AXIA

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AXIAのロゴ
富士ブランドとAXIAブランドのCカセットテープ
デジタルカメラAXIA eyeplate
AXIAの音楽用CD-R

AXIA(アクシア)は、富士フイルムグループ(現・富士フイルムホールディングス)が1985年昭和60年)から2005年平成17年)まで展開していた、Cカセットテープを初めとする製品のブランドである。ブランド名の誕生と商標登録と初告知は1985年。

名前の意味はギリシャ語で「価値があるもの」(希: αξία)。のちにブランドロゴの下に「Active eXciting Innovator All for you」と併記された。

2005年12月を以ってブランド終了。これによりAXIAはブランド誕生から20年半の歴史に幕を下ろした。ブランド終了の理由としては、2000年代当時、主に若年層を中心としたコンパクトカセットミニディスク(以下MD)等のオーディオ用録音メディアの需要が著しく低迷し、iPodを筆頭とする携帯型デジタルオーディオプレーヤーが台頭・普及してきたことなどが、販売終了の背景にあるとされる。

日本国内のみのローカルブランドであり、欧米市場では従来通り、FUJIブランド(ただし最末期はFUJIFILMブランドへ回帰)で商品を展開していた。

主な製品[編集]

主にコンパクトカセットやMD、録音用CD-R / RWなどといった音響メディアを発売したが、ビデオテープ(ほぼVHS)やDAT(デジタル・オーディオ・テープ)、デジタルコンパクトカセット(DCC)、デジタルカメラポータブルオーディオなども発売された。

ブランド導入と歴史[編集]

AXIA以前[編集]

富士フイルムは日本国内で初めてビデオテープの製造に成功するなど、磁気テープでも高い技術力を有する。1960年(昭和35年)9月、東京芝浦電気(現・東芝)と提携し、オープンリール用磁気テープ「東芝―富士フイルムサウンドテープ(S-100)」を発売する。その後、自社開発となり、1968年(昭和43年)9月に富士フイルム出資で「富士オーディオ」を設立、1969年(昭和44年)に「富士フイルムカセットテープ」でカセットテープ市場に進出する。1979年(昭和54年)12月に「富士オーディオ」から「富士マグネテープ」に社名変更。「FUJI CASSETTE」ブランドとなり、1980年(昭和55年)5月にはテレビコマーシャルに当時、若者に絶大な人気を誇っていたイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)を起用したり、1983年(昭和58年)にカセットハーフに耐熱樹脂を使用した世界初のカーステレオ専用ノーマルポジション(TYPE-I)用カセットテープ「FUJI GT-I」を発売する[1]など、話題を呼んだこともあったが[2]、先行する大手3社(TDKソニー日立マクセル〈現・マクセルホールディングス〉)と比べ、カセットハーフ(紙ラベルを全面に貼り付け等)やパッケージの意匠などで後れを取り、販売は低迷を続けていた。

AXIAブランドの誕生[編集]

同社の市場調査の結果、オーディオマニアやカセットテープユーザーの「FUJI」カセットテープへの総合面での評価や認知度は至って低く、ブランドイメージの再興や上位3社からの切り替えは困難と見られた。そこで日本国内における「FUJI」ブランドを順次止め、新ブランドの「AXIA」に切り替えての再出発を決断し、1985年(昭和60年)5月に最初の商品を発売した。当初のラインアップは主力の「PS」(Player's Spirits/PS-I、PS-II、PS-Is、PS-IIs)、FUJIブランドでも好評だったカーステレオ用「GT-I、GT-II、GT-Ix、GT-IIx」、低価格商品の「JP」(Junior Player/JP、JP-1)[3] の3種類だった[4]。ターゲットをオーディオテープを使い出す(ブランド志向がまだ薄い)中学生に絞り、徹底したユーザー調査を実施。全体が半透明のシースルー・カセットハーフやカジュアルなパッケージの意匠等を採用したり、イメージキャラクターにデビュー間もない斉藤由貴を起用したのも、当時の中学生や高校生からの高い支持による。これらの効果に加え、元来の高品質も評価され、それまで5パーセント前後であった市場シェアが20パーセント台にまで上昇し、他社と肩を並べるまでに成長した。

