吉都線
吉都線 | |||
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基本情報 | |||
通称 | えびの高原線 | ||
国 | 日本 | ||
所在地 | 鹿児島県、宮崎県 | ||
種類 | 普通鉄道(在来線・地方交通線) | ||
起点 | 吉松駅 | ||
終点 | 都城駅 | ||
駅数 | 17駅 | ||
電報略号 | キチセ[1] | ||
開業 | 1912年10月1日 | ||
所有者 | 九州旅客鉄道(JR九州) | ||
運営者 | 九州旅客鉄道 | ||
使用車両 | 運行形態の節を参照 | ||
路線諸元 | |||
路線距離 | 61.6 km | ||
軌間 | 1,067 mm | ||
線路数 | 全線単線 | ||
電化方式 | 全線非電化 | ||
閉塞方式 | 特殊自動閉塞式(電子符号照査式) | ||
保安装置 | ATS-SK | ||
最高速度 | 85 km/h[2] | ||
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停車場・施設・接続路線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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吉都線(きっとせん)は、鹿児島県姶良郡湧水町の吉松駅から宮崎県都城市の都城駅に至る九州旅客鉄道(JR九州)の鉄道路線(地方交通線)である。肥薩線八代駅 - 吉松駅間と合わせて「えびの高原線」の愛称が付けられている。
概要
霧島山の北東側を廻り宮崎県西部のえびの市・小林市と南部の都城市、そして県都宮崎市および鹿児島を結んでいる。都城 - 隼人間が現在の経路で開通するまでは、こちらが日豊本線だった時期がある。また、1974年から1980年まで博多 - 宮崎間の特急「おおよど」、1959年から2000年まで熊本 - 宮崎間に急行「えびの」(当初は準急だった。一時期は博多にも直通していた)が経由し、肥薩線とともに中九州と南九州を結ぶ役割を持っていた。
山岳部を走る路線としては珍しく、この路線にはトンネルが一つもない。
2008年度分の統計によれば、吉都線の輸送密度は576人/日であり、JR九州の路線のうちで最下位である[3]。この輸送密度は、国鉄改革の際に廃止された特定地方交通線に選定される水準である。当線は国鉄時代から特定地方交通線なみの輸送密度だったが、「平均乗車キロが30kmを超え、輸送密度が1,000人/日以上」という例外規定に該当したため[4]、第3次廃止対象特定地方交通線からは除外されていた。
2018年12月25日から2019年4月30日まで、縁起の良い梅やだるま、招き猫などを車体にあしらった「キット、願いかなう」ラッピング列車が運行された。デザインは沿線の小林高校美術部が担当、ネスレ日本(神戸市)の協力を得て、チョコレート菓子「キットカット」とのコラボレーション企画も実施された[5][6]。
路線データ
- 管轄(事業種別):九州旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 路線距離(営業キロ):61.6km
- 軌間:1067mm
- 駅数:17(起終点駅含む)
- 吉都線所属駅に限定した場合、起終点駅(吉松駅は肥薩線、都城駅は日豊本線の所属[7])が除外され、15駅となる。
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 最高速度:85km/h[2]
- 閉塞方式:特殊自動閉塞式(電子符号照査式)
全線が鹿児島支社の管轄である。
運行形態
1日に9往復の普通列車が運転されており、日中は3時間以上間隔が開く。優等列車の運転はなくなり、全列車ワンマン運転の普通列車となっている。2016年3月25日までは、早朝の一部の列車は車掌が乗務していた。 すべての列車が全線を通して運転されており、一部の列車は都城駅から日豊本線に直通して宮崎駅まで、吉松駅から肥薩線に直通して隼人駅・鹿児島中央駅まで運転される。 2012年4月から、日中に線路修繕工事を実施するため、8月を除く毎月第2水曜日の一部列車が運休となる。それに伴うバスやタクシーによる代行輸送は実施されない[8]。2019年度の修繕工事のための運休は4日の予定である[9]。
列車利用促進のため、宮崎県では平日チャーター補助制度を実施し、「海幸山幸」および「はやとの風」(「はやとの風」は吉都線を利用する場合に限る)専用車両を平日に貸し切り、団体専用列車を運行する場合に補助金を交付している[10]。
