ボルボ・V70

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ボルボ・V70(ブイナナジュウ)はボルボ・カーズが製造・販売する前輪駆動もしくは四輪駆動ステーションワゴンである。1996年モデルにボルボ・850の後継車として登場した。

スウェーデンでは、長年にわたり一番販売されている車種である。 V70の四輪駆動モデルで、車高やデザインなどが変更されたXC70というモデルも存在する(四輪駆動のV70とは別)

初代[編集]

ボルボ・V70(初代)
初代 Volvo V70
Volvo-V70.jpg
製造国 スウェーデン
ベルギー
カナダ
販売期間 1996年 - 2000年
乗車定員 5人
7人(ディーラーオプション)
駆動方式 FF
4WD
変速機 5速MT/4速AT / 5速AT
ホイールベース 2,649mm
-自動車のスペック表-

1996年に登場。850の後継車として、マイナーチェンジした上で70シリーズに名称変更となり、セダンはS70、それまでエステートと呼ばれていたステーションワゴンモデルが、多才・多様性などの意味を持つ「Versatility」のイニシャルをとりV70と呼ばれることになった。850から大きく変わったのはフロント回りのデザインであるが、内装も従来の質朴な印象のものから、曲線やウッドパネルを多用した高級感のある仕様にグレードアップされている。基本メカニズムは850及びS70と同じだが、V70にのみ、ボルボ初の4輪駆動モデル、AWDが設定され、1997年8月にはボルボ創立70周年を記念したV70R・AWDが登場、10月には車高をアップして悪路走破性を向上させたV70XC・AWDも設定されている。 ワゴンとセダンのモデルが存在した。スウェーデンのほか、ベルギーカナダの工場でも生産された。日本仕様のメーカー希望小売価格(車両本体)は410万から590万円であった。


初代の仕様[編集]

ガソリン

車種 出力 トルク @rpm 排気量 (cc) エンジン 備考
2.0 126 PS (93 kW; 124 hp) 170 N·m (130 lb·ft) @4800 1984 B5204
2.5 144 PS (106 kW; 142 hp) 206 N·m (152 lb·ft) @3300 2435 B5252 S2
GLT 170 PS (125 kW; 168 hp) 220 N·m (160 lb·ft) @3300 2435 B5254 S
2.0T 180 PS (132 kW; 178 hp) 240 N·m (180 lb·ft) @1800 1984 B5204 T2
2.4T 193 PS (142 kW; 190 hp) 270 N·m (200 lb·ft) @1800 2435 B5254 T3
2.4T AWD 193 PS (142 kW; 190 hp) 270 N·m (200 lb·ft) @1800 2435 B5254 T3
T5 2.0 226 PS (166 kW; 223 hp) 310 N·m (230 lb·ft) @2700 1984 B5204 T3
T5 240 PS (177 kW; 237 hp) 330 N·m (240 lb·ft) @2700 2319 B5234 T3
R 250 PS (184 kW; 247 hp) 350 N·m (260 lb·ft) @2700 2319 B5234 T4
R AWD 250 PS (184 kW; 247 hp) 310 N·m (230 lb·ft) @2400 2319 B5234 T8
R AWD 265 PS (195 kW; 261 hp) 350 N·m (260 lb·ft) @2500 2435 B5244 T

ディーゼル

詳細 出力 トルク @rpm 排気量 (cc) エンジン 備考
TDI 140 PS (103 kW; 138 hp) 290 N·m (210 lb·ft) @1900 2460 D5252 T

ガス

詳細 出力 トルク @rpm 排気量 (cc) エンジン 備考
Bi-Fuel 144 PS (106 kW; 142 hp) 206 N·m (152 lb·ft) @3300 2435 B5244 SG

2代目[編集]

ボルボ・V70(2代目SB系)
後期型
Volvo V70.jpg
後期型リア
Volvo V70 rear.jpg
製造国 スウェーデン
ベルギー
販売期間 1999年 - 2007年
乗車定員 5
7人(ディーラーオプション)
エンジン 2.0L Turbo 直5
2.4L 直5
2.4L CNG/LPG 直5
2.4L Turbo 直5
2.5L Turbo 直5
2.4L Diesel 直5
駆動方式 FF
4WD
変速機 5速MT/6速MT/5速AT/6速AT
ホイールベース 2,760mm
-自動車のスペック表-

V70は1999年にフルモデルチェンジされた。初代8B系は850時代を含め8年間、V70となってから2年強というボルボとしては異例に短い生産期間で終わることになった。2代目SB系は車体寸法を拡大、イギリス人デザイナーのピーター・ハーブリーによる側面衝突時の安全性も考慮された丸みを帯びた抑揚の強いスタイルが与えられ、従来の700/900/850系の角張ったデザインとは大きく趣きを変えたスタイリングは物議を醸し出した。 ハーブリー曰くスタイリングのコンセプトは「スポーツカーのフロントにワゴンのリアを結合させたもの」。

