ターミネーター (映画)
ターミネーター | |
---|---|
The Terminator | |
監督 | ジェームズ・キャメロン |
脚本 |
ジェームズ・キャメロン ゲイル・アン・ハード |
製作 | ゲイル・アン・ハード |
製作総指揮 |
ジョン・デイリー デレク・ギブソン |
出演者 |
アーノルド・シュワルツェネッガー マイケル・ビーン リンダ・ハミルトン |
音楽 | ブラッド・フィーデル |
撮影 | アダム・グリーンバーグ |
編集 | マーク・ゴールドブラット |
配給 |
オライオン・ピクチャーズ ワーナー・ブラザーズ |
公開 |
1984年10月26日 1985年5月25日 |
上映時間 | 108分 |
製作国 |
アメリカ合衆国 イギリス |
言語 | 英語 |
製作費 | $6,400,000[1] |
興行収入 |
$38,371,200[1] $78,371,200[1] |
次作 | ターミネーター2 |
『ターミネーター』(原題: The Terminator)は、1984年のアメリカとイギリスの合作映画。ターミネーターシリーズの第一作である。
概要
本作のヒットを受け、1991年に『ターミネーター2』、2003年に『ターミネーター3』、2009年に『ターミネーター4』が製作される。 また、直接的な繋がりはないが、2015年に本作のリブートとなる『ターミネーター:新起動/ジェニシス』が製作された。
ストーリー
2029年の近未来。反乱を起こした人工知能スカイネットが指揮する機械軍により絶滅の危機を迎えていた人類だが、抵抗軍指導者であるジョン・コナーの指揮下、反撃に転じた。脅威を感じたスカイネットは、未来から現代へ殺人アンドロイド「ターミネーター・サイバーダインシステム・モデル101」を送り込み、ジョンの母親サラ・コナーを殺害することでジョンを歴史から抹消しようと目論む。同じ頃、抵抗軍からも兵士カイル・リースが、サラの護衛という使命を帯びて未来から送り込まれた。ターミネーターとカイルは未来に戻ることができず、抵抗軍が時間転送機を破壊したため、「二人」に続いて現代へ来る者はいない。人類の命運を分ける戦いが、1984年5月12日木曜日のロサンゼルスで始まる。
ターミネーターは手始めにサラの居場所を割り出そうとするが、情報にあるのは、「サラ・コナー」という名前と「ロサンゼルス」という住所だけであったため、電話帳に載っている同姓同名の女性を順番に殺していく。最後のサラ・コナー宅に侵入したターミネーターは、サラと同居する友人とそのボーイフレンドを殺害し、外出中のサラの顔と声の情報を入手。遂に彼女の居場所を突き止め、殺害を実行しようと銃口を向けるが、やはりサラを追っていたカイルが間一髪で阻止する。逃走を促され、事態が飲み込めず怯えるサラにカイルは「襲撃者はロボットであり、サラを殺害するために未来から送り込まれ、彼女が死ぬまで狙い続けること」「カイルはまだ見ぬサラの息子(ジョン・コナー)の指示により、彼女を守るために現代へやってきたこと」を告げる。
カイルを疑っていたが、やがて心を開くサラ。ターミネーターから逃れるうちに互いへの愛を抱くようになった2人は、潜伏先のモーテルで結ばれた。
休息も束の間、モーテルの場所を突き止められて更なる追撃を受けるサラ達。ターミネーターの運転する大型タンクローリーに対し、満足な武器もなく手製の爆薬での応戦を余儀なくされ、銃弾を受けて傷付くカイルだったが、タンクローリーの隙間に爆薬を押し込んで爆破させ、ターミネーターを炎上させる事に成功する。しかし燃えたのは表面の生体細胞と服だけだった。ターミネーターは炎上する車の残骸から、超合金製の骨格を露にした姿で立ち上がり、更に追いかけてくる。サラと共に近くの工場へ逃げ込んだカイルは、再びターミネーターの爆破に成功したものの、自らも爆発に巻き込まれて落命、サラも片足に重傷を負う。カイルの死を嘆くサラに、上半身だけとなってなおも迫るターミネーター。サラはターミネーターをプレス機に誘導して押し潰し、遂に完全に破壊した。
数か月後の11月10日、カイルとの子ジョンを宿したサラは、やがて訪れる「審判の日」へ向けての戦いを決意し、旅立つ。
だが、工場に残されたターミネーターの無傷の右腕と破損したチップは極秘に回収され、やがてスカイネットの誕生につながるのだった。
キャスト
- ターミネーター(T-800) - アーノルド・シュワルツェネッガー
