バチバチ

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バチバチ
ジャンル 相撲漫画
漫画:バチバチ
作者 佐藤タカヒロ
出版社 秋田書店
掲載誌 週刊少年チャンピオン
レーベル 少年チャンピオン・コミックス
発表期間 2009年24号 - 2012年19号
巻数 全16巻
話数 全141話
漫画:バチバチ BURST
作者 佐藤タカヒロ
出版社 秋田書店
掲載誌 週刊少年チャンピオン
レーベル 少年チャンピオン・コミックス
発表期間 2012年25号 - 2014年36+37合併号
巻数 全12巻
漫画:鮫島、最後の十五日
作者 佐藤タカヒロ
出版社 秋田書店
掲載誌 週刊少年チャンピオン
レーベル 少年チャンピオン・コミックス
発表期間 2014年50号 -
巻数 既刊3巻
テンプレート - ノート

バチバチ』は、佐藤タカヒロによる日本漫画作品。大相撲を題材としているシリーズ作品。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて、2009年24号から2012年19号まで第1部『バチバチ』、2012年25号から2014年36+37号まで第2部『バチバチ BURST』(バチバチ バースト)が掲載され、2014年50号から最終章『鮫島、最後の十五日』(さめじま、さいごのじゅうごにち)が連載されている。

あらすじ[編集]

バチバチ[編集]

暴力事件で角界を追放されたかつての名大関・火竜の一人息子、鮫島鯉太郎。幼い頃に父を亡くし、火竜の友人に引き取られ育てられた鯉太郎は、手のつけられない不良少年として近隣に名を馳せる一方、ひとり誰に教わるでもなく相撲の稽古に励んでいた。大相撲の巡業の土俵で幕下力士を倒したことをきっかけに、鯉太郎は親方にスカウトされ空流部屋の門を叩いた。時を同じくして、火竜と因縁の深かった元横綱・虎城の息子で高校横綱の王虎も、父のいる虎城部屋へ入門。父親の代から続く王虎とのライバル関係を全国的に注目されながら、鯉太郎は力士としての一歩を踏み出す。

バチバチ BURST[編集]

白水が序二段優勝戦で鯉太郎を破り、吽形が引退してから半年。鯉太郎と白水は幕下に出世し、空流部屋には学生横綱の常松と引きこもり少年の大吉の二人の新弟子が入門した。優勝の最有力候補と見られる王虎をはじめ、天雷や石川といった同期、空流に因縁を持つ力士、十両を狙うまだ見ぬ強豪らがひしめく中、鯉太郎は白水、常松と共に波乱の五月場所に挑む。

鮫島、最後の十五日[編集]

鯉太郎が五月場所で王虎を下し幕下優勝を果たしてから、五年以上の月日が流れた。前頭下位となった鯉太郎は人気力士としてファンに愛されるようになり、その実力も真っ向勝負で大関をねじ伏せるほどまでに成長していた。しかしその一方で、幕内力士として非常に小柄な体格と太りにくい体質、どんな相手とも全力で真正面からぶつかってゆくスタイルのためにその体は満身創痍、休場も珍しくなくなっていた。これが最後の土俵かもしれないという悲壮な覚悟を常に抱きながら、鯉太郎は土俵に上がり続ける。

登場人物[編集]

年齢は全て初登場時。

大海一門[編集]

空流部屋[編集]

かつては所属力士が20人いる比較的規模の大きい部屋だったが、空流旭の妻の没後経営が悪化。鯉太郎が入門した頃には、所属力士は4名のみ、自前の洗濯機もなく、建物の半分を壊して駐車場として貸し出す貧乏弱小部屋となっていた。しかし仁王(阿形)らの活躍によって徐々に勢いを盛り返し、親方の代替わりの頃には鯉太郎、白水、松明(常松)と3名の関取を擁して人気も上々、弟子が増えて経営も軌道に乗り、部屋をビル仕立てに改築している。

