韓国の反日作品
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韓国の反日作品(かんこくのはんにちさくひん)では、韓国のいわゆる反日的な小説、テレビドラマ、映画などを扱う。歴史小説や仮想戦記、紀行文など様々なジャンルがある。
概要
作品中では韓国や韓国人が優秀に描かれる一方で、日本男性は野蛮で残虐な人物として、日本女性は男性に従順で性的に乱れた人物といったステレオタイプで描かれることが多いとされる。日本の文化・風俗に対しても、極端な誇張や誤解・偏見に基づく描写がなされる場合がある。反日的とされる以外にも、歴史や科学技術に対する考察が不十分で事実と大きく異なるとする意見もある(特に、ご都合主義的な歴史の歪曲、科学技術の解釈については日本における一部の仮想戦記とも類似点が多く見受けられる)。
フィクションでは領土問題や歴史問題から韓国と日本が戦争に至るケースがよく見られる。その場合には日本対韓国および韓国に賛同する国家という構図になる。韓国の民族主義に訴えるエンターテイメントとして荒唐無稽なストーリーが多く、特に日本文化開放以前は日本を滅ぼすような過激な映画が多く見られた。
主な反日作品
書籍
- チョン・クァンテ (정광태)、『独島は我が領土 (독도는 우리땅) 』(タイトルは『独島は我が地』と訳される場合もある)、1982年
- 李ソンス (이성수)、『ウイルス壬辰倭乱 (바이러스 임진왜란) 』、1990年 - 小説。地震による日本列島の危機の中、沈没クーデターを起こし、自衛隊を「日本軍」に改編した日本が、世界に誇る航空母艦「トヨトミ」や、脅威のウィルス「ヒデヨシ・ウィルス」で韓国人ホロコーストを計画。韓国人の主人公が計画を阻止する内容。
- 金辰明 (김진명)、『ムクゲの花が咲きました (무궁화 꽃이 피었습니다) 』、1993年 - 小説。作中に韓国が北朝鮮と手を結び日本に核を撃ち込むという戦略シナリオを読む部分がある。大ベストセラーとなり映画化された。朝鮮語版Wikipediaの記事
- 田麗玉 (전여옥)、『日本はない (일본은 없다) 』(日本では『悲しい日本人』名で出版)、1993年 - 紀行文。KBSの特派員として日本に滞在した経験をもとに書かれた。ただひたすら日本と日本人を罵倒する。『醜い韓国人 (추한 한국인) 』(朴泰赫 (박태혁) )が日本で出版されたことに対抗して書かれた。
- 尹ジョンソク (윤종석) 『Fire Day (파이어 데이) 』、1995年 - 小説。
- 高ウォンソン (고원정) 『フェッブル (횃불) 』 - 小説。
- 金辰明、『皇太子妃拉致事件』、2001年 - 小説。韓国人が皇太子妃雅子を拉致する。NHKのハングル講座がとりあげ問題となった。
- チョン・ソンヒョク (전성혁)、『百済書記 (백제서기) 』、2002年 - 高校生が書いた歴史小説。日本の天皇は百済人であり、敬宮愛子内親王が百済王家の子孫と恋に落ち、歴史「真実」を悟る。和田春樹が「良心的日本人」として登場する。和田の思想・主張以外、事実と異なるところが多い。
- 佯病説 (양병설) 『嫌日流 (혐일류)』、2006年
- 金城模 (김성모) 『嫌日流 (혐일류)』(日本語版のタイトルは『マンガ 嫌日流』)、2006年 - 漫画。『マンガ 嫌韓流』(山野車輪)が日本で出版されたことに対抗して書かれた。
- イ・ヨン『金正恩統一戦争』、2011年 - 小説。北朝鮮の後継者の金正恩をめぐる権力暗闘を描いた。北朝鮮軍が北海道を侵攻するストーリーがある[1]。
映画・テレビドラマ
- 林權澤 (임권택)、『将軍の息子 (장군의 아들) 』、1990年 - 『将軍の息子2』、1991年 - 『将軍の息子3』、1992年 - 映画。韓国人のヤクザ、金斗漢 (김두한) が日本人のヤクザをやっつける。