- 2029年時、スカイネットの脅威と成り得た人類抵抗軍を指揮するジョン・コナーの存在を事前に抹消するべく1984年にタイムスリップし、ジョンの出生母体となるL.A.在住でサラ・コナーという姓名を持つ女性を全て抹殺、出生を未然に阻止するよう入力されたヒト型潜入掃討アンドロイド。
- カイル・リース - マイケル・ビーン
- 2029年の人類抵抗軍のジョンの部下。サラを守るため、1984年にタイムスリップする。L.A.転送時の階級は技術部隊軍曹・DN386。尊敬する上官J・コナーの命によりサラ・コナーJ護衛としての任に就く。
- サラ・コナー・J - リンダ・ハミルトン
- 後の人類抵抗軍のリーダーとなるジョン・コナーの実母。ターミネーターに狙われるが、カイルに助けられる。大学に通っており、レストランのウェイトレスとしてアルバイトしている。
- エド・トラクスラー - ポール・ウィンフィールド
- ウエストハイランド警察署の警部。「サラ・コナー連続射殺事件」にて、最後に残ったサラ・J・コナーの身柄を署で保護。同署に押し入ったターミネーターに重傷を負わされ、カイルの話をようやく信用した。
- ハル・ブコビッチ- ランス・ヘンリクセン
- ウエストハイランド警察署の警部補。逮捕したカイルの話を真に受けなかったが直後に署がT-800の襲撃を受け、自動小銃で応戦。
- ピーター・シルバーマン - アール・ボーエン
- 犯罪心理学者。逮捕されたカイルを尋問し話を聞くが、真偽については信用しない。尋問を終えて警察署を去る際にターミネーターとすれ違うが、ポケットベルの着信に目を落としていたため、ターミネーターを直接見ることはなかった。
スタッフ
- 監督 - ジェームズ・キャメロン
- 製作 - ゲイル・アン・ハード
- 製作総指揮 - ジョン・デイリー/デレク・ギブソン
- 脚本 - ジェームズ・キャメロン/ゲイル・アン・ハード
- 撮影 - アダム・グリーンバーグ
- 美術 - ジョージ・コステロ
- 編集 - マーク・ゴールドブラット
- 音楽 - ブラッド・フィーデル
- SFX - スタン・ウィンストン/Fantasy 2 Film Effects/パシフィック・データー・イメージズ
- 提供 - ヘムデイルフィルムコーポレーション/シネマ84/ユーロフィルムファンド/パシフィックウェスタン
吹き替え
役名 | 俳優 | 日本語吹替声優 | |||
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テレビ朝日版 | VHS版 | DVD/BD版 | テレビ東京版 | ||
ターミネーター (T-800) |
アーノルド・シュワルツェネッガー | 大友龍三郎 | 玄田哲章 | ||
カイル・リース | マイケル・ビーン | 田中秀幸 | 池田秀一 | 宮本充 | 小山力也 |
サラ・コナー | リンダ・ハミルトン | 戸田恵子 | 高島雅羅 | 佐々木優子 | 松本梨香 |
エド・トラクスラー[2] | ポール・ウィンフィールド | 福田豊土 | 富田耕生 | 宝亀克寿 | 内海賢二 |
ハル・ブコビッチ | ランス・ヘンリクセン | 千田光男 | 仲野裕 | 内田直哉 | |
ピーター・シルバーマン | アール・ボーエン | 阪脩 | 塚田正昭 | 稲葉実 | 岩崎ひろし |
アラモ鉄砲店店主 | ディック・ミラー | 徳丸完 | 塚田正昭 | ||
掃除屋の男 | ノーマン・フリードマン | 藤本譲 | 藤本譲 | ||
ジンジャー・ヴェンチュラ | ベス・モッタ | 高島雅羅 | 叶木翔子 | 棚田恵美子 | 雨蘭咲木子 |
マット・ブキャナン | リック・ロッソヴィッチ | 村山明 | 二又一成 | 堀川仁 | 檀臣幸 |
パンクのリーダー | ビル・パクストン | 鈴置洋孝 | 中博史 | 坂口賢一 | 加瀬康之 |
パンクA | ブライアン・トンプソン | 二又一成 | 桜井敏治 | 加勢田進 | 中博史 |
パンクB | ブラッド・リアーデン | 千田光男 | 島田敏 | 土田大 | |
サラの母(声のみ) | 不明 | 水城蘭子 | 竹口安芸子 | 寺内よりえ | 佐藤しのぶ |
ガソリンスタンド店主 | Tony Mirelez | 及川ヒロオ | 丸山詠二 | 水野龍司 | |
ナンシー | ショウン・シェップス | 小宮和枝 | 滝沢久美子 | 浅野まゆみ | 魏涼子 |
路地裏の警官 | エド・ドゥーガン | 屋良有作 | 幹本雄之 | 乃村健次 | 廣田行生 |
電話の男 | ジョン・E・ブリストル | 村松康雄 | 辻つとむ | ||
電話の妻(声のみ) | 不明 | 高橋ひろ子 | 滝沢ロコ | 喜田あゆ美 | |