鮫島 鯉太郎(さめじま こいたろう)
主人公。本名も同じ。山形県出身。身長は176センチと力士としては比較的小柄。
人品に問題はありながら、その圧倒的実力のため横綱も近いと囁かれた名大関・火竜の息子。荒くれながら土俵上で誰よりも輝いて見えた父を心から尊敬していたが、その憧れの父はある夜一般人への暴行事件を起こし、あっけなく除名処分されてしまう。その後、酒に溺れ、かつてのファンにも軽蔑に満ちた視線を向けられるほど堕落した父の姿を見て激怒、もはや『偽物』と化した父に引導を渡すためぶちかまし勝負を挑むが、幼い少年の身では敵うはずもなく敗北、額に大きな傷を作る。火竜の死後、斎藤家に引き取られてからは、庭の樹にひたすらぶちかましを行う独自の稽古を日課としていたため、身体能力は高い。巡業のイベントで現役力士を吹き飛ばした際、空流親方に目を付けられ、その場でスカウトされる。
普段から負けず嫌いで直情的だが、幼少期の経験から、すさまじい怒りの感情を内に秘めており、亡き父や親しい人間が貶められると我を忘れて怒り狂うなど激発することも多かった。しかし空流部屋の面々と接するうちに様々なことを学び、落ち着きをみせるようになってゆく。野次の飛び交う場内を美しい柏手一つで静まらせるなど、父がついに最期まで会得することのできなかった品格が、既に備わり始めているような描写さえある。
父火竜の角界追放に前後したマスコミ報道の変貌ぶりを知っているため、マスコミそのものと、父を角界から追放するよう理事の中でもひときわ強く働きかけた(実際は、そうせざるを得ない様に圧力をかけられていた)虎城親方を不信・敵視していた。一度悩むと思い詰めてしまう癖があり、稽古もオーバーワークになりがちなため兄弟子たちから心配されている。元ヤンキーであるため言葉遣いはなっていないがよくも悪くも素直な性格で、先輩や親方のアドバイスには真摯に耳を傾け実行するため、部屋内では新入りとして可愛がられていた。
相撲の型は押し相撲。幼少期に斉藤家に引き取られて以来毎日のように鍛え上げたぶちかましと張り手によっていつもバチバチに相手へとぶつかっていく。しかし体重の影響を受ける押し相撲を得意としながら太りにくいという、スタイルと矛盾した体質に悩み、吐くまで大量に食べて無理に身体を作ろうとしたことや、他方でオーバーワークで体型とスタイルを崩してしまったことがある。その強さや性格から教習所では恐れられながらも一目置かれる存在であったが、当初は組んだ際の脆さをつけこまれると弱いという弱点もあった。しかし、部屋の先輩力士の吽形との特訓で投げ技を身に付け、実戦を通して技を磨き上げていく。BURSTからは下手投げの他、吽形を彷彿とさせる技巧を見せており「空流で吽形の血をもっとも継いでいる」と評されている。
「BURST」では幕下に昇進し、常松・大吉の二人の新弟子の教育係を任され、悩みながらも二人の指導に励んでいる。五月場所では同期に遅れながらも一気に幕下まで出世してきた王虎との因縁が再び注目され、王虎と常松の挑発に乗せられる形で「王虎に負けたら廃業」と宣言。王虎との取組では下手投げと小手投げの打ち合いの末に敗れ、言葉通りに廃業するべきか苦悩していたが、椿の叱咤によって立ち直り宣言を撤回、いつも通りに場所へと臨んだ。その後偶然に呼び戻しのヒントを掴み、現役時代に呼び戻しを得意としていた空流親方の指導により、ぶちかまし、下手投げに次ぐ新たな得意技として習得した。千秋楽には王虎らと共に優勝決定戦に進出、岩の藤と闘海丸を破って王虎との再戦に臨み、連戦による疲労をものともせず互角の勝負を展開。精神的に大きく成長した王虎を取り直しの一番の末に破り、幕下優勝を飾った。
「最後の十五日」では前頭下位に昇進、体格をものともせず真正面からぶつかり合う取り口などから、悪役扱いされていた過去とは異なり押しも押されもせぬ人気力士となっている。その実力も他の幕内力士から一目置かれるほどのものとなり、幕内力士として異色と言えるほど小柄な体格ながら、そのぶちかましの威力は大関を怯ませるほどに成長している。しかし一方、小柄にも関わらずどんな相手とも真正面からぶつかり合うために怪我が多く、場所後半から休場することが珍しくなくなり、更には慢性外傷性脳症と思しき症状も現れている。
仁王 剛平(におう こうへい)/ 阿形 剛平(あぎょう こうへい)
空流部屋の部屋頭。本名・高杉(たかすぎ)剛平、東京都出身、20歳。幕下までは阿形、関取となって以降は仁王の四股名を使っている。
子供の頃から有り余る力を持ち、そのためにどんなスポーツをやっても周囲がついていけず孤立、その噂を聞いた空流親方に大相撲にスカウトされた。初めて部屋を訪れた時に吽形と出会い、互いの気性の荒さからいきなり激しい殴り合いになったが、周囲に誰も理解者がいなかった互いの境遇を知り、その後は同期・同い年の親友同士になった。
豪放・粗野な性格で口が悪く、弟弟子を「チンコ虫」呼ばわりするなど下品な面もあるが、面倒見はよく稽古も熱心で皆に慕われている。四つ相撲を得意とし、日本人離れした怪力で体格で勝る相手でも真正面からねじ伏せる豪快な相撲を見せる一方で、寄り切りの時に勇み足で白星をこぼすことも多い。何事に対してもストイックな吽形に対して、相撲を心から楽しんでいる様子が見られる。
鯉太郎と白水が序二段優勝戦を争った九月場所で、幕下全勝優勝をかけて吽形と対決。鯉太郎・白水戦を超える壮絶なぶつかり合いの末に、吽形の会心の投げを力づくで破って勝利した。その後十両昇格を機に、引退する吽形も共に背負うという意味も込め、四股名を「阿形」から「仁王」へと改めた。
「BURST」ではそれまでと比べてモミアゲが伸び、五月場所の前には十両から幕内への昇格が決定していた。「最後の十五日」では十両と幕内を行ったり来たりする実力だったが、空流親方に恩返しをしようと奮起し、やがて2年で関脇に昇進。綱取りを狙う怪力の外国人大関・天鳳を真正面から力でねじ伏せ、大関昇進が目前に迫るだけでなく将来の横綱とまで期待されるようになっていた。しかし親方が突然の事故で亡くなり、部屋を継ぐ資格のある人間が自分以外にいなかったことから、親方の墓前で自ら髷を落とし引退、惜しまれながら空流の名跡を継いだ。引退して3年が経過してもなお、空流部屋の中では最も強いという。
吽形 亘孝(うんぎょう のぶたか)
空流部屋所属の力士。本名・吉田(よしだ)亘孝。 岩手県出身、20歳。
元々は進学校に通う優等生だったが、レールの上を走るような生き方に疑問を覚え、暴力事件を起こして誰にも引き留められることなく高校を退学、勘当同然に家を飛び出し、阿形と同期に空流部屋に入門した。父親は岩手県議会議員。目が細く穏やかな外見で普段の物腰も丁寧だが、阿形に負けず劣らず気性が激しい。
親友である阿形と同じく力と才能に恵まれ、ストイックに稽古に臨む姿勢で実力も伸び、阿形よりも早く幕下まで出世していたが、大鵠との一番で膝を壊されて長期休場し、鯉太郎入門時には三段目となっていた。その後名古屋場所で幕下に返り咲き、因縁の大鵠を倒した後幕下優勝を飾り、次の九月場所では十両への昇進も決定的にしていた。しかし大鵠に壊された膝が限界を迎え、全勝同士で臨んだ阿形との壮絶な優勝決定戦に敗れた後、十両昇進を待たず現役を引退、帰郷した。現役時代の最高位は東幕下四枚目。
本来は四つ相撲を得意としていたが、休場明けからしばらくは膝への負担を考慮して押し相撲に徹していた。力押しの多い阿形に対して様々な技を駆使して攻めることが多く、投げを覚えた後の鯉太郎の成長に大きな影響を及ぼしている。また自分で自分を追い込みやすい性格が鯉太郎と似ているためしばしば親身なアドバイスを送り、時に厳しい言葉も投げかけていた。酒癖が悪い。
「BURST」には登場しない。「最後の十五日」では親方の葬儀に参列した後、仁王と二人で親方の墓に参り、空流部屋を継ぐべく墓前で髷を切る仁王の姿を見届けた。
川口 義則(かわぐち よしのり)
空流部屋所属の力士。鯉太郎、白水の兄弟子。鯉太郎と白水からは「川さん」、阿形と吽形からは「川ちゃん」と呼ばれている。
一言も喋らず全く表情が変化せず、何を考えているのか他人には全く分からない。川口義則という名前も仮名とされていて、カニが好物という以外その正体は一切不明。登場する時は常にカメラ目線になり、目を開けたまま眠るなど奇行が目立ち、他人には神々しい奇妙なオーラを感じさせる。取組では相手不意を衝くような戦法で白星を挙げているが、そのように勝つと見せかけてあっさり負けることも多い。
番付は「BURST」までは三段目、「最後の十五日」では不明。
白水 英樹(しらみず ひでき)
空流部屋所属の力士。本名同じ。東京都出身、18歳。190センチという長身で体格に恵まれている。体格とリーチを生かした押し相撲を得意とし、懐が深く投げにも強い。
根は真面目な性格で兄弟子を慕ってはいるが、一言多い性格のお調子者で、いつも阿形に些細な悪態をついては小突かれている。鯉太郎の入門時には教育係をしていた。序二段時代に髷を結えるようになったが、その祝いの席で酔った吽形にバリカンで頭を刈られ、それを誤魔化すために月代を剃りあげることになってしまい、以後髪型はそのままとなっている。
鯉太郎の入門当初は、真面目すぎる性分を気に掛け時に叱咤激励してやるなど良き兄弟子となる一方で、実力が思うように伸びず、急成長する鯉太郎のことを常に意識し、九月場所で鯉太郎に番付を抜かれた時には部屋に籠って悔し涙を流していた。やがて阿形と吽形の指導で、ゴリラという掛け声から繰り出す強烈な「ゴリラ張り手」を身に着け、鯉太郎と同じく序二段として臨んだ九月場所で、大学相撲の猛者だった田上を下して自信をつけた。その後の天雷戦で圧力に恐怖し変化したことで再び自信を失い、鯉太郎に厳しく非難されたこともあって廃業まで考えるようになったが、吽形の膝が限界を迎えていることを知って奮起。全勝同士で迎えた鯉太郎との序二段優勝戦を、激しいぶつかり合いの末に鯉太郎の会心の下手投げを破って制し、鯉太郎と和解すると同時に力士としてそれまで以上の大きな自信をつけた。
「BURST」では鯉太郎と同じく幕下に昇進。ナマズのような口髭を生やし「関取に一番近い男」を自称、実際に元十両を張り手一発で沈めるなど、鯉太郎からも「まだ幕下にいるのがおかしい」と言われていた。全勝同士で臨んだ五月場所での王虎との対決では、小手投げで腕を折られながらなおも気迫で立ち向かい、強烈な張り手を受け意識が朦朧とした王虎に髷を掴まれ、反則勝ちという形ながら勝利を収め、王虎の連勝記録をストップさせた。この取組の負傷によって以後は休場、入院して手術にあたったが、肘の靱帯には損傷がなかったため力士生命に影響はないという。
「最後の十五日」では仁王の現役時代から入幕しており、月代はそのままで口髭だけでなく顎鬚も生やし、ファンからは「殿」と呼ばれている。
月代部分は意図的に残しているものではなく、白水本人は自然に髪が生えなくなったと思っているが、実際は寝ている間に川口に剃られているために生えてこないように見えている。
松明 洋一(まつあかり よういち)/ 常松 洋一(つねまつ よういち)
「BURST」より登場した新弟子。元学生横綱で、普段は眼鏡をかけ、空流部屋の人間からは常(ツネ)と呼ばれている。幕下までは本名の常松で土俵に上がっていた。
右のカチ上げから入る立ち合いが得意パターンで、右肩に大きなコブがある。得意技の小手投げは王虎が見習って身に着けたほどの切れ味を持ち、また事前に対戦相手のデータを集めて傾向と対策を立ててから取組に臨んでいる。
虎城の付け人だった父・松明に相撲を教わり、中学2年生で中学横綱となったことで虎城に見込まれ、以来虎城部屋の稽古に参加するようになる。やがて大学に入り学生横綱になったが、虎城と王虎を倒すため、それまで付き合いの深かった虎城部屋を蹴って空流部屋に入門した。
家族に暴力を振るい続け蒸発した父を深く軽蔑しており、学生横綱になったのも、父のいた序二段・三段目を嫌い幕下付出から始める資格を得るためだった。その一方で、虎城との初対面時に父親を侮辱されたことに対して根強い反感を持ち続け、それが空流部屋に入門する大きなきっかけのひとつとなるなど、父親に対して複雑な感情を抱いている。また父がいなくなった後の家庭が貧しい生活を強いられたことから、相撲を母と妹を養うための金儲けの手段として捉えている部分が大きく、金銭に対する執着心が非常に強い。虎城部屋に入らなかったのも、王虎を倒して名を売るためという一面がある。
入門当初は普段時だけでなく土俵の上でも慇懃無礼な振る舞いが目立ち、周囲の人間を見下し、部屋の稽古にも参加せず一人で稽古を続けていた。幕下付出として迎えた初めての場所では、初土俵で元十両の大森海に圧勝するなど順調な取組を見せていたが、鯉太郎を倒して勢いに乗る王虎との対戦で、会場を盛り上げるための手を抜いた取組に終始された挙句得意の小手投げで敗れ、続く石川戦では立ち合いの張り手の一撃で組み付く前に失神し、優勝戦線から脱落。悔し涙を流しながら空流部屋で強くなる決心を固め、親方や鯉太郎ら兄弟子に対して敬意を払うようになった。
「最後の十五日」では前頭六枚目に昇進し、父のものと字は同じだが読みの異なる「松明」(まつあかり)という四股名を十両時代から名乗っている。周囲との関係は良好になり鯉太郎や白水とともに熱心に稽古に励んでいるが、ファンにサインをねだられて金銭を要求する素振りを見せるなど、金に対する執着は消えていない様子が見られる。
丸山 大吉(まるやま だいきち)
「BURST」より登場した新弟子。17歳。
空流部屋後援会の武川社長の甥で、高校にも通わない引きこもりのオタクだった。身長187センチ、体重139キロと非常に大柄な体格だったため、根性を鍛え直すために武川社長に無理矢理空流部屋に入門させられる。常松とは同期。
当初はそれまでと全く環境の違う相撲部屋の生活についていけず、指導係の鯉太郎の厳しい叱咤に対する愚痴をマスコミにこぼすなど問題を起こしていたが、鯉太郎の人となりに触れて反省し、やがて部屋の一員として溶け込んでいった。初土俵の取組は、内容的には勝っていたが不浄負けでこぼしてしまう。
「最後の十五日」では序二段に昇進しており、常松を「常ちゃん」と親しく呼んでいる。部屋の稽古にもついていけるようになったが、本場所で結果が出せないでいる。
豆助(まめすけ)
「最後の十五日」より登場した新弟子。番付は序の口。人相が悪く口調も乱暴。鯉太郎を慕っている。
目丸手(めがんて)
「最後の十五日」より登場した新弟子。番付は序二段。片言で喋る黒人。
空流 旭(くうりゅう あさひ)
空流部屋の親方。現役時代の四股名は春風、最高位は小結。本名・奥村(おくむら)旭。石川県出身、51歳。
坊主頭に近い短髪の総白髪で右目の瞳がなく、右目は失明していると示唆される回想がある。しばしば激情的な一面が表に出るが、基本的に飄々とした性格で弟子から慕われている。一人娘の椿を溺愛しており、娘の恋愛に関する話題に動揺する一面もある。大の酒好きで夜には顔や鼻を赤らめている場面が多く、朝から酒を飲んでいることもある。好きな酒は麦焼酎
神事としての一面が忘れ去られつつあり、また弟子に対する体罰に過敏になっている角界の現状を憂慮している。「生きるのに不器用な人間の希望でありたい」という目標を持って部屋を運営しており、鯉太郎や阿形・吽形をスカウトして厳しい基礎稽古を積ませ、やがて妻(おかみ)の没後傾いていた経営を自力で立て直した。
現役時代は虎城と同時代に活躍し、大横綱だった虎城から小兵ながら最も多くの白星を上げ、『虎城キラー』の異名を誇った。そのため虎城からは、引退して互いに親方になった後も部屋ごと目の敵にされている。虎城を倒した時の決まり手は、全て得意技の呼び戻しだったという。
「最後の十五日」では、現役時代の自分を超える番付に昇進し、大関取りのかかる所まで来た仁王の成長を心から喜んでいたが、新寺親方と祝杯を上げに行って一人で帰宅する途中、危険ドラッグ吸飲者による自動車の暴走事故に巻き込まれ、帰らぬ人となった。死後、空流の年寄名跡は引退した仁王が継承し、部屋の稽古場には遺影が祀られている。
奥村 椿(おくむら つばき)
空流旭の娘。年齢は鯉太郎と同い年。母の死後、おかみがわりとして父と共に空流部屋を切り盛りしている。
稽古に励む部屋の力士たちを間近に見ており、その苦労や成長をよく理解している。そのため普段は持ち前の気の強さで強面の力士達を引っ張っており、廃業を考えていた白水や鯉太郎を叱咤し立ち直らせたこともある。鯉太郎に思いを寄せている様子が見られる。料理は苦手。
床上手(とこじょうず)
空流部屋所属の床山。階級は二等床山。本名・山岡薫(やまおか かおる)、神奈川県出身で自称24歳。
ショートボブの髪型にミニスカートをはいたおかまで、阿形からは化物呼ばわりされている。体を触るだけで、力士の体質がある程度わかる。部屋では昼食作りも担当している。
「最後の十五日」では一等床山に昇格している。

