MD 500

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
MD 500E
MD 500E操縦席

MD500は、アメリカMDヘリコプターズで製作された、民間用、軍用の軽量万能ヘリコプターである。

MD 500は、ヒューズ500 OH-6Aカイユースの民間向けとして始まった。シリーズは現在500E MD520N MD530F MDを含む。

設計と開発[編集]

ヒューズ 500 モデル369HS
ヒューズ 500 モデル369D
ノーターMD 520N

ヘリコプターとして成功したヒューズ500/MD 500シリーズは、当初米軍の軽量観測ヘリコプター開発要求に応じて設計試作が開始され、ベルヒラーとの審査を勝ち抜き、ヒューズModel 369として生産を開始した。OH-6Aカイユースとしての初飛行は、1963年2月。

ヒューズ/MD 500[編集]

OH-6最初の飛行の前に、ヒューズ社は民間向けの機体を開発していると発表を行い、そしてヒューズ500(基本的に5席と7席の構成を選択し利用できる)として市場に出した。また、より強力なエンジンによる実用の機体は500Uと呼ばれ、後に500Cとして市場に提供された。

より強力なエンジン、T型の尾翼と新しい5枚のメインローターブレードで改良されたヒューズ500Dは、1976年の主要な機種となり、4枚のテールローターブレードは選択装備であった。500Dは、機首部分を鋭利な形状としたり、いろいろな内部の改良を施され(操縦室の面積拡大など)、1982年から500Eへと生産が移行した。530Fは500Eをさらに改良した高出力仕様で、より高負荷での飛行を可能とした仕様である。

マクダネル・ダグラスは、1984年1月にヒューズ・ヘリコプターズを買収し、1985年8月から従来のヒューズ500Eを MD 500Eとして、そして、530FはMD 530Fとして製造を継続することになる。 1997年ボーイング/マクダネル・ダグラス合併により、1999年前半に民間向けのヘリコプター製造はMDヘリコプターズが継続する事になる。

軍用はMD 500 ディフェンダーと呼ばれ、供給されている。

MD 520N[編集]

MD520Nは、ヒューズ/マクダネル・ダグラスが開発した、ヘリコプター設計上の革命である従来のテールローターが不要な方式であるノーターを装備したヘリコプターである。

マクダネル・ダグラスは当初、520N(従来のMD500Eに基づき1989年1月に開始されていた)より強力でな高性能に改良された標準的なMD530Nを開発する予定であった。MD530Nの初飛行は1989年12月29日で、520Nの初飛行が1990年5月1日であったが、マクダネルダグラスはMD520Nが大部分の顧客が必要な要求を満たすと判断し、MD 530Nの開発は中止された。520Nは1991年9月13日FAA(連邦航空局)の型式証明を取得し、最初機体がその年の12月31日工場より初出荷された。

MDヘリコプターズは2000年に、改良されたRR 250-C20R+エンジンを搭載し、デュフューザとファンを強化し、外気温が高い場合にも3-5%性能が向上した520Nを発表した。

ノーターは、警察などの法執行機関にも人気がある。それは従来のテールローターに比べ騒音が低いためである。

バージョン[編集]

民間用[編集]

500
民間事業用向け仕様 369/OH-6Aエンジンアリソン 250C-18B。出力317shp(236kW)。
500C
民間事業用向けの性能向上型。エンジンはアリソン 250C-C20。出力400shp(298kW)。
500D
1976年の新しい民間事業用向け仕様。エンジンはアリソン 250-C20B。出力420shp(313kW)。
500E
機首形状を変更した最新の仕様。
NH-500E
イタリアで製作された500E。
520N
500Eにノーターを装備した機種。
530F
500Eの上位機種。エンジンはアリソン 250-C30B。出力650shp(485kW)。

軍用[編集]