男性キャスター | ジョー・ファラゴ | 嶋俊介 | 中江真司 | 津田英三 | |
女性キャスター | ヘティ・リン・ハーツ | 鳳芳野 | 竹口安芸子 | むたあきこ | |
警察署受付 | ブルース・M・カーナー | 村松康雄 | 島香裕 | 乃村健次 | 水野龍司 |
男性客2 | レスリー・モリス | 秋元羊介 | 小室正幸 | ||
男性客3 | ヒュー・ファリントン | 阪脩 | 秋元羊介 | ||
女性客1 | ハリエット・メディン | 竹口安芸子 | 滝沢ロコ | 佐藤しのぶ | |
ナレーター | 伊藤惣一 | 中江真司 | 高宮俊介 | 立原淳平 | |
演出 | 蕨南勝之 | 高橋剛 | 小山悟 | ||
翻訳 | 宇津木道子 | 松田海 | 原口真由美 | ||
効果 | リレーション 桜井俊哉 遠藤堯雄 |
リレーション | |||
調整 | 切金潤 | 金谷和美 | 重光秀樹 | ||
担当 | 向井士郎 | 夏海佑実 | 別府憲治 | ||
プロデューサー | 猪谷敬二 | 久保一郎 渡邊一仁 | |||
制作協力 | ビーライン | ||||
製作 | 東北新社 | エンジェル ワークス |
テレビ東京 ケイエスエス | ||
初回放送 | 1987年10月18日 『日曜洋画劇場』 |
2003年5月29日 『木曜洋画劇場』 |
※DVD/BD版吹替の初出は1998年2月25日カルチュア・パブリッシャーズより発売のDVDにて。その後20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン及びソニー・ピクチャーズ エンタテインメントより発売の各種DVD/BD(後述)に収録されている。
※20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパンの「吹替の帝王」シリーズ第9弾として、上記の全4種類の吹替版を収録したBlu-ray Disc「ターミネーター 〈日本語吹替完全版〉 コレクターズ・ブルーレイボックス」が2015年6月24日に発売。特典としてテレビ版吹替台本2冊とインタビュー集が付属している。
地上波テレビ放送履歴
回数 | 放送日時 | 放送分数 | 放送局 | 番組枠名 | 視聴率 | 吹替版 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1987年10月18日(日) 21:02-22:54 | 112 | テレビ朝日 | 日曜洋画劇場 | 19.9% | テレビ朝日版 |
2 | 1989年 | 2月 4日(土) 21:02-22:54フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | 19.4%[3] | ||
3 | 1990年11月25日(日) 21:02-22:54 | テレビ朝日 | 日曜洋画劇場 | 19.4% | ||
4 | 1991年 | 9月 8日(日) 21:02-22:5429.7% | ||||
5 | 1993年 | 3月28日(日) 21:02-22:54|||||
6 | 1996年 | 9月28日(日) 20:59-22:54115 | フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | ||
7 | 1997年12月28日(金) 21:02-22:54 | 112 | テレビ朝日 | 日曜洋画劇場 | 12.8% | |
8 | 2000年 | 7月14日(金) 21:03-22:54111 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 16.2% | |
9 | 2001年 | 4月21日(土) 21:30-23:24114 | フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | 14.8% | |
10 | 2003年 | 5月29日(木) 21:00-22:54テレビ東京 | 木曜洋画劇場 | 10.9% | テレビ東京版 | |
11 | 2004年12月16日(木) 21:00-22:54 | 7.8% | ||||
12 | 2009年 | 6月 3日(月) 21:00-22:54水曜シアター9 | 7.7% | |||
13 | 2014年 | 4月 7日(月) 03:10-04:4595 | テレビ朝日 | DVD/BD版 | ||
