ミニ14
ルガー AC556カービン | |
ミニ14 | |
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種類 | 自動小銃 |
製造国 | アメリカ合衆国 |
設計・製造 | スターム・ルガー |
仕様 | |
口径 |
5.56mm 7.62mm(ミニ30) 6.8mm(ミニ6.8) |
銃身長 |
470mm(ミニ14) 330mm(AC556) |
ライフリング | 6条右転 |
使用弾薬 |
5.56x45mm NATO弾(ミニ14、AC556) 7.62x39mm弾(ミニ30) 6.8×43mm SPC弾(ミニ6.8) |
装弾数 | 5連/20連/30連(箱型弾倉) |
作動方式 | ガス圧利用(ロングストロークピストン式)、ターンロックボルト |
全長 | 946mm |
重量 | 2,900g |
発射速度 | 750発/分(AC556) |
銃口初速 | 945m/秒 |
有効射程 | 300m |
歴史 | |
設計年 | 1967年-1973年 |
製造期間 | 1973年-現在 |
ミニ14(Mini-14)は、1973年にスターム・ルガー社が発表した民間向け自動小銃。外見上のレイアウトやデザインは、1959年にアメリカ軍に採用されたM14自動小銃を参考にしている。
概要
その名の通り、MiniなM14といえるほどよく似たデザインをしており、その名称も商業戦略上の語呂合わせのような商標であった。スターム・ルガー社の設計方針に沿って単純な機構で安価に製造可能で、故障も少なく手入れも容易な反面、その設計上から命中精度も限定的な範囲内であり、プリンキング(狩猟や競技とは関係ない、趣味の範囲での射撃)やランチライフル(Ranch Rifle。牧場や農場における小型害獣駆除用銃)として人気が高い。
一見してM14をそのままデフォルメしたようなライフルだが、内部の作動機構はM14と異なっており、どちらかといえばM1ガーランドに近い。 この種の民間向けライフルの例に漏れず、木製ストックと樹脂(グラスファイバー)製ストック、クロームモリブデン鋼製型とステンレス鋼製型など、幾つかの選択肢があり、また、安価に大量生産された普及品のため、米国内ではアフターマーケットの社外製部品、アクセサリー類も豊富である。この辺りも、パーツ交換で「遊べる」民間用ライフルの強みであり、ヒット商品になった要因の一つである。
また、木製のストレートストックや剥き出しになったガスブロックなどのクラシカルでいかにもライフルらしいデザインは、M4カービンのように金属やプラスチックを多用したマットブラックの物々しく戦闘的なアサルトカービンよりも周囲の一般人に与える威圧感が低いため、軍隊よりも市民の目に触れる機会の多い警察によって、例えば近距離の威力と面制圧力に優れたショットガン(ライアットガン)の射程と貫通力を補う目的でパトカーに搭載したり、観光地や建物内での制服警備などの任務に使用される。こうした感覚は民間人の銃器所持が一般的な国だからこそ通用する概念であり、日本のようにそもそも銃を目にすることが少ない国では馴染みが薄いものといえるだろう。
バリエーション
使用する弾薬や用途に応じて、幾つかのバリエーションがある。
- ミニ14/ミニ14 20GB
- 最初に開発されたモデル。弾薬は一般的な5.56x45mm NATO弾、または同じ寸法の.223レミントンで、標準で5連のショートマガジンが付属するが、M16やM4カービンと同じNATO標準の30連マガジンと同型のものが使用できる。20GBは軍用を意識して着剣機構が取り付けられており、M4バヨネットを取り付けることができる。
- AC-556/AC-556F
- 軍・警察向けに、Mini-14 20GBにフルオートまたは3点バースト機構を追加するなどの改良を施したモデル。AC-556Fは、AC-556のバレルを短縮し、MP40やAKS-47と同じようなグリップを覆うように折り畳むフォールディングストックとピストルグリップを備えたカービンモデル。銃本体の側面後端に、回転式の射撃モード(セミオートとフルオートまたは3点バースト)を選択するためのセレクタースイッチがついている。セレクタースイッチは、レバーの頭部にストッパー・ボタンが用意されている。
- ミニ30
- AK-47と同じ7.62x39mm弾を使用するモデル。標準で5連のショートマガジンが付属するが、AK-47と同じ30連バナナマガジンと同型のものが流用できる。その口径(0.30インチ)から命名されたため、よりM14のデフォルメという意味に近い。日本でも猪猟の「ブッシュガン」として有用であり、狩猟用途に所持許可を得ることも各都道府県公安委員会の判断次第では可能だが、旧共産国系の使用弾薬および外観と名称が許可判断に不利に影響する場合もある。現在、銃刀法に違反する大容量マガジンを所持していたハンターが摘発された事件を受け、新規の所持許可が非常に厳しくなっている。
- ミニ6.8
- スターム・ルガー純正としてはもっとも新しいモデルで、新型の6.8×43mm SPCを使用する。マガジンはミニ14と同じものが使用できるが、その場合は装弾数が減ってしまう点に注意。
他にも社外品として、サムホールタイプやスケルトンタイプ、サイドスイング式の折り畳みストックといった交換用パーツ、スコープやダットサイトを取り付けるための20mmマウントレールなどが販売されている。珍しいところでは、Mk14 Mod.0によく似た近代的なEBRストックも存在する。
採用国
軍用を想定した設計の銃ではないが、警察のほかに一部の軍組織でも使用されている。
- オーストラリア
- フランス - 国家警察の共和国保安機動隊(CRS)で採用。
- ホンジュラス
- バミューダ諸島 - 王立バミューダ連隊(The Royal Bermuda Regiment)が1983年にL1A1(SLR)の代替として、標準的な木製ストックのミニ14 20GBを採用。現在は独立したピストルグリップを備えたマットブラックのグラスファイバー製に換装されている。ちなみに、イギリスの海外領土だが、バミューダ諸島は自立性が高いため、必ずしもイギリス軍とはいえない。
- イギリス - 1979年、北アイルランドの王立アルスター警察隊(RUC:Royal Ulster Constabulary)がスターリング・サブマシンガンとM1カービンの後継としてAC-556を採用。
- アメリカ合衆国 - ニューヨーク市警察(NYPD)の緊急展開部隊(ESU:Emergency Service Unit)が、軍用弾を使用するなど火力に優れる半面、民間用スポーツライフルに似た外見をしていることから、住民に対して威圧感を与えないとし、AC-556Fを採用していた。現在はM4カービン(或いはそのバリエーション)に更新されている。その他、制服警官が訓練を受ける際にミニ14を使用したり、各部署の備品として必要数だけ購入するような場合もある。
登場作品
ドラマ・映画
アニメ
- 『人類は衰退しました』
- 3話に登場。壁にかけてある。
小説・ライトノベル
ゲーム
- 『Left 4 Deadシリーズ』
- 「ハンティングライフル」の名称で登場。
- 『グランド・セフト・オート・バイスシティ』
- 「ルガー」という名称で登場。