死のロングウォーク

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死のロングウォーク』(しのロングウォーク、The Long Walk)は、リチャード・バックマン(スティーヴン・キングの別ペンネーム)の小説1979年に出版された。キングによると、彼が大学1年生のときに書いた初めての小説だという。

ストーリー[編集]

軍事政権が支配しているらしき架空のアメリカでは、毎年10代の少年達100人が「ロングウォーク」という競技に挑んでいる。

ロングウォークのルールはシンプルで、ウォーカーと呼ばれる競技者は、軍隊に囲まれながらひたすら道を歩くだけ。ただし、一定速度以下になると警告を受け、警告が累積すると殺される。

主人公のギャラティをはじめ、周囲の全員が敵である筈の少年達だが、競技の中で時に助け合い、身の上を語る。疲労と苦痛、睡魔や死の恐怖に耐え、彼らはどこまで歩けるのか。

ロングウォーク[編集]

  • 12歳以上18歳までの男子の大半がロングウォークに出場する為のテストを受けるが、パス出来るのは50人に1人。
  • 最終的にウォーカー100人、補欠100人の計200人が残される。これは抽選で選ばれ、テレビ中継される。
  • ウォーカーと補欠、どちらに選ばれたかは取消日(ロングウォーク開始日前日)が来るまで不明。
  • 参加者は5月1日アメリカカナダ国境を示す印の石の標柱前(メイン州)に集合。
  • 観客の観覧はオールドタウンから規制が解かれる。それまでの沿道の住人は除外。
  • オーガスタからはテレビ中継される。
  • ルール
    • 最低速度は時速4マイル(時速6.4キロメートル)。これを下回ると警告を受ける。休憩は無し。
    • 警告は3回まで。4回目には射殺などによりロングウォークから外される。
    • 警告を受けてから1時間次の警告を受けなければ、1回分の累積が消滅する。
    • 競技はウォーカーが最後の一人になる(99人が死亡する)まで続く。
    • 優勝者はどんな賞品でも受け取ることができる。
  • ヒント
    • ヒント3:絶対にスニーカーをはかないこと。ロングウォークではスニーカーは他のどの履物よりも早くまめができる。
    • ヒント6:ゆっくり気楽に歩くのがこつ
    • ヒント8:(ロングウォーク中の妨害に関する規定と思われる)
    • ヒント10:呼吸を大切にせよ。ふだん喫煙する者は、ロングウォークの間はなるべく喫わないこと。
    • ヒント12:スポーツソックスを推奨
    • ヒント13:できるときには必ずエネルギーを貯えよ
  • その他
    • 一日一回、朝9時に濃縮食の入ったポケット付きのベルトが配給される。
    • 要求すれば、の入った水筒が兵士から渡される。制限はないが、自分の水筒は自分で要求しないと貰うことは出来ない。

登場人物[編集]

ロングウォーク参加者[編集]