新寺部屋[編集]

石川大器らが所属する部屋。多くの関取がおり、大関も1人いる。

飛天翔 大器(ひてんしょう だいき) / 石川 大器(いしかわ だいき)
新寺部屋の力士。 神奈川県出身、16歳。鼻には真横に大きく走る傷痕があり、頭髪は地毛が茶色。誰が相手でも物怖じしせず威勢が良い。
元は神奈川中に悪名を知られる不良少年だった。高校の担任だった老教師に無理矢理連れてこられる形で新寺部屋を訪れ、喧嘩自慢だった自分が全く通用しない力士の実力を思い知らされた後、部屋頭の大関・天鳳の迫力に圧倒されてそれまでの自分の小ささを素直に悟り、力士を目指して新寺部屋へ入門した。鯉太郎とは同期の親友同士で性格も似ており、相撲教習所以来のライバルでもある。相撲のスタイルは突き押し一辺倒で、張り手の威力は同期の中でも一目置かれている。
「BURST」では鯉太郎らと共に幕下に昇進、相撲を始めてわずか1年で幕下に上がっており、新寺親方や飛天勇にその才能を評価されていた。五月場所では初日に鯉太郎に敗れるもその後の取組は全て勝利、学生横綱だった常松を張り手の一撃で失神させていた。その後幕下優勝決定戦の一回戦で王虎と対戦、気迫で王虎を上回り会心の一撃を叩きこんだが、カウンターの張り手を受け最後は意識を失って敗退した。
「最後の十五日」では本名の石川ではなく飛天翔の四股名を名乗り、前頭西十二枚目に昇進していた。しかし鯉太郎と同じく力士として恵まれない体格に加え、突き押し相撲で正面から叩きあうスタイルのために慢性外傷性脳症を発症し、医師と親方から引退勧告を受け、場所初日の鯉太郎戦を最後に引退を決意。自分の全てを振り絞る強烈な張り手の連打を鯉太郎に与え、それを全て受け切った傷だらけの鯉太郎に寄り切られて敗れ、鯉太郎に希望を託し土俵を去っていった。
劇中では序の口時代、幕下時代、前頭時代と三度鯉太郎と対戦し、真正面からの激しいぶつかり合いの末三度とも敗れているが、本人と鯉太郎の言葉によると稽古も含めた戦績はほぼ互角だったという。担任だった老教師に対しては高校時代は反抗していたが、入門後は角界入りのきっかけを作ってくれた恩人と慕うようになり、引退の際には場所前に自宅へ挨拶に訪れていた。
天鳳(てんほう)
新寺部屋の部屋頭。外国出身で、長年に亘って大関の地位にいる。不良少年だった石川が入門するきっかけになった存在。力押しの相撲を得意とする怪力力士で、正面から組み合おうとするのは横綱と仁王以外にはいないという。
「最後の十五日」では綱取りを目指す場所で関脇の仁王と対戦、力と力の強烈なぶつかり合いの末に起死回生の上手投げ徳利投げで返されて敗れ、そのまま波に乗れず綱取りを逃した。
飛天勇 豪士(ひてんゆう たけし)
新寺部屋所属の幕内力士。支度部屋で無礼を働いた仁王を注意した際、謝罪しようとしない仁王とそのまま喧嘩に発展して以来、仁王とはいがみ合う仲となっている。同門ということもあり、石川と共に空流部屋に度々出稽古に訪れている。
「最後の十五日」では前頭四枚目となっており、飛天翔の取組を終えた鯉太郎に飛天翔の引退と脳障害を伝え、弟弟子の花道を飾ったことに涙ながらに感謝の意を述べた。
新寺 宗男(にいでら むねお)
新寺部屋の親方。現役時代の四股名は天凱、最高位は大関。オールバックの髪型に眼鏡をかけている。同門の空流親方と仲が良い。「最後の十五日」では、理事会の多数が仁王の引退と空流継承に反対する中、虎城と共に継承を後押しした。

