ミスミソウ (漫画)

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ミスミソウ
ジャンル サスペンスホラー漫画猟奇作品
漫画
作者 押切蓮介
出版社 ぶんか社
掲載誌 ホラーM
レーベル ぶんか社コミックス
アクションコミックス(完全版)
発表期間 2007年6月号 - 2009年6月号
巻数 全3巻
全2巻(完全版)
話数 全20話
テンプレート - ノート

ミスミソウ』は、押切蓮介による日本漫画作品。『ホラーM』(ぶんか社)にて2007年から2009年まで連載されていた。

概要[編集]

  • ある過疎の進む地方の町で人心の闇が引き起こした惨劇を描いた作品。内容は、同級生達から陰惨なイジメを受けたあげく家族を殺害された少女が復讐を行うサイコホラー。キャッチフレーズは「精神破壊(メンチサイド)ホラー」。押切蓮介の作品では定番となっている「お化け」や「妖怪」といった怪異が一切登場せず、自身初となる「普通の人間が創り出す恐怖」を描いている[注 1]
  • 2013年、加筆修正を施した完全版コミック『ミスミソウ 完全版』が全2巻(上下巻)で刊行された。
  • 2018年、『ミスミソウ 完全版』を原作とした小説と実写映画が制作されている。実写映画製作記念として、『漫画アクション』(双葉社)に「描き下ろし前日譚」が掲載された。

あらすじ[編集]

半年前、父親の仕事の都合で東京の学校から大津馬村[注 2]の大津馬中学校に転校して来た野咲春花は、クラスメイトからの壮絶なイジメに遭っていた。春花は家族に心配を掛けまいとイジメに遭っていることを隠し、中学校卒業までの残り2カ月間を必死に耐えようとするが、春花へのイジメは悪化の一途を辿るばかり。遂にイジメを知った家族の勧めで春花が登校拒否を行ったある日、イジメっ子達が彼女の家に乗り込み両親と妹に危害を加え、家を放火するという事件が起こる。春花の妹・祥子は大火傷を負いながらも助かったが、両親は命を落としてしまった。やがて事件の真相が露見することを恐れたイジメっ子達は春花に自殺するよう強要。だが、それがきっかけとなって春花は事件の真相を知り、家族を奪ったイジメっ子達に己の命を賭けた凄惨な復讐を開始する。

登場人物[編集]

主人公[編集]

野咲 春花(のざき はるか)
演 - 山田杏奈[1]
心優しい性格をした清楚な美少女。父親の仕事の都合で東京から大津馬村に引越し、大津馬中学校に転校するが、「よそ者」である理由からイジメの対象にされる。
クラスメイト達から陰惨なイジメに遭うものの、優しい両親や最愛の妹、クラスの中で唯一味方をしてくれる晄の存在によってイジメに耐えることが出来ていた。しかし、イジメグループによって家族が焼き殺され、その証拠隠滅のために自殺を強要された際、主導した吉絵が口を滑らせたために全ての真相を知ったことで彼らへの復讐を誓い、関与した者達を次々と惨殺していった。
終盤では、「全ての原因が自分にあった」と後悔に苛まれた妙子の心からの謝罪を受けて彼女と和解し、互いに前を向いて生きることを誓い、復讐にピリオドを打った。しかし、最終的に想いを寄せていた晄の本性を知り、そこに雪崩れ込んできた流美の襲撃によって致命傷を負わされた際、晄が後生大事に持っていた春花の家族の死体を収めた写真を見てしまったことから全てに絶望。最後の戦いを開始し、これを制した。作中に直接の描写はないが、致命傷を負った為、復讐を完遂した直後に死亡している[注 3]

春花のクラスメイトおよび担任[編集]