軍隊向け仕様はディファンダーと呼ばれ、輸出もされている。 MD 500 ディフェンダー

500M
500MD
500MG
530MG
MD 500 ASW
ディフェンダーにソナーなどを搭載した対潜ヘリコプター型。機体下に短魚雷1基を搭載可能。
中華民国海軍スペイン海軍が採用。

運用国[編集]

警察のMD 500E
アルゼンチンの旗 アルゼンチン
アルゼンチン空軍
ベルギーの旗 ベルギー
ベルギー連邦警察[1]
チリの旗 チリ
チリ陸軍
コスタリカの旗 コスタリカ
コスタリカ空軍
フィンランドの旗 フィンランド
フィンランド陸軍 - 12機のうち8機が運用中。
クロアチアの旗 クロアチア
4機全てが退役。
エルサルバドルの旗 エルサルバドル
5機。
朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮
ハンガリーの旗 ハンガリー
ハンガリー警察
アイスランドの旗 アイスランド
アイスランド沿岸警備隊
イランの旗 イラン
日本の旗 日本
海上自衛隊 - 5機の500Eを練習機として運用中。
陸上自衛隊 - 川崎重工業ライセンス生産を行ったOH-6D(民用MD369D=MD500D)を100機以上運用中。
中華民国の旗 中華民国台湾
中華民国海軍
ケニアの旗 ケニア
メキシコの旗 メキシコ
メキシコ空軍
パナマの旗 パナマ
スペインの旗 スペイン
スペイン海軍
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国

性能・主要諸元[編集]

MD 500Eの操縦席
MD 500Eのローターヘッド

モデル 500C[編集]

  • 乗員:1-2名
  • 席数:全5席
  • 全長:30ft10in(9.4m)
  • 主回転翼直径:26ft4in(8.03m)
  • 全高:8ft2in(2.48m)
  • 空虚重量:1,088lb(493kg)
  • 最大離陸重量:2,250lb(1.157t)
  • 発動機:アリソン250-C20 ターボシャフトエンジン1基 出力 278hp(207kW)
  • 超過禁止速度:152knots(175mph, 282km/h)
  • 巡航速度:125kn(144mph, 232km/h)
  • 航続距離:335NM(605km)
  • 実用上昇限度:16,000ft(4,875m)
  • 上昇率:1,700ft/min(8.6m/s)

MD 520N[編集]

  • 乗員:1-2名
  • 席数:全5席
  • 全長:33ft2in(9.78m)
  • 主回転翼直径:27ft4in(8.33m)
  • 全高:9ft0in(2.74m)
  • 円盤面積:586.8ft²(54.5m²)
  • 空虚重量:1,636lb(742kg)
  • 最大離陸重量:3,350lb(1.52t)
  • 発動機:アリソン250-C20R ターボシャフトエンジン1基 出力 375hp(280kW)
  • 超過禁止速度:152knots(175mph, 282km/h)
  • 巡航速度:135kn(155mph, 250km/h)
  • 航続距離:267mi(429km)
  • 実用上昇限度:14,175ft(4,320m)
  • 上昇率:1,850ft/min(9.4m/s)

MD 530F[編集]

  • 乗員:1-2名
  • 席数:全5席
  • 全長:32ft7in(9.94m)
  • 主回転翼直径:27ft4in(8.33m)
  • 全高:8ft9in(2.48m)
  • 円盤面積:587.5sq ft(54.6sq m)
  • 空虚重量:1,591lb(722kg)
  • 最大離陸重量:3,100lb(1.61t)
  • 発動機:アリソン 250-C30 ターボシャフトエンジン1基 出力 375hp(280kW)
  • 超過禁止速度:152knots(175mph, 282km/h)
  • 巡航速度:135kn(155mph, 250km/h)
  • 航続距離:232nmi(267mi, 430km)
  • 実用上昇限度:18,700ft(5,700m)
  • 上昇率:2,070ft/min(10.5m/s)

関連事項[編集]

外部リンク[編集]