ヴァレンタイン組曲

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ヴァレンタイン組曲
コロシアムスタジオ・アルバム
リリース
録音 1969年
ジャンル プログレッシブ・ロックジャズ・ロック
時間
レーベル ヴァーティゴ
プロデュース トニー・リーヴス、ジェリー・ブロン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 15位(イギリス[1]
  • コロシアム アルバム 年表
    コロシアム・ファースト・アルバム
    (1969年)
    ヴァレンタイン組曲
    (1969年)
    グラス・イズ・グリーナー
    (1970年)
    ドーター・オブ・タイム
    (1970年)
    テンプレートを表示

    ヴァレンタイン組曲』(原題:Valentyne Suite)は、イギリスプログレッシブ・ロックバンドコロシアム1969年に発表した2作目のスタジオ・アルバム。当時設立されたばかりのヴァーティゴが最初にリリースしたアルバムの一つで[2]、オリジナルLPのカタログ番号は「VO 1」である[2][3]

    背景[編集]

    ジャケット・デザインはマーカス・キーフによる。「The Kettle」はディック・ヘクストール=スミスジョン・ハイズマンの共作としてクレジットされているが、トニー・リーヴスは2003年のインタビューにおいて「『Elegy』と同様ジェイムス・リザーランドが作った曲で、彼の名前も記載されるべきだ」と主張している[4]。ハイズマンによれば、「Butty's Blues」では「現在ロンドンで活動している最高の若いミュージシャン何人かが提供してくれた背景に乗って、デイヴ、ジェイムス、ディックがソロを演奏した」「この楽団はニール・アードレイが指揮した」とのことだが[5]、参加した外部プレイヤーの名前はクレジットに記載されていない。

    本作を最後にリザーランドはバンドを脱退。1970年にアメリカでリリースされたアルバム『グラス・イズ・グリーナー』には本作収録曲の一部が流用されているが、ギター・パートはデイヴ・クレムソンの演奏に差し替えられ[6]、「Elegy」のボーカル・パートはリザーランドのものが残された[7]

    反響・評価[編集]

    全英アルバムチャートでは9週チャート圏内に入り、最高15位を記録した[1]。Chris Nicksonはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「このアルバムにおいて本当に楽しめるのは、バンドがブルース的な安全地帯から脱却して、よりプログレッシブ・ロック的な領域に近づいた『The Valentyne Suite』である」と評している[8]

    リマスターCD[編集]

    2004年にサンクチュアリ・ミッドラインから発売されたイギリス盤リマスターCDには、1969年11月18日にラジオ番組「John Peel's Top Gear」のために録音されたスタジオ・ライブ2曲と、『グラス・イズ・グリーナー』の全曲を収録したボーナス・ディスクが追加された[9]。なお、「John Peel's Top Gear」用のスタジオ・ライブには、バーバラ・トンプソンサックスフルートで参加している[9]。また、2005年にArcàngeloから発売された日本盤リマスターCDは、本作及び『グラス・イズ・グリーナー』の全曲が1枚のCDに収録された内容である[10]

    収録曲[編集]

    1. ザ・ケトル - "The Kettle" (Dick Heckstall-Smith, Jon Hiseman) – 4:28
    2. エレジー - "Elegy" (James Litherland) – 3:09
    3. バッティーズ・ブルース - "Butty's Blues" (J. Litherland) – 6:41
    4. ザ・マシーン・デマンズ・ア・サクリファイス - "The Machine Demands a Sacrifice" (D. Heckstall-Smith, J. Litherland, J. Hiseman, Pete Brown) – 3:53
    5. ザ・バレンタイン・スイート - "The Valentyne Suite" – 16:41
      1. a)テーマ・ワン-ジャニュアリーズ・サーチ - "Theme One - January's Search" (Dave Greenslade, J. Hiseman)
      2. b)テーマ・ツー・フェブラリーズ・バレンタイン - "Theme Two - February's Valentyne" (D. Greenslade, J. Hiseman)
      3. c)テーマ・スリー・ザ・グラス・イズ・オールウェイズ・グリーナー - "Theme Three - The Grass Is Always Greener" (D. Heckstall-Smith, J. Hiseman)

    2004年リマスターCDボーナス・トラック[編集]

    1. アーサーズ・ムスタッシュ - "Arthur's Moustache" (Tony Reeves) – 6:31
    2. ロスト・エンジェルズ - "Lost Angeles" (Chris Farlowe, D. Greenslade, D. Heckstall-Smith) – 8:37

    参加ミュージシャン[編集]

    アディショナル・ミュージシャン

    脚注[編集]

    1. ^ a b COLOSSEUM | Artist | Official Charts - 「Albums」をクリックすれば表示される
    2. ^ a b Black Sabbath FAQ: All That's Left to Know on the First Name in Metal - Martin Popoff - Googleブックス - 2014年6月12日閲覧
    3. ^ Colosseum - Valentyne Suite (Vinyl, LP, Album) at Discogs - イギリス盤LP(1969年)の情報
    4. ^ Interview with TONY REEVES | DMME.net - 2014年6月12日閲覧
    5. ^ a b ジョン・ハイズマンによるライナーノーツ(1969年7月21日、LPの中ジャケットに記載)
    6. ^ fall2004albums.html - richieunterberger.com - 2014年6月12日閲覧
    7. ^ Colosseum - The Grass Is Greener (Vinyl, LP, Album) at Discogs
    8. ^ Valentyne Suite - Colosseum | AllMusic - Review by Chris Nickson
    9. ^ a b Colosseum - Valentyne Suite (CD, Album) at Discogs - 2004年デラックス・エディション盤の情報
    10. ^ Colosseum - Valentyne Suite (CD, Album) at Discogs - 2005年日本盤リマスターCDの情報