コロシアム (バンド)
コロシアム | |
---|---|
イタリア・ボルツァーノ公演(2014年) | |
基本情報 | |
出身地 | イングランド ロンドン |
ジャンル | |
活動期間 | |
レーベル | |
公式サイト | Colosseum - Barbara Thompson & Jon Hiseman |
メンバー |
クリス・ファーロウ クレム・クレムソン マーク・クラーク キム・ニシカワラ マルコム・モルティモア ニック・スティード |
旧メンバー |
ジョン・ハイズマン デイヴ・グリーンスレイド ディック・ヘクストール=スミス ジェイムス・リザーランド トニー・リーヴス ジム・ローチェ ルイス・セナモ バーバラ・トンプソン エイドリアン・アスキュー |
コロシアム[注釈 1](Colosseum)は、イングランド出身のジャズ / プログレッシブロック・バンド。
プログレ界のパイオニア的存在で、同国ドラマーのジョン・ハイズマンが率いたことで知られる。1970年代初期に解散したが、1990年代に再結成を果たし、2015年に活動停止後2020年に再始動している。
略歴
[編集]結成期(1968年 - 1971年)
[編集]1968年、ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズのアルバム『ベア・ワイアーズ(Bare Wires)』にレコーディング・メンバーとして参加していたジョン・ハイズマン、トニー・リーヴス、ディック・ヘクストール=スミスの3人と、オルガン奏者のデイヴ・グリーンスレイド、ボーカリスト兼ギタリストのジェイムス・リザーランド、ギタリストのジム・ローチェというラインナップで、「ジョン・ハイズマンズ・コロシアム」を結成。しかし、ローチェは短期間で脱退し、最終的にはリザーランドが単独でギターを担当する。そして半年後にバンド名を「コロシアム」と短縮し陣容が固まる。
1969年に第1作アルバム『コロシアム・ファースト・アルバム』をフォンタナ・レコードから発表し、全英アルバムチャートで15位を記録[2]。
同年、ヴァーティゴへ移籍して2作目のアルバム『ヴァレンタイン組曲』を発表して、再び全英15位を記録した[2]。ジュリアス・シーザー最後の3ヵ月をテーマにしたタイトル曲は高い評価を得ている。一方、アメリカのダンヒル・レコードから1970年に発売されたアルバム『グラス・イズ・グリーナー』は8曲のうち4曲がアルバム『ヴァレンタイン組曲』と重なっているが、ギター・パートはジェイムス・リザーランドに代わって加入したクレム・クレムソンがオーバー・ダビングしており、残りの4曲はクレムソンを含むラインナップで録音された[3]。なお、『グラス・イズ・グリーナー』は、2004年に『ヴァレンタイン組曲』のデラックス・エディション盤ボーナス・ディスクとして再発されている[3]。
その後、メンバーを交代させてマーク・クラーク、クリス・ファーロウらが参加して、1970年にスタジオ・アルバム『ドーター・オブ・タイム』を発表し、全英23位を記録[2]。1971年には2枚組のライブ・アルバム『コロシアム・ライヴ』が全英17位に達し[2][4]、それを最後に解散した。
第2期(1994年 - 2015年)
[編集]1994年、アルバム『コロシアム・ライヴ』のメンバーにて再結成を果たす。1997年には27年ぶりのスタジオ・アルバム『Bread & Circuses』を発表。2004年にヘクストール=スミスが亡くなり、バーバラ・トンプソンが加わった。2007年2月17日・18日にはハイズマン、クレムソン、グリーンスレイド、クラーク、ファーロウ、トンプソンのラインナップで初の日本公演(クラブチッタ川崎)を行っている[5]。
2014年、11年振りのスタジオ・アルバム『タイム・オン・アワ・サイド』を発表[6]。そして2015年2月28日のロンドン公演を最後に、コロシアムの活動を終了させることを発表し、その歴史に一旦幕を閉じた[7]。
2018年、バンドの創設者、ジョン・ハイズマンが死去[8]。
第3期(2020年 - )
[編集]2020年、ジョン・ハイズマン亡きあと残されたクリス・ファーロウ、クレム・クレムソン、マーク・クラークを中心に再始動し、いくつかの公演で演奏を行った[9]。そして2022年4月、8年ぶりとなるフルアルバム『Restoration』を発表。
2023年末、1971年に録音しながらお蔵入りしていた4thアルバム音源『Upon Tomorrow』をリリース。
メンバー
[編集]現ラインナップ
[編集]※2022年4月時点