相場 晄(あいば みつる) / 村瀬 晄(むらせ みつる)<離婚前の旧名>
演 - 清水尋也[2]
クラスの中で唯一春花の味方になっている少年。写真撮影が趣味。春花に好意を持っており、クラスメイト達にイジメられる春花を精神的に支えている。
普段は温和で明朗だが、その裏には異常に偏執的で暴力的な本性を持つ。かつて母親にDVを振るう父親に傷害を負わせたため両親が離婚、父親は別の女性の元へ行き、それを嘆き罵った母親に父親同様の暴力を振るうようになった。これが原因で仙台の生家から追い出され、大津馬村に住む祖母と暮らしている。
終盤にて本性を露にし、春花との同居生活を反対した祖母や、春花の祖父に暴行を加えた。さらに、自身の本性を知った春花に対しても暴力を振るい、直後現れた流美と争いに発展。その際、火災事件時に春花の家族の死体を写真に収めていたことを春花に知られ、自身も復讐の対象となる。流美を盾にして反撃したが、倒れた春花を撮ろうとカメラを向けた直後にボウガン(春花が真宮を殺した後で、現場に放置されていたもの)でカメラごと目を貫かれ重傷を負う。作中に直接の描写こそないが、最終的に死亡している。
実写映画版では、自身が抱える心の闇が強調されており、春花に致命傷を負わせた流美に怒り狂い、流美を惨殺している。
小黒 妙子(おぐろ たえこ)
演 - 大谷凜香[3]
クラスにおけるイジメグループのリーダー格の少女。大人びた雰囲気の美少女で、髪を染めている。クラスの女王的存在だが、本人は流美をはじめ自分に付き従ってくるクラスメイト達を非常に疎ましく思っている。周囲を扇動して春花に陰惨なイジメを行う。一方、流美を忌み嫌っているため、春花が転校してくる前後から流美をイジメの標的にしていた。実家は裕福で、美容師を志すため東京の理容師専門学校に進学を希望したが、高圧的な父親に一蹴されて以来、言い出せずにいる。
本来は他者に気遣う面倒見のよい性格で、昔は現在のように陰険な面は見せておらず[注 4]、当初は春花との仲は良好だった。流美が首謀した春花の両親殺害については一切関与していなかったが、流美達を特に止めようともせず、皮肉を込めて「頑張って」「期待してるから」と言い放った。実は晄の本性を知っており、彼を嫌っていた[注 5]
終盤では、春花の両親殺害は自身のイジメが招いたものと強い後悔に苛まれるようになり、その首謀者となった流美を切り捨てた後、不器用ながらも春花に謝罪し、晴れて和解した。このため春花の復讐を受けなかったものの、和解直後の帰宅途中で待ち伏せしていた流美に襲われ、流美との死闘の末に命を落とされてしまう。死後、遺体は通行人によって発見された。
実写映画版では、流美との死闘に敗れる展開は原作と同じだが、後遺症を負いながらも奇跡的に生存し、卒業式に出席している。
南 京子(みなみ きょうこ)
演 - 森田亜紀[4]
春花達のクラスの担任教師。明るい髪色をした妙齢の女性。いわゆる友達先生であり、生徒達(特に妙子)の言いなり状態となっている。事なかれ主義であるため、クラスのイジメを黙認しており、春花の父親がイジメについて相談した際も全く相手にしなかった。普段は冷静で肝が据わっているが、根は情緒不安定で、自分の悪口を言われるとすぐに嘔吐してしまう。このように教師としては問題が多く、生徒はもちろん保護者からの人望も皆無であった[注 6]。彼女自身も春花のことは当初から邪魔者扱いしていた節があり、春花の転入時には歓迎するどころか「くれぐれもクラスをかき乱すようなことはしないように」と冷淡な口調で警告していた。
実は彼女自身も大津馬中学校の卒業生なのだが、当時同級生の少女をリーダーとしたクラス全員から苛烈なイジメを受け、登校拒否に追い込まれた経験が深いトラウマとなっている。教師になったのは、生徒を友達に見たて共に卒業することで、孤独だった中学生時代を「塗り替える」のが目的だった。故に生徒への関心は皆無で、春花の復讐により行方不明になった生徒の親に対しても冷酷な態度を貫いた。
終盤では、妙子の遺体発見をきっかけに責め立ててきた保護者達の姿に、かつて受けたイジメの思い出が重なり、錯乱して一部の保護者に傷害を加え逃走するが、直後に通りがかりの除雪車に轢かれ、ミンチにされて即死という最も無残な最期を遂げた。
実写映画版では黒髪の中年女性に変更されており、原作とは大幅に印象が異なる。
小倉 修一(こくら しゅういち)、佐野(さの)、上薗(かみぞの)[注 7]
イジメグループのメンバーで久賀の友人達。長身でそばかすが特徴の男子が小倉、温和な風貌の男子が佐野、地味な印象の男子が上薗。久賀とともにイジメに加担していた[注 8]が、久賀とは違い常識的な感性を保っており、妙子と同じく流美が首謀した春花の両親殺害についても一切関与していない。クラスの異変には傍観する立場を取っていたため、久賀の異変にも気付かなかった。
小説版では、一連の事件の真相に気付かないまま、学年集会で集合した体育館を流美に放火され、他の生徒や教師ともども焼死している[注 9]
実写映画版では割愛もあり登場しない。

