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バレーボールネーションズリーグ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バレーボールネーションズリーグ
競技 バレーボール
開始年 2018年
主催 FIVB
参加チーム 男女とも16(2024年まで)→18(2025年から2027年まで)
前回優勝 男子: フランス
女子: イタリア
最多優勝 男子: ロシア  フランス(2回)
女子: アメリカ合衆国(3回)
公式サイト
www.volleyball.world/vnl/
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FIVBバレーボールネーションズリーグ(Volleyball Nations League)は、FIVB(国際バレーボール連盟)が2018年から開催しているバレーボール国際大会である。男子のバレーボール・ワールドリーグと女子のバレーボール・ワールドグランプリを発展的に統合した大会となる。

歴史

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2017年10月12日パリで開催されたFIVB70周年記念式典で、男子のバレーボール・ワールドリーグと女子のバレーボール・ワールドグランプリに取って代わる大会として、アリ・グラサ会長が発表した[1][2]IMGなど22の組織と提携して、オリンピックのスポーツプレゼンテーションに基づいてこれまでにないスタイルでバレーボール大会を開催すると発表。リーグ構成についても、男女とも、コアチーム12チームとチャレンジャーチーム4チームの計16チーム構成となり、該当16チームについてもそれぞれ発表された。

2018年5月15日第1回女子大会が開幕し、第1回男子大会も同25日に開幕。決勝ラウンドは、男子はフランスリールで、女子は中国南京市でそれぞれ開催され、男子はロシア、女子はアメリカ合衆国がそれぞれ初代チャンピオンとなった。また、男子はアメリカ合衆国が2019年からの3大会で決勝ラウンドを開催することとなり[3]、女子は2018年度に引き続き中国が2019、2020年度も決勝ラウンドを開催することとなった。

2019年は、男子はロシア、女子はアメリカ合衆国がともに連覇を果たした。同年10月14日、次年度とその次年度も男子決勝ラウンド開催となっていたアメリカ合衆国が独立記念日を懸念して開催を辞退したことがFIVBより発表された[4]。後の12月20日に、翌年度の決勝ラウンドはアメリカ合衆国に代わりイタリアトリノで開催されることが発表された[5]

2020年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、男女大会とも中止となった[6]

2021年、これまで予選ラウンドは5週に渡って世界各国を転戦する方式だったが、新型コロナウイルス感染症の流行を警戒し、当年度は1ヶ国の集中開催に変更した[7][8]。一方、2021年チャレンジャーカップは中止となり、2022年度も2021年度の16チームがそのまま出場することとなった[9]

2022年は男女それぞれ2プールに分かれ、それぞれ3週に渡って世界各国を転戦する方式となった(男女合計12都市で開催される)[10]。しかし、2022年3月1日、FIVBは、ロシアのウクライナ侵攻を受けて男女共にロシアの出場権を剥奪したと発表した[11]

回を重ねるにつれ、特に女子で「コアチーム」とされた韓国が「チャレンジャーチーム」よりも世界ランクで低迷し、「チャレンジャーチーム」とされたポーランドが世界ランクトップに迫り早々にオリンピック出場権を獲得する事態が起きた。このため2024年2月、FIVBなどは制度改革を発表。翌2025年以降3年間の大会では「コアチーム」と「チャレンジャーチーム」という区分けを撤廃し参加チーム数を男女2つずつ増やす一方で、大会最下位のチームを自動降格させる方式に改めるとした[12]

大会方式

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2024年まで

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初年度の2018年大会は、男女とも共通の大会形式で、予選ラウンドと決勝ラウンドの二段階方式[13]

予選ラウンド

出場16チームによる1回戦総当たり(ラウンドロビン方式)で行う。5週に渡って行い、各週4チームずつ4プールに分かれ、それぞれのプールで1回戦総当たりを行う。また、それぞれのプールにおいて所属チームのいずれかが開催国となる。5週合わせて16チームの1回戦総当たりとなる形式で行う方式である。決勝ラウンド開催国とそれ以外の上位5チームが決勝ラウンドに進出する。