レイ・ギャラティ(47番)Raymond Davis Garraty
本作の主人公。16歳でメイン在住。現在は母親との2人暮らし。
母親や恋人のジャンに再会したい一心で、仲間たちと共にロングウォークを耐える。
ピーター・マクヴリーズ(61番) Peter McVries
黒髪で浅黒い張り詰めた日焼けした顔に、茶色い瞳が特徴。ギャラティと親しくなり行動を共にし、何度か彼を助ける。片頬の傷跡は恋人とのトラブルで出来たもの。98番目の脱落者。
ステビンズ(88番)Stebbins
金髪の少年でいつもしんがりを歩く。ロングウォーク開始時は無口且つ無表情であった。ロングウォークについて詳しい。
実は少佐の実子(私生児)である。本人曰く、ロングウォークの参加者たちの目標になる為に、見せしめとして参加したという。もしも優勝したら、父親の元へ連れていってくれと要求するつもりだった。マサチューセッツ州ダンヴァーズまで歩くがギャラティに敗れる。99番目、最後の脱落者。
アート・ベイカー(3番)Arthur Baker
南部出身。いわゆる「赤っ首」と呼ばれる、貧乏白人。優勝したときの賞金を、夢見ている。ギャラティと親しくなり、行動を共にする。ゆったりとした、足を引きずるような歩き方で、長い時間を歩き続ける。
終盤に転倒し頭を打ったため、鼻血が止まらなくなり、ついに力尽きた。97番目の脱落者。
ハンク・オルソン(70番)Hank Olson
巻き毛で黒鉱石のような目が特徴。口達者。
ロングウォークの開始前は少佐に冗談を言うなどスタート時は余裕そうで、自信ありげだったが徐々に足の不調を訴え、口数が少なくなっていく。ギャラティたちからすぐに離脱するかと思われたが、中盤までほぼ意識のないまま執念で歩き続け、最終警告を受けた後も、最期は何度撃たれても歩こうと身体だけは動いていた。
アーロンソン (1番) Aaronson
日焼けした、背が低いずんぐりした農家の少年。両足がこむら返りを起こしたため白線上で立ったまま撃たれた。ロングウォーク43番目の脱落者。
エイブラハム(2番)Abraham
背が高いが低音の陰気な声が特徴の少年。非常に丈夫な靴を履いている。終盤まで生き残るが、最期は悪天候の中でなぜかシャツを捨てて歩き、体調を崩して力尽きた。ロングウォーク90番目の脱落者。
ゲイリー・バーコヴィッチ(5番)Gary Barkovitch
ワシントンD.C.出身。小柄で焦げ茶色の目に、尖り気味の鼻で浅黒い張りつめた顔が特徴。口が悪く、「(脱落者たちの)墓の上で踊ってやる」と公言し、憎しみを糧に歩き続ける。特にマクヴリーズからは嫌われている。ロングウォーク68番目の脱落者。
カーリー(7番)Curley
痩せてひょろひょろと細く、真面目そうな角ばったニキビだらけの顔が特徴。頬髯を生やそうとしている。右足の筋肉が硬直し、ロングウォークで最初の脱落者になる。
デイヴィッドソン (8番) Davidson
灰色の目で顔立ちは良いが、額がニキビだらけの少年。25番目の脱落者。
ユーイング(9番) Ewing
テキサス出身。アフロヘアーが特徴の黒人。ベイカーと同じバスに乗って来た。
スニーカーを履いていたばかりに足にまめが出来てしまい、ロングウォークの2番目の脱落者となる。
フェンター(12番) Fenter
ロングウォークの6番目の脱落者。
ロージャー・フェナム (13番) Roger Fenum
不運な13番。ロングウォークちょうど50番目離脱の名誉を担った。
ジョージ・フィールダー George Fielder
マサチューセッツ州まで歩いたが、精神に異常をきたし力尽きた。ロングウォーク94番目の脱落者。
パーシー(31番)Percy
パーシーはファーストネーム。金髪の少年。過保護な母親を持つ。ロングウォークから脱け出そうとコースから離れるが、殺されてしまう。
グリブル(48番) Gribble
丸顔で切り上げた黒い前髪がひものように垂れているのが特徴。過激派の少年。ロングウォーク中、少佐を罵倒する。
ハークネス(49番) Harkness
眼鏡をかけたクルーカットの少年。ロングウォーク終了後、本を書くために、出場者の名前と番号を尋ねて回っている。脚が硬直し、何とか回復したものの、グリブルが脱落した後に力尽きる。
ビル・ハフ Bill Hough
読みにくい名前を持つ。ロングウォーク95番目の脱落者。
ジェンセン Jensen
雹に見舞われた際にパニックを起こして路肩に出てしまい、撃たれた。ロングウォーク48番目の脱落者。
