電線管

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電線管により施工された工事(左:PF管、右:金属管)

電線管(でんせんかん)は、電線を収める金属製あるいは合成樹脂製の管(パイプ)。ケーブル工事においては外装を保護する保護管として用いられる。

概要[編集]

電線管は、電力に用いられる「電線」を収納し、保護する役割をしている。ここでの「電線」は電力を扱う電線で、絶縁層のみで保護層がないものを指す。保護層があるものや弱電の電線は「ケーブル」という扱いとなり、同じ管であっても「保護管」となる。(一般的な語の使い分けではないが、内線規程等ではこのような使い分けがされている)

電線管の役割[編集]

  • 電線類の物理的な保護
  • 収容電線類の絶縁性能が悪化しても外部への漏電の影響を低減する
  • 金属製電線管路は電磁遮へい効果があり、環境の磁界強度を減少できる
  • 電線からの火災拡大の防止、火災時の電線類の保護(耐燃性のないものを除く)
  • 電線類を隠し美観性を保つ
  • 隠ぺい配線における電線類の入れ替え等、メンテナンスを容易にする

種類[編集]

金属製電線管[編集]

厚鋼電線管(G36)の管口。ねじをきってある
ねじなし電線管(E25)の管口。ねじがない

金属製の電線管(鋼管)で、鋼製電線管あるいは金属管とも呼ばれる。屋外・屋内問わず広く利用されている。可とう性がない(管を容易に曲げる事ができない)ことから、配管の曲げをつくるには配管用ベンダ(配管用工具の一種)を利用するなどして金属製電線管そのものを曲げるか、あらかじめ曲げてある配管付属品を使用する。JIS C 8305で規格化されており、次の三種類がある。

厚鋼電線管(あつこうでんせんかん)
金属製電線管のうち管の肉厚が厚いもの。機械的強度に優れており、主に屋外や工場内の金属管工事に使用される。G管ともいう。
薄鋼電線管(うすこうでんせんかん)
金属製電線管のうち管の肉厚が薄いもの。屋内の金属管工事に使用されることが多い。C管ともいう。
ねじなし電線管
厚鋼・薄鋼電線管とは異なり管端にねじが切られていないもの。薄鋼電線管よりも管の肉厚が薄いため、管を通す電線の本数も増やすことができる。E管ともいう。

厚鋼電線管、薄鋼電線管とも管の両端にねじを切り、電線管やアウトレットボックスプルボックスなどと接続できるようになっている。電線管との接続には専用のカップリングを用い、種々のボックスとの接続にはボックスコネクタロックナットなどを利用して固定する。 ねじなし電線管は専用のカップリングやボックスコネクタが存在し、電線管同士の接続やボックス類との接続の際に、管にねじを切って接続するという工法に比べ、省力化が期待できる。

電線管は、サドルなどの金具を用いて既設物に固定する。また固定用の金具(「ダクターチャンネル」や「Eハンガー」等)を利用することでより自由度の高い配管工事が出来る。

可とう管[編集]

金属製電線管とは異なり、管を自由に曲げることができる(可とう性がある)。分電盤から機器の付近まで金属管を使用して配管し、機器に接続する際に可とう管を使用する。材質により次の二種類がある。可撓管(「撓」は、曲げる、たわむの意)。

合成樹脂製可とう電線管
単に「可とう管」とも呼ばれる。JIS C 8411で規格化されており、細分すると次の二種類がある。
PF管(Plastic Flexible conduit、ピーエフかん)
耐燃性のある合成樹脂管で、単層のPFSと複層のPFDがある。
屋外での露出配管、家屋の隠蔽配管などに利用される。
CD管(Combined Duct、シーディーかん)
耐燃性のない合成樹脂管。管の色をオレンジ色に着色してPF管と区別する(電線管としての使用には制限がある)。
PF管より単価が安く主にコンクリート埋設用として利用される。
 2種金属製可とう電線管
金属製可とう電線管
JIS C 8309で規格化されている2種金属製可とう電線管や、厚鋼電線管のサイズのもの(KICなど)がある。

その他[編集]

硬質ビニル電線管
JIS C 8430で規格化されている。一般に用いられるVE管と、耐衝撃性のあるHIVE管がある。
ケーブル保護用合成樹脂被覆鋼管
JIS C 8380で規格化されている。PLP管ともいう。
波付硬質合成樹脂管
地中埋設用の配管。FEP管ともいう。JIS C3653「電力用ケーブルの地中埋設の施工方法」に規格がある。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 『電気工事士手帳 2006年版』オーム社、2005年。

外部リンク[編集]