1989年平成元年)9月に、高度な樹脂成形技術を用いて従来のケースよりも外寸の厚みを約20パーセント薄くした独自の「スリムケース」を開発し、主力製品の「PS」シリーズに採用。当時ヘッドホンステレオとカセットテープを持ち歩いて使用していたユーザーニーズを掴み爆発的なヒットを記録した。競合他社も一部の高級商品を除き、同等の薄さのケースを独自に開発して追従。数年で標準的なカセットケースのサイズがこのスリムケースサイズに置き換わった。「AXIA」のスリムケースは当初、それまでのケースとは反対にヘッドタッチ部分を外側にして収納する構造だったため、出し入れ時にテープに直接指が触れてしまう恐れがあったが、1996年(平成8年)に「どっちでもIN」のキャッチフレーズがついたイージー・イン・スリムケースを開発することでこの問題を解消した。9 1989年(平成元年)4月、ビデオテープにも「AXIA」ブランドを導入(「DCシリーズ」(DC Hi-Fi、S-VHS DCなど)。「FUJI」ブランドと併用)。映像記録に適した特性を持つ磁性体を上層に、音声記録に適した磁性体を下層に塗り重ねる「ダブルコーティング」技術を開発。「AXIA」ブランドのコンパクトカセット、および「FUJI」ブランドのビデオテープやメタルポジション用を除く一部のノーマルポジション(IEC TYPEI)用、およびハイポジション(IEC TYPEII)用のコンパクトカセットにも転用した。尤も、コンパクトカセットの場合は下層部には中・低域に適した磁性体を、上層部には高域に適した磁性体を重ねていた。なお、ビデオテープのCMにはロック歌手矢沢永吉を起用した(一方、「FUJI」ブランドのビデオテープのCMにはお笑いコンビのとんねるずが起用されていた)。こうしたAXIAダブルコーティングビデオカセットはバンダイビジュアルの映像ソフト(主にテレビシリーズのうる星やつらめぞん一刻機動警察パトレイバーシリーズ等)に採用されていた。ちなみに機動警察パトレイバーの初期OVAシリーズ(※現在で云う所の「アーリーデイズ」)のレンタル版とセル版VHSソフトに、アニメーションAパートとBパートの間に当時のAXIA PS-IIxシリーズのパトレイバーオリジナルアニメーションCM(35秒)が挿入されている。この「AXIA PS-IIxオリジナルCM」を挿入する事によって当時一般的に高価格だったVHSソフト(1本当り1万円前後)を広告料による相乗効果からもたらされた結果、4800円台の価格まで下げたと同時に若者層へのAXIAブランドの認知効果に寄与した。

1993年(平成5年)10月に「富士マグネテープ」から「富士フイルムアクシア」に社名変更。

カメラへの進出[編集]

2001年(平成13年)4月に低価格トイデジカメ「IX-1」を発売する。以降低価格デジカメシリーズを販売。

2002年(平成14年)4月に発売した「eyeplate」は当時、価格競争が激しくなりつつあったとは言え、数万円以上はしたデジタルカメラ市場にあって、実売価格が約一万円と言う値段設定で話題を呼び、後継機種「eyeplate mega」も販売された。

同時期、富士フイルムバッテリーと合併、富士フイルムアクシアを存続会社とした。

AXIAブランドの終焉[編集]

2004年(平成16年)10月に富士フイルムイメージングに吸収された後は新製品の投入が一切無く[5]、2005年(平成17年)12月までにAXIAブランドの廃止、およびカセットテープ・ビデオテープ等の音声・映像記録用磁気テープメディアの生産終了・撤退を皮切りに、2006年(平成18年)12月を以ってFUJIFILMブランド(旧・FUJIブランド)の音声記録・映像記録等のコンシューマー(一般消費者)向け各種記録用メディア製品と共に全ての記録用メディア製品の生産を完了した。これにより、1960年(昭和35年)より展開していた富士フイルムのコンシューマー向け記録メディア事業部は名実共に46年の歴史に幕を下ろした。その後、富士フイルムイメージングも最終的に富士フイルムに吸収され、日本国内での家庭用磁気記録メディア市場からは「FUJI」ブランドを含め、完全撤退した。なお、家庭用磁気記録メディア撤退後も富士フイルムは業務用向けコンピュータデータ用の各種記録メディア製品は数年間継続生産していたが、2021年令和3年)現在は生産継続中のLTOデータカートリッジを除き、ほぼ撤退している。

オーディション[編集]

富士フイルムアクシアは、AXIAミュージックオーディション(後年はAXIAアーティストオーディション)を何度か行っていた。クレヨン社福山芳樹槇原敬之SURFACEなどがこのオーディションに応募し、メジャーデビューするきっかけとなった。

CMキャラクター[編集]

カセットテープ[編集]

MD[編集]

ビデオテープ[編集]

参考文献[編集]

[編集]

  1. ^ その後、1984年(昭和59年)にはハイポジション(TYPE-II)用の「FUJI GT-II」も追加された。
  2. ^ このほか、1981年(昭和56年)から1984年(昭和59年)にかけて、大手音響機器メーカーのパイオニア(ホームAV機器事業部。現・オンキヨーホームエンターテイメント)へ音楽録音用カセットテープのOEM供給をしたこともあった。
  3. ^ 従来、FUJIブランドで発売されていた「DR」の事実上の後継にあたる製品。
  4. ^ 当初、AXIAブランドのカセットテープにはメタルポジション(IEC TYPE-IV)用の製品が含まれておらず、当面の間FUJIブランドで継続販売していたが、1986年(昭和61年)11月に「Master」シリーズのメタルポジション用テープ「XD-Master」が発売されたことにより、ようやくAXIAブランドに合流し、1988年(昭和63年)11月には「PS」シリーズにもメタルポジション用テープ「PS-IVx」が追加発売された。
  5. ^ ただし、FUJIFILMブランドではこの期間内に新製品の投入あり。

関連項目[編集]