用したシステムとしてはETCがある。π/4シフトQPSK方式では、VICSなどのETC2.0(旧:ITSスポットサービス)に使用されているほか、ガソリンスタンドや駐車場などでのキャッシュレス決済、インターネット接続、物流管理などへの利用も期待されており、実用化や本格運用に向けた検討が進められている。

ETC2.0[編集]

SAに設置されたITSスポット

ETC2.0とは、道路沿いに設置されたITSスポット(ETC2.0サービスが行われる場所)と対応車載器(DSRC通信対応機)との相互通信、高速・大容量通信により、従来より広範囲の渋滞・規制情報提供や安全運転支援などが受け取ることのできるサービスである。

サービス開始時にはスポット通信サービス・DSRCサービスなどと呼ばれていたが、2014年10月「ETC2.0」の名称へと改められた。

2011年3月30日から、東北地方と新潟・関東地方の一部を除いた日本全国およそ1,300局のπ/4シフトQPSK基地局でサービスが開始、同年8月12日には日本全国およそ1,600局で利用可能となった。また、約50か所のSA、PA、道の駅でインターネットに接続して情報を得る事ができる。

沿革[編集]

  • 2009年(平成21年)
01月22日 - DSRC車載器による実験モニターを募集開始
  • 2010年(平成22年)
「スポット通信サービス・DSRCサービス」と呼ばれていたサービスを「ITSスポットサービス」と表現する」と発表
  • 2011年(平成23年)
03月30日 - 北海道、関東(NEXCO中日本及び首都高速管内)及び中部以西でのITSスポットサービスを開始
07月14日 - 関東地方のNEXCO東日本管内での東日本大震災の影響で延期していたITSスポットサービスを開始
08月12日 - 東北地域での東日本大震災の影響で延期していたITSスポットサービスを開始(全国でのサービス開始)
  • 2013年(平成25年)
11月01日 - 走行経路確認社会実験モニターを募集
  • 2014年(平成26年)
10月03日 - 名称を「ETC2.0」に変更
  • 2015年(平成27年)
11月27日 - ETC2.0車両運行管理支援サービス社会実験モニターを募集
  • 2016年(平成28年)
04月01日 - ETC2.0割引を首都圏中央連絡自動車道で導入

サービス内容[編集]

サービスは大別すると4つある[1][2]

  • ETC
すべての「ETC2.0対応車載器(DSRC車載器)」にETC機能が搭載されているため、ETC車載器として利用することが出来る。
  • 渋滞回避支援(ダイナミックルートガイダンス )
現行の電波ビーコン・光ビーコン(VICS)よりも情報量が多いため、より広範な地域の交通情報が得られるようになった。ETC2.0に対応したカーナビゲーションを接続している場合、情報を元に最適ルートの選択を行い、ドライバーの渋滞回避を支援する。
  • 安全運転・災害時支援
「渋滞、追突注意」「落下物」「急カーブ」「事故・規制」「トンネル出口の天候」など平常時の情報や、「地震・津波」など災害時の情報を、読み上げ音声と図や撮影画像(発話専用機種を除く)で事前に案内。
  • 観光サービス
  • 料金割引サービス
首都圏において、首都圏中央連絡自動車道経由で首都高速道路を利用しなかった場合、走行料金を割引にするサービス。
  • 今後、ITSスポットでの双方向通信により経路情報を活用したサービスも予定されている。

ETC2.0対応車載器[編集]

サービスを利用するには、ETC2.0に対応した車載器(DSRC車載器)が必要で、ETC同様(一財)ITSサービス高度化機構(ITS-TEA)に登録された店舗にてセットアップを行う必要がある。

(セットアップについてはETC#セットアップも参照)

ETC2.0に対応するカーナビゲーションと連動させることで、これらの情報が画面に表示される。インターネット接続では地図情報のほか、映像・音楽配信のサービスも検討されている。

また、カーナビゲーションを必要としない発話型車載器も発売されており、情報は音声によって読み上げられる。映像出力されない為、画像情報サービスは受けられない等一部機能の制約がある。

日本における周波数[編集]

路側機送信:5775, 5780, 5785, 5790, 5795, 5800, 5805 MHz 占有周波数帯幅:4.4MHz

車載器送信:5815, 5820, 5825, 5830, 5835, 5840, 5845 MHz 占有周波数帯幅:4.4MHz

脚注[編集]

  1. ^ 参考文献:「driver 2011年08月号」八重洲出版
  2. ^ ETC2.0のサービス”. (一財)ITSサービス高度化機構. 2015年12月12日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]