大腸癌
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大腸癌 | |
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胃と直腸と結腸の図 | |
概要 | |
診療科 | 腫瘍学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | C18-C20 |
ICD-9-CM | 153.0-154.1 |
ICD-O | M8140/3 (95%の事例) |
OMIM | 114500 |
DiseasesDB | 2975 |
MedlinePlus | 000262 |
eMedicine | med/413 med/1994 ped/3037 |
Patient UK | 大腸癌 |
大腸癌(だいちょうがん、colorectal cancer[1])とは、大腸(盲腸、結腸、直腸)に発生する癌腫であり、肛門管に発生するものを含めることもある。
正式には部位別に盲腸癌(もうちょうがん、cecum cancer)、結腸癌(けっちょうがん、colon cancer)、直腸癌(ちょくちょうがん、rectum cancer)と称される。
疫学
アメリカ合衆国においては、3番目に多い癌で、癌死の原因として2番目に多く、生涯に大腸癌に罹患する確率は約7%である。日本でも胃癌を追い越し肺癌についで2番目に多くなっている。
危険因子
以下のものが報告されている。
- 大腸癌に罹る家系
- 特に55歳以前の罹患や癌の多発の場合、顕著である。
- 年齢
- 大腸癌に進行するリスクは年齢とともに増加する。その多くは60歳代から70歳代で発症するが、40歳以降は定期的な検査が必要であるとされる。
- 癌の既往歴
- 卵巣癌、子宮癌、乳がんに罹患した婦人は、大腸癌に進行するリスクが増大する。
- 家族性大腸腺腫症(家族性大腸ポリポーシス)(Familial adenomatous polyposis;FAP)
- 全大腸切除を施されない場合はほぼ100%が癌に進行する。
- 潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)
- 長期罹患で寛解がコントロールされていない症例に多く、全大腸切除を施されない場合には25年後でおよそ30%が大腸癌となる。
- 遺伝性非ポリポーシス大腸癌(hereditary nonpolyposis colorectal cancer;HNPCC)
- 大腸癌や他臓器癌の高リスク群であるため定期的なスクリーニングが推奨される。
- 過体重・肥満
- リスクが高まる事が確実視されている。
- 加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージ)
- 飲酒
- 確実なリスク
- 喫煙
- 喫煙は特に直腸癌のリスク上昇となる。
- 食事バランス
- 食物繊維をとり、動物性の食肉を減らすと大腸癌のリスクが低減すると言われており、食物繊維の摂取量が少ない(平均約6g)人のリスクが高くなる事は再確認されたが、食物繊維を多く摂取している人の肉食でリスクが高まるかは不明である。臨床的にはバランスの取れた食事は大切であるとされている[2][3]。
- 米国国立がん研究所の公開資料によると、「(脂肪に富んだ)大量の肉と大量のカロリーを摂取する人々は、特に大腸がんにおいて、がんの危険が増大することが図より見て取れる。」と指摘している[4]。
- リトコール酸
- リトコール酸(Lithocholic acid)は、脂質を可溶性にして吸収を高める界面活性剤の役割をする胆汁酸の一種である。体内で生成された一次胆汁酸であるケノデオキシコール酸から大腸内における微生物の活動により二次胆汁酸としてリトコール酸が発生する。リトコール酸は、人や実験動物に発がんをもたらすとされている[5]。食物繊維は、リトコール酸を吸着し、大便として排出することを促進するとしている[6]。しかし、後述するように食物繊維には大腸がんのリスクの減少の効果はほとんど認められないとしている。
