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マカロニパイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マカロニチーズパイ

マカロニパイ(Macaroni pie)は、マカロニチーズを焼いたキャセロール料理である[1][2]。主な材料は、エルボーマカロニ、チーズ、牛乳である。

作り方

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スライスしたマカロニパイ

典型的な材料は、マカロニ、チーズ、牛乳、バター小麦粉食塩コショウや様々なスパイスである[2]。さらに、タマネギパン粉等を加えることもある[2]。低脂肪チーズやスキムミルクを用いることで、低脂肪料理とすることもできる[2]スコットランドでは、パイ生地を用いるが[3]、その他では用いない[4]。扇形に切って提供される[5]

地域ごとのマカロニパイ

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カリブ海地域では、通常パイ生地は用いない[6]。また、冷やして食べることもあり、「カリブ風」と言われる[6]

バルバドス

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バルバドスのマカロニパイ

バルバドスでは、マカロニパイは人気のある料理であり、主菜または肉や魚とともに副食として食べられる[6]。黒コショウ等のスパイスやホットソース等を用いてスパイシーに仕上げることもある[6]

スコットランド

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スコットランドでは、ホットウォーター・クラスト・ペイストリーの中にマカロニとチーズを入れて焼く[3][7][8]。スコットランド内ではグレッグスでも販売されていたが、2015年6月に販売停止した。これに対し、販売再開を求めるオンライン上でのキャンペーンや請願が行われた[8]。主要政党の党首であるニコラ・スタージョンスコットランド国民党)、ルース・デヴィッドソン(スコットランド保守党)、ケザイア・ダグデール(スコットランド労働党)等もこの請願に署名した[8]

トリニダード・トバコ

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トリニダード・トバコでは非常に人気のある料理であり、昼食や夕食に食べられる[1]。トリニダード・トバコの主食とされることもある[9]。材料の1つであるチェダーチーズは、イングランド人によりトリニダード・トバコに持ち込まれた[1]。煮込んだ肉に添えて副食として食べられることもある[1]

アメリカ合衆国

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アメリカ合衆国では、マカロニパイは「ベイクド・マカロニ・アンド・チーズ」とも呼ばれ[2][10]南部料理である[11]。1900年代中盤には、「スパゲッティ」という言葉は主にマカロニを表し、この頃、スパゲッティの麺はマカロニパイを作るのに用いられていた[11]。1870年以降のアメリカのレシピでは、摩り下ろしたハムが材料に用いられた。また、リスカモの肉も用いられた[12]。1892年以降のレシピでは、豚肉やハムが用いられる[13]

似た料理

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パスティチオ

フィンランドのマカロニキャセロールまたはマカロニラーティッコは、エルボーマカロニと、と牛乳を混ぜたものを焼いて作る人気の料理である。挽肉とタマネギを加えると、リハマカロニラーティッコと呼ばれる。焼く前に、パン粉や粉チーズ、バターをトッピングすることでカリカリな食感にする[14]。マカロニラーティッコは、トマトケチャップガーキン等のピクルスを添えて提供される。パスティチはギリシャ料理のマカロニパイで、エルボーマカロニと様々な材料を用いて作られる[15]

イタリアでは、マカロニパイはルネッサンス期の宮廷シェフによって作られたパスティッツィに由来する長い伝統があり、様々な町で伝統的な料理として食べられる。有名なフェラーラハト肉とトリュフを詰めたものの他[16]ローマでは鶏の内臓を詰め、上にクリームをかけたものがあり、さらにナポリシチリアにも独自のマカロニパイがある[17][18]。シチリアのティンバッロは、ルキノ・ヴィスコンティの映画『山猫』で有名になった[18]