日本では2000年から2007年までボルボ・カーズ・ジャパンの主力車種として販売された。外寸拡大に比例して室内空間やラゲージスペースは大幅に拡大された。装備水準は極めて高く、インパネやドアトリムにはほぼ全面にソフトパッドがおごられたり、カーペットも毛足の長い物が装備されたり、ドアトリムも先代の弱点であった生地の浮きもほとんど発生しなくなった。最廉価の2.4を除き全車に本革シートが標準装備するなど充実している。その一方でスペアタイヤは応急用となるなどややコストダウンした部分もある。

エンジンは全車に直列5気筒エンジンを搭載し、直列5気筒エンジンならではの官能的なエンジンサウンドが楽しめる。2400NAが170馬力・最大ルク22.9キロ、2400ターボが200馬力・最大トルク29.1キロ、2550ターボが209馬力・最大トルク32.6キロ、2350ターボが250馬力・最大トルク33.7キロ、そしてV70R用の2550ccハイプレッシャーターボエンジンが300馬力・最大トルク40.8キロとなる。

この間ボルボ車の日本における販売台数は2001年の1万6,437台をピークに、2002年1万5,321台、2003年1万4,794台と漸減、2006年には1万693台となるが、2007年には1万960台と主力車種V70がモデル末期に入ったにも関わらず対前年比で2.5%増の伸長を記録した。

初代S80初代S60XC90は同じプラットフォーム(P2プラットフォーム)の派生車である。生産はスウェーデン・ベルギーにある工場で行われた。モデルライフサイクル短縮とデザインポリシーの大幅な軌道修正は、ボルボが1998年にフォードの傘下に入ったことによる、フォード主導による開発販売方針、デザイナーをはじめとする設計陣の入れ替え、という背景がある。

2004年10月にマイナーチェンジを実施し、外装前後のモールがカラード化されたり、センターコンソールなどが改良された。ただしヘッドライトは前期型のガラスレンズから、後期型は樹脂レンズを採用したため後期は経年変化による黄ばみが目立つという欠点を持つ。DSTCも全車に標準装備された。

2006年モデルへのマイナーチェンジで全車にルーフレールを標準装備したほか、エントリーモデルの2.4はウッドパネルやアルミホイールを標準装備化。AWDのシステムをプレチャージ式電子制御AWDに変更した。新色も含めて全15色のボディカラーを設定。またV70Rをカタログモデルとした。

最終型ではウインカー内蔵型ドアミラーとディスチャージヘッドランプを全車標準装備とした。また走行中、死角にクルマやバイクが入ったことを運転手に警告灯で知らせるBLIS(ブラインドスポット・インフォメーション・システム)をRに採用している。


3代目[編集]

ボルボ・V70(3代目)
3rd Volvo XC70 -- 11-26-2011.jpg
製造国 スウェーデン
販売期間 2007年 -
乗車定員 5人
駆動方式 FF
4WD
変速機 5速MT/6速MT/5速AT/6速AT
ホイールベース 2,816mm/2,816mm(XC)
-自動車のスペック表-

V70は2007年2月に3代目へとフルモデルチェンジされた。全長×全幅×全高=4825×1890×1545mmと更に一回り大きくなったボディには2550cc直列5気筒ターボに加え、V70初となる世界的にも珍しい横置きの直列6気筒エンジンが搭載されることになった。ベースモデルがS60からS80に変更された結果で、エクステリア・インテリアともその影響が色濃い。日本市場における当初の販売価格もベーシックな2.5TLEで498万円、トップモデルT-6 TE AWD 4WDで770万円と大幅に上昇し、BMW・5シリーズメルセデス・ベンツ・Eクラスに近い価格帯となったのも、プレミアムブランドと位置づけるフォードの方針によるものだったが、ボルボ・カーズは2010年8月に中国浙江吉利控股集団に売却された。

2008年5月 小変更で2.5Tと3.2SEにレザーシートやハイパフォーマンスオーディオ(3.2SEはプレミアムサウンドオーディオ)を標準とし、また全モデルにメタリック・パール塗装やサービスパスポートも付いた。

2009年1月 スポーティな装いを持つ「R-DESIGN」が新設定。

2009年7月 マイナーチェンジが行われ、フロントグリルに大型化されたアイアンマークが採用された。2550cc億列5気筒ターボエンジンに改良が施され、最高出力で231ps・最大トルク34.7㎏と約16%アップとしながら、燃費は9.5km/Lと約10%向上されている。また、新たにエントリーグレード、ノルディックが追加されたほか、グレードの整理が行われ直列6気筒エンジン車はターボエンジンのAWD駆動を持つT-6TEに統一。

