ボーイング307

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ボーイング307

スミソニアン博物館に展示されるパンアメリカン航空のボーイング307

スミソニアン博物館に展示されるパンアメリカン航空のボーイング307

ボーイング307(Boeing Model 307)とは、アメリカ合衆国の航空機メーカーであるボーイング社が開発した、世界初の与圧キャビンを持つ商業用旅客機である。

概要[編集]

ラオス王立航空のボーイング307

ボーイング307は愛称を「ストラトライナー」といい、合計10機が製造された。20000フィートの高度を荒天であっても与圧されたキャビンでは快適な空の旅を提供することが出来た最初の旅客機であった。

主翼尾翼降着装置は同社が製造した爆撃機B-17のものが流用され、機体構造にも共通点が多い。その後も、レシプロ機時代のボーイングは、爆撃機の主翼などを流用した旅客機を製造していた。

1938年12月31日初飛行したものの、1939年3月18日に、KLMオランダ航空のパイロットにより試験飛行中に垂直尾翼の設計ミスが原因の墜落事故を起こした。その後改修されたものの、第二次世界大戦の勃発によりKLMオランダ航空は導入を取りやめた。

その後1940年3月にパンアメリカン航空によりアメリカ大陸横断路線やアメリカと南アメリカを結ぶ路線に就航し。その後トランスワールド航空にも納入されたものの、与圧されていないもののより乗客数が大きく経済性に優れるダグラスDC-4などとの競合にさらされたことや、第二次世界大戦へのアメリカの参戦により生産が中止されたことなどから最終的に10機が生産されたにすぎず、商業的には成功しなかった。

第二次世界大戦にアメリカが参戦すると、各航空会社より軍用に徴発され、5機がC-75輸送機として運用された他、トランスワールド航空のオーナーで億万長者としても有名なハワード・ヒューズが購入し、豪華な内装を持つ「フライング・ペントハウス」として使用していた。なおパンアメリカン航空が使用し、その後アメリカ軍に徴発された機体は、第二次世界大戦終結後に民間に払い下げられ、1970年代中頃までアジアや南アメリカの航空会社で使用されていた。

現在は唯一文化財として、パンアメリカン航空が使用していたNC19903機がスミソニアン博物館展示保存されている。この機体はスミソニアン博物館が1969年に購入後、20年間砂漠で保管されていたが、ボーイング社で保存工事が行われた。2002年、最後の飛行としてスミソニアン博物館へ回航する途中、シアトルで不時着水するという事故に見舞われたものの、引き揚げ・修復の上で2003年から同館で一般公開されている。

スペック[編集]

客室内部の様子
  • 乗員: 3
  • 乗客: 33
  • 全長: 22.66m
  • 全幅: 32.61m
  • 高さ: 6.34m
  • 翼面積: 138.0 m2
  • 自重: 13,608kg
  • 最大離陸重量: 19,050kg (42,000lb)
  • エンジン:ライト製 GR-1820 空冷単列星型9気筒レシプロエンジン 900hp(671KW) 4基
  • 最高速度: 396 km/h
  • 航続速度: 352 km/h
  • 航続距離: 3,846km
  • 実用上昇限度: 7,985m
  • 与圧式

軍用オペレーター[編集]

外部リンク[編集]