電線

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電線(でんせん)とは、金属などの導体を線状に引き伸ばし、2つの地点間をつなぎ、電気を伝導するためのものである。絶縁・保護のための被覆付きと被覆が付かないものがある。 また、有線電気通信で送信の場所と受信の場所との間の線条その他の導体を利用して、電磁的方式により信号を行うことを含む通信を行うためのものである。[1]

屋内配線用のEMケーブルの例[2]

使用の歴史[編集]

日本での電線使用は、1887年(明治20年)、既に完成していた第1電灯局に続き東京電灯第2電灯局が完成し架空電線による電力の供給が始まった際と言われ、当初人々は扇を広げて電線の下を潜ったといわれている。

電力用[編集]

電力を供給するために使用される電線。

裸電線[編集]

裸電線とは、被覆がなく導体がそのままむき出しになっているもの。多くの使用環境で空気による空間絶縁体となる。

Optical Ground Wire

絶縁電線[編集]

絶縁電線とは、導体絶縁体で覆われているもの。

  • 高圧配電線
    • 屋外用架橋ポリエチレン絶縁電線(OC : Outdoor Crosslinked polyethylene)
    • 屋外用ポリエチレン絶縁電線(OE : Outdoor polyethylene)
  • 高圧引込線
    • 高圧引下用架橋ポリエチレン絶縁電線(PDC : Plane transformer Drop wire Crosslinked polyethylene)
    • 高圧引下用エチレンプロピレンゴム絶縁電線(PDP : Plane transformer Drop wire ethylene Polyethylene rubber)
  • 低圧架空電線
    • 屋外用ビニル絶縁電線(OW : Outdoor Weatherproof)
  • 低圧引込線
    • 引込用ビニル絶縁電線(DV : Drop wire PVC)
  • 屋内配線
    • 600Vビニル絶縁電線(IV : Indoor PVC)
    • 600V2種ビニル絶縁電線(HIV : Heat resistant Indoor PVC):耐熱被覆のもの。
  • 電力機器
    • けい素ゴム絶縁ガラス編組絶縁電線(KGB : Glass fiber Braid):耐熱性。
    • ネオン管用ビニル絶縁電線(NV : Neon PVC)
    • 1000V蛍光放電灯用ビニル絶縁電線(100V FLV : Fluorescent Lamp PVC)

ケーブル[編集]

ケーブルとは、一般に、導体絶縁体と保護被覆とで覆われているものをいう。

線の数により、単芯、2芯、3芯などがある。

  • 地中電線路用
    • OFケーブル(Oil Filled)
    • 高圧架橋ポリエチレン電力ケーブル
    • 架橋ポリエチレン電力ケーブル
    • コルゲートケーブル : 直接埋設用。
  • 屋内配線
    • ビニル絶縁ビニルシースケーブル(VV : PVC PVC)
      • 丸型(VV-R : VV Round)
      • 平型(VV-F : VV Flat)
    • 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV : Crosslinked polyethylene PVC)
      • デュプレックス型(CVD):2本の芯線(熱源である導体)が独立して絶縁・保護されているため、CVの2芯より許容電流が高い。
      • トリプレックス型(CVT):3本の芯線(熱源である導体)が独立して絶縁・保護されているため、CVの3芯より許容電流が高い。
      • カドラレックス型(CVQ):4本の芯線(熱源である導体)が独立して絶縁・保護されているため、CVの4芯より許容電流が高い。
    • 分岐付ケーブル(ブランチケーブル)
    • ユニットケーブル
  • 消防設備用
    • 耐火ケーブル(FP-C : Fire Proof Conduit):消防設備の電力供給用。30分通電。
    • 耐熱ケーブル(HP : Heat Proof):消防設備の小勢力回路用。15分通電。
  • 制御回路
    • 制御用ケーブル(CVV : Control PVC PVC)
  • 電力機器
    • キャブタイヤケーブル : 移動機器の電源供給用。
    • エレベータ用ケーブル : エレベータの電源供給用。荷重や繰り返しの変形に特に強くなっている。
  • 高温箇所・船舶
    • 無機絶縁ケーブル(MI : Mineral Insulation):保護銅管と各導体を耐熱性の高い無機絶縁物で絶縁したもの。
  • アンダーカーペット配線用
    • フラットケーブル

コード[編集]

小型電気製品をコンセントにつないで使用されるもの。

  • ゴム絶縁袋打コード(FF : Flexible)
  • ビニル平型コード(VFF :PVC Flexible Flat)

電気機器用[編集]

主に電気機器の内部配線に使用する電線。

線材の形状による分類[編集]

