茅ヶ崎ライブ 〜あなただけの茅ヶ崎〜

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サザンオールスターズ 茅ヶ崎ライブ
イベントの種類 音楽系イベント
通称・略称 茅ヶ崎ライブ
開催時期 2000年8月19日8月20日
会場 茅ヶ崎公園野球場
主催 湘南祭夏イベント実行委員会
共催 FMヨコハマ
TOKYO FM
後援 茅ヶ崎市
タイシタレーベル
協賛 DTI
企画制作 アミューズ
キョードー横浜
協力 WOWOW
来場者数 4.4万人[1]
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サザンオールスターズ 茅ヶ崎ライブ 〜あなただけの茅ヶ崎〜
サザンオールスターズ の ライブ・ツアー
場所 茅ヶ崎公園野球場
初日 2000年8月19日
最終日 2000年8月20日
公演数 全2公演
ウェブサイト 公式サイト
サザンオールスターズ ツアー 年表
年越しLIVE 1999 「晴れ着 DE ポン」
1999年
茅ヶ崎ライブ 〜あなただけの茅ヶ崎〜
(2000年)
年越しライブ '00-'01 「ゴン太君のつどい」
(2000年)

サザンオールスターズ 茅ヶ崎ライブ 〜あなただけの茅ヶ崎〜』(サザンオールスターズ ちがさきライブ あなただけのちがさき)は、サザンオールスターズ2000年8月19日8月20日ボーカル桑田佳祐の地元である神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎公園野球場で行った野外ライブコンサート

解説

実現まで道のり

1999年末に横浜アリーナで行われたサザンオールスターズの年越しライブ『晴れ着 DE ポン』のMC内で桑田が「来年(2000年)の夏、茅ヶ崎で、海で、コンサートをやるのが夢です」[2]「今年(2000年)の夏は海が見える所でライブをやりたいです。“チ”がつく所で……」と発言したことで、故郷・茅ヶ崎市でのライブを示唆した。

しかし、それまでに茅ヶ崎市ではプロのミュージシャンが野外での大型コンサートを実行した前例がなかったため、会場の確保や地元住民との兼ね合い等から「実現は難しい」と見られていた。そのため市ではサザンファンの有志が集い、2000年の初頭から実現に向けて茅ケ崎駅北口前等で署名運動が行われた。最終的には5万人(茅ヶ崎市の人口の約4分の1)を超える署名が集まり、3月9日、コンサート開催の要望書が添田高明茅ケ崎市長(当時)に提出される。これに対し添田側は「桑田さんは茅ヶ崎の名前を全国に知らしめた、市の最大の功労者の一人。コンサートが実現したら、みんな喜んでくれるでしょう」とコンサート会場の確保や、周辺の交通整理などで協力を惜しまない考えを示した[2]

4月には添田、茅ヶ崎商工会議所会頭、湘南祭実行委員会実行委員長らが所属事務所のアミューズを訪れ、茅ヶ崎ライブを正式に開催することを申し入れた。これを受け桑田は「茅ヶ崎でのコンサートは長年の夢でもあったし、協力しあって良いかたちでコンサートを実現させましょう!」と快諾し[3]、晴れてライブ実行が決定した。茅ヶ崎市でのサザンのライブは1981年7月4日、『そちらにおうかがいしてもよろしいですか?』ツアーの初日を茅ヶ崎市民文化会館で行って以来実に19年ぶりとなった[2]

決定からライブ前日まで

当時サザンオールスターズは前年までのシングル売上低迷から一転して、同年1月26日リリースの「TSUNAMI」が大ヒットしたことで、デビュー以来メジャー路線を保ちつつ22年目にして最大とも言えるブームの追い風に乗っていた。ライブ決定を受けて7月20日にはこのライブのメインとなるシングル「HOTEL PACIFIC」をリリース。音楽番組などにも積極的に出演した。市でもライブ成功のため全国から集まるサザンファンを迎えるために着々と準備が進められ、ライブまでの数ヶ月間は茅ケ崎駅の改札口には「おかえりなさい桑田佳祐」の横断幕が掲げられるなど、まさに街を揚げてサザン一色に染まっていった。

これに合わせ神奈川新聞産経新聞神奈川県版などが、茅ヶ崎ライブに関する事前特集記事を組んだ。また桑田は日本テレビ系の音楽番組FUN』に出演した際に『ライブ1曲目のイニシャルは“K”』と発言した。

茅ヶ崎ライブ初日前日(8月18日)に日本テレビの『ジパングあさ6』が「茅ヶ崎市民に聞く、サザンオールスターズベスト5」のアンケート結果を放送した(1位は「TSUNAMI」)。