14 | 2014年11月17日(月) 13:35-15:35 | 120 | テレビ東京 | 午後のロードショー | テレビ東京版 |
- 1991年9月放映時の視聴率は、日曜洋画劇場の歴代視聴率の第4位にランクインした。
- 1987年10月18日の地上波初放送に先立つ1~3週間前に放送された「番組予告編」は声優の小林清志がナレーションを担当した。
作品解説
製作に纏わるエピソードとして、キャメロンが見たロボットの悪夢の話がある。前作『殺人魚フライングキラー』が失敗した際、キャメロンは評論家やマスコミにもひどくこき下ろされたため、屈辱の余り熱を出して寝込んでしまったという。そのとき、炎の中からロボットが現れて自分を殺しに来るという悪夢を見た事が本作を製作するきっかけとなった、との話であるが、真偽は不明である。
作中で「審判の日」(Judgement day)とされるのは1997年8月29日だが、1968年の8月29日はシカゴで開催された米・民主党大会でデモ隊と警官隊が衝突し、軍も出動して流血事件が起きた日。米国民にとって'29th, August'は、国家権力が市民に牙をむいた日として記憶されている。映画の「コンピュータ対人類」という構図は、キャメロン監督にとって「国家対国民」を暗喩したものと言われている。
人選
監督のジェームズ・キャメロンは本作について、「当初は殺人ロボットの話を予定していたが、現代の技術ではそうしたロボットの実現は不可能であるし、かと言って未来の話ではセットに費用がかかる上に観客にも受け入れがたいと考え、その結果、未来の殺人ロボットが現代にやって来るタイムトラベルのアイデアが浮かんだ」と語っている。主役のターミネーターについて、当初は『T2』のT-1000の様な、「細身の一見ひ弱そうな人間だが実は強力」というキャラクターを構想しており、本作でブコビッチ刑事を演じたランス・ヘンリクセンが候補に挙がっておりパイロット版も制作されていた(後にキャメロン監督作『エイリアン2』でロボット・ビショップを演じる)。他、O・J・シンプソンに配役の構想もあった。
キャリアも浅かったシュワルツェネッガーは、カイル・リース役を望んでいた。しかしキャメロン監督が、カイル役候補としてシュワルツェネッガーと会食したときに変わった。キャメロン監督は彼の似顔絵を描いているうちに、ターミネーター役に合っていることに気づいた。さらに、彼からターミネーターのキャラのバックグランドに関して良いアイディアを貰ったことから、ターミネーター役はシュワルツェネッガーしかいないと確信するようになった。結果としてシュワルツェネッガー演じるターミネーターは、彼を一躍ハリウッドのスターへと押し上げた。T2からは悪役から主役へと立場が変化し、人間側(ジョン・コナーを守る立場)として活躍するようになる。
この映画で一躍世界的なスターとなったシュワルツェネッガーは、本作以前はそれほど人気俳優というわけではなかった。『コナン・ザ・グレート』のヒットもあって全くの無名ではなかったものの、英語が下手だということもあってなかなか役に恵まれず、苦労を重ねていた。しかし、この英語の下手さがキャメロン監督の目に留まった。というのも、キャメロン監督は非人間的な感じを出すには饒舌よりも片言で喋る方がいいと考えていたからである。
カイルを演じたマイケル・ビーンは、オーディション当時は舞台劇の影響で南部なまりが強かったため、不自然だということで落とされかけたが、エージェントによって南部出身者ではないと説明され、危機を脱した。
制作上の問題
制作期間中、本作は製作・配給会社から高く評価されておらず、タンクローリーの爆発で肉体を焼失したターミネーターが骨格のみで追跡を再開する以降の部分は、作業されずに終わるところだった。なぜならこのシーケンスを完成させるためには多くの課題があったからである。まずアップショット用の精密なモデルは作ったが、金属の骨格のみというデザインの都合上シュワルツェネッガーがそれを着て演じることが出来るものではなかった。そこで全身の動きが見えるロングショットでは、当時の映像技術の常套であるミニチュアを使ったストップモーション・アニメーションを採用することになるが、そもそもこの方式は自然な動きを作り上げることが難しく、自然さを求めてテイクを重ねたり、フレームレートを上げたりしていくと、その分作業時間は増え、制作費も嵩んでしまう。
しかし制作の後半で費用が尽き、これ以上は作業が続けられないという状況下に陥ったとき、キャメロンは「トラックに衝突してターミネーターが足をケガしたことにすれば、ぎこちない動きでも不自然に見えず、むしろケガによるