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フラッシュバック (心理現象)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

フラッシュバック (flashback) とは、強いトラウマ体験(心的外傷)を受けた場合に、後になってその記憶が、突然かつ非常に鮮明に思い出されたり、同様に夢に見たりする現象。心的外傷後ストレス障害 (PTSD) や急性ストレス障害の特徴的な症状のうちの1つである。

概要

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フラッシュバックという用語は過去に起こった記憶で、その記憶が無意識に思い出されかつそれが現実に起こっているかのような感覚が非常に激しいときに特に使われる。フラッシュバックが起きた場合には、必ずしも映像および音が存在するとは限らない。記憶には様々な要素があるため、フラッシュバックは「恐怖」などといった感情や味覚・痛覚など、感覚の衝撃として発生し得る。これらの現象は、トラウマ体験時の状況と類似した出来事や、視覚・聴覚・嗅覚などの感覚刺激によって誘発されることが多い。

フラッシュバックは、幼児期に経験した外傷体験を言語的に認識する能力を持たないまま記憶し、それでもなお忘れられない場合にも起こる。この、外傷体験を当初から取り込むことに失敗する現象のことを解離という。この記憶はまともに意識に上らないため、時間に抵抗し変造加工が困難である。また、それゆえにフラッシュバック性の記憶はその鮮明さにも拘らず言語化が困難でもある。さらに時間とともに霞がかからずむしろ原記憶よりも鮮明さは増す傾向が強い。

幼年期のトラウマの体験者は、これらの感情の記憶を意識化しないまま持っている可能性もあり、そしてフラッシュバックにおいてそれらを再経験する可能性がある。

ほかにも急に思い出すなどもフラッシュバックとして使われることがある。

治療

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国際的なガイドラインにおいて推奨される標準的な治療法として、持続エクスポージャー療法(PE)や眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)などのトラウマに焦点化した認知行動療法が挙げられる。また、薬物療法としては選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などが用いられる。

一部の研究においては、大麻がPTSDによる不安やフラッシュバックの症状を緩和する可能性が報告されている[1]。また、大麻の主成分であるテトラヒドロカンナビノール (THC) の作用を模倣する合成カンナビノイドのナビロンを用いた小規模な試験も存在し、PTSD患者の悪夢の頻度や強さを減少させたとする報告がある[2]。ただし、これらは研究段階あるいは特定の地域における選択肢の一つであり、標準的な治療法として広く確立しているわけではない。

また、フラッシュバックは心的外傷後ストレス障害 (PTSD) に代表的な症状であり[3]、PTSDを治療することがフラッシュバックの軽減につながることから、「PTSD#治療」も参照。

関連項目

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脚注

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  1. ↑ Passie, Torsten; Emrich, Hinderk M.; Karst, Matthias; Brandt, Simon D.; Halpern, John H. (2012). “Mitigation of post-traumatic stress symptoms by Cannabis resin: A review of the clinical and neurobiological evidence”. Drug Testing and Analysis 4 (7-8): 649–659. doi:10.1002/dta.1377. PMID 22736575.
  2. ↑ Fraser, GA (2009). “The Use of a Synthetic Cannabinoid in the Management of Treatment-Resistant Nightmares in Posttraumatic Stress Disorder (PTSD)”. CNS Neurosci Ther 15 (1): 84–88. doi:10.1111/j.1755-5949.2008.00071.x. PMID 19228182.
  3. ↑ 伊東杏里 (2016). PTSDについて. 杏林医学会雑誌, 2016年 47巻 1号 p.73-76, doi:10.11434/kyorinmed.47.73