田ノ中部屋[編集]

宝玉光 直也(ほうぎょくこう なおや)
「最後の十五日」で登場した田ノ中部屋の幕内力士。本名・雨宮(あめみや)直也。番付は前頭十一枚目。口元に、仁王につけられた縦に走る大きな傷痕がある。誰もが認める桁外れの才能を持ち、特に右の腕力が強くまわしを取られたら勝ち目がないとまで言われているが、稽古を全くせず場所にも真剣に臨んでいないため、数年間に亘って前頭下位に定着している。初顔合わせの相手には全力で挑み、そこで下して以降同じ相手には「いつでも倒せる」というポーズをとって手を抜くようになる。
入門当初は純朴で素直な青年で、田ノ中親方から褒められた嬉しさから相撲に没頭し、親方からも期待されその才能から「田ノ中の光」という意味で「宝玉光」の四股名をつけられた。しかし親方から非常に目をかけられ甘やかさ続けたことで次第に増長していき、制裁を加えようとした兄弟子全員を叩きのめすなど、部屋の誰にも手をつけられない暴君に変貌。関取になって以降は毎晩夜遅くまで付け人を連れ回して飲み歩くようになり、部屋の人間が次々と辞めていくようになってしまう。そういった事情から幕下時代に鯉太郎が付け人として派遣されてきたが、全く稽古をしようとしないことに反発した鯉太郎から稽古場で喧嘩を売られ、立ち上がれなくなるほど打ちのめしわずか2週間で追放した。その2年後の一門の連合稽古でも、十両時代の鯉太郎をほぼ一方的にあしらい続けていたが、関脇だった仁王のぶちかまし一発に呆気なく倒され、口元を大きく切る重傷を負った。それ以来仁王を逆恨みしていたが、直後に仁王が引退し部屋を継承したため再戦の機会がなくなり、やがて憎しみの対象が空流部屋そのものにも向くようになっていった。
仁王引退から3年後、飛天翔を破った鯉太郎の二日目の取組相手となる。初顔合わせ、それも元付け人で因縁の仁王の弟弟子が相手であるため本気で向かってくると踏んだ鯉太郎は、前日に松明のデータを基に白水と三人で特訓を重ねていたが、一方の宝玉光は因縁の相手にも関わらず前日にも寺井を引き連れて飲み歩こうとしていた。当日の取組では、鯉太郎から強烈なぶちかましを受け右を取れないまま土俵際まで押し込まれ、四つ相撲に持ち込もうと強引に出てきたところですくい投げを受け、結果として全く良い所が出せないまま敗れた。取組後、敗戦を信じられず放心し、師匠としての自分の不甲斐なさを恥じる田ノ中親方へ責任をなすりつけていたが、その醜態に激怒した寺井に殴られ叱咤されて、初心を思い出し目を覚ました様子が見られた。
寺井(てらい)
田ノ中部屋所属の力士。鯉太郎の一場所違いの兄弟子にあたるが、周囲からは同期として扱われている。相撲の型は四つ相撲。
相撲教習所時代には後輩の鯉太郎らに偉そうな態度で接していたが、その実力や才能を目の当たりにして稽古場で接触することを避けるようになる。序二段として臨んだ九月場所の初戦で鯉太郎と対戦、教習所で鯉太郎が投げの練習に没頭し負け続けだったことから軽く見てかかり、ぶちかましで簡単に倒された。
「BURST」には登場しない。「最後の十五日」では三段目となり、宝玉光の付け人として田ノ中部屋に唯一残った力士となっていた。宝玉光の傍若無人さにも諦めず相撲に取り組んでいたが、因縁の鯉太郎戦の前夜でも飲み歩きに出ようとする宝玉光と、それを全く咎めずなおも甘やかそうとする親方の姿に絶望し引退を決意。しかし鯉太郎が宝玉光を倒した取組を見て、宝玉光や親方だけでなく周囲に流されるままだった自分自身にも問題があったと気付き、親方に敗北の責任をなすりつける宝玉光を殴り、引退を撤回し3人で一から田ノ中部屋を立て直す決意を固めた。
宝玉光の人格を心底軽蔑している一方でその才能と実力を強く尊敬しており、鯉太郎との取組では複雑な気持ちを見せながら宝玉光に声援を送っていた。
田ノ中 稔(たのなか みのる)
田ノ中部屋の親方。宝玉光をスカウトし、四股名を自らつけてやるなど非常に目をかけていたが、それが行き過ぎて甘やかし続けたために宝玉光の増長を招き、部屋を衰退させてしまった。 かつては圧倒していたはずの鯉太郎に今度は逆に手も足も出ない宝玉光を見て、生前の空流親方に叱咤された言葉を思い出して自らの過ちに気が付き、宝玉光と共に一からやり直すことを決意した。

次元一門[編集]

虎城部屋[編集]