クリンガーマン(59番) Klingerman
フリーポート近くで突然の腹痛に見舞われたが、悲鳴をあげながら歩き続けた。
ラーソン(60番) Larson
最初の急坂で座り込み、兵士に撃たれた。ロングウォークの7番目の脱落者。
フランク・モーガン(64番) Frank Morgan
ニコニコして明るい眼鏡をかけた少年。ギャラティが緊張感が無くなっていた時に殺され、彼に正気を取り戻すきっかけを作る。
スクラム(85番) Scramm
フェニックス出身。16歳。髪はクルーカットのまん丸い顔立ちで、身体の大きさはヘラジカや牡牛のようと評される。
14歳で学校を中退し、1つ歳上のキャシーという女性と結婚。妻は現在妊娠している。
物心ついた頃からロングウォークに参加しようと思っていたようで、ロングウォーク中も前向きな発言をしていた。本人曰く今まで風邪をひいたことが無かったらしいが、不運にもロングウォーク中に風邪を拗らせて肺炎になってしまう。
コリー・パーカー Collie Parker
イリノイ州ジョリエット出身。金髪で筋骨隆々の少年。初めはギャラティに嫌味ばかり言っていたが、徐々に友情が芽生える。ロングウォーク終盤で、兵士の隙をついて襲いかかり一人を殺害、ハーフトラックに飛び乗るが、他の兵士にあえなく射殺された。
ブルース・パスター Bruce Pastor
ニューハンプシャー州に入った処で力尽きた。ロングウォーク92番目の脱落者。
ピアソン Pearson
長身で、コーラの瓶底のような厚いレンズのはまった、べっこう縁の眼鏡が特徴の少年。ギャラティと親しくなり、更に中盤過ぎまで生き残る。バーコヴィッチが撃たれた後に体調を崩し、脱落した。
ジョー Joe
ニューメキシコ出身。ホピ族であり、マイクとは同性愛関係と噂されるが、実際は兄弟である。マイクと共に常に先頭を歩いていたが、ギャラティが脚の硬直から復活した直後に撃たれ、61番目の脱落者となる。
マイク Mike
ニューメキシコ出身。ホピ族であり、ジョーとは兄弟である。ジョーと共に常に先頭を歩いていたが、突然の腹痛に見舞われ、既に瀕死だったスクラムと共に脱落する。
ランク Rank
ずんぐりした醜い少年。バーコヴィッチに罵倒されたことに逆上し殴りかかり、兵隊に殺される。この一件以降、バーコヴィッチは他の少年たちから、「人殺し」と呼ばれるようになった。
ボビー・スレッジ Bobby Sledge
雨と闇に紛れて群衆の中に逃げ込もうとしたが撃たれた。ロングウォーク84番目の脱落者。
トーランド Toland
ロングウォーク最初の坂道で気絶して撃たれた。9番目の脱落者。
トラヴィン Travin
ロングウォーク中に下痢をする。ロングウォーク5番目の脱落者。
タビンズ Tubbins
眼鏡をかけ、顔中そばかすだらけで、口数は多くないが感じの良い少年。フリーポートを出たあとで発狂してしまう。ロングウォーク80番目の脱落者。
マーティ・ワイマン (97番) Marty Wyman
ギャラティと同じように、おじを分隊に連れて行かれた過去がある。83番目の脱落者。
ヤニック (98番) Yannick
ロングウォーク28番目の脱落者。
ザック (100番) Zuck
古い線路跡を渡った際に転んで怪我をする。ロングウォーク4番目の脱落者。

その他[編集]

少佐 The Major
本作のアメリカの絶対的権力者。
ジム・ギャラティ
ギャラティの父親。政府系のトラックの運転手をしていたが、反体制的な発言を隠せない性格だったため、ギャラティが5歳の時に分隊に連行され、それきり消息を絶った。
ジャン
レイ・ギャラティのガールフレンド。恋人のギャラティがロングウォークに参加することを最後まで反対していた。
プリシラ
ピーター・マクブリーズの元ガールフレンド。マクブリーズとの仲は険悪になっている。

実写映画[編集]

2018年4月にニュー・ライン・シネマより実写映画化の制作が発表された。2007年まではフランク・ダラボンが映画権を持っていたが立ち消えとなり、その後ジェームズ・ヴァンダービルトブラッドリー・J・フィッシャーのタッグに引き続がれた。

2019年5月にはジェームズ・ヴァンダービルトが製作・脚本、アンドレ・ウーヴレダルが監督を務めることが発表された。

その他[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 高見 広春, 「バトル・ロワイアル」制作委員会, ギンティ小林 「バトル・ロワイアル・インサイダー」(太田出版)

外部リンク[編集]