- なお、代表的な界面活性剤である石鹸は、カルシウムイオンやマグネシウムイオンと結合して石鹸かすになって界面活性力を失い毒性もなくなる[7]。二次胆汁酸にカルシウムが結合することで無毒化されて便中に排泄されるという説がある[8]。興味深いことに、カルシウムとカルシウムの吸収に密接な関わりのあるビタミンDについては後述のような報告もあり、また、マグネシウム摂取量が多いグループの男性の大腸がんリスクが低い[9]、との報告がある。
- さらには、各種ポリフェノール(カフェ酸、カテキン、クルクミン、エラグ酸)の摂取がリトコール酸の生成を減少させたとの報告がある[10]。
予防の可能性
- 検査
- ほとんどの大腸がんは、腺腫性ポリープから発生する。これらの病変は大腸内視鏡検査で検知可能で除去可能である。50歳から始めて5年か10年毎に一度のこの内視鏡検査と病変の除去で、がん死のリスクを80%以上減少させることができる[11]。
- 米国全国総合がんネットワークによる現在のガイドラインにおける限り、大腸がんの家族歴がなく、腺種や炎症性腸疾患の病歴がない平均的な対象者で、5年毎のS字結腸の内視鏡検査と毎年の便潜血反応検査、あるいは、バリウム注腸二重造影検査は、10年毎の内視鏡検査よりも望ましい検査方法であるとされている。
- 生活習慣及び栄養
- 様々な国々での大腸がんの発生を比較すると、すわり作業で、高カロリー食品の食べ過ぎ、多量の赤肉又は加工肉の摂取は大腸がんの発生のリスクを高めることを強く示唆している。反面、健全な体重、適度な運動、良い栄養は一般的にがんのリスクを下げる。生活習慣を変えることにより大腸がんのリスクを60-80%下げることができると言われている[12]。
- 果物、野菜、シリアルその他の食物繊維の多量の摂取は、大腸がんと腺種のリスクを下げると考えられてきた。この理論を検証するため16年にわたる88,757人を対象とした調査では、食物繊維の多い食事は大腸がんのリスクを下げてはいなかった[13]。2005年の別の調査でもその結果を支持している[14]。
- ハーバード大学公衆衛生学部は、「食物繊維の摂取は、健康効果のある健全な食事としてもてはやされ、心臓病、糖尿病、憩室疾患、便秘を含む様々な疾患のリスクを減少させていた。多くの人が信じていたにも関わらず、食物繊維には大腸がんのリスクの減少の効果はほとんど認められなかった。」と発表している[15]。
- ビタミンD
- 13カ国の400万人以上のがん患者のデータを用いた2006年の研究では、日照の少ない国での特定のがんのリスクの顕著な増加が示され、その他の関連研究でもビタミンD濃度とがんの間の相関関係が示されている。この著者は、毎日 1,000IU (25μg) のビタミンDの追加摂取はヒトの大腸がんのリスクを50%減少させ、乳がんと卵巣がんのリスクを30%減少させると示唆している[17][18][19][20]。
- 2007年6月に発表された無作為に抽出された1200人の女性を対象とした研究では、ビタミンD の摂取(1,100 IU/日)は、4年間の臨床試験で、がんの発生率を60%減少させ、最初の1年後では77%減少させたとしている(なお、ビタミンDの投与前に起因していたと思われるがんは除かれている)[21][22]。ビタミンD の摂取の別の研究で発見された長期間にわたるがん全般の増加を考慮に入れていないことを含め[23]、幾つかの点でこの研究は批判されているにもかかわらず[24]、カナダがん学会(全国規模の有志による組織)は、成人は1日1,000IU(政府の発表した必要量の5倍)を摂取すべきと2007年に勧告している[25][26]。
- アメリカ国立癌研究所は、ビタミンDの摂取が大腸がん及びその他のがんの予防効果について限定されているか証拠が不十分なので、大腸がん及びその他のがんの予防のためにビタミンDサプリメントの摂取を勧奨はしないとした[27]。
- 最近の研究結果は矛盾したものであるが、1つはビタミンDの抗癌効果について肯定的なものであり(Lappeほか)、癌のリスクに対してカルシウムのみから独立した肯定的作用を行っているとしたものである(以下の2番目の研究を参照のこと)[31]。
- ニンニク
- ニンニク#ニンニクの癌予防効果 を参照のこと。
病態
多くの大腸癌の発生に関する機序については大きく以下の2つが論じられている。