王虎 剣市(おうこ けんいち)
虎城の息子で、虎城部屋の力士。本名・後藤(ごとう)剣市。東京都出身、17歳。相撲の型は四つ相撲。得意技は小手投げ
身長195センチメートル、体重120キログラム(入門時)。
自分を特別な存在だと信じ込み、他人は虫けらか、自分が利用する道具ほどにしか思っていないという、極めて尊大な性格の持ち主である上、マスコミの前では謙虚で器の大きい人間として振る舞い、計算ずくで鯉太郎に殴られ怪我をした振りをするなど、父・虎城以上に腹黒く、自己演出に長けている。そして尊大な性格に見合うだけの圧倒的実力を持ち合わせ、頭も切れる。父のことを「パパ」と呼び、新弟子ながら部屋の中でも太々しい態度を取るため、同部屋の関取らから敬遠される。
しかし、後述の鯉太郎との取組による敗北後の引きこもり、周囲を煽って自身を過剰なまでに精神的に追い込んでのモチベーションの維持、自身の予想を遥かに上回る取組相手の奮闘や気迫にうろたえ飲まれるてしまうなど、精神面においては父親の虎城親方や宿敵・鯉太郎の師である空流親方にも危ぶまれており、田上からは「誰よりも繊細で臆病」とまで言われている。
鯉太郎のことは「おいしい奴」と考え、自分がヒーローとして祭り上げられるために最大限利用する腹積もりであったが、彼との初の取り組みで敗北。その後は鯉太郎に対する恨みと屈辱から個室に引きこもり、鯉太郎との取り組みで怪我をした腕の傷みから暴れだすなど荒んでいた。しかし猛虎が十両に昇進したため虎城との約束どおり付け人にするために叱責され、猛虎に利用される立場にありつつも、共に喰うか喰われるかという歪な関係ということを承知しながら渋々付け人になることを了承し、復帰した。
第一部の最終話にて、2期遅れで相撲教習所へと顔を出し、蒼希狼と石川を稽古場であっさり倒した後、本場所で惨敗を喫した鯉太郎にすら圧勝し、本場所での雪辱戦に至るまで無敗で勝ち上がることを宣言、BURSTでそれを実現し再戦することとなる。
相撲を始めた動機は幼少期の王虎にとって陰で敗北に怯えるだけの「偽者」にしか見えなかった父・虎城の影を払拭する(因みに王虎は全盛期の虎城を知らない)ためであり、相撲自体は寧ろ嫌いであった。初めは父の名声を箔付けとして番付を駆け上がりつつ最後には「本物」であることを示すつもりであった。
「BURST」では前相撲での怪我で出遅れながらも、序の口から三段目まで全ての取組に勝利し幕下まで一気に出世、五月場所では優勝の最有力候補と目されるだけでなく連勝記録をどこまで伸ばすにも注目されていた。その期待通りに連勝を重ね、負けたら廃業と互いに宣言して臨んだ因縁の鯉太郎戦を制し、更に常松と天雷も破って勢いに乗っていたが、全勝同士で臨んだ白水との取組で、小手投げで腕を折られながらなおも気迫で向かってくる白水に気圧され、髷を掴んで引き倒し反則で敗れてしまう。この敗戦をきっかけに精神面の弱さが表に現れるようになり、優勝決定戦の第一回戦で石川を故意に壊そうとしたことで「壊し屋」としての本性が観客にも知れてしまい、一気に悪役に転じてしまう。しかし直後の鯉太郎との再戦で、愚直に向かってくる鯉太郎の姿に取組相手と真正面から向き合おうとしてこなかった自分の弱さを悟り成長。呼び戻しと小手投げの打ち合いにより同体で土がつき、取り直しの一番で真正面からのぶつかり合いを制され、寄り切りで敗れた。取り直しの際には鯉太郎ともう一番取れることを純粋に喜び、別人のように晴れやかな闘志みなぎる表情で土俵に上っていた。
「最後の十五日」では、黄金世代と呼ばれる同期の中でも出世頭として幕内で活躍していると語られている。
虎城 昇(こじょう のぼる)
虎城部屋の親方で王虎の父親。現役時代は横綱・虎城として優勝25回という大記録を残し、引退後に一代年寄・虎城として部屋を興した。大相撲協会理事も務める。左耳の上半分が欠けている。本名・後藤(ごとう)昇、青森県出身、55歳。
表面は紳士的な好人物で相撲に対する観察眼に優れ、現役時代の威光もあって様々な人間の尊敬を集めているが、一方で自分に対立する人間に対して謀略を働かせ、自分の意にそぐわない弟子に対する苛立ちを隠さずストレートな罵倒をぶつけるなど、狭量で陰湿な一面もある。特に火竜に対しては思い出すだけで吐き気を催すほどの嫌悪感を抱いており、そのため火竜の息子である鯉太郎も一方的に嫌悪している。虎城部屋の規模は大きいが親方本人が滅多に稽古を見ないため、猛虎と王虎の入門までは稽古場には緊張感が欠けていた。技術指導は擬音混じりの感覚的なもので、他人には理解できない。
現役時代は実力も人品も申し分ない正々堂々とした模範的な力士で、付け人・弟弟子だった火竜にも慕われ、虎城もまた火竜を心から可愛がっていた。しかし横綱となって以降、横綱の地位と権威を守るために出稽古などで有望力士を叩きのめして気力を削ぐようになり、かつてのような土俵の上で全力を出し切る取組を見せることがなくなった。そのことで火竜と激しく対立、稽古場で壮絶にぶつかり合いかつての自分を取り戻したかに見えたが、それでもプライドを守るため大横綱を演じる道を選び、左耳を自ら引きちぎって火竜と訣別した。力の衰えた現役末期は、プレッシャーに押し潰され家庭で妻に泣きつくことが多くなり、その姿を日常的に見ていた見た息子・剣市から「偽物」と軽蔑されるようになった。
引退後、かつての自分が捨てた正々堂々とした相撲で横綱まで上り詰めようとし、自分を超える横綱になるとまで噂されるようになった火竜を許せず、人を使った謀略で火竜の綱取りを妨害しようと画策。これが意に反して暴行事件にまで発展してしまい、結果として火竜を角界から追放することとなってしまう。事件の一報を聞いた時には火竜を救うべく奔走しようとしていたが、後援者に火竜追放のチャンスだとそそのかされ、そのまま積極的に動こうとすることはなかった。火竜の死後ひとり墓に参り、かつて訣別してまで歩んだ生き様を死ぬまで貫き火竜を否定し続けると墓前に告げ、その死を悼み涙していた。そのためか幼い剣市には「自分のようになるな」と諭し、力士となって以降も「死んだ目で相撲をとってほしくない」と願っていた。
「BURST」では王虎の出世を喜びながらも、その実力に反して精神面が未熟であることに強い危機感を抱いていた。幕下優勝決定戦での鯉太郎との一番で王虎が成長したことで、二人がかつて自分が歩めなかった正々堂々とした楽しい相撲をとれるようになると期待を寄せるようになり、鯉太郎に対する憎しみが消えた。
「最後の十五日」では大相撲協会の理事長となっている。相撲中継の解説も務め、幕内力士となった鯉太郎について口では否定的な発言をしているが、内心では応援し注目している。仁王が引退し年寄・空流を襲名する際には、理事会の大半が反対する中、新寺親方と共に仁王の後押しを行った。
猛虎 哮(もうこ たける)
虎城部屋の力士。本名・小林(こばやし)哮。熊本県出身、24歳。
元学生横綱で、虎城から直々にスカウトされ入門した。幕下の頃から当たりの強さだけなら関取クラスと空流親方に評され、また緊張感の欠けていた虎城部屋の稽古場に兄弟子ふたりを再起不能にするほどの猛稽古を持ちこみ、増長していた王虎を正面からたしなめるなど、積極的に部屋を引っ張っている。そのため兄弟子からは目をつけられているが、弟弟子にはその熱心な姿勢で慕われている。
地方巡業の土俵で不良少年だった鯉太郎に負け、以来虎城から冷遇されていたが、幕下時代に「十両に昇進したら王虎を付け人にしてほしい」と申し出、その場所で阿形を破って幕下全勝優勝を飾り言葉通りに十両に昇進。前相撲で鯉太郎に負けた悔しさから引きこもる王虎を付け人にし、力士として立ち直らせた。「BURST」では幕内に昇進して虎城部屋の部屋頭となり、王虎や田上を連日の苛烈な稽古で鍛え、虎城からも大きな期待をかけられている。
力士としての野心に溢れ、王虎を付け人としたのは自分が現役時代の虎城の地位まで上り詰めるべく利用するためと公言している。一方で熱心に相撲に励む者への敬意も忘れず、惜しくも幕下優勝を逃した竹虎の引退を頭を下げて見送り、鯉太郎に敗れて自信を失い引退しようとした田上を殴りつけ叱咤し立ち直らせている。
田上 大(たうえ まさる)
虎城部屋の力士で、鯉太郎や王虎の同期。本名同じ。北海道出身、22歳。相撲の型は押し相撲。
全日本相撲選手権大会でベスト8になった実力者で、大学の恩師の反対を押し切って大相撲に入った。空流部屋と敵対する虎城部屋の力士だが、互いの初土俵の相手となった縁から鯉太郎とは仲がいい。同期の中では常識的な人物で、王虎のなだめ役になることが多い。剛毛で直毛という髪質のため、髷を結えるようになるまでは独特の髪型になっていた。
「BURST」では王虎らと共に幕下に昇進しているが、猛虎や王虎の猛稽古についていけず、自分の力の限界に苦悩していた。そこを王虎や大鵠に唆される形で、五月場所では手にバンデージを硬く巻いたり立ち合い前に突っ掛けて相手にダメージを与えたりといった、ダーティな相撲に手を染めてしまう。しかし鯉太郎との取組で、猛稽古のおかげで以前は苦戦していた鯉太郎と互角に戦えるようになっていたことに気付き、自分を恥じて改めて正々堂々と挑戦。不慮の事故により鯉太郎の指を折ってしまい、更にその状態の鯉太郎に力及ばず敗北してしまったために完全に自信を失い、猛虎に土下座して廃業を申し出たが、鉄拳まじりの叱咤に立ち直り、廃業を撤回した。
「最後の十五日」には回想シーンに登場、虎城らの前で来日してきたばかりの巨桜丸と手合わせを行った。当時の番付は幕下。
竹虎 昌雄(たけとら まさお)
虎城部屋の幕下力士。入門して15年になるベテラン。
指導員として虎城部屋から相撲教習所に派遣され、虎城の命令で鯉太郎に嫌がらせじみたしごきを課し続けたが、その全てを逆らうことなく受け止めなおも貪欲に強くなろうとする鯉太郎の姿を見て、相撲に対する自分の情熱が薄くなっていることに気付き引退を決意。最後の場所として全力で臨んだ名古屋場所で吽形と優勝を争い、虎城から取組の際に吽形を壊すよう命令されるも逆らって正々堂々と挑み、自分の持てる力を出し切るも及ばず敗れ、惜しくも優勝を逃した。
鯉太郎潰しに失敗して以来虎城からは冷遇されていたが、それでも虎城に対する尊敬の念を持ち続けていた。引退の際には猛虎から吽形との取組を絶賛され、土俵入りの姿で頭を下げて見送られ感激のあまり涙していた。

十文字部屋[編集]