使用車両
車両はほとんどキハ40系が使用されており、キハ125形やキハ200系は使用されたことがない。車両は鹿児島車両センターおよび宮崎車両センターから日中に送り込まれ、吉松駅と都城駅構内に留置されて運用される。
過去の使用車両
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歴史
当時、鹿児島本線の駅だった吉松駅から分岐して、吉松 - 小林町(現在の小林)間が宮崎線として1912年に開業したのが始まり。翌1913年、現在の吉都線の区間である都城駅まで開通した。宮崎線はさらに宮崎、重岡方面へ延伸され豊州本線と繋がり日豊本線となったが、都城 - 隼人間が1932年に開通してそちらが日豊本線となり、吉松 - 都城間が吉都線となった。
- 1912年(大正元年)10月1日 【開業】宮崎線 吉松 - 小林町 【駅新設】京町、加久藤、飯野、小林町
- 1913年(大正2年)5月11日 【延伸開業】小林町 - 谷頭 【駅新設】高原、高崎新田、谷頭
- 1913年(大正2年)10月8日 【延伸開業】谷頭 - 都城(現在の吉都線が全通) 【駅新設】都城
- 1916年(大正5年)10月25日 宮崎線 吉松 - 宮崎間 全通
- 1917年(大正6年)9月21日 【線名改称】宮崎本線
- 1923年(大正12年)12月15日 【線名改称】日豊本線(小倉 - 吉松間全通により)
- 1929年(昭和4年)2月1日 【駅新設】西小林
- 1932年(昭和7年)12月6日 【路線分離】吉都線 都城 - 吉松(現行の日豊本線ルート開業により)
- 1947年(昭和22年)3月1日 【駅新設】万ケ塚、日向前田
- 1951年(昭和26年)3月1日 【駅名改称】小林町→小林
- 1952年(昭和27年)4月15日 【駅新設】日向庄内
- 1957年(昭和32年)7月5日 【駅新設】上江
- 1958年(昭和33年)2月1日 【駅新設】鶴丸
- 1959年(昭和34年)5月1日 準急「えびの」(熊本 - 宮崎)運転開始
- 1961年(昭和36年)10月1日 【駅新設】広原
- 1962年(昭和37年)2月15日 準急「からくに」(出水 - 宮崎、山野線経由)運転開始
- 1963年(昭和38年)12月1日 【駅新設】東高崎
- 1966年(昭和41年)3月5日 準急「えびの」「からくに」急行格上げ
- 1968年(昭和43年)2月21日 えびの地震により、線路、鉄橋が破壊される。29日復旧。
- 1974年(昭和49年)4月25日 特急「おおよど」(博多 - 宮崎)運転開始
- 1980年(昭和55年)10月1日 特急「おおよど」廃止
- 1985年(昭和60年)3月14日 【無人化】西小林、万ヶ塚
- 1986年(昭和61年)11月1日 【無人化】京町、飯野、加久藤、高原、高崎新田、谷頭(電子閉塞装置導入のため)
- 1987年(昭和62年)4月1日【貨物営業廃止】全線 【承継】九州旅客鉄道
- 1990年(平成2年)11月1日 【駅名改称】飯野→えびの飯野、上江→えびの上江、加久藤→えびの、京町→京町温泉[11]
- 1993年(平成5年)
- 2000年(平成12年)3月11日 急行「えびの」廃止
- 2009年(平成21年)3月7日 第二長江川橋梁切り替え
- 2011年(平成23年)1月26日-28日・2月1日 霧島山新燃岳噴火による被災のため、全線で運転見合わせ
- 2016年(平成28年)3月26日 車掌乗務廃止、全列車ワンマン化
- 2018年(平成30年)12月25日 ネスレ日本の協力で、小林高校美術部がデザインした「キット、願いかなう」吉都線ラッピング列車が2019年4月30日まで運行される[5][6]。
- 2019年(令和元年)
駅一覧
- 全列車普通列車(すべての駅に停車)
- 線路(全線単線) … ◇・∨・∧:列車交換可、|:列車交換不可
駅名 | 駅間 営業キロ |
累計 営業キロ |
接続路線 | 線路 | 所在地 | |
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吉松駅 | - | 0.0 | 九州旅客鉄道:肥薩線(隼人方面へ直通あり) | ∨ | 鹿児島県 姶良郡湧水町 | |
鶴丸駅 | 2.6 | 2.6 | | | |||
京町温泉駅 | 2.4 | 5.0 | | | 宮崎県 | えびの市 | |
えびの駅 | 4.6 | 9.6 | ◇ | |||
えびの上江駅 | 3.4 | 13.0 | | | |||
えびの飯野駅 | 2.0 | 15.0 | ◇ | |||
西小林駅 | 5.6 | 20.6 | | | 小林市 | ||