- adenoma carcinoma sequence(腺腫-癌 発生)
- de novo cancer(新発生)
病理
大腸癌で最も多く見られるものは腺癌で、全体の95%も占める。他についても様々に存在する。
詳細は大腸ポリープの項目を参照。
症状
一般に早期大腸癌であれば自覚症状はなく、健康診断や人間ドックで発見される。まったく症状が現れない場合も少なくない。進行大腸癌でも環周度が1/4以下ならば症状はほとんどない。1/2周を超えると腸内容の通過障害を起こす場合がある。
左側結腸に存在すると便通異常、腹痛、腹部膨満感などがあり、血便を伴うこともある。しかし、右側結腸ではこれらの症状は乏しく貧血、体重減少、腫瘤触知などの症状となる。これは上行結腸では内容物がまだ液体であるからであると説明されている。左側結腸の全周性病変になると排便困難、便秘、イレウスを起こすこともある。
検査・診断
大腸癌は早期に発見できれば完全治癒の可能性が大きくなる。集団健診では普通「便潜血反応」が行われる。潜血反応が陽性であった場合、貧血などの異常がある場合、その他の大腸癌のハイリスクの場合は、癌をはじめとする大腸疾患の確定のため大腸内視鏡検査が行われる。
- 便潜血反応検査(Fecal occult blood test;FOBT)
- 「化学的便潜血検査」と「免疫学的便潜血検査」がある。化学的便潜血検査は鉄分を含む食事によって検査結果が変化してしまうため、現在は免疫学的の「ヒトヘモグロビン法」が主流。多くの大腸癌検診の1次スクリーニングとして広く行われている。
- 大腸内視鏡(Colonoscopy)
- 内視鏡で直腸から回盲部まで挿入し病変を観察する。最近ではほぼ多くの場合に2次スクリーニングの確定診断目的に施行される。
- バリウム注腸二重撮像法(Double contrast barium enema;DCBE)
- 肛門からバリウム溶液を注入し、ついで空気を注入し、大腸や直腸の形状をX線で撮像する。
- コンピュータ断層撮影法 (CT)
- X線診断法で進行癌の周囲への進展度合や他臓器(特に肝臓)転移の有無を検査するのに行われる。他の理由で実施されたCT断層撮影で進行大腸癌が発見されることもある。また内視鏡や透視とは異なり、腸管の粘膜下病変を検出し、スキルスや粘膜下腫瘍、虫垂病変などの評価を行える。
- 現在、CTの進化に伴いCT colonographyと呼ばれる仮想大腸内視鏡が普及しつつある。腸管の癒着、再建を行った例では内視鏡検査が行えず、代替として有望視されている。[要出典]
- 血液検査
- 進行大腸癌があると貧血を来すことがよくある。貧血自体はありふれた疾患であるが、大腸がんがその原因の場合は進行がんのおそれがある。また、腫瘍マーカーを計測することで進行癌の存在を推定することができる。癌胎児性抗原(CEA)が代表的であるが、ほとんどが進行ガンでしか陽性にならず、早期ガンや前ガン病変(大腸ポリープ)の発見はできない上、費用がかかる。
- 直腸指診(Digital rectal examination;DRE)
- 医師が、潤滑剤を付けた手袋をした指で直腸に異常がないか触診する。簡単に実施できるが、肛門から数センチの所までしか診断できない。
病期
大腸癌の病期分類は主に局所浸潤の度合い、リンパ節浸潤の度合いあるいは遠隔転移の有無によって決定される。今日においては、日本では「大腸癌取り扱い規約」に基づく独自の病期分類を行っている。国際的にはTNM分類が病期分類に使用される。あるいは医者によっては以前から使用されていたデューク分類(Duke's system)を使用する者もいる。
TNM分類
UICCのTNM分類の定義を次に示す。
- T - 腸壁への浸潤度合い
- T0 - 癌の兆候は見出されない
- Tis- 癌は粘膜内にある(腫瘍は存在しているが、浸潤はない)
- T1 - 腫瘍は存在しているが、浸潤は最小限である
- T2 - 浸潤は粘膜下組織に達している
- T3 - 浸潤は筋固有層に達している
- N - リンパ節浸潤の度合い
- N0 - リンパ節に浸潤は見られない
- N1 - 1ないし3つのリンパ節に浸潤が見られる。
- N2 - 4つ以上のリンパ節に浸潤が見られる
- M - 転移の度合い
- M0 - 転移はない