大鵠 弘巳(たいこう ひろみ)
十文字部屋所属の力士。本名・林田弘巳。
阿形・吽形らと同期で、相撲教習所時代から二人と対立し、阿形からは「ブタフグ」と呼ばれていた。弱い者いじめを好む陰湿・卑劣な性格で、目障りな相手は取組中の事故に見せかけて故意に壊そうとすることが多く、村神裕也の腕や吽形の膝に力士生命に関わるほどの重傷を負わせ、引退にまで追い込んだ。その無様な姿勢は弟弟子にまで軽蔑されているが、幕下に定着し十両に二度上がったこともあるなど実力・才能はある。
名古屋場所で幕下に再び昇進してきた吽形と再戦し敗北、取組後に脳震盪を装って吽形の膝の上にわざと倒れこんで再び負傷させた。その事を引き合いに出して阿形を挑発したことから、その後の阿形との取組では死を予感させるほどの強烈な徳利投げを受けて敗れ、阿形に対する恐怖を精神に刻みつけられた。
「BURST」では、再び昇進した十両から幕下へ陥落しており、稽古もあまりせず体が弛んでいる。王虎の子飼いとして鯉太郎と王虎の対戦を実現すべく立ち回りながら、田上に手段を問わない戦い方をするようそそのかし、天雷の瞼に傷をつけるなど卑劣な取組を見せた。鯉太郎との取組では、仁王(阿形)への逆恨みから鯉太郎を再起不能にすべく掌に鉄板を仕込むも通じず、吊り上げられて肘打ちを何度も叩きこんでも効かず、追い詰められて田上に折られていた鯉太郎の指を再び折るも意に介されず、最後は身に着けたばかりの呼び戻しで投げ飛ばされ敗北した。敗北後、白髪が一気に増えるほどの恐怖心に囚われ、更に王虎に対して「勝利なんて小さなものでなく仁王への復讐が目的だった」と言い訳したことが相撲を侮辱していると逆鱗に触れ、その場で廃業するよう凄まれへたりこんで失禁していた。
十文字 正嗣(じゅうもんじ まさつぐ)
十文字部屋の親方。虎城と関係が深く、しばしば部屋の力士を王虎の稽古に貸し出し、故障者を出している。大鵠の卑劣な取組に激怒した空流親方に詰め寄られたことがある。

寒河江部屋[編集]

巨桜丸 丈治(きょおうまる ジョージ)
「最後の十五日」に登場する幕内力士。ハワイ州オアフ島出身の外国人力士で、体重278キログラムという角界最大の体躯を誇り、明るい性格と笑顔で人気がある。得意技は諸手突き。
子供の頃から桁外れに体格がよかったが、その外見に反して性格が非常に弱気で「リトル・ジョージ」のあだ名でいじめられ、引きこもりになっていた。その噂を聞きつけた地元出身の九曜山にスカウトされ来日、次元一門の親方衆の前で田上と手合わせを行いあまりの気の弱さに「使い物にならない」と見限られたが、その性格を叱咤せず受け入れて励ましてくれた寒河江親方を慕うようになり寒河江部屋に入門、実力を大きく伸ばし初土俵から僅か11場所で入幕を果たした。
舞ノ島を下した鯉太郎の四日目の取組相手となっている。
寒河江親方(さがえ)
寒河江部屋の親方。明るい性格で英単語を多用する。髪型はキノコカット。
現役時代に角界の理不尽な上下関係に苦しんできた経験から、部屋では弟子達を番付・年数関係無く平等に扱っている。虎城らから押しつけられた巨桜丸を親身になって説得し入門させ、やがて幕内力士へと育てあげた。

山獄一門[編集]

若竹部屋[編集]

天雷 凛太郎(てんらい りんたろう)
若竹部屋の力士で、鯉太郎の同期。本名・村神(むらかみ)凛太郎。愛媛県出身、18歳。
子供の頃は、明るいスポーツマンで高校横綱にもなった兄・裕也の陰に隠れた目立たない性格で、相撲経験も殆どなかった。裕也が大相撲に入り数年と経たず廃業して失踪したことにショックを受け、地元の相撲教室で稽古を始め、やがて親の反対を押し切って勘当される形で兄と同じ若竹部屋に入門した。
入門当初から王虎と並んでその怪力と才能を称され、相撲教習所時代で既に、幕下最重量の大森山に圧勝する実力を持っていた。かつては地元の英雄と称えていた兄を、廃業した途端に掌を返して罵倒する家族や周囲に強い不信感を抱いていたため、入門当初は他人と関わり合うのを極端に嫌う冷めた性格だった。しかし序の口での鯉太郎との一番で、体力で遥かに劣るはずの鯉太郎に気圧される形で敗れ、取組後に吽形から兄の廃業の本当の理由を聞かされ、以後は誰が相手であろうと全力で相撲に取り組むようになり性格が大きく変化した。その後序二段昇進をきっかけに、兄と同じ天雷の四股名を名乗っている。
入門当初は目が隠れるほど前髪が長く伸び死んだような目つきをしていたが、鯉太郎との取組の後は瞳に精気が宿り、更には髪が伸びてオールバックになりやがて髷を結えるようになると、まるで別人のように爽やかな外見となった。人当たりも良くなり、同期や部屋の人間とも良好な関係を築いている。なぜか、石川のことを「山本」「山田」など全く関係のない名前で呼ぶ。
「BURST」では鯉太郎らと共に幕下に昇進、王虎と共に優勝の有力候補と目され、その前評判に違わぬ実力を発揮していたが、全勝同士で臨んだ王虎との取り組みで肩を外され更に小手投げを受けて敗北。その後優勝決定戦に進出し第一回戦で闘海丸と対戦、裕也と国技館まで招待した両親が見守る中奮戦し寄り切りで勝ったかに見えた瞬間、うっちゃりで逆転され敗れた。
「最後の十五日」では、王虎と並ぶ同期の実力者として活躍していると語られている。
大刀力 一(だいとうりき はじめ)
若竹部屋の十両力士。天雷の兄弟子で、裕也の弟弟子。裕也に重傷を負わせ廃業に追い込んだ大鵠を「ゲス野郎」と呼び嫌悪している。
若竹 哲広(わかたけ てつひろ)
若竹部屋の親方。元前頭三枚目。無名のアマチュア力士だった天雷を、裕也の弟という縁から受け入れ入門させた。

戸部一門[編集]

北里部屋[編集]

渡部 仁(わたなべ じん)
鯉太郎の同期。本名同じ。千葉県出身、16歳。相撲の型は四つ相撲。
先輩一人一人の名前と所属を覚えて丁寧に挨拶し、同期である鯉太郎達にも腰が低い。大きくつぶらな瞳をしていて石川から「ドングリ」というあだ名をつけられ、以後同期からはそう呼ばれている。性格は明るく、太りやすい体質。家族は9人兄弟。
相手の立ち回りをよく研究して弱点を突くスタイルで、序の口では鯉太郎を破り蒼希狼と優勝を争った。その後序二段で鯉太郎と再戦し、体重を大幅に増やしたにも関わらず軽快な動きを見せ鯉太郎を翻弄したが、体重の増加に持久力がついていかず、力づくの強引な下手投げを受けて敗れた。
「BURST」では、鯉太郎らより出世が遅れ三段目となっている。

月山一門[編集]

柳川部屋[編集]

大森山 太一(おおもりやま たいち)
本名・大森太一。栃木県出身、23歳。相撲の型は押し相撲。大森海太二の双子の兄。
身長198センチ、体重230キロという巨漢。力士の中でも桁外れの大食いで、名古屋場所への移動の新幹線で駅弁を全て買い占めて一人で食べ尽くしていた。登場当初の番付は幕下で、幕下以下では最重量だった。指導員として派遣されてきた相撲教習所で村神(天雷)の相手となり、持ち上げられて土俵の外に吊り出された後、ぶちかましで正面からぶつかり合って呆気なく敗れた。その後の名古屋場所では吽形と戦って敗れている。
「BURST」では三段目に番付を落とし、常松の初土俵の相手となる太二を応援していた。

川柳部屋[編集]

大森海 太二(おおもりうみ たいじ)
本名・大森太二。栃木県出身、23歳。得意技は泉川。大森山太一の双子の弟。
兄同様の大食漢で、日本人力士最重量の240キロという体躯を誇る。その体躯に似合わない俊敏な動きで十両まで昇進したが、その後稽古をしなくなり、幕下へ陥落した。幕下への陥落が決定した場所では幕下の阿形と戦い、力づくの撞木反りを受けて敗れている。
「BURST」では十両返り咲きを目指して体重を更に20キロ増やしたが、幕下付け出しとして初土俵に臨む常松に戦法を研究され、全く良い所なく敗れた。

その他の一門[編集]

山ノ上部屋[編集]