チャレンジャーチーム(後述)4チームのうち最下位のチームは同年度チャレンジャーカップ優勝者と入れ替えとなり次年度大会には出場できなくなる[2][14]

なお、2024年はパリオリンピックの出場選考のための予選も兼ねており、開催国枠のフランス、2023年9月 - 10月で行われる世界予選(24カ国を8カ国×3組。各組2位までの6カ国が内定)で出場が確定した国以外で、当予選リーグ終了時の世界ランキング上位5カ国(ただし、世界予選で各大陸ごとの出場国が1カ国も確定していない場合は、その大陸の最上位国を最優先)に出場権を付与する。

決勝ラウンド

出場6チームが3チームずつの2グループに分かれて1回戦総当たりを行い、各グループ上位2チームが準決勝に進出しメダルを争う。

2025年から2027年まで

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予選ラウンド[12]

出場18チームによる1回戦総当たり(ラウンドロビン方式)で行う。3週に渡って行い、各週5日間で6チームずつ3プールに分かれ、それぞれのプールで1回戦総当たりを行う。また、それぞれのプールにおいて所属チームのいずれかが開催国となる。3週合わせて18チームの1回戦総当たりとなる形式で行う方式である。ただし1チームあたりの試合数は従前と同じ12試合(1週4試合ずつ)となる。また男子第2週と女子第3週の間に休養週が入る。

決勝ラウンド開催国とそれ以外の上位7チームが決勝トーナメントに進出する。

参加チーム

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2024年までのチーム編成

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男女とも、コアチームとチャレンジャーチームの計16チームが出場となる。

コアチームは、リーグから陥落することがないリーグ常連チームの位置づけ。チャレンジャーチームは、同チームの中で最も成績の低いチームがリーグ陥落となる。

2017年10月12日のFIVB70周年記念式典で、コアチーム12チームとチャレンジャーチーム4チームが発表された[1][2]

コアチームは以下の通りである。

2025年から2027年までのチーム編成

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2025年は、2024年に於けるコアチームとチャレンジャーチーム、男女各16チームずつが自動的に出場資格を得る。また従前通り前年チャレンジャー・カップ優勝国に出場権が与えられ、2025年限りでネーションズリーグ出場権を得ていない国の世界ランキングで最上位の国も出場できる。一方で過去の種別に関係無く、当該年の大会で最下位だったチームが翌年のチャレンジャー・カップに陥落となる[12]

歴代成績

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男子

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決勝ラウンド
開催地
優勝決定戦 3位決定戦 参加チーム
優勝 スコア 準優勝 3位 スコア 4位 予選R 決勝R
1 2018 フランスの旗
リール

ロシア
3–0
フランス

アメリカ合衆国
3–0
ブラジル
16 6
2 2019 アメリカ合衆国の旗
シカゴ

ロシア
3–1
アメリカ合衆国

ポーランド
3–0
ブラジル
16 6
2020 イタリアの旗
トリノ
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により中止
3 2021 イタリアの旗
リミニ

ブラジル
3–1
ポーランド

フランス
3–0
スロベニア
16 4
4 2022 イタリアの旗
ボローニャ

フランス
3–2
アメリカ合衆国

ポーランド
3–0
イタリア
16 8
5 2023 ポーランドの旗
グダニスク

ポーランド
3–1
アメリカ合衆国

日本
3–2
イタリア
16 8
6 2024 ポーランドの旗
ウッチ

フランス
3–1
日本

ポーランド
3–0
スロベニア
16 8

女子

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決勝ラウンド
開催地
優勝決定戦 3位決定戦 参加チーム
優勝 スコア 準優勝 3位 スコア 4位 予選R 決勝R
1 2018 中華人民共和国の旗
南京市

アメリカ合衆国
3–2
トルコ

中華人民共和国
3–0
ブラジル
16 6
2 2019 中華人民共和国の旗
南京市

アメリカ合衆国
3–2
ブラジル

中華人民共和国
3–1
トルコ
16 6
2020 中華人民共和国の旗
南京市
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により中止
3 2021 イタリアの旗
リミニ