- M1 - 転移が見られる
例えば患者が癌に罹患していなければT0N0M0となる。
AJCC病期分類
- Stage 0
- Tis, N0, M0
- Stage I
- T1, N0, M0
- T2, N0, M0
- Stage IIA
- T3, N0, M0
- Stage IIB
- T4, N0, M0
- Stage IIIA
- T1, N1, M0
- T2, N1, M0
- Stage IIIB
- T3, N1, M0
- T4, N1, M0
- Stage IIIC
- いずれかのT, N2, M0
- Stage IV
- いずれかのT, いずれかのN, M1
大腸癌取り扱い規約による分類
まずは肉眼的分類として以下がある。
- 0型 表在型(詳しくは大腸ポリープの項目を参照)
- 病変の肉眼的形態が軽度な隆起や陥凹を示すに過ぎないもの。
- 1型 腫瘤型
- 明らかに隆起した形態を示し、周囲粘膜との境界が明瞭なもの。
- 2型 潰瘍限局型
- 潰瘍を形成し、潰瘍をとりまく胃壁が肥厚し周堤を形成し、周堤と周囲粘膜との境界が比較的明瞭なもの。
- 3型 腫瘍浸潤型
- 潰瘍を形成し、腫瘍をとりまく胃壁が肥厚し周堤を形成するが、周堤と周囲粘膜との境界が不明瞭なもの。
- 4型 びまん浸潤型
- 著明な潰瘍形成も周堤もなく、胃壁の肥厚・硬化を特徴とし、病巣と周囲粘膜との境界が不明瞭なもの。
- 5型 分類不能
- 上記分類に当てはまらないもの。
という分類がある。これは胃癌の分類とまったく同じである。大腸癌取り扱い規約によると壁深達度(いわゆるT)がTNM分類よりはるかに細かくなる。
- 漿膜を有する部位の壁深達度
- m:癌が粘膜内にとどまり、粘膜下層に及んでいない。
- sm:癌が粘膜下層にとどまり、固有筋層に及んでいない。
- mp:癌が固有筋層にとどまり、これをこえていない。
- ss:癌が固有筋層を超えているが漿膜表面に出ていない。
- se:癌が漿膜表面に露出している。
- si:癌が直接他臓器に浸潤している。
- 漿膜を有しない部位の壁深達度
- m:癌が粘膜内にとどまり、粘膜下層に及んでいない。
- sm:癌が粘膜下層にとどまり、固有筋層に及んでいない。
- mp:癌が固有筋層にとどまり、これをこえていない。
- A1:癌が固有筋層を超えているが、さらに深くは浸潤していない。
- A2:癌が筋層を越えてさらに深く浸潤しているが他臓器に浸潤していない。
- Ai:癌が直接他臓器に浸潤している。
- リンパ節転移
- n(-):リンパ節転移を認めない。
- n1(-):第1群リンパ節に転移を認めない。
- n1(+):第1群リンパ節に転移を認める。
- n2(-):第2群リンパ節に転移を認めない。
- n2(+):第2群リンパ節に転移を認める。
- n3(-):第3群リンパ節に転移を認めない。
- n3(+):第3群リンパ節に転移を認める。
- n4(-):第4群リンパ節に転移を認めない。
- n4(+):第4群リンパ節に転移を認める。
- 腹膜播種転移
- P0:播種性転移を認めない。
- P1:近接腹膜のみ播種性転移を認める(合併切除可能なもの)。
- P2:遠隔腹膜に少数の転移を認めるもの。
- P3:遠隔腹膜に多数の転移を認めるもの。
- 肝転移
- H0:肝転移を認めない。
- H1:一葉のみに肝転移を認める。
- H2:両葉に少数散在性(4個以内)に転移を認める。
- H3:両葉にわたり多数散在性(5個以上)に転移を認める。
- 肝以外の遠隔他臓器転移
- M(-):遠隔他臓器転移が認められないもの。
- M(+):遠隔他臓器転移が認められるもの。
その他の有名な分類
上記以外の有名な分類をあげる。どの分類を用いるか悩むときはなぜ分類するのかを考える。結局、治療の選択をしたいことが多いので自分がベストと思う治療法を選択する根拠となる分類を用いればよい。なお腸壁とは固有筋層までのことである。
- Dukes分類
- A:癌腫が腸壁内に限局するもの。
- B:癌腫が腸壁を貫いて浸潤するがリンパ節転移がないもの。
- C:リンパ節転移のあるもの。
- Astler&Coller分類
- A:癌腫が粘膜にとどまるもの。
- B1:癌腫が固有筋層に及ぶがリンパ節転移のないもの。