野咲家放火殺人事件に関与したクラスメイト[編集]

両親の勧めで登校拒否を始めた春花が晄と外出して不在中、野咲家を襲撃し、放火を仕掛けて春花の両親を殺害、妹の祥子を意識不明の重体に追い込んだクラスメイト達。ほとんどのメンバーは妙子の取り巻きである。流美や吉絵といったほとんどの者達は特に罪悪感を見せず平然としていたが、理佐子とゆりは事件には一切関与していない妙子同様、当初は本気にしていなかった[注 10]ため、事態が急激に悪化したことから一転し、罪悪感に怯えるようになった。後に全員、自業自得の最期を遂げている。

佐山 流美(さやま るみ)
演 - 大塚れな[4]
イジメグループの1人。春花や妙子とは対照的に冴えない容姿をした少女。春花が転校して来る前までは妙子達のイジメの標的になっていた。妙子に異常なほど執着しており、妙子の腰巾着として彼女を慕う言動を取るが、妙子からはその執着心を非常に気味悪がられている。普段は陰気でおとなしい性格だが、逆上すると見境がつかなくなる。
春花が登校拒否をしたことで再びイジメの標的になり、長く伸ばしていた髪を切られる。イジメから逃れるためと、妙子の関心を得るために野咲家への放火を企て、実行に移した。結果として春花の両親殺害の首謀者、そして復讐劇の元凶となる。後に春花に殺された吉絵、理佐子、ゆりの遺体を発見したのがきっかけで、春花が復讐を始めたことを知り、「自分も春花に殺されるのではないか」と怯え、遂には妙子から見放されたことで狂気に陥り、「殺される前に殺す」と春花殺害の決心を固め、手始めに今までの仕打ちの復讐として妙子を襲撃し、妙子との死闘に勝利する。その後、返す刀で春花を襲撃して致命傷を負わせたが、間に入った晄と争った際に彼の盾にされ、自分が持っていた包丁を春花に奪われ、喉を刺し貫かれ因果応報の最期を遂げた。
小説版では、幼少期に父親が死亡したため母子家庭で暮らしていたことが明かされている。また、皆殺しを目的に学年集会中の体育館へ放火するなど、凶悪な一面が強調されている。
実写映画版では、春花に致命傷を負わせる展開は原作と同じだが、その一部始終を目撃した晄に惨殺される。
橘 吉絵(たちばな よしえ)
演 - 中田青渚[4]
イジメグループの1人。妙子の手下。端正な顔立ちをした少女だが、陰険な雰囲気を漂わす攻撃的な性格の持ち主。春花に対して画鋲を突き刺すなどの暴力を受けさせた。父親はチンピラ、母親はアル中という劣悪な家庭環境に生まれ育ち、両親から虐待を受けながら暮らしていた。
春花イジメに最も積極的に参加し、彼女の両親殺害も率先して関与。自身は殺人を犯したことについて一切の罪悪感を持っておらず、それどころか事件の証拠隠滅のために春花に自殺を強要する。しかし、春花殺害の際に慢心から口を滑らせたことがきっかけで真相を悟られてしまい、逆上した春花によって左眼に釘を突き刺された上、鉄パイプで滅多打ちにされ死亡する。死の間際、巻き添えとなった理佐子の悲痛の叫びを耳にしながら、本心では両親に愛されたかったことに気付き嘆いていた。
実写映画版では父子家庭で暮らしていたことになっており、原作とは印象が異なる。
加藤 理佐子(かとう りさこ)、三島 ゆり(みしま ゆり)
演 - 紺野彩夏櫻愛里紗[4]
イジメグループのメンバーで妙子の手下だが、実際は両名とも吉絵の腰巾着も同然の存在で、常に吉絵と行動している。理佐子はおっとりした雰囲気のたれ目の少女。ゆりは冷静な性格をしたごく平凡な娘。両名とも暇潰し感覚でイジメに加担している。