小林駅 | 6.2 | 26.8 | ◇ | |||
広原駅 | 4.0 | 30.8 | | | 西諸県郡 高原町 | ||
高原駅 | 4.0 | 34.8 | ◇ | |||
日向前田駅 | 4.6 | 39.4 | | | 都城市 | ||
高崎新田駅 | 4.4 | 43.8 | ◇ | |||
東高崎駅 | 4.3 | 48.1 | | | |||
万ケ塚駅 | 2.9 | 51.0 | | | |||
谷頭駅 | 3.5 | 54.5 | ◇ | |||
日向庄内駅 | 3.0 | 57.5 | | | |||
都城駅 | 4.1 | 61.6 | 九州旅客鉄道:日豊本線 | ∧ |
上記以外の駅は無人駅である。
輸送実績
平均通過人員(輸送密度)、旅客運輸収入は以下の通り。
年度 | 平均通過人員(人/日) | 旅客運輸収入 (百万円/年) |
出典 |
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全区間(吉松 - 都城) | |||
1987年度 | 1,518 | - | |
2016年度 | 466 | 83 | [20] |
2017年度 | 474 | 87 | [21] |
2018年度 | 465 | 80 | [22] |
脚注
- ^ 日本国有鉄道電気局『鉄道電報略号』1959年9月17日、24頁。
- ^ a b FACt SHEETS 2017 - JR九州
- ^ 梅原淳「国内鉄道全路線の収支実態」『鉄道完全解明2011』(週刊東洋経済臨時増刊、2011年7月8日)
- ^ 鉄道ジャーナル1984年11月号NO.213の131頁
- ^ a b JR吉都線ラッピング列車【運行は終了しました】 - 都城市、2019年7月7日閲覧
- ^ a b 吉都線に「キットカット」列車 JR九州 - 日本経済新聞、2018年12月25日
- ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
- ^ 列車運休について (PDF) [リンク切れ] - 九州旅客鉄道
- ^ “列車運休について” (pdf). 九州旅客鉄道. 2019年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。
- ^ “平日チャーター補助制度”. ぽっぽやみやざき. 宮崎県鉄道整備促進期成同盟会事務局. 2019年11月3日閲覧。
- ^ “来月1日から6駅名を変更 JR九州”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1990年10月9日)
- ^ “九州・西中国地方大雨、各地に被害” 読売新聞 (読売新聞西部本社) 12頁 (1993年6月14日 夕刊)
- ^ a b “吉都線で築堤崩壊など”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1993年6月4日)
- ^ a b “吉都線吉松-都城間1週間ぶり運転再開”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1993年8月16日)
- ^ 九州南部の大雨、JR吉都線で土砂流出 バス輸送を実施 復旧には時間を要する見込み - 乗りものニュース、2019年7月4日
- ^ JR九州、吉都線で代行バス開始 線路下の土流出で - 日本経済新聞、2019年7月8日
- ^ 大雨で土砂流出のJR吉都線、バス代行輸送は「当分の間」に変更 土休日も実施 - 乗りものニュース、2019年7月4日
- ^ 当初7月19日までの平日に運行し、その後は復旧作業の状況などを踏まえ発表するとされたが、土休日含め当分の間実施に変更[17]。
- ^ 「吉都線 1カ月ぶり再開」『Miyanichi e-press (宮崎日日新聞)』宮崎日日新聞社、2019年8月2日。2019年8月4日閲覧。
- ^ “交通・営業データ”. 九州旅客鉄道. 2017年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。
- ^ “交通・営業データ”. 九州旅客鉄道. 2019年7月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。
- ^ “線区別ご利用状況”. 九州旅客鉄道. 2019年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。
参考文献
- 週刊歴史でめぐる鉄道全路線国鉄・JR02「肥薩線/吉都線/三角線」 朝日新聞出版 2009年