- 『憤怒の王国 (분노의 왕국)』、1992年 - テレビドラマ。MBCで放映。李朝の末裔が復讐のため天皇を狙撃する。狙撃の場面には、実際の即位の礼の映像が使われていた。この番組に対して日本の外務省が抗議し、国際問題に発展しかけたこともある。1994年日本語版が第三書館より出版された。
- 『ユリョン (유령) 』、1999年 - 映画。韓国の潜水艦が日本に核を撃ち込もうとする。劇中では艦内で「核攻撃派」と「時期尚早派」が対立するが、対日核攻撃を全否定する主張はない。
- 『ロスト・メモリーズ (로스트 메모리즈) 』、2002年 - 映画。日本の朝鮮半島侵略から一世紀経過したソウルの仮想世界観を描いた。光化門にある銅像が李舜臣から豊臣秀吉に変えられている。
- 『韓半島(한반도)』、2006年 - 映画。南北融和後の近未来、日本との外交戦争が勃発し、東海(日本海)上で韓国海軍と海上自衛隊が武力衝突寸前にまで陥る。公開初期は大ヒットするが、同時期に公開された怪獣映画『グエムル-漢江の怪物-』に押され気味になる。また、主要メディアは条件設定に否定的な論調を展開した。日本が明治時代に大韓帝国と結んだ(架空の)条約(仮にそのような条約があったとしても、日韓基本条約締結時に失効している)を盾に南北鉄道の利権を簒奪しようとする、国際常識的にありえない設定が採られた。
- 『黎明の瞳 (여명의 눈동자) 』、1991-1992年 - テレビドラマ。MBCで放映。
- 『対局』、1994年 - テレビドラマ。MBCで放映。韓国国宝級の碁盤をかけて、韓国の棋士が日本の棋士を打ち破る。
- 『ぬか喜びの祝杯』、1994年 - テレビドラマ。MBCで放映。日本企業が韓国が開発した半導体技術を盗むために、韓国主人公の恋人を拉致して技術を手にするものの、主人公がデータをクラッキングして恋人を取り戻す。
歌
- 1982年のオリジナル曲「独島は我が地」を1996年にDJ DOCがカバーしている[2]。
- 百済 (백제) 『Fuck Zapan』、2002年 - 歌。インディーズ販売。ただひたすら日本人を罵倒する。intervalue.co.krのインディーズチャートで最高2位[3][4]。
脚注
- ^ “金正日が襲撃され北朝鮮が日本に侵攻すると…” (日本語). 中央日報 (中央日報社). (2011年5月30日) 2011年12月23日閲覧。
- ^ 佐野良一 (1996年). “鬱憤晴らしの「独島は我が地」”. 現代コリア研究所. 2006年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月23日閲覧。
- ^ “오늘순위 TOP 100” (韓国語). intervalue.co.kr (2002年8月22日). 2002年8月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月23日閲覧。
- ^ fUCk zAPAN(反日ソング) - YouTube
参考文献
- 野平俊水『韓国・反日小説の書き方』亜紀書房、1996年6月。ISBN 4-7505-9608-6 。
- 野平俊水、大北章二『韓日戦争勃発!? 韓国けったい本の世界』文藝春秋、2001年11月。ISBN 4-16-357900-1 。
- 野平俊水『日本人はビックリ! 韓国人の日本偽史』小学館〈小学館文庫〉、2002年5月。ISBN 4-09-402716-5 。
- 野平俊水、大北章二『韓国のなかのトンデモ日本人 日本では絶対に見られない、韓国ドラマ・映画・AVの世界』双葉社、2004年5月。ISBN 4-575-29679-1 。
- 水野俊平『韓vs日「偽史ワールド」』小学館、2007年3月。ISBN 978-4-09-387703-9 。