両者とも春花の両親殺害に関与している[注 10]が、妙子同様当初は本気にしておらず、事態がここまでの惨事になってしまったことで一転して怯えるようになり、家族をはじめとする周囲の者達に殺人の嫌疑が知られることをひどく恐れていた。しかし、吉絵と同行していたことが命取りとなり、真相を知って逆上した春花の手で両名とも吉絵と一緒に惨殺された。
小説版では、理佐子が裕福な家庭で優しい両親に甘やかされている描写が挿入されている。
久賀 秀利(くが ひでとし)
演 - 遠藤健慎[4]
イジメグループの1人。ブリーチ[注 11]ピアスをしたチャラ男風の少年。普段は温和で笑顔が絶えないが、閉鎖的かつ排他的な性格の持ち主。妙子に好意を持っており、本来優しかった妙子の人格の変化を春花に責任転嫁し、春花を憎んでいる。和生が娘のイジメについて学校に相談に来た際には、上履きの裏側にスパイクのように画鋲をつけた足で、和生の背中に跳び蹴りを食らわせ、刺し傷を負わせた。
春花の両親殺害に関与しており、春花の母親に火をつけ殺害した張本人。単独での下校途中で春花の襲撃に遭い、包丁で斬りつけられ重傷を負った上、逃げた弾みで古井戸に落ちて出られなくなる。口も切り裂かれていたために助けを呼ぶことも叶わず、かつての平穏な日常を思い出し泣きながら失血死した。
実写映画版では、原作同様に春花の襲撃で重傷を負い逃走した直後、崖に転落して足を骨折し身動きが取れなくなった。その際、事件の真相を自供している。
真宮 裕明(まみや ひろあき)
演 - 大友一生[4]
イジメグループの1人。池川の友人。ボウガンで小動物を殺傷するのが趣味で、他者の命を何とも思わない残虐非道な性格。殺したカラスを春花の机に入れるなど、悪質な嫌がらせをしていた。
春花の両親殺害に関与。久賀が行方不明になった時点で春花の復讐をいち早く察し、池川と共に春花の殺害を計画。ボウガンで春花を狙撃しようとしたが、誤射されて発狂した池川の妨害もあって失敗。その隙を突かれて春花にナイフで斬られ致命傷を負った挙句、奪われたボウガンで背中を撃たれ、そのはずみに足元の凍った池が割れて転落し、溺死した。
実写映画版では、池川を蹴り飛ばした後、逃げようとしたが春花に隙を突かれ腹をナイフで斬られ致命傷を負い、ボウガンで対抗しようとするが、春花に首のうなじを刺され死亡した。
池川 努(いけがわ つとむ)
演 - 遠藤真人[4]
イジメグループの1人。真宮の友人。肥満体系の少年。武器の改造が趣味で、真宮に改造したボウガンなどの武器を提供している。当初は転校してきた春花に一目惚れしていたが、春花が晄と仲良く話す姿を見ていくうちに劣等感を抱くようになり、春花を異端者と見なし憎むようになった。
春花の両親殺害に関与[注 12]。自身の劣等感と憎悪を晴らすため、真宮と共に春花の殺害を計画。春花を襲撃するも返り討ちに遭い、さらに真宮が春花に向けて発射したボウガンが自身の頭部に命中したことで発狂してしまい、真宮を春花と誤認して襲いかかるも、抵抗した真宮に蹴られ脳が飛び出して死亡した。
小説版では、裕福な家庭の一人息子であり、両親から過度なまでに溺愛されている描写が挿入されている。
実写映画版では原作同様の巻末を辿るが、脳が飛び出るシーンはカットされている。