- クレム・クレムソン (Dave "Clem" Clempson) - ギター (1969年–1971年、1994年–2015年、2020年– )
- クリス・ファーロウ (Chris Farlowe) - ボーカル (1970年–1971年、1994年–2015年、2020年– )
- 『ドーター・オブ・タイム』より参加[10]。参加前はソロ歌手としてシングル「アウト・オブ・タイム」を英国チャート1位(1966年。プロデュースはミック・ジャガー)に送り込むなどして活躍していた。最初の解散後は「アトミック・ルースター」に参加したほか、ソロ活動も再開した。
- マーク・クラーク (Mark Clarke) - ベース (1970年–1971年、1994年–2015年、2020年– )
- キム・ニシカワラ (Kim Nishikawara) - サクソフォーン (2020年– )
- マルコム・モルティモア (Malcolm Mortimore) - ドラムス (2020年– )
- ニック・スティード (Nick Steed) - キーボード (2021年– )
-
クレム・クレムソン(2011年)
-
クリス・ファーロウ(2010年)
-
マーク・クラーク(2019年)
旧メンバー
[編集]- ジョン・ハイズマン (Jon Hiseman) - ドラムス (1968年–1971年、1994年–2015年) ※2018年死去
- 結成前は「グレアム・ボンド・オーガニゼーション」(以下GBO)「ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ」(以下ブルースブレイカーズ)に所属。最初の解散後は「テンペスト」「コロシアムII」を結成。「ユナイテッド・ジャズ+ロック・アンサンブル」に参加。
- デイヴ・グリーンスレイド (Dave Greenslade) - キーボード (1968年–1971年、1994年–2015年)
- 最初の解散後は自らのバンド「グリーンスレイド」や、ソロ活動を展開。
- ディック・ヘクストール=スミス (Dick Heckstall-Smith) - サクソフォーン (1968年–1971年、1994年–2004年) ※2004年死去
- 結成前は「ブルース・インコーポレイテッド」「GBO」「ブルースブレイカーズ」に所属。解散後はソロ活動を展開し再結成にも参加したが、2004年逝去。
- ジェイムス・リザーランド (James Litherland) - ギター、ボーカル (1968年–1969年)
- 『ヴァレンタイン組曲』まで参加[11]。脱退後はジョン・ウェットンらと「モーグル・スラッシュ」を結成。息子のジェイムス・ブレイクもミュージシャンである。
- トニー・リーヴス (Tony Reeves) - ベース (1968年–1970年、サポート1999年)
- 結成前は「ブルースブレイカーズ」に所属。『グラス・イズ・グリーナー』まで参加。脱退後は「グリーンスレイド」「カーヴド・エア」に参加。
- ジム・ローチェ (Jim Roche) - ギター (1968年)
- ルイス・セナモ (Louis Cennamo) - ベース (1970年)
- バーバラ・トンプソン (Barbara Thompson) - サクソフォーン (2004年–2015年) ※2022年死去
- ゲスト参加を経て、ヘクストール=スミス逝去後に正式に加入[12]。ハイズマンの妻。
- エイドリアン・アスキュー (Adrian Askew) - キーボード (2020年–2021年)
-
ジョン・ハイズマン(2015年)
-
デイヴ・グリーンスレイド(2011年)
-
ディック・ヘクストール=スミス
-
バーバラ・トンプソン(2010年)
コロシアムII
[編集]1975年、ハイズマンやゲイリー・ムーアを中心に、コロシアムIIの冠名で編成されたフュージョン・ロック・バンド。1978年まで活動した。その結成経緯や音楽性から、一般的にコロシアムとは別グループと認識されている。詳細は「コロシアムII」を参照[13]。
ディスコグラフィ
[編集]スタジオ・アルバム
[編集]- 『コロシアム・ファースト・アルバム』 - Those Who Are About to Die Salute You (1969年)
- 『ヴァレンタイン組曲』 - Valentyne Suite (1969年)
- 『グラス・イズ・グリーナー』 - The Grass Is Greener (1970年) ※ヴァレンタイン組曲収録曲を中心に新録・再編集した北米盤