アメリカ合衆国
3–1
ブラジル

トルコ
3–0
日本
16 4
4 2022 トルコの旗
アンカラ

イタリア
3–0
ブラジル

セルビア
3–0
トルコ
16 8
5 2023 アメリカ合衆国の旗
アーリントン

トルコ
3–1
中華人民共和国

ポーランド
3–2
アメリカ合衆国
16 8
6 2024 タイ王国の旗
バンコク

イタリア
3–1
日本

ポーランド
3–2
ブラジル
16 8

通算獲得メダル数

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男子

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順位 チーム 1位優勝 2位準優勝 3位3位
1  フランス 2 1 1 4
2  ロシア 2 0 0 2
3  ポーランド 1 1 3 5
4  ブラジル 1 0 0 1
5  アメリカ合衆国 0 3 1 4
6  日本 0 1 1 2

女子

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順位 チーム 1位優勝 2位準優勝 3位3位
1  アメリカ合衆国 3 0 0 3
2  イタリア 2 0 0 2
3  トルコ 1 1 1 3
4  ブラジル 0 3 0 3
5  中華人民共和国 0 1 2 3
6  日本 0 1 0 1
7  ポーランド 0 0 2 2
8  セルビア 0 0 1 1

年度別成績

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(チャレンジャーチームの凡例)
◎チャレンジャーカップで優勝し翌年度大会出場
○残留となったチャレンジャーチーム
▲陥落となったチャレンジャーチーム
☆コアチームとして出場した大会

男子・2024年まで

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チーム種別 チーム 2018 2019 2021 2022 2023 2024
コア  ポーランド 5位 3位 準優勝 3位 優勝 3位
 日本 12位 10位 11位 5位 3位 準優勝
 イタリア 8位 8位 10位 4位 4位 5位
 アルゼンチン 14位 7位 9位 9位 5位 6位
 フランス 準優勝 6位 3位 優勝 8位 優勝
 ブラジル 4位 4位 優勝 6位 6位 8位
 セルビア 6位 11位 6位 11位 9位 10位
 ドイツ 9位 14位 13位 12位 11位 11位
 アメリカ合衆国 3位 準優勝 7位 準優勝 準優勝 12位
 イラン 10位 5位 12位 7位 14位 15位
 ロシア 優勝 優勝 5位 - - -
チャレンジャー  スロベニア - 4位○ 10位○ 7位○ 4位
 カナダ 7位○ 9位○ 8位○ 15位○ 12位○ 7位
 キューバ - - - 13位○ 9位
 オランダ - - 14位○ 8位○ 10位○ 13位
 ブルガリア 11位○ 12位○ 15位○ 14位○ 15位○ 14位
 トルコ - - - - 16位
 中華人民共和国 15位☆ 16位☆ - 13位○ 16位▲ -
 オーストラリア 13位○ 13位○ 16位○ 16位▲ - -
 ポルトガル 15位▲ - - - -
 韓国 16位▲ - - - - -

男子・2025年から2027年まで

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チーム種別 チーム 2025
2024年から継続  アルゼンチン
 ブラジル
 ブルガリア
 カナダ
 キューバ
 フランス
 ドイツ
 イラン
 イタリア
 日本
 オランダ
 ポーランド
 スロベニア
 セルビア
 トルコ
 アメリカ合衆国
2025年以降新規 -
-

女子・2024年まで

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チーム種別 チーム 2018 2019 2021 2022 2023 2024
コア  イタリア 7位 6位 12位 優勝 6位 優勝
 日本 10位 9位 4位 7位 7位 準優勝
 ブラジル 4位 準優勝 準優勝 準優勝 5位 4位
 中華人民共和国 3位 3位 5位 6位 準優勝 5位
 トルコ 準優勝 4位 3位 4位 優勝 6位
 アメリカ合衆国 優勝 優勝 優勝 5位 4位 7位
 タイ 15位 12位 16位 8位 14位 8位
 オランダ 6位 11位 7位 11位 12位 9位
 セルビア 5位 13位 13位 3位 9位 12位
 ドイツ 11位 10位 10位 10位 8位 13位
 韓国 12位 15位 15位 16位 16位 15位
 ロシア 8位 14位 8位 - - -
チャレンジャー  ポーランド 9位○ 5位○ 11位○ 13位○ 3位○ 3位
 カナダ - 14位○ 12位○ 10位○ 10位
 ドミニカ共和国 14位○ 8位○ 6位○ 9位○ 11位○ 11位
 フランス - - - - 14位
 ブルガリア 16位▲ - 14位○ 13位○ 16位
 クロアチア - - - 15位▲ -
 ベルギー 13位○ 7位○ 9位○ 15位▲ - -
 アルゼンチン 16位▲ - - - - -

