バッジ
バッジ(英語: badge、button)は、主に衣服の襟部分又は胸部分に付ける、付けている者の「所属」、「資格」、「職位」、「階級」、「経歴」、「功績」等を、図式化等のデザインにより表す徽章・記章のこと。「徽」の字が常用漢字表外字であるため、「き章」と表記されることもある。バッチは誤り(全く別の意味になってしまう)。
軍隊等の階級章・部隊章・兵科章などとして使用される場合、制服の肩章に付けられる場合もある。
素材と構造
主な材料としては丹銅、真鍮、銀、金、プラチナなどが土台に使用され、七宝焼やラッカー塗布、エナメル流し込みなどで色付けされめっきが施されたものが主流となっている。
金属製のバッジで中が空洞になっているものは特に缶バッジと呼ばれ、他のバッジよりもサイズを大きくしたい場合に用いられる。
襟章は特に「ピン (pin) 」と呼ぶ事もあり、日本語ではこれを「ピンバッジ」と呼ぶこともある。
バッジを外す
バッジは既述のように所属や職位を示すものでもあるため、逆にバッジを外すことはその所属や職位を離れることを意味する。日本でも政治家が辞意を示す際に議員バッジを外して演壇に置いて見せるなどの行動も見られ(これは議員徽章が制定されている日本特有の行為)、アメリカ映画などでも警察官が職を辞する覚悟の際に拳銃とバッジを上司に差し出す(逆に、謹慎を言い渡す前に「バッジと銃を出せ」と言われる 身分証がそのまま拳銃携帯許可証を兼ねる為)場面もある。
また、アメリカの警察や警備会社などでは退職した職員のバッジを、職務を全うした事を称えて記念として保存しているところがある(定年退職者にはバッジ番号部分に「RETIRED」と刻まれアクリルスタンドにはめ込まれたバッジが記念品として贈られる)。ペンシルベニア州のリングゴールド・ハイスクール・セキュリティ(学校警備員)では、在職中物故者のバッジは故人を忘れることのないよう黒いバンドで留められる。このように、バッジは身につけている時だけでなく、その身から離れても過去にそのバッジを身につけていた人物の経歴や功績を示すことがある。
バッジの収集
バッジは上記のような正式な意味を持つものばかりでなく、キャラクターグッズやイベントの記念品としても用いられ、娯楽の一部として漫画やアニメのキャラクターの絵が描かれた子供向けのものや、アイドルの写真が印刷された缶バッジや、各種メーカーが折々の記念に製作する自社の製品(特に自動車や航空機など)の形をした大人向けのものも多数見られる。
大人向けのものは身につけるためというよりもコレクターズ・アイテムとしての意味合いも強く、豪華な箱に数点から数十点のバッジが収められたものもあり、限定品ということもあってかなり高価なこともある。
バッジの例
- 国会議員・地方議員 議員バッジ
- 検察官 検事徽章(秋霜烈日)
- 裁判官 判事徽章(八咫鏡)
- 弁護士 弁護士記章(天秤とひまわり)
- 司法書士記章(桐紋)
- 土地家屋調査士記章(桐紋に「測」)
- 税理士記章(日輪に桜)
- 公認会計士記章(旧:円に「C.P.A.」→ 新:円に黄色と黒の格子)
- 弁理士記章(菊の中に桜)
- 社会保険労務士記章(菊に“Shakaihoken Roumushi”で「SR」)
- 行政書士記章(コスモスに「行」)
- 卓越技能者の卓越技能章(のうちの徽章)
- 警備業務検定資格者章(詳細は「警備業務検定」の項目を参照のこと)
- 警備員指導教育責任者
- 機械警備業務管理者
- 技能士の技能士章
- 硬筆書写検定のバッジ
- 毛筆書写検定のバッジ
- 英検バッジ
- 警察・消防・軍隊・準軍事組織などの構成員の階級章、兵科章、資格章、技能章、部隊章等
- 勲章・褒章の略綬等
- 政党・政治団体等の党員章(党員バッジ)
- 日本赤十字社の特別社員・日本赤十字社金色有功章・日本赤十字社銀色有功章
- 済生会の会員証
- スキーバッジテストの認定バッジ
- 各種の資格章
- 各種の団体やクラブの会員章
- 各種の表彰を表す記章類
- ボーイスカウトの菊章・富士章・技能賞・宗教章
- 企業・自治体の社章・職員章(社員バッジ、職員記章)
- 学校の校章・学級章・各種委員章(校章バッジ・学級委員バッジなど)
- 裁判員制度の記念バッジ
- アメリカ合衆国の警察の身分章(特に「shield」と称される)、保安官バッジ。
- ピンズ(アメリカや日本のプロスポーツで、ホームゲーム開催の際に公式ファンクラブに加入している人へ来場記念に配布される)
- 代紋をかたどった暴力団員のバッジ