- 『ドーター・オブ・タイム』 - Daughter of Time (1970年)
- Bread & Circuses (1997年)
- Tomorrow's Blues (2003年)
- 『タイム・オン・アワ・サイド』 - Time on Our Side (2014年)
- Restoration (2022年)
- 『アポン・トゥモロウ』 - Upon Tomorrow (2023年) ※1971年に録音していた4thアルバム音源を含むコンピレーション。表題曲はジョン・ハイズマンが率いた後継グループ・テンペストで使用されていた
ライブ・アルバム
[編集]- 『コロシアム・ライヴ』 - Colosseum Live (1971年)[注釈 2]
- LiveS The Reunion Concerts 1994 (1995年)
- 『コロン 1994-リユニオン・コンサート』 - Live Cologne 1994 (2003年)
- The Complete Reunion Concert (2003年)
- 『コロシアム・ライヴ! 05』 - Live05 (2007年)
- Theme for a Reunion (2009年)
- Live At The Boston Tea Party, August 1969 (2015年)
- Live At The Montreux Jazz Festival 1969 (2020年)
- Live At Ruisrock, Turku, Finland, 1970 (2020年)
- Live At Piper Club, Rome, Italy 1971 (2020年)
- Live '71, Canterbury, Brighton & Manchester (2020年)
シングル
[編集]- "Walking in the Park" / "Those About to Die, Salute You" (1969年)
- "Walking in the Park" / "The Road She Walked Before" (1969年)
- "The Kettle" / "Plenty Hard Luck" (1969年)
- "The Daughter of Time" / "Bring Out Your Dead" (1971年)
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e Deming, Mark. Colosseum Biography, Songs & Albums - オールミュージック. 2021年12月29日閲覧。
- ^ a b c d Colosseum | Artist | Official Charts - 「Albums」をクリックすれば表示される - 2015年2月22日閲覧
- ^ a b fall2004albums.html - richieunterberger.com - 2013年6月15日閲覧
- ^ “『コロシアム・ライヴ』は、ブリティッシュロック界の最強集団コロシアムが生んだ壮絶な作品”. OKMusic (2018年2月9日). 2022年5月1日閲覧。
- ^ 英ジャズ・ロックのコロシアム、38年目の初来日が決定! - CDJournalニュース - 2013年6月15日閲覧
- ^ “コロシアム 11年ぶりの新スタジオ・アルバム『Time On Our Side』が日本でも発売に”. amass (2014年11月24日). 2018年9月26日閲覧。
- ^ “ジョン・ハイズマン、コロシアム最後のアルバム『タイム・オン・アワ・サイド』を語る<前編>”. YAMAHA (2015年1月22日). 2018年9月26日閲覧。
- ^ “コロシアムのジョン・ハイズマンが死去”. amass (2018年6月12日). 2018年9月26日閲覧。
- ^ Gracey, Ana. “BREAKING NEWS...”. 2020年9月15日閲覧。
- ^ Official Chris Farlowe Website - 「Biography」をクリックすれば確認できる
- ^ Discography - James Litherland Official Website
- ^ Colosseum : AllMusic - Biography by Mark Deming
- ^ “ジョン・ハイズマン、コロシアムIIと今後の活動を語る<後編>”. YAMAHA (2015年1月29日). 2018年9月26日閲覧。