「Symbian OS」の版間の差分
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2010年7月5日 (月) 08:50時点における版
開発者 | Nokia Corp. |
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開発状況 | 開発中 |
ソースモデル | オープンソース(Eclipse Public Licenseなど) |
最新安定版 | 9.5 |
プラットフォーム | ARM (x86のエミュレートに対応) |
カーネル種別 | リアルタイム |
既定のUI | S60、UIQ、MOAP |
ウェブサイト | http://www.symbian.org/jp/ |
Symbian OS(シンビアンオーエス)はシンビアン(2009年2月にNokiaに買収されている)による携帯機器向けオペレーティングシステムであり、関連するライブラリ、ユーザインタフェースフレームワーク、一般的なツールの参照実装が含まれる。
概要
英PSION(サイオン)社がハンドヘルドPC向けとして開発したOSEPOC32を名称を改めスマートフォン向けに改良したOSである。2007年現在までに、Symbian OSを使用したユーザインタフェースにはUIQやS60(旧称Series 60、開発ノキア)、Series 80、Series 90、MOAP(S)(開発NTTドコモ)などがある。ユーザインタフェースの高い適応性によりSymbian OSをさまざまなフォームファクターのデバイス(クラムシェル型やタブレット型、キー入力式やペン入力式、PDAや携帯電話など)で使用することが可能となっている。
UIQはソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズやモトローラのペン型スマートフォンに、S60はキーパッド型スマートフォンに採用されている。Series 80はコミュニケータと呼ばれるフルキーボード型スマートフォンに、Series 90はノキアのペン型スマートフォンにそれぞれ採用されていたが、Series 90は2006年、Series 80は2007年にそれぞれ開発終了している。コミュニケータタイプはS60へ移行・統合すると発表されている。
また、UIQとS60ではソフトウェア開発キットを公開していることで、パソコンソフトのように個人が自由にソフトを開発することができる。また個人が自由に端末にソフトをインストールし、拡張することができる。
2008年6月 各モバイル端末ベンダーとアプリケーションプロバイダとで構成されるSymbian Foundation(シンビアン・ファウンデーション)を創設し、SymbianOSを オープンソースライセンス(Eclipse Public License)のもとで一般公開する計画を発表した。[1]創業メンバーは、Nokia、Sony Ericsson、Motorola、NTTドコモ、AT&T、韓国LG Electronics、Samsung Electronics、スイスSTMicroelectronics、米Texas Instruments(TI)、英Vodafoneの10社と発表されていたが、Motorolaと韓国LG Electronicsは実際には不参加。又すでに60社以上の企業が参加表明している。
2009年2月にS60などのソースコードとともにSymbian FoundationからEPLで公開された。
プログラミング上の特徴
Symbian OS 長期連続稼動しつづける可能性のある携帯機器のために設計されている。メモリを節約することが強調されており、ディスクリプタやクリーンアップスタックなどのSymbian OS固有のプログラミングイディオムが使用されている。他の技法と組み合わせることによってメモリの使用量を低く保ち、メモリリークの発生を抑える。また外部記憶スペースを節約するための同様の技法も存在している(Symbian機器の記憶装置はフラッシュメモリであることが多い)。
さらに、全てのSymbian OSプログラミングはイベント駆動方式であり、アプリケーションが直接イベントを処理していないときにはCPUはオフにされる。これはアクティブオブジェクトと呼ばれるプログラミングイディオムによって達成されている。こうした技法が正しく使われなければ、アプリケーションが携帯電話のバッテリーを数時間で消費してしまうこともある。正しく使えば、バッテリーの持続時間は飛躍的に向上する。
このような特徴により、Symbian OSのC++コードは非常に特殊化したものとなっており、プログラムすることはかなり難しい。ただし、Symbian OS機器はOPL、Python、Visual Basic、Simkin、Perl、さらにJavaのJava ME環境やPersonal Java環境でプログラムすることも可能である。
ウイルス問題
2004年にはSymbian OS S60を使用した携帯電話を対象にした最初の携帯電話ウイルス(ワーム)「Cabir」 が登場した。このワームはBluetoothを使用して近くの携帯電話に伝播する。ただし、Symbian OSであれば何でも感染するわけではなく、S60を採用したものに限られる。
日本で発売されている機種
日本でも、今まで主流だったリアルタイムOSを置き換えるかたちでNTTドコモのiモード端末用のOSとして採用されている。Symbian OS上のユーザーインターフェースには以下の3種類が存在する。
MOAP(S)
MOAP(S)ユーザーインターフェースを採用しているのは、富士通がFOMA F2051で初めて携帯電話に採用し、現在では富士通(F)と三菱電機(D/現在は携帯電話事業から撤退)、シャープ(SH)とソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(SO/現在はNTTドコモ向けFOMA携帯電話ではMOAPを採用していない)がNTTドコモ向けFOMA携帯電話に使用している。NTTドコモからはSH-01A、SH-03B、SH-04B、SH-05B、SH-07A、F-08A、F-09A、F-01B、 F-03Bなど他多数ある。MOAP(S)はNTTドコモが開発。 UIQとS60ではソフトウェア開発キットを公開しているが、MOAP(S)はS60やUIQと異なりソフトウエア開発キットは公開されていない。 そのため、MOAP(S)のFOMA携帯電話をSymbian Phoneと呼ぶのは、誤りである。
S60
S60ユーザインタフェースを採用したものは、ボーダフォンからは、ノキア製702NK、702NK IIと804NKが、ソフトバンクモバイルに移行後に705NK、X01NK、X02NK、N82が発売されている。ノキアジャパンからはSIMフリー機であるNokia 6630STD日本版及びE61STD日本版が発売されている。NTTドコモからは、NM850iG、NM705i、NM706iが発売されている。S60はノキアにより、開発された。 2008年のノキアの日本市場撤退により、現在では日本市場向けの機種はない。
UIQ
UIQインタフェースを採用しているのは、モトローラ製M1000がある。
脚注
関連項目
- REX OS - ライバル企業である米国クアルコムによる携帯機器向けオペレーティングシステム
- ScummVM - Symbian OS 上で動作するアドベンチャーゲームのエミュレータのようなもの