大文字

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大文字(おおもじ、capital letter, upper case) は、ギリシア文字やそれから派生したスクリプトで、文頭や固有名詞のはじめなどに使う大きな字形の文字である。本来は大文字のみで記述してきたが、筆記を簡単にするために角を丸めたりした文字から小文字が現れると、大文字と小文字がひとつの単語の中で混在して用いられるようになった。

大文字と小文字の区別があるスクリプトは、ギリシア文字、ラテン文字キリル文字アルメニア文字デザレット文字などである。グルジア文字のフツリ (Khutsuri) には大文字のみがある。

頭文字が大文字になる場合

単語の特定の文字(ほとんどは語頭の1文字だが例外もある)で大文字が使われるのは、次のような場合である。

このような場合に大文字になるのは、通常、語頭の1文字である。

ただし前置詞や冠詞に由来する部分がハイフンアポストロフィで結ばれている語は語頭が大文字では書かれず、ハイフンやアポストロフィの次の1文字目が大文字で書かれる。ハイフンやアポストロフィが取れて完全に1語になったときは、それに語頭を加えた2文字が大文字で書かれることがある(例: DeForest)。

オランダ語IJ などは合字として1文字扱いであり、一見すると語頭の2文字が大文字になっているように見える(例:IJzer is een metaal.「鉄は金属である」)

商品名などでは、単純なルールにのっとっていないことがある。

全てが大文字になる場合

そのほか、特別な場合には、単語の文字すべてを大文字で書くことも行われる。

  • 頭字語は普通、大文字で書かれる。
  • フランスなどでは、人名で姓名を明示するとき、の全文字を大文字で書くことがある。
  • 日本語など姓名の順が欧米と異なる人名を原語のままの順で書くとき、を明示するため全て大文字で書き、は頭文字のみ大文字で書くことがある。
  • 見出しなど強調のため、また小説などで大声で叫んでいる場面において文を全て大文字で書くことがある。
  • 英文で全文に大文字を使うと「叫び散らし」の印象に受け取られることもある。(All Caps, Readability)
  • 注意書きなどで、注意を喚起するため文中のNOTなど重要な一語のみを全て大文字で書くことがある。
  • コンピュータの処理能力や容量が乏しかった時代には、ラテン文字のうち大文字しか扱えないシステムが多かった。
  • 社名や商号についてはThe EconomistやThe New York Timesなどの英文誌でもToyota, Yanmar, Panasonic, Sonyなど2文字以降は小文字表記とされているにもかかわらず、日本企業の発信する投資家関連情報などの英文資料には自社の商号が一律に大文字のみで表記されることがあり、これが英語読者には妙に不自然な「ビジネススーツに下駄ばき」の印象を与えているともされている。

タイトルケース

大文字と小文字は文字の属性だが、アッパーケースとローワーケースという用語は単語に対しても使える。この場合アッパーケースとは全てが大文字の単語であり、頭文字だけが大文字の単語はタイトルケースと呼ぶ。

通常、文字には大文字と小文字だけがありタイトルケースはないが、一部の合字にはタイトルケースがある(例: ハンガリー語Ny)。

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