蒼希狼(あおきろう)
山ノ上部屋所属の力士。鯉太郎らと同期。本名バットバートル・ムンフバイヤル。モンゴル国出身で、故郷ではバーキという愛称で呼ばれていた。
ウランバートルのマンホールチルドレン(路上生活の孤児)のリーダーで、同じ境遇の孤児と縄張り争いを繰り返していた。抗争に勝っても生活が何も変わらない現実に気付き、そのような状況から抜け出し仲間たちを救うため、モンゴル相撲で名前を売り日本の大相撲にスカウトされようと、仲間を引き連れて国家ナーダムへ乱入。警備員や出場者と大乱闘になり激しく痛めつけられながらも、アルスラン(優勝者)を投げ飛ばし、山ノ上親方に血まみれの鬼気迫る形相で迫り、親方に見込まれて山ノ上部屋へ入門した。
入門当初は無名の存在だったが、名古屋場所で全勝同士だった渡部を下し序の口優勝、同期に一躍その名を知られるようになった。故郷の仲間を救うという強い使命感を持ち、また場所での敗北を即追放と勘違いしていたこともあって、同期や兄弟子が辟易するほど熱心に稽古に取り組んでいる。上手投げを得意とし、勝負勘も非常に鋭い。日本語は不自由で、山ノ上親方の口癖である「バカ〜」他いくつかの単語しか喋れない。
序二段として臨んだ名古屋場所で鯉太郎と対戦、タイミングを捉えた上手投げで鯉太郎の力づくの下手投げに対抗し優位に取り組みを運んだが、投げにこだわらず基本に忠実に立ち回るようになった鯉太郎に追い詰められ、最後は会心の下手投げを受けて初土俵以来初めての敗北を喫した。
「BURST」には登場しない。「最後の十五日」では、王虎と天雷に次ぐ同期の出世株であると宝玉光に語られている。
初登場前の本誌の予告[1]では「序ノ口優勝者のモンゴル人力士、岩ノ山。果たして実力は!?」と、実際の四股名と全く異なるコピーが出ていた。
大山道 豊(おおやまどう ゆたか)
山ノ上部屋の十両力士。面倒見のいい性格で、孤立しがちな蒼希狼に自ら進んで胸を貸すなどしているため、蒼希狼から慕われている。
山ノ上 大五郎(やまのうえ だいごろう)
山ノ上部屋の親方。現役時代の四股名は大山狼、最高位は関脇。額から頭頂まで禿げ上がり腹がせり出た初老の男性。口癖は「バカ〜」。
新弟子スカウトのための視察に来ていたモンゴルで蒼希狼を見初め、日本へと連れ帰り入門させた。日本語の通じない蒼希狼にジェスチャーで熱心に投げの指導を行い、蒼希狼から慕われている。片言だがモンゴル語を話せる。

宮野浦部屋[編集]

岩の藤 要(いわのふじ かなめ)
「BURST」に登場する宮野浦部屋所属の幕下力士。ぶちかましを得意とし、額にはぶちかましの稽古でついた大きな瘤がある。飄々とした明るい性格で、英語まじりの独特な口調をしている。入門8年目。
体の線が細かったことと一見してやる気がないように見えることから先代・当代ともに親方には期待されていなかったが、当代の親方が何気なく言った「ぶちかましをやればいい」という言葉を忠実に守って稽古を積み続け、やがて空流・新寺両親方に注目され認められるほどの実力を身に着けた。自分が成長するきっかけを作り、成長後は熱心に見守っている当代の親方を尊敬している。
幕下優勝決定戦の第一回戦で鯉太郎と対戦、互いにぶちかましをぶつけ合う派手な取組を見せ、捻りを活かした岩の藤のぶちかましからヒントを得た鯉太郎が取組中にぶちかましを進化させ、ぶちかまし合戦を制される形で敗れた。敗れた後も悔しさを表に出すことなく、笑顔で鯉太郎との再戦を誓っていた。
暁 秀則(あかつき ひでのり)
宮野浦部屋の親方。先代が急逝したことで部屋を継いだが、現役時代の最高位が十両どまりであったため弟子に侮られ、やがて弟子が離れていき自信と気力を無くしていた。そんな中で岩の藤が、自分の投げやりな助言に従って猛稽古を繰り返し大きく成長したことを知り、「絶対に関取にしてやる」と心に誓い熱心な指導を行うようになった。岩の藤を応援する気持ちが強く、鯉太郎に敗れた後も消沈することなくその頑張りを称えていた。

鏡川部屋[編集]

闘海丸 つよし(とうかいまる つよし)
「BURST」に登場する鏡川部屋所属の幕下力士。本名・国丸つよし。静岡県出身。人相が悪い。
学生時代はヤンキーで、体格がよく腕っぷしが強く、人から頼られると嫌とは言えない性格だった。同級生の細川から相撲部の団体戦の助っ人を頼まれ、全くの素人にも関わらず試合で活躍し決勝まで勝ち進んだが、観戦に来た学校の女子にいい所を見せようと力んで失敗し、優勝を逃してしまう。この時の活躍が鏡川親方の目に留ってスカウトされ、細川と一緒に鏡川部屋に入門した。
右の腕力が非常に強く、力士としても恵まれた体格をしている。しかし高校時代の決勝戦のトラウマからここ一番での勝負弱さが目立つようになり、何度も十両昇進の機会を逃していた。本人もそれに苦悩し一度は廃業まで考えたが、細川から叱咤されて立ち直り、五月場所では鯉太郎らと共に幕下優勝決定戦に加わった。
優勝決定戦の第一回戦で天雷と対戦、力勝負で自分と互角以上に渡り合う天雷の実力にトラウマを払拭し、正面からの組み合いの末寄り切りで敗れたかに見えた瞬間、うっちゃりで投げ飛ばし勝利を収めた。続く鯉太郎戦では、自身のパワーによるプレッシャーと鯉太郎の技とスピードによる翻弄で拮抗した展開を見せ、力みの入った呼び戻しを外無双で返すも投げきれず、最後は再びまわしを掴む前に真正面から押されて寄り切られ敗れた。
優勝はできなかったものの、天雷と鯉太郎との取組を通して別人のように勝負強くなり、鏡川親方から絶賛されていた。
細川 将太(ほそかわ しょうた)
「BURST」に登場する鏡川部屋所属の力士。番付は序の口。闘海丸の高校の同級生で、相撲部員だった。闘海丸を大会に参加させ力士になるきっかけを作った。眼鏡をかけた細身の外見で、気弱な性格だが闘海丸をよくからかっている。
高校時代は鏡川親方から技巧派としての才能を見込まれていたが、体の線が細いことから序の口を抜け出せずにおり、闘海丸に関取になる夢を託している。
鏡川 一平(かがみがわ いっぺい)
鏡川部屋の親方。パンチパーマにサングラスというヤクザのような外見で、稽古中にも激怒すると日本刀を振り回そうとする。現役時代は火竜と同時代に活躍したが、火竜には一度も勝てなかったという。

五大部屋[編集]

明王山 憲昭(みょうおうざん のりあき)
「最後の十五日」に登場する大関。40歳。10年に亘って大関に在位しており、人柄のいい力士として知られている。高齢のために力は衰えているが、全盛期は角界随一のぶちかましの威力を誇り「牛鬼」の異名で恐れられていた。
角番で迎えた場所で7敗していることを記者に聞かれ、「引退までそう長くないからのんびり相撲をとりたい」と答えたことに対して、鯉太郎が老害呼ばわりして反発。翌日の鯉太郎との取り組みでは鯉太郎の強烈な殺気に当てられ、全盛期の気迫を取り戻し会心の突き押しを見せるも、反撃の呼び戻しを受けて敗北、大関陥落が決定した。敗れた直後は引退を考えていたが、鯉太郎の激励を受けて撤回、記者に対して別人のように威勢よく現役続行を表明していた。

その他の部屋[編集]

星浪(せいろう)
所属部屋不明。三段目力士だったが、右腕の怪我で休場し番付を落とし再び前相撲から始めることになった。同じく再度の前相撲となる王虎と立合い、怪我をしていた右腕を小手投げにより故意に折られた。
劇中では漢字表記が不明だったが、作者本人がTwitterで読者の質問に答える形で漢字表記を明かしている。[1]
爛摩(らんま)
所属部屋不明。「BURST」に登場する幕下の外国人力士。春場所では優勝争いに絡んでいたが、五月場所では王虎に負け、更に鯉太郎に敗れて優勝争いから脱落した。この爛摩との取組で鯉太郎は、偶然に呼び戻しのヒントを掴んだ。
舞ノ島(まいのしま)
所属部屋不明。「最後の十五日」に登場。幕内力士の中でも大型の体躯を誇る。宝玉光を破った鯉太郎の3日の相手として対戦、正面からぶつかり合い吊り落としで敗れた。

元力士[編集]

