山川健一
山川 健一(やまかわ けんいち、1953年7月19日 - )は、日本の作家、ロック評論家、ロックミュージシャン。元東北芸術工科大学教授。
経歴・人物
[編集]千葉県千葉市出身。千葉県立千葉高等学校、早稲田大学商学部卒業。
大学在学中に「天使が浮かんでいた」で早稲田キャンパス文芸賞を受賞[1]。1977年『鏡の中のガラスの船』が群像新人文学賞の優秀作に選ばれる。
ローリング・ストーンズ、フェイセズ等のロックやレゲエ、ブルースを愛好し、音楽に影響を受けた作品を発表する(『壜の中のメッセージ』『星とレゲエの島』『ロックス』など)。オートバイ・フリークであり、オートバイを題材とした小説も数多く手がけた(『ライダーズ・ハイ』『サザンクロス物語』『追憶のルート19』など)。1990年代には倒錯性愛や欲望を題材にしたポルノグラフィを手がけた(『スパンキング・ラブ』など)
ロック評論家として、1970年代から1980年代にかけて音楽誌等に執筆した。1990年代は、自ら編集を手がけたロック雑誌『ルーディーズ・クラブ』を創刊した。
ミュージシャンとしても活動し、バンド"The Rudie"のボーカルとして、1986年にミニ・アルバム『Backstreet』を発表。以降“The Rudie”、“So Much Trouble”のボーカルとしてメジャーレーベルからアルバムを複数発表する。
自動車について造詣が深く、イタリアの乗用車、ポルシェ、アルファロメオのオーナーとして関連する著書を出している(『僕らがポルシェを愛する理由』『快楽のアルファロメオ』など)。1990年代からAppleのマッキントッシュ・コンピュータに魅了され『マッキントッシュ・ハイ』などの著作を発表する。1990年代以降はニューエイジへ深く傾倒してオーラ幻視者であることを前面に打ち出した著作(『ヒーリング・ハイ』など)を発表する。
サイバーエージェント傘下のアメーバブックス取締役編集長[1]としてブログの書籍化という試みを行った。2011年、東北芸術工科大学に新設された芸術学部文芸学科学科長、教授となる[1]。2019年3月、定年により退職する。
作品
[編集]小説
[編集]- 『壜の中のメッセージ』(角川書店 1981年3月 のち文庫、新風舎文庫)
- 『鏡の中のガラスの船』 (講談社 1981年3月 のち文庫)
- 『さよならの挨拶を』 (中央公論社 1981年11月 のち角川文庫)
- 『窓にのこった風』(中央公論社 1982年6月)
- 『パーク・アベニューの孤独』(角川書店 1983年3月 のち文庫)
- 『サンタのいる空』(中央公論社 1983年7月 のち角川文庫)
- 『綺羅星』(河出書房新社 1983年9月 のち集英社文庫)
- 『ライダーズ・ハイ』(中央公論社 1984年5月 のち角川文庫)
- 『コーナーの向こう側へ』三推社・講談社 1984年7月 のち文庫)
- 『水晶の夜』(新潮社(新鋭書下ろし作品) 1984年10月 のち集英社文庫)
- 『サザンクロス物語』(三推社・講談社 1985年10月 のち講談社文庫)
- 『星とレゲエの島』(角川文庫 1985年7月)
- 『ロックス』(集英社 1986年5月 のち文庫)
- 『雨の日のショート・ストッパーズ』(講談社 1986年6月 のち文庫)
- 『クロアシカ・バーの悲劇』(講談社 1986年11月 のち文庫)
- 『追憶のルート19』(三推社・講談社 1987年4月 のち文庫)
- 『チョコレートの休暇』(東京書籍 1988年5月 のち講談社文庫)
- 『真夏のニール』(集英社 1988年8月 のち文庫)
- 『ティガーの朝食』(講談社 1989年5月 のち文庫)
- 『蜂の王様』(角川書店 1989年5月 のち文庫)
- 『ブランク・セヴンティーズ』(集英社 1989年12月)
- 『セイヴ・ザ・ランド』(講談社 1989年12月)