春花の家族[編集]

野咲 祥子(のざき しょうこ)
演 - 玉寄世奈[4]
春花の妹。内向的な性格。春花からは「しょーちゃん」と呼ばれている。転校以前に、東京の学校でイジメを受けていた[注 13]
大津馬村の学校に転校して以来、平穏な生活を送る一方、春花がイジメを受けるようになったことに心を痛めており、両親とともに春花を精神的に支えていた。流美らイジメグループの襲撃による放火時には父親に庇われ、晄の救出により何とか生き延びるも、全身火傷で意識不明の重体となる。病室で流美と春花の対決が起きた際に起き上がるが、すぐに危篤状態となる。作中に直接の描写はないが、最終的に死亡している。
野咲 和生(のざき かずお)
演 - 戸田昌宏
春花の父親。気さくな性格。春花のことをよく気にかけており、「人数の少ない学校で靴が無くなった」ということから、早期からイジメの存在を疑い、学校へ相談に行くなどの対処を行った。流美らイジメグループにより焼き殺されるも、祥子を庇うように抱きかかえ何とか守ろうとしていた。
野咲 花菜(のざき かな)[注 14]
演 - 片岡礼子
春花の母親。優しい性格の持ち主。夫同様、春花のことをよく気にかけており、イジメの事実を知った後は登校拒否を勧めた。流美らイジメグループの襲撃を受け、久賀に火を付けられ殺害される。
野咲 満雄(のざき みちお)
演 - 寺田農[4]
春花の祖父で和生の父。春花の家族が流美らイジメグループに殺された後、訃報を知って大津馬村に駆け付け、春花と一緒に暮らすようになる。後に本性を露わにした晄の暴行を受けて重傷を負い、病院に搬送される。一命を取り留めはしたものの、息子の家族を全て喪うという絶望に苛まれ、失意のうちに独り帰郷した。

クラスメイトの家族[編集]