ライブ当日

本番前日の8月18日には、地元住民とサザンオールスターズの公式ファンクラブである「サザンオールスターズ応援団」の会員のみを集めての公開ゲネプロ(本番とほぼ同じの通しリハーサル)が行われた。スタート直前には大雨に見舞われたが、スタートしてからは雨も上がり無事にリハーサルが行われ本番さながらの盛り上がりを見せた。演奏中は桑田によるスタッフへの事細かな指示や仕切り直しなど、通常のコンサートではなかなか見られない場面も見られた。

また、通常の会場と異なり会場内と外が至近距離のため、開場前のリハーサルも会場外に音が丸聴こえ(所謂ネタバレ状態)であったものの、場外にいたファンの多くはその開場前リハーサルも含めて楽しんでいたという。特に本番で4曲目に選曲されていた『茅ヶ崎に背を向けて』は開場直前のリハーサルでフル演奏され、曲が終わると共に場外に詰め掛けていたファンからは本番同然に大歓声が上がったという。

本番の8月19日8月20日の茅ヶ崎公園野球場は気温も上がり夏空の晴天となり、無事ライブは成功。2日間で計46,000人を動員した[4]。サザンとしては最長・最多となる4時間・全36曲(メドレーを含む)を演奏した。注目された1曲目はシングル曲と並び人気のある『希望の轍』であった。シングル曲・ライブ定番曲を中心にファンからのリクエストを受けての選曲もされたという。

8月20日のライブ2日目はWOWOWで生中継された。スタート前には辻よしなりによる実況中継、小川直也による聖火ランナーの入場及び聖火点灯、茅ヶ崎市歌に乗せての市旗の掲揚、福山雅治による開会宣言を始め、茅ヶ崎漁港沖から花火が打ち上げられるなど、様々な趣向がこらされた。また、ライブ中には添田高明茅ケ崎市長(当時)・桑田が幼い頃から通ったパン屋「清月」のおばちゃん・徳光和夫加山雄三ダメダメボーイズ(明石家さんまココリコ清水圭今田耕司村上ショージ)といった桑田とゆかりのある人物からのコメントVTRも上映されており、「メロディ (Melody)」の曲紹介を兼ねて登場したダメダメボーイズ以外は全員茅ヶ崎市出身であった。

球場内に入れないファンのために2日目には球場近くの海岸「サザンビーチちがさき」駐車場に特製巨大スクリーンを設置。6,000人のファンが集まった[4]。桑田もビーチにいるファンにスクリーン越しに呼びかけた。また、球場内・サザンビーチちがさきのどちらにも入れないファンや地元住民なども多数おり、周辺の道路などに詰めかけて音だけでもライブを楽しんだという。

演奏曲

  1. 希望の轍
  2. いなせなロコモーション
  3. みんなのうた
    サビ部分がスローテンポで曲の冒頭に歌われている。
    MC
  4. 茅ヶ崎に背を向けて
  5. YOU
  6. 涙のキッス
  7. メドレー
    夏をあきらめて
    C調言葉に御用心
    チャコの海岸物語
    思い過ごしも恋のうち
    気分しだいで責めないで
    勝手にシンドバッド
    MC
  8. 鎌倉物語
  9. NO-NO-YEAH/GO-GO-YEAH
  10. 爆笑アイランド
  11. イエローマン 〜星の王子様〜
    MC
  12. 虫歯のブルース 〜 インディアン狂想曲 [MEDLEY]
  13. 通りゃんせ
  14. 愛の言霊 〜Spiritual Message〜
  15. メロディ (Melody)
  16. 冷たい夏
  17. SEA SIDE WOMAN BLUES
  18. ラチエン通りのシスター
  19. 真夏の果実
  20. TSUNAMI
  21. HOTEL PACIFIC
  22. SEミス・ブランニュー・デイ
  23. マチルダBABY
  24. フリフリ'65
  25. ボディ・スペシャルII
  26. マンピーのG★SPOT
    の乗ったマンヅラを着用。恒例の「G」の文字は付けられていない。

アンコール

  1. LOVE AFFAIR 〜秘密のデート〜
  2. 夕方 HOLD ON ME
  3. いとしのエリー
    MC
  4. 心を込めて花束を

参加ミュージシャン

サザンオールスターズ
Support Musician

エピソード

  • 2013年8月31日9月1日には、5年の休止期間を経て活動再開したサザンの野外スタジアムツアーの一環として『茅ヶ崎ライブ』以来13年ぶりとなる茅ヶ崎公園野球場での公演が行われた。この公演ではライブビューイングも実施された[5]

脚注

注釈

出典

  1. ^ 『サザンオールスターズ 公式データブック 1978-2019』(2019年)リットーミュージック出版 p254
  2. ^ a b c サザンオールスターズ BIOGRAPHY 2000
  3. ^ 「STANDOOH! AREEENA!! C'MOOOON!!!」
  4. ^ a b スポーツニッポン』、2013年6月25日。
  5. ^ サザンオールスターズ復活!新曲&35万人動員野外ツアー”. ナタリー (2013年6月25日). 2013年6月25日閲覧。

外部リンク