2010年7月 小変更により、3Lの直列6気筒ターボエンジンが改良によりエンジン出力が304馬力・最大トルク44.9㎏へと大幅にパワーアップしたほか、燃費性能向上の両立が図られた。これにより、2010年度燃費基準+5%を達成している。また、安全性能も向上され左右リアヘッドレストに前席よりスイッチひとつで作動する「ワンタッチ前方可倒式」が採用された。

2011年2月 マイナーチェンジ。エンジンが新開発の1600cc直列4気筒直噴DOHCエンジンを採用したエントリーグレード、V70・DRIVe(ドライブ・イー)が追加された。このモデルはエコカー減税対象となる。V70 T5 SEには、これまた新開発の2000cc直噴ターボエンジンが採用された。なお、このマイナーチェンジにより日本向けから直列5気筒エンジンは消滅。さらに追突事故を防止する自動ブレーキを含む独自の安全技術、シティセーフティを最上級グレードに標準装備。その他にもオプションで用意された。2011年以降北米での販売を中止

2012年8月 V70・DRIVe(ドライブ・イー)⇒T4に改称。この頃から販売の主軸がV40V60に移行していく。

2013年8月にマイナーチェンジで内外装のデザインが刷新されている。また、「シティセーフティ」の作動速度域が30km/hから50km/hに引き上げられ、「追突回避・軽減フルオートブレーキシステム」にサイクリスト検知機能が加わるなど、安全性能が向上している。さらに、T4に代わるエントリーグレード「T4 SE」が新たに設定されている。

2015年7月 小変更を実施。装備充実のクラシックを設定。

2016年 ボルボ・V90にフルモデルチェンジされる予定。


V70 プラグインハイブリッド[編集]

スウェーデンの電力会社であるバッテンフォールとの合弁事業でボルボは2台のV70をディーゼル・電気式プラグインハイブリッド実証車として改造して2009年12月からヨーテボリで公道試験が行われている[1]。バッテンフォールは顧客に風力発電水力発電等の再生可能エネルギーによって発電された電力を供給することを試みるなど[2]、この試験は電気自動車にとって不利な低温環境での経験を積むことを目標としている[1][2]

V70 PHEV試験車は11.3kWhリチウムイオン充電池を使用する[3]。テストドライバーの報告によるとV70 プラグインハイブリッド実証車は電気のみの走行で20キロメートル (12 mi)から30キロメートル (19 mi)走行する。実証車は運転手が電気やディーゼルエンジンのどちらでもいつでも切り替えられるようにボタンが設置されている[1][4]。公道試験の第一段階は2010年6月に終了し16家族を含むボルボまたはバッテンフォールの従業員の全てが1か月間に1、5週間参加した。第2段階は2010年7月から12月までバッテンフォールヨーテボリストックホルムの全ての従業員を対象に実施された。第一段階で鍵となる以下の要素が見出された[1][4]

  • 大半の運転手は街中では低速時に電気走行を選択するが高速道路ではディーゼル走行に切り替える。
  • テストドライバーは20 から 30 kmの電気での走行距離では不十分であることを見つけ、50キロメートル (31 mi)から80キロメートル (50 mi)、さらに将来的には150から200キロメートル (93から120mi)の走行距離を要求した。
  • 全てのテストドライバーは日中に充電したが公道試験のために設置された公共の充電設備は誰も使用しなかった。
  • 公道試験前、運転手達は歩行者や自転車の乗員に対して電気自動車の静粛性に関して危険性を考慮していた。試験後これらの懸念は取り越し苦労であったことが明らかになった。

ボルボは2009年に2010年に認証を取得して2012年初頭にディーゼル電気式ハイブリッドの量産に入る予定であることを発表した。ボルボはプラグインハイブリッドはヨーロッパの試験サイクルで1USガロンあたり125マイル (1.88 L/100 km; 150 mpg-imp)に達する事が可能と主張している[4][5]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d Vattenfall (2010年9月). “Having a plug-in hybrid as your family car -what is it actually like?”. PluginCars.com. 2010年9月5日閲覧。 pp. 3-4
  2. ^ a b Volvo Cars and Vattenfall to Develop New Plug-in Diesel-Electric Hybrids; Three V70 PHEV Demonstrators on the Road This Summer”. Green Car Congress (2009年6月1日). 2009年6月4日閲覧。
  3. ^ Brad Berman (2010年3月9日). “Volvo V70 Plug-in Hybrid”. PluginCars.com. 2010年10月5日閲覧。
  4. ^ a b c Volvo Reports Reactions from First Drivers of Volvo V70 Plug-in Hybrid”. PluginCars.com (2010年10月1日). 2010年10月5日閲覧。
  5. ^ John Voelcker (2009年6月2日). “Volvo to Introduce Plug-In Diesel by 2012”. Fox News. 2009年6月4日閲覧。

リンク[編集]