- 『凍えた薔薇』(ミリオン出版 1991年9月)
- 『ジゴロたちの航海』(ベストセラーズ 1992年4月 「ジゴロ」幻冬舎文庫)
- 『マシンの見る夢』(講談社 1992年9月)
- 『カーズ』(実業之日本社 1993年10月)
- 『Joy』(近代文芸社 1993年6月)
- 『ふつつかな愛人達』(エイジェイ出版 1993年6月)
- 『カナリア』(ミリオン出版 1993年8月 のち幻冬舎文庫)
- 『ママ・アフリカ』(角川書店 1993年1月)
- 『僕らは嵐のなかで生まれた 第1部』(東京書籍 1993年4月)
- 『安息の地』(幻冬舎 1994年10月 のち文庫)
- 『多重人格の女神』(ぶんか社 1995年8月)
- 『スパンキング・ラヴ』 (講談社文庫 1995年10月)
- 『欲望』(ベネッセコーポレーション 1995年10月)
- 『窓の外を眺めながら、部屋のなかに座っている。Fragment1990-1995』 (実業之日本社 1995年7月)
- 『b.とその愛人』(実業之日本社 1997年1月)
- 『君たちは世界の新しい王様(僕らは嵐のなかで生まれた 2) 』(東京書籍 1997年11月)
- 『アップル・ジャム』(中央公論社 1997年7月)
- 『ジーンリッチの復讐』(メディアファクトリー 2001年9月)
- 『ニュースキャスター』(幻冬舎 2001年1月 のち文庫)
- 『黒革と金の鈴』(ヘッドロック 2003年7月)
- 『歓喜の歌』(幻冬舎 2003年3月 のち文庫)
- 『夜の果物、金の菓子』(幻冬舎 2006年3月)
- 『ここがロドスだ、ここで跳べ!』(アメーバブックス新社 2010年6月)
- 『人生の約束』(幻冬舎文庫 2015)
- 『問題児 三木谷浩史の育ち方』幻冬舎, 2018.2 のち文庫)
エッセイなど
[編集]- 『今日もロック・ステディ』 (冬樹社 1981年7月 のち講談社文庫)
- 『みんな十九歳だった』(PHP研究所(Essay books) 1984年2月 のち講談社文庫)
- 『マギー・メイによろしく』(勁文社 1985年9月 のち講談社文庫)
- 『ローリング・キッズ』(角川文庫 1986年1月)
- 『ぼくは小さな赤い鶏』(三推社 1986年3月)
- 『ロックンロール・ゲームス』(角川文庫 1986年11月)
- 『僕のハッピー・デイズ』(東京書籍 1987年4月 のち角川文庫)
- 『恋愛真空パック』(PHP研究所 1988年3月 のち角川文庫)
- 『初台R&R物語』(ビクターブックス 1988年7月 のち角川文庫)
- 『ブルースマンの恋』(東京書籍 1989年9月 のち中公文庫)-CDブック
- 『印象派の冒険』(講談社 1989年9月)
- 『ロックンロール日和』(八曜社(ルーディーズ・クラブ選書) 1990年11月)
- 『ハミングバードの頃』(ロックンロールコレクション1) (東京書籍 1990年10月)-CDブック
- 『彼が愛したテレキャスター』(ロックンロール・コレクション2) (東京書籍 1991年1月)-CDブック
- 『セイヴ・ミー ぼく達の未来』(立風書房 1991年2月)
- 『ライオンの昼寝』(実業之日本社 1991年8月)
- 『僕らがポルシェを愛する理由』(東京書籍 1991年9月 中公文庫 1996年2月)
- 『いつもそばに仲間がいた』(講談社 1992年2月)
- 『ワン・ラブ・ジャマイカ ラブ・アイランドの匂い』(Tokyo FM出版 1993年11月)
- 『快楽のアルファロメオ』(中央公論社 1995年11月 のち文庫)
- 『ヒーリング・ハイ オーラ体験と精神世界』(早川書房 1995年12月 のち幻冬舎文庫)
- 『マッキントッシュ・ハイ』(幻冬舎 1997年 のち文庫)
- 『おはよう、ブルースマン。』 (TOKYO FM出版 1997年12月)
