竜飛崎


龍飛崎(たっぴざき)[1]は、青森県東津軽郡外ヶ浜町三厩龍浜にある津軽海峡に突き出た岬。津軽半島の最北端に位置する[2]。津軽国定公園の一部[2]。
概要[編集]
名前はアイヌ語のタム・パ(tam-pa 刀の上端)からの転訛(てんか)で、「突き出た地」の意味だという説があり、タムパを"龍が飛ぶ"と当て字したといわれている[3]。表記には「竜/龍」及び「崎/埼/岬」という揺らぎがあり、竜飛埼、龍飛岬(たっぴみさき)などとも言われる。
先端には龍飛埼灯台がある[2]。灯台周辺は遊歩道が整備され、天気のよい日には津軽海峡を挟んだ北海道の松前半島や、海峡を行き交う船舶が見渡せる。また、渡り鳥の飛行ルートとしても重要であり、しばしば鳥類研究家が観察している。
太宰治や棟方志功ゆかりの宿であった旧奥谷旅館は「龍飛岬観光案内所 龍飛館」として整備され、館内には太宰が友人と滞在した部屋が再現されている[2]。
北海道の白神岬とは津軽海峡を挟んで19.5キロメートルの距離があり、地下を青函トンネルが通る[2]。青函トンネルに関連する施設として青函トンネル記念館や青函トンネル工事殉職者慰霊碑がある[2]。
東北楽天ゴールデンイーグルスの公式球団歌「羽ばたけ楽天イーグルス」の歌詞の一節に青森県の象徴として唄われている。
石川さゆりのヒット曲「津軽海峡・冬景色」の歌詞の一節に唄われていることでも知られており(歌詞の中では竜飛岬と表記されている)、"よしだたくろう & かまやつひろし" 名義の歌でそのまま「竜飛崎」というタイトルの曲もある。
竜飛崎のある竜飛集落は、三厩駅からのバスの終点(正確には集落のある「竜飛漁港」バス停で折り返して、そこからさらに斜面を登って終点に向かう)で、太宰治が紀行『津軽』で、鶏小屋に突っ込んだと思ったら竜飛集落だったと表現した描写で知られる漁村である。三厩から竜飛集落に向かう道程は、源義経北行伝説の舞台の1つであり、竜飛崎の最突端に浮かぶ帯島は義経が北へ向かう際に帯を締めなおしたという伝説が残る[2]。
地質は、新生代新第三系中期中新世の竜飛安山岩類が分布する。主に、デイサイト、安山岩の火砕岩である。
周辺[編集]

- 龍飛埼灯台
- 帯島
- 竜飛崎シーサイドパーク
- 竜飛崎温泉
- 道の駅みんまや
- 竜飛ウィンドパーク - 東北電力設置の11基の巨大風車からなる風力発電基地。2007年3月末で施設老朽化のために廃止。展示館も併設されていたが、2007年9月で営業終了。
- 階段国道(国道339号)
- 海上自衛隊竜飛警備所
また、以下の記念碑等がある。
- 太宰治の小説『津軽』の碑
- 津軽海峡冬景色歌謡碑 - 歌碑の下にあるボタンを押すと、石川さゆりが歌った演歌『津軽海峡・冬景色』のワンコーラス(2番)が流れる[4]。
- 吉田松陰詩碑[2]
- 大町桂月文学碑[2]
- 川上三太郎句碑[2]
- 佐藤佐太郎歌碑[2]
アクセス[編集]
道路[編集]
鉄道・路線バス[編集]
かつて中泊町小泊地区から乗合タクシーが運行されていたが、現在は廃止されている。
ギャラリー[編集]
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展望台から望む内陸側の様子 風力発電の風車群が見える(2007年10月)
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先端部分の様子 竜飛警備所のレーダーなどの先に北海道が見える(2007年10月)
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展望台付近からの眺望(2007年10月)
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竜飛漁港の日の出
脚注[編集]
- ^ 国土地理院の地形図は「龍飛崎」と表記している
- ^ a b c d e f g h i j k 青森県外ヶ浜町観光ガイド, 青森県、公益社団法人青森県観光国際交流機構, pp. 1-4 2023年7月22日閲覧。
- ^ 佐々木節、石野哲也、伊藤もずく 著、松井謙介編 編『絶景ドライブ100選 [新装版]』学研パブリッシング〈GAKKEN MOOK〉、2015年9月30日、40-41頁。ISBN 978-4-05-610907-8。
- ^ 阿久悠 『愛すべき名歌たち -私的歌謡曲史-』 岩波書店、1999年、ISBN 9784004306252 。
- ^ 中泊町今泉から青森県道12号鰺ケ沢蟹田線、青森県道14号今別蟹田線、国道280号で迂回可能。