古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法

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古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法
日本国政府国章(準)
日本の法令
通称・略称 古都保存法
法令番号 昭和41年法律第1号
種類 行政法
効力 現行法
成立 1965年12月29日
公布 1966年1月13日
施行 1966年4月15日
主な内容 継承されるべき古都における歴史的風土を保存するための法律
関連法令 都市計画法建築基準法
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古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(ことにおけるれきしてきふうどのほぞんにかんするとくべつそちほう)は、歴史的風土地区の指定、地区内の開発規制、その土地の所有者への補償について規定した法律。法令番号は昭和41年法律第1号、1966年(昭和41年)1月13日に公布された。通称古都保存法

概要

鎌倉市による住環境保全運動を契機に、奈良市京都市古都と、鎌倉市とその他政令で指定された市町村(天理市、橿原市、桜井市、奈良県生駒郡斑鳩町、同県高市郡明日香村、逗子市及び大津市[1])の歴史的風土を保存し、次の世代へと繋げていく事を目的としている。通称は古都保存法であるが、指定対象は社会通念上の「古都」に限定していない。

第一条では

この法律は、わが国固有の文化的資産として国民がひとしくその恵沢を享受し、後代の国民に継承されるべき古都における歴史的風土を保存するために国等において講ずべき特別の措置を定め、もつて国土愛の高揚に資するとともに、ひろく文化の向上発展に寄与することを目的とする。

としている。

歴史的風土保存区域での制限事項

歴史的風土保存区域で以下の行為を行う場合には府県知事政令指定都市では市長、以下同様)への届け出が必要である。

  1. 建築物その他の工作物の新築、改築又は増築
  2. 宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更
  3. 木竹の伐採
  4. 土石の類の採取
  5. 前各号に掲げるもののほか、歴史的風土の保存に影響を及ぼすおそれのある行為で政令で定めるもの

歴史的風土特別保存地区での制限事項

歴史的風土保存区域の中心をなす地域は歴史的風土特別保存区域(特別保存地区)に指定され、以下の行為を行う場合には府県知事の許可が必要である。

  1. 建築物その他の工作物の新築、改築又は増築
  2. 宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更
  3. 木竹の伐採
  4. 土石の類の採取
  5. 建築物その他の工作物の色彩の変更
  6. 屋外広告物の表示又は掲出
  7. 前各号に掲げるもののほか、歴史的風土の保存に影響を及ぼすおそれのある行為で政令で定めるもの

指定都市と指定地区

2017年(平成29年)3月31日現在の指定状況

自治体名 歴史的風土保存区域 歴史的風土特別保存地区
区域名称 地区名称 地区名称
神奈川県鎌倉市 鎌倉市及び
逗子市
歴史的風土
保存区域
朝比奈 朝比奈切通し
八幡宮 浄妙寺
瑞泉寺
護良親王墓
永福寺跡
建長寺浄智寺八幡宮
寿福寺
長谷極楽寺 大仏長谷観音
極楽寺
稲村ヶ崎
山ノ内 円覚寺
大町材木座 妙本寺衣張山
名越切通し
神奈川県逗子市 大町材木座
京都府京都市 京都市
歴史的風土
保存地区
醍醐 醍醐
桃山
東山 修学院
瓜生山
大文字山
清水
阿弥陀ヶ峰
泉涌寺
稲荷山
山科 山科
上高野 上高野
大原 寂光院
三千院
鞍馬
岩倉 岩倉
上賀茂松ヶ崎 上賀茂
神山
松ヶ崎
西賀茂 西賀茂
御室衣笠 金閣寺
御室・衣笠
双ヶ岡
高雄愛宕
嵯峨嵐山 嵯峨野
曼荼羅山
小倉山
嵐山
奈良県奈良市 奈良市
歴史的風土
保存区域
春日山 春日山
平城宮跡 平城宮跡
聖武天皇陵
山陵
西ノ京 唐招提寺
薬師寺
奈良県橿原市 天理市、
橿原市及び
桜井市
歴史的風土
保存区域
大和三山 香久山
畝傍山
耳成山
藤原宮跡
奈良県桜井市 石上三輪 三輪山
鳥見山
磐余
奈良県天理市 石上三輪 石上神宮
崇神景行天皇
奈良県

生駒郡斑鳩町

奈良県
生駒郡斑鳩町
歴史的風土
保存区域
斑鳩 法隆寺
滋賀県大津市 大津市
歴史的風土
保存区域
比叡山坂本 延暦寺東塔・西塔
延暦寺横川
延暦寺飯室谷
西教寺
日吉大社
近江大津京跡 崇福寺跡
近江神宮
園城寺 園城寺
音羽山
石山寺 石山寺

脚注

関連項目

外部リンク