- 『ブリティッシュ・ロックへの旅』(東京書籍 1998年9月)
- 『自転車散歩の達人』(講談社 1999年9月)
- 『オーラが見える毎日 ソウルメイトの果てしない旅』(大和出版 1999年12月)
- 『日曜日のiMac』(企画室ゆう出版事業部 1999年5月)
- 『不良少年の文学』(中央公論新社 2000年7月)
- 『僕らに魔法をかけにやってきた自動車』(講談社 2001年9月)
- 『ジャガーに逢った日』(二玄社 2001年10月)
- 『死ぬな、生きろ。 アイデンティティ・クライシス』(小学館 2002年7月)
- 『レンジローバーの大地』(二玄社 2002年7月)
- 『復活のZ』(二玄社 2002年11月)
- 『新選組、敗れざる武士達』(ダイヤモンド社 2004年8月)
- 『幕末武士道、若きサムライ達』(ダイヤモンド社 2004年8月)
- 『希望のマッキントッシュ digital drag』(太田出版 2004年1月)
- 『イージー・ゴーイング 頑張りたくないあなたへ』(アメーバブックス 2005年7月)
- 『ローリング・ストーンズ 伝説の目撃者たち』(アメーバブックス 2006年3月)
- 『「書ける人」になるブログ文章教室』(ソフトバンク新書 2006年11月)
- 『「空海」の向こう側へ 現世を生き抜くための密教のすすめ』(ソフトバンク新書 2007年5月)
- 『幸福論 扉をひらく自分をひらく』(ダイヤモンド社 2007年11月)
- 『虹の橋 チャーコ』(小学館 2007年12月)
- 『虹の橋 キッド』(小学館 2007年12月)
- 『リアルファンタジア2012年以降の世界』(アメーバブックス新社 2008年11月)
- 『太宰治の女たち』 (幻冬舎新書 2009年11月)
アルバム
[編集]- 山川健一&ザ・ルーディ/Backstreet (自主制作 1986年)
- 山川健一&ザ・ルーディ/ROCKS(アルファレコード 1986年)[2]
- 山川健一&ザ・ルーディ/NEED MORE KICKS(センチュリー 1989年)[3]
- 山川健一/SAVE THE LAND(センチュリー 1990年)[4]
- 山川健一/ファンタスティック・シティへようこそ(八曜社 1991年)-CDブック
- 山川健一&SO MUCH TROUBLE/アニマルハウス(八曜社 1991年)-CDブック
- SO MUCH TROUBLE /NEVER MIND TROUBLES(キング 1992年)[5]
共著
[編集]- 『バイクフリークたちの午後』(三推社(ベストカーブックス) 1983年7月)
- 『時には、ツイン・トリップ』 (香咲弥須子共著 冬樹社 1985年10月)
- 『セルフ・ポートレイト』(ジム・ファイル共著 角川書店 1988年6月 のち文庫)
- 『ローリング・ストーンズが大好きな僕たち』(鮎川誠共著 八曜社 1992年4月)
- 『運を良くする 王虎応の世界』(森田健共著 アメーバブックス新社 2009年3月)
- 『奇蹟が起きたパワースポット』(森田健共著 アメーバブックス新社 2010年9月)
翻訳
[編集]- ブライアン・プレストン『ポット・プラネット マリワナ・カルチャーをめぐる冒険』太田出版 2003.11
- ニック・ブロウンリー『大麻 聖なる植物』太田出版 2004.11
- テリー・タルノフ『アジアに堕ちた男 愛・と・ド・ラ・ッ・グ・を・め・ぐ・る・旅』太田出版 2007.2
- テリー・タルノフ『太陽が沈む前に』太田出版 2007.6
脚注
[編集]外部リンク
[編集]- 「私」物語化計画
- BE HAPPY!
- 山川健一 (@Yamakawakenichi) - X(旧Twitter)
- 山川健一 essay イージー・ゴージング - Ameba Blog[1]