女子・2025年から2027年まで

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チーム種別 チーム 2025
2024年から継続  ブラジル
 ブルガリア
 カナダ
 中華人民共和国
 ドミニカ共和国
 フランス
 ドイツ
 イタリア
 日本
 韓国
 オランダ
 ポーランド
 セルビア
 タイ
 トルコ
 アメリカ合衆国
2025年以降新規 -
-

脚注

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出典

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  1. ^ a b "FIVB announces the Volleyball Nations League" [FIVBが新大会バレーボールネーションズリーグについて発表] (Press release) (英語). FIVB. 12 October 2017. 2019年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月18日閲覧
  2. ^ a b c 世界21カ国が参加する「バレーボールネーションズリーグ」、2018年から始動』(プレスリリース)日本バレーボール協会、2017年10月14日http://www.jva.or.jp/index.php/topics/20171014-12017年10月18日閲覧 
  3. ^ "USA TO HOST NEXT THREE EDITIONS OF MEN'S FIVB VOLLEYBALL NATIONS LEAGUE FINALS" (Press release). FIVB. 8 July 2018. 2020年8月7日閲覧
  4. ^ "FIVB OPENS BIDDING PROCESS FOR 2020 VNL MEN'S FINALS" [FIVBが2020年VNL男子決勝ラウンドの開催国募集を開始] (Press release) (英語). FIVB. 14 October 2019. 2020年8月7日閲覧
  5. ^ "TURIN CONFIRMED TO HOST THE 2020 MEN'S VNL FINALS" [2020年VNL男子決勝ラウンドのトリノ開催を承認] (Press release) (英語). FIVB. 20 December 2019. 2020年8月7日閲覧
  6. ^ "FIVB ANNOUNCES CANCELLATION OF VNL 2020" [FIVBがVNL 2020の中止を発表] (Press release) (英語). FIVB. 8 May 2020. 2020年8月7日閲覧
  7. ^ "SECURE BUBBLE CONCEPT APPROVED FOR VNL 2021" [VNL2021で承認された安全なバブル構想] (Press release) (英語). FIVB. 26 January 2021. 2021年1月28日閲覧
  8. ^ ネーションズリーグ2021 一国に全チームを集めて開催』(プレスリリース)日本バレーボール協会、2021年1月28日https://www.jva.or.jp/index.php/topics/20210128-12021年1月28日閲覧 
  9. ^ FIVB ANNOUNCES CANCELLATION OF VOLLEYBALL CHALLENGER CUP 2021” [FIVBが2021年バレーボールチャレンジャーカップの中止を発表] (英語). Volleyball Challenger Cup. FIVB (2021年4月16日). 2021年5月22日閲覧。
  10. ^ New Volleyball Nations League Format Announced”. FIVB (2021年8月13日). 2021年8月21日閲覧。
  11. ^ FIVB Declares Russia And Belarus Not Eligible For International And Continental Competitions”. FIVB (2022年3月1日). 2022年3月11日閲覧。
  12. ^ a b c "VNL to expand to 18 teams in 2025 - No relegation in 2024 and no more core and challenger teams as of next year" (Press release). Volleyball World. 13 February 2024. 2024年6月1日閲覧
  13. ^ Formula” [大会方式] (英語). Volleyball Nations League 2020. FIVB. 2020年8月7日閲覧。
  14. ^ Formula” [大会方式] (英語). FIVB Volleyball Challenger Cup 2019 - Formula. FIVB. 2020年8月7日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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