相場 紀久子(あいば きくこ)[注 7]
晄の祖母。温和な性格の持ち主。娘の紀子と孫の晄に起った事情を知らない。晄の上京を反対したために彼の暴行を受けた。全てが終わった後、紀子と再会した。
相場 紀子(あいば のりこ) / 村瀬 紀子(むらせ のりこ)<離婚前の旧名>
晄の母。かつては夫(晄の父)の暴力をあえて受けることで夫婦仲を繋ぎとめていたが、それに耐え兼ねた晄が夫に傷害を加えたことで離婚した。それから自暴自棄となり、晄を突き放したことで息子からも暴力を受けるようになり、晄を追放して実家に預けた。晄を追放して以降、彼に会うことを真っ向から拒絶していたが、全てが終わった後、晄の葬儀に参列するため実家に戻った模様[注 15]
小説版では、離婚してから晄の養育費のみならず生活費も実家に無心し、虚無的な生活を送っていたことが明かされている。
実写映画版では直接登場しないものの、彼女自身の存在は示唆されている。
晄の父
名前は不明。晄に暴力性を植え付けた張本人。ストレスのはけ口として長年妻の紀子にDVを加え続け、それが原因で晄にカッターで背中を切られる。自分が暴力を受けることには弱かったらしく、事件後に離婚し、逃げるように妻子を捨てて行方をくらました。
実写映画版では直接登場しないものの、彼自身の存在は示唆されている。
妙子の父
名前は不明。仕事で全国をあちこち飛び回っている実業家。非常に厳格な人物であると同時に極度の亭主関白であり、家庭内で絶対的な存在として君臨し、妻や娘の意見を撥ねつけるさまは専制君主のごとくであり、妙子の東京の美容学校進学の夢を「ただのわがまま」と一蹴し、彼女の人格に少なからぬ影を落としていた。全てが終わった後、妻と共に娘の死を悲しんだ。
実写映画版では傲慢な面が強調されており、「娘の就職先は自分(=父)が決める」と発言する有様となっている。
妙子の母
名前は不明。温厚な性格をした主婦。常に妙子の身を案じるが、余りの亭主関白ぶりな夫に頭が上げることが出来ないでいる。全てが終わった後、夫と共に娘の死を悲しんだ。
佐山 敦子(さやま あつこ)[注 7]
流美の母。娘思いの心優しい性格。流美の異変に気付いていたが、彼女に拒絶されていたため力になれなかった。全てが終わった後、変わり果てた流美の遺体を前に泣き崩れた。
小説版では、夫(流美の父)を早くに亡くし、女手一つで流美を育てていたことが明かされている。
吉絵の父
名前は不明。暴力的な性格をした典型的なチンピラ。吉絵を日常的に虐待していた。しかし妻とは異なり、親としての情はそれなりに持ち合わせており、妻と共に南の自宅へ向かい、吉絵が行方不明になったことを訴えるも拒絶された。その後、他の保護者達と共に抗議する際、南の素性を調べていたらしく、「イジメられることを恐れるあまり、クラスメイトである子供に手をかけたのでは」と難癖をつけたため、錯乱した南に襲われ唇を噛み切られた。全てが終わった後、変わり果てた吉絵の遺体を前に複雑な感情を向けた。
実写映画版では、男手一つで吉絵を育てる一方で虐待を行う描写がなされている。また、錯乱した南から傷害を受けずに済んでいる。
吉絵の母
名前は不明。重度のアル中で酒以外のことは無関心かつ無気力な性格。吉絵にネグレクトを受けさせており、全てが終わった後も吉絵の死に関心すら持たなかった。
実写映画版では割愛もあり登場しない。それに代わり、アル中の設定は吉絵の父に流用されている。
久賀 正江(くが まさえ)
久賀の母。息子を溺愛し、息子に何かあれば途端にヒステリックになり、即座に抗議や暴行を行う典型的なモンスターペアレント。久賀が春花に殺害された後、彼が帰宅しないことを南に訴えるが、逆に「あなたの息子さんのほうに問題がある」「あんた達(=久賀一家)のほうが異常」と返され、逆上し南を殴った。その後、他の保護者達と共に抗議する際、吉絵の父の言葉を真に受けて南に襲いかかったため、錯乱した彼女に両目を潰された。
実写映画版では性格がやや落ち着いており、錯乱した南から傷害を受けずに済んでいる。
久賀の父
名前は不明。妻の正江とは異なり、穏健な性格で比較的常識人。久賀が春花に殺害された後、息子が帰宅しなくなったことでヒステリックになった妻をなだめていた。

その他の人物[編集]

教頭先生
本名不明。大津馬中学校の教頭。情緒不安定な南を心配しており、生徒の保護者達が南を罵倒した際も彼女を庇う立場を取った。一連の事件が終結した後、複雑な心境で担任と生徒達が出席していない卒業式に出席した。
高橋(たかはし)
南の中学生時代の同級生で、クラスにおける南イジメのリーダー格の少女。クラスぐるみで南を徹底的にイジメ抜き、彼女を登校拒否に追い込んだ。
実写映画版では割愛もあり登場しない。

書籍情報[編集]

単行本[編集]

完全版[編集]

小説[編集]

双葉社から2018年に出版された。著者は黒史郎。表紙は押切蓮介が新たに描き下ろした。内容は原作を忠実に再現しているが、押切曰く「マンガとは違う視点、結末」が描写されている[5]

刊行情報[編集]

実写映画[編集]

ミスミソウ
監督 内藤瑛亮
脚本 唯野未歩子
原作 押切蓮介「ミスミソウ完全版」
出演者 山田杏奈
清水尋也
大谷凜香
森田亜紀
大塚れな
主題歌 タテタカコ「道程」
制作会社 レスパスフィルム
配給 ティ・ジョイ
公開 日本の旗 2018年4月7日
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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実写映画化され、2018年4月7日に公開[6]。主演の山田杏奈は映画初主演[1]