出典

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  1. ^ a b c d Ganeshram, R.; Vellotti, J. P. (2005). Sweet Hands: Island Cooking from Trinidad & Tobago. The Hippocrene cookbook library. Hippocrene Books. p. 98. ISBN 978-0-7818-1125-5. https://books.google.com/books?id=zNA8RWWB3gwC&pg=PA98 May 9, 2016閲覧。 
  2. ^ a b c d e Rombauer, I. S.; Becker, M. R.; Becker, E.; Guarnaschelli, M. (1997). JOC All New Rev. – 1997. Scribner. p. 320. ISBN 978-0-684-81870-2. https://books.google.com/books?id=tbyW2LeXIOkC&pg=PA320 May 9, 2016閲覧。 
  3. ^ a b Bartynek, Shirley (July 2, 2015). “Free macaroni pie for every reader in today's Hamilton Advertiser”. Daily Record. May 9, 2016閲覧。
  4. ^ Rundell, M. E. K. (1844). A New System of Domestic Cookery: Founded Upon Principles of Economy, and Adapted to the Use of Private Families. Carey and Hart. p. 98. https://books.google.com/books?id=QHUEAAAAYAAJ&pg=PA98 May 9, 2016閲覧。 
  5. ^ DellaVecchia, D. (2012). The Diary of a Mad Chef: "A Collection of Culinary Treasures and Short Stories". Trafford Publishing. p. 149. ISBN 978-1-4669-4302-5. https://books.google.com/books?id=RNOKBRsyOXYC&pg=PA149 May 9, 2016閲覧。 
  6. ^ a b c d Spieler, M.; Barnhurst, N. (2013). Macaroni & Cheese. Chronicle Books LLC. pp. 104–105. ISBN 978-1-4521-2507-7. https://books.google.com/books?id=m-iLP7yhdC0C&pg=PA104 May 9, 2016閲覧。 
  7. ^ Eight Scottish foods that they're too scared to serve anywhere else”. Herald Scotland (May 27, 2015). May 9, 2016閲覧。
  8. ^ a b c Wilkie, Stephen (June 25, 2015). “Fury as Greggs says bye-bye macaroni pie”. Express.co.uk. May 9, 2016閲覧。
  9. ^ O'Donnell, K. (2013). Tobago Adventure Guide. Hunter Publishing, Incorporated. p. pt117. ISBN 978-1-55650-127-2. https://books.google.com/books?id=3SLYAAAAQBAJ&pg=PT117 May 9, 2016閲覧。 
  10. ^ Fowler, D. (2014). Beans, Greens & Sweet Georgia Peaches: The Southern Way of Cooking Fruits and Vegetables. Globe Pequot Press. p. 72. ISBN 978-1-4930-1410-1. https://books.google.com/books?id=foKtBAAAQBAJ&pg=PA72 May 9, 2016閲覧。 
  11. ^ a b Dupree, N. (2012). Mastering the Art of Southern Cooking. Gibbs Smith. p. pt654. ISBN 978-1-4236-2316-8. https://books.google.com/books?id=SZIOkItQnR4C&pg=PT654 May 9, 2016閲覧。 
  12. ^ Elliott, S. A. (1870). Mrs. Elliott's Housewife: Containing Practical Receipts in Cookery. Hurd & Houghton. p. 79. https://archive.org/details/mrselliottshous00elligoog May 9, 2016閲覧。 
  13. ^ Taylor, M. (1892). Letters to a Young Housekeeper. Cooking in America Series. Applewood Books. p. 94. ISBN 978-1-4290-1095-5. https://books.google.com/books?id=HjYl18M_-RgC&pg=PA94 
  14. ^ Makaroonilaatikko - Traditional Finnish Macaroni Bake”. Cake Crumbs & Beach Sand. 23 June 2018閲覧。
  15. ^ Joachim, D. (2005). The Church Supper Cookbook: A Special Collection of Over 400 Potluck Recipes from Families and Churches Across the Country. Rodale. p. 25. ISBN 978-1-59486-202-1. https://books.google.com/books?id=IQfZ1JrR-5YC&pg=PA25 May 9, 2016閲覧。 
  16. ^ Savoldi, Giovanna (1977) (イタリア語). Cucina Emiliana e Romagnola. Firenze: Edizioni del Riccio. p. 41 
  17. ^ Boni, Ada (1983) (イタリア語). La Cucina Romana. Roma: Newton Compton Editori. p. 201 
  18. ^ a b Timballo del Gattopardo”. Ricette di Sicilia. 20 May 2016閲覧。

関連項目

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外部リンク

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