火竜 太郎(かりゅう たろう)
鯉太郎の父親。故人。本名・鮫島太郎。力士らしからぬ悪童じみた性格から「悪タレ」と呼ばれファンも多かった名大関で、周囲の力士からも慕われる存在だったが、一般人に対する暴行事件を起こして角界を追放された。
元は黒森部屋所属の序二段力士で、あまりに豪快・破天荒な性格だったため部屋の後援者も兄弟弟子もおかみも全ていなくなり、更には親方が定年となって部屋が存続できなくなったため、当時幕内のホープだった虎城のいる天城部屋へと移籍してきた。
天城部屋でも破天荒ぶりは相変わらずだったが、年齢も番付も離れている虎城と気の合う親友同士のような間柄になり、虎城の付け人として大きく実力をつけていくだけでなく、「己の生き様をぶつけるもの」という相撲に対する姿勢も教えられていった。しかし横綱となって後の虎城が、かつてのような生き様を見せるような真正面からのぶつかり合いではなく、大横綱を演じるべく稽古場での立ち回りや政治力も駆使するようになって対立。山崎が見届ける中稽古場で壮絶に衝突し、それでも大横綱としての生き方を曲げない虎城と訣別することとなった。
虎城引退後は天城部屋の部屋頭として活躍、真正面からぶつかり合う相撲スタイルのために怪我が多く出世が遅れながらも、幼い鯉太郎に自分の生き様を見せようとやがて大関まで昇進し、虎城を超える横綱になるとも囁かれるようになった。しかし火竜の綱取りを阻止しようとする虎城の謀略によって柄の悪い群衆に絡まれ、その中の一人が、親友だった自分と訣別してまで貫いた虎城の生き様を馬鹿にする言葉を口にしたことに激昂、その場にいた多数の人間に重傷を負わせ、角界を追放されてしまった。
追放後、周囲は掌を返して冷たく当たるようになり、妻にも逃げられ、「死んで生きれるか」を口癖に酒浸りの生活を送るようになった。やがていつものように泥酔していたある日、大型トレーラーにぶちかましをしようと道路に飛び出し、そのまま撥ねられてこの世を去った。マスコミ等は借金苦による自殺とも憶測していたが、本人は今際の際に「4トン(トラック)なら勝てたのに」と呟いていた。親しい者からは好かれていたようで、葬儀においてその死に涙を流す者もいた。
生前は、酒浸りの自分に立ち向かってこようとする鯉太郎の姿に、虎城の生き様を元に戻そうとしていたかつての自分を重ね、自分の生き方を受け継ぎ超えてくれると信じあえて厳しく接していた。現役時代の相撲に関する品物は全て追放時に自ら処分したが、化粧まわしだけは焼こうとしても焼くことができずに残し、やがて力士となった鯉太郎へと受け継がれた。
村神 裕也(むらかみ ゆうや)
天雷凛太郎の兄で、若竹部屋所属の元力士。現役時代の四股名は天雷、最高位は序二段。阿形・吽形らの兄弟子。
高校横綱として将来を嘱望されていたが、相撲教習所で阿形と吽形をいじめ抜く大鵠に注意したことなどで目をつけられ、取組中に腕を折られる。この時の怪我のために元の実力が発揮できなくなり、阿形・吽形だけに意志を伝えて唐突に部屋を逃げ出し廃業、失踪した。かつて教習所で、大鵠に痛めつけられてもなお稽古に励む阿形と吽形を、阿吽の喩え話を用いて激励した。引退後も二人から慕われている。
四股名は、旧海軍戦闘機天雷から取って自らつけた。失踪後は運送会社を経営し、自分と同じく角界入りした凛太郎の取組を見守っている。失踪の理由を知らない実家からは絶縁されていたが、「BURST」で凛太郎の幕下優勝決定戦を両親と共に観戦し和解した。
大地狼(だいちろう)
元・山ノ上部屋のモンゴル人力士。最高位は前頭十枚目。モンゴルでは名士として知られ、引退後は帰国して国会議員を務めながら、モンゴル相撲の強豪を山ノ上親方に紹介している。
松明(たいまつ)
常松洋一の父親。天城部屋の元力士で、火竜、虎城の弟弟子。
実力は序二段と三段目を行き来する程度のもので、稽古にも真面目に取り組まないため火竜には日常的に叱責される一方、調子のいい性格のため接待要員として虎城に重宝され、そのおこぼれに預かる形で莫大な収入を得ており、虎城からも陰では「ハイエナ芸者」と軽蔑されていた。
虎城が引退して収入がなくなると間もなく相撲を廃業し就職したが、どの仕事も長続きせず生活が荒れ始め、更に金銭感覚が狂ったままだったために借金も重ね、やがて妻と息子・娘を残して蒸発した。現役時代はよき父親で、自分の教えた相撲に励む洋一の姿を喜んで見守っていたが、生活が荒んでいくにつれて息子にも暴力を振るうようになっていった。洋一の大学時代の相撲部監督は、天城部屋時代の兄弟子にあたる。
天城 源吾(あまぎ げんご)
天城部屋の元親方。頭髪は全て禿げあがっている。現役最高位は関脇。的確かつ理論的な指導で知られ、虎城を横綱まで育てあげた。虎城引退後は何度指導しても内容を理解しない火竜と稽古場で怒鳴りあうのが日常風景となり、以来喉が潰れて声がしゃがれている。火竜とは互いに深い信頼関係で結ばれていたが、火竜の事件の煽りを受けて自身も協会を追放されてしまう。「BURST」のクライマックスで、協会のマスコットキャラクターのスーツアクターとしてその後も大相撲協会に関わっていることが明らかになった。
九曜山(くようやま)
元・十文字部屋の外国人力士。オアフ島出身で地元では英雄として知られている。同郷の巨桜丸をスカウトし、大相撲入りのきっかけを作った。

その他の人物[編集]

斎藤 正一(さいとう しょういち)
火竜の友人。火竜からは「正ちゃん」と呼ばれ、火竜の死後、親戚にかわって鯉太郎を引き取り息子同然に育てた。山形県在住。職業は公務員で、趣味は空手
斎藤 真琴(さいとう まこと)
正一の娘。鯉太郎からはマコ姉と呼ばれる。18歳[2]。気が強く鯉太郎にとっては頭の上がらない存在で、鯉太郎をいつも心配している。料理が得意。
「BURST」では都内の大学に進学し上京、度々本場所を観戦したり空流部屋に鯉太郎の様子を見に来たりするなど、これまで以上に部屋との関わりが深くなった。「最後の十五日」では椿や鯉太郎らと共に空流親方の葬儀後の会食の席を手伝い、その後テレビ局に就職して女子アナとなり、寒河江部屋へ取材に訪れ寒河江親方と鯉太郎戦を控えた巨桜丸へインタビューを行った。
好みのタイプは岸部一徳、嫌いなタイプは岸部シロー
畑 文太(はたけ ぶんた)
月刊『力士』記者で、最古参の相撲記者。「教えのハブさん」の異名を持ち、時に横綱にまで技術論を説く。力士に対する評価はかなり辛口で、扇動的な記事ばかり載せる専門外のメディアを嫌悪し、鯉太郎ら空流の面々を買っている。
山崎 光(やまざき ひかり)
『日刊トップ』記者。右頬に傷痕があり、記者の間での評判はよくない。畑と同じく鯉太郎たちに注目し、早くから王虎の本性に気付くなど観察眼も鋭い。
火竜が若手だったころから親交があり、個人的に飲み歩くほどの間柄で、火竜と虎城が角界を変える偉大な力士になると信じて追い続けていた。火竜と虎城が稽古場で訣別したことで、二人の記事を書くのは二人の生き様を見届けてからだと保留、後年火竜が暴力事件で角界を追放された時に事件の真実を記事にして発表しようとしたが火竜によって止められ、鯉太郎を陰から見守っていた。
頬の傷は、火竜が居酒屋で酔客と喧嘩になりかけた時にかばってついたもの。
斉尚(せいしょう)
名古屋場所で空流部屋が宿舎としている清浄寺の住職。名古屋弁で喋り、鼻ピアスにサングラスという派手な格好で仲間とバイクを乗り回すという僧侶らしからぬ生活をしている。
アカネ
空流部屋の近所に住む小学6年生の少年。眼鏡をかけていて勉強が得意で、運動は苦手。勉強ができることを鼻にかけて周囲を見下している。
空流部屋の稽古を覗いているうちに、小柄な体格ながら幕内力士として活躍している鯉太郎に興味を抱き、部屋に出入りするようになる。鯉太郎の言葉に反発して一時部屋に行かなくなっていたが、宝玉光を破った取組をたまたまテレビで観戦して再び部屋を訪れ、三日目の舞ノ島との対戦に招待され生で観戦、自分より体の大きい相手に懸命に立ち向かう様子を見て、他人を見下すことなく全力で勉強に励もうと自分を改めた。

単行本[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 「週刊少年チャンピオン」2011年7号451頁
  2. ^ 単行本4巻(初版)では16歳となっているが、『週刊少年チャンピオン』2010年21+22合併号の作者コメントにて誤植であることが明言されている。