単線 
1本の導体を使用している。曲げた形状を保持しやすい。細いものはワイヤラッピングに使われる。
撚線(よりせん) 
複数の細い導体をまとめて被覆した電線。単線よりも柔軟性がある。
撚対線(よりついせん) 
2本の被覆電線を撚り合わせたもの。ツイストペアケーブルとも呼ばれる。
シールド線 
状のシールド線とアルミ箔で覆った撚線を芯線とする同軸ケーブル
心線の周りを静電シールドで覆った構造のもの。心線には、単心・多心・ツイストペアケーブルなどがある。シールドにはバラ線のもの、編組したもの、アルミテープ巻きのものなどがある。単心のシールド線において特性インピーダンスを規定したものは同軸ケーブルと呼ばれる。心線は芯線とも書かれる。
フラットケーブル
被覆線を同一ピッチで複数本ならべて、融着した形状の線材。カラーコードで1本ずつ色を変えてあるもの、5本毎などに色の変えてあるものなどがある。圧接型コネクタを使って、一度に配線することが可能である。
フラットケーブルとコネクタ

フレキシブルフラットケーブル(FFC)
平板型の導体を複数本並べて被覆した、リボン状の線材。可動部分や、狭い場所に使用する。
フレキシブルフラットケーブル

導体の材質による分類[編集]

被覆による分類[編集]

  • エナメル線・ホルマル線: 単線の銅線に樹脂塗料を塗布して絶縁した電線。古くはいわゆるエナメル塗料を使ったためエナメル線と言った。ホルマルはformalで、被覆材料のPolyvinyl Formalから来ている。近年はポリウレタンなどが使われ、それら樹脂名を直接冠して言われたりもする。コイル、トランス等に用いられる。
  • ビニール線(ビニール被覆電線): 単線またはより線にビニールの被覆を施して絶縁した電線。
  • 近年の被覆材料

通信用[編集]

有線通信を行う電線は電磁的方式(電気だけでなく光などの電磁波)により信号を行うための導体である[疑問点 ]通信用ケーブルとは、光ファイバー並びに光ファイバー以外の絶縁物及び保護物で被覆されている電線である。

  • 光ケーブル : を伝導するもの。
  • ツイストペアケーブル
    • 市内線路用ツイストペアケーブル
      • ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CPEV)
      • ポリエチレン絶縁ポリエチレンシースケーブル(CPEE)
      • ポリエチレン絶縁(LAP)シースケーブル(CCP)
      • 発泡ポリエチレン絶縁(LAP)シースケーブル(PEC)
    • UTPケーブル(LAN、電話など)
  • 同軸ケーブル
    伝送線路の一で、高周波電力を伝えるための不平衡な給電線の一種である。50Ωや75Ωなどの特性インピーダンスを持つように、寸法や材質が設計・選択されている。
    • CATV用同軸ケーブル
    • テレビ受信用同軸ケーブル
    • FMラジオ受信用同軸ケーブル
    • 各種無線通信業務無線アマチュア無線など)用同軸ケーブル
    • 漏洩同軸ケーブル 一種のアンテナとして利用する。鉄道や自動車のトンネル内でもケータイが使えるのはこのお陰である。
  • 平行二線式フィーダ
    伝送線路の一つである。製造コストが安く、作るのも伝送線路としては簡単である。一定の特性インピーダンスを持つように、寸法や材質が設計・選択されている。同軸ケーブルより特性インピーダンスは高くなる。市販品で一般的な特性インピーダンスは 200Ω、300Ω、450Ωなどでアンテナに合わせて用意されている。
    • かつてはテレビ受像機とアンテナを接続するのにつかわれた。
    • 各種無線通信(業務無線、アマチュア無線など)用フィーダ線(アマチュア無線でははしごフィーダが自作されることがある)

その他の分類[編集]

  • 輸送機器用電線
  • 振動・擦れ磨耗・高温・低温・油脂・風雨などに強いものが用意されている。
  • EM電線・ケーブル
    カドミウム・鉛・ハロゲン元素などの有害物質を含まず、耐熱性の高いもの。
  • マグネットワイヤ
    電動機発電機変圧器電磁石等で、磁気を使用した機器の巻線に使われるポリウレタン被覆線やエナメル線の総称。

電線メーカー[編集]

海外[編集]

国内[編集]

電線工業の業界団体である日本電線工業会によると、日本での電線製造企業の総数は400程度と推定されている。 そのうち、次の6社が業界大手である。

なお、これら6社の持っていた高圧電力ケーブル事業/建設・電販市場ケーブル事業については、アライアンスにより次の6社に統合されている。

<高圧電力ケーブル事業>

<建設・電販市場ケーブル事業>

大手6社以外の電線メーカーの一覧

脚注[編集]

  1. ^ 有線電気通信設備令第1条
  2. ^ EM:エコマテリアル(Eco-Material)の略”. 日本電線工業会. 2009年11月27日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]