私はピアノ

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私はピアノ
サザンオールスターズ楽曲
収録アルバムタイニイ・バブルス
リリース1980年3月21日
規格レコード
12cmCD
デジタル・ダウンロード
ストリーミング
録音1980年1月10日 - 3月2日
ジャンルロック
歌謡曲[1]
レーベルInvitation
タイシタレーベル(再発盤)
作詞者桑田佳祐
作曲者桑田佳祐
プロデュース高垣健
Burning Publishers
その他収録アルバム
Hey! Ryudo! (ヘイ! リュード!)
(3)
私はピアノ
(4)
涙のアベニュー
(5)

私はピアノ」(わたしはピアノ)は、サザンオールスターズの楽曲。1980年3月21日に発売されたオリジナル・アルバム『タイニイ・バブルス』の4曲目に収録されている。作詞・作曲は桑田佳祐、編曲はサザンオールスターズ、弦管編曲は八木正生が担当。キーボードの原由子がボーカルを担当している。

1984年6月21日1998年4月22日2008年12月3日にCDで、1989年6月25日にはCDとカセットテープで再発売された。また、2014年12月17日からはダウンロード配信、2019年12月20日からはストリーミング配信が開始されている[2][3]

背景[編集]

キーボーディスト原由子が初めてリードボーカルを担当した楽曲。サザンが得意としている歌謡曲を意識した作品である。歌詞には原が敬愛するラリー・カールトンビリー・ジョエルが登場する。曲自体はザ・ピーナッツ 、途中の掛け合いはハナ肇とクレージーキャッツを意識したもので、「シャボン玉ホリデー」やナベプロへのオマージュであるとしている。桑田によると当時、自身が表立ってナベプロを意識したパロディー作品を歌うことができなかったため、原をリードボーカルにしたという[4]

この曲のレコーディングにあたり、桑田は「原のビブラートのない真っ直ぐな歌い方をどう生かそうか考えた」と語っており、試しに二度歌ってもらい音源を重ねた[注 1]ところ上手くいったという[5]。また、原はそれまでは自分の歌声に自信がなかったというが、本楽曲をレコーディングして以降は少しずつ自信を持つようになった[6]

多くのアーティストにカバーされているほか、作者である桑田も自身のラジオ番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』(TOKYO FM)2023年3月4日放送分でセルフカバーしたことがある[7]

2011年に発売されたチーム・アミューズ‼︎のシングル「Let's try again」では、メドレーの一曲として原とPerfumeが「私はピアノ」を歌っている[8][9]

収録アルバム[編集]

曲名 作品名 備考
私はピアノ タイニイ・バブルス
バラッド '77〜'82
すいか SOUTHERN ALL STARS SPECIAL 61SONGS 数量限定商品のため、現在は廃盤。
ハラッド 原由子のソロ作品。

ライブ映像作品[編集]

曲名 作品名 備考
私はピアノ シークレットライブ'99 SAS 事件簿 in 歌舞伎町
SUMMER LIVE 2003「流石だスペシャルボックス」胸いっぱいの “LIVE in 沖縄” & 愛と情熱の “真夏ツアー完全版”
LIVE TOUR 2019 “キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!” だと!? ふざけるな!! 完全生産限定盤のボーナスディスクに収録。2018年6月25・26日にNHKホールで開催された『ちょっとエッチなラララのおじさん』での歌唱シーン。
スペシャルライブ2023 「婦人の肖像 (Portrait of a Lady)」 at 鎌倉芸術館 原のソロ名義の作品。

カバー[編集]

高田みづえのシングル[編集]

私はピアノ
高田みづえシングル
初出アルバム『イマジネーション』
B面 帰郷
リリース
ジャンル アイドル歌謡曲
時間
レーベル ユニオンレコード
作詞・作曲 桑田佳祐
チャート最高順位
高田みづえ シングル 年表
どうして私を愛したのですか
(1980年)
私はピアノ
(1980年)
愛のイマジネーション
1981年
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私はピアノ」は、1980年7月25日に発売された高田みづえの12枚目のシングル。

受賞歴[編集]

「私はピアノ」(高田みづえ盤)の受賞とノミネート
音楽賞 結果
1980年 第6回あなたが選ぶ全日本歌謡音楽祭 金賞
第11回日本歌謡大賞 放送音楽賞候補賞
放送音楽賞
第8回FNS歌謡祭 歌謡音楽賞
優秀歌謡音楽賞
第22回日本レコード大賞 金賞

収録曲[編集]

  1. 私はピアノ(3分45秒)
    作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:松井忠重
  2. 帰郷(3分46秒)
    作詞:たかたかし/作曲:Frank Mills/編曲:田辺信一
    フランク・ミルズインストゥルメンタル曲「The Poet and I」に日本語詞を加えた楽曲。

その他のカバー[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ これはレコーディング用語では「ダブル」という手法に該当する[5]。また、桑田は2010年のインタビューで「それ(本楽曲のレコーディング)以前から彼女の声質って、ダブル・トラックにすると面白いものになるって気づいていたところもあった」と、原の歌声の特性を見抜いていた旨を語っている[4]

出典[編集]

  1. ^ 『サザンオールスターズ 公式データブック 1978-2019』(2019年)リットーミュージック出版 p109
  2. ^ サザン、全266曲を世界111ヶ国で配信 オリコン 2014年12月17日配信, 2020年6月4日閲覧
  3. ^ サザン関連全972曲 サブスク一斉解禁 メンバーソロ曲も対象に オリコン 2019年12月20日配信, 2019年12月20日閲覧
  4. ^ a b 「ハラッド」特設サイト 桑田佳祐が“原 由子”を語るひととき”. sas-fan.net(サザンオールスターズ旧公式サイト). 2021年5月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月30日閲覧。
  5. ^ a b 『サザンオールスターズ 公式データブック 1978-2019』(2019年)リットーミュージック出版 p22
  6. ^ 原由子『あじわい夕日新聞~夢をアリガトウ~』P72 - 73、朝日新聞出版、2013年
  7. ^ 2023年3月5日のツイート Twitter サザンオールスターズ official
  8. ^ 原由子『あじわい夕日新聞~夢をアリガトウ~』P104 - 105、朝日新聞出版、2013年
  9. ^ チーム・アミューズ!!「Let's try again」Disc-2(DVD)より。
  10. ^ a b c オリコンランキング情報サービス「you大樹」
  11. ^ a b c 角川インタラクティブ・メディア「別冊ザ・テレビジョン ザ・ベストテン 〜蘇る! 80'sポップスHITヒストリー〜」2004年12月、ISBN 978-4-0489-4453-3
  12. ^ 「売れすぎてちょっと怖いみたい 高田みづえ」『映画情報』1981年1月号。NDLJP:2343762/6

外部リンク[編集]