小説版と同じく内容は原作を忠実に再現しているが、原作との相違点として、「久賀を含む妙子の取り巻き達と端役の同級生達に接点がない」「終盤の展開が変更されている」といった描写がなされている。

キャッチコピー[編集]

  • 最も切なくて、最も美しく残酷なトラウマ・サスペンス
  • 卒業まであと2ヵ月―。私ね、人を殺したの。
  • 家族が焼き殺された日、私は復讐を決めた。

スタッフ[編集]

関連商品[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 単行本3巻のあとがきより。
  2. ^ 具体的な場所は、雪国であること以外は不明。実写映画版では新潟県がロケ地となっている。
  3. ^ 完全版では、満雄が帰京のため乗車した列車で、彼の前に幽霊として登場した描写がある。小説版では、自宅跡で死亡していたことが明記されている。
  4. ^ しかし、これは久賀と春花から見た妙子の印象であり、流美へのイジメは一貫して行っていた。
  5. ^ 晄の本性を知った経緯は小説版で補完されている。
  6. ^ 南に「友達」として扱われた妙子からも本心では「ゲロ教師」と見下されていた。
  7. ^ a b c 名前は小説版で判明。
  8. ^ ただし作中において、久賀の飛び蹴りを鑑賞していた描写と、画鋲を仕込んだ上履きを久賀に見せられた小倉が笑っていた描写があるのみで、直接的なイジメには加担していなかった模様。
  9. ^ 原作と異なり、小説版では最終的にクラスの生徒全員が死亡する結末を迎える。
  10. ^ a b 実際は怯えて傍観していただけに過ぎず、流美達よりも先に現場から逃げ出した後、外出していた春花と晄に逃避しているところを目撃された。
  11. ^ 地毛は黒髪だったが、妙子に染めてもらった。
  12. ^ 真宮によると、野咲家の襲撃時に祥子を強姦しようとしたらしいが、春花との対決時に彼女を挑発した時の発言であるため単なる出まかせの可能性もあり、本人もでたらめだと強く否定しているため、真偽は不明。ちなみに、実写映画版では祥子を強姦するそぶりを見せていない。
  13. ^ ランドセルを傷だらけにされるほどの過酷なイジメを受けていたが、それを家族に告げず耐えていた。
  14. ^ 名前は実写映画版で判明。
  15. ^ 自身の母(晄の祖母)との再会時、喪服ともいえる黒い服を着ている。

出典[編集]

  1. ^ a b “押切蓮介のトラウマ漫画『ミスミソウ』実写化 山田杏奈が映画初主演”. ORICON NEWS (oricon ME). (2017年12月13日). https://www.oricon.co.jp/news/2102267/full/ 2018年4月7日閲覧。 
  2. ^ “映画「ミスミソウ」相場晄役は清水尋也!雪景色が血で染まる特報映像も解禁”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2017年12月25日). https://natalie.mu/comic/news/262672 2017年12月27日閲覧。 
  3. ^ “映画「ミスミソウ」クラスの女王・妙子役は大谷凛香、役に合わせて金髪に”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2018年1月22日). https://natalie.mu/comic/news/266152 2018年2月12日閲覧。 
  4. ^ a b c d e f g h i “映画「ミスミソウ」いじめグループや妹など、10名の配役&ビジュアルが発表”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2018年2月2日). https://natalie.mu/comic/news/267946 2018年2月12日閲覧。 
  5. ^ “黒史郎が「ミスミソウ」をノベライズ、押切蓮介「マンガとは違う視点、結末」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年3月14日). https://natalie.mu/comic/news/273535 2018年3月14日閲覧。 
  6. ^ “押切蓮介「ミスミソウ」実写映画化決定!監督は「ライチ☆光クラブ」内藤瑛亮”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2017年7月17日). http://natalie.mu/comic/news/241131 2017年7月17日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]