- B2:癌腫が固有筋層を穿通するが、リンパ節転移のないもの。
- C1:癌腫が腸壁内に限局し、リンパ節転移のあるもの。
- C2:癌腫が腸壁を穿通して外部に達し、リンパ節転移のあるもの。
治療
他の癌の治療と同様に、治療方針は癌の病期によって変わってくる。主に以下にあげられる治療を集学的に行っていく。また、近年では臨床診断が進み、大腸ポリープ・大腸癌を含めて「大腸腫瘍」として一括に取り扱うことで評価・治療を行っていく。本稿では大腸癌(進行)について主に記述。
内視鏡治療
主に大腸ポリープ・早期大腸癌(進達度が粘膜下層(sm)の浅層にとどまり、=リンパ節転移の無いと思われる病変)に対し、内視鏡を用いてEMR・ESDによって病変切除による根治治療が施行される。内視鏡治療は原発巣の切除は可能であるが、リンパ節郭清は外科的手術でしか行えないため、リンパ節転移の無いと思われる病変に対し選択される。 大腸ポリープの項目記述を参照。
手術療法
旧来より、外科手術による癌病変切除・リンパ節郭清は根治術の根幹である。個々の術式に関しては消化器外科学を参照。
他の悪性腫瘍と異なり、大腸や胃等の管腔臓器の癌は、癌による消化管閉塞(腸閉塞)・出血を生じることが多く、遠隔転移等も認める進行癌であっても、比較的全身状態良好なうちに食事摂取困難となる場合も多くあり、根治的ではなく対症療法的に原発巣切除・バイパス術施行等が行われることも多い。
化学療法
以下の種類があり、組み合わせによって様々な「レジメン」が提唱されている。
抗癌剤
- 5-FU+ロイコボリン
- イリノテカン
- オキサリプラチン
- カペシタビン
- TS-1 (ティーエスワン)
- UFT+ロイコボリン
- UFT+ロイコボリン+イリノテカン(FOLFIRI)
- UFT+ロイコボリン+オキサリプラチン(FOLFOX)
- ゼローダ(カペシタビン)
- オキサリプラチン+イリノテカン
- マイトマイシン
- アバスチン(ベバシツマブ)
- アービタックス(セツキシマブ)
分子標的治療薬
従来、アスピリンの作用としてシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の活性阻害作用を持つことが知られていた。この事から、大腸癌予防効果が期待されていた。
米マサチューセッツ総合病院のAndrew T.Chan氏らよる2009年5月の米国消化器学会で発表された臨床研究報告によれば、約17万人を対象としステージⅠ~Ⅲの大腸癌患者1279人を約12年間調査したところ、大腸癌と診断された後にアスピリンを定期的に服用した患者は、服用していない場合に比べ死亡率が29%低下した。また、診断前から定期的に服用していた場合は死亡率が47%低下した。特に、COX-2が過剰発現している大腸癌患者では大幅な減少があった。としている但し、研究者自身が「データが不足しており、より規模の大きな検証が必要とされる」ともしている[35]。
放射線療法
大腸癌の多くは腺癌であるため、あまり施行されない場合が多い。
大腸癌に関連する人物
脚注
- ^ 大腸がん研究会によれば colorectal cancer を「結腸直腸癌」と訳す場合があるが、ほとんど使用されない用語のため、日本では「直腸癌」と訳すことが多い。
- ^ 野菜・果物をよく食べると答えた人の大腸がん発症リスク
- ^ 肉を良く食べると答えた人の、大腸がん発症リスク
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参考文献
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- 『有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン2005年版』 厚労省がん研究班編 (Minds医療情報サービス)
- 『大腸がん標準化学療法の実際 改訂第2版』 金原出版 (2009/01) ISBN 978-4307101431
関連項目
外部リンク
- 国立がんセンター
- がん情報サイト Cancer Information Japan (米国国立がん研究所によるPDQの日本語版)
- 財団法人 癌研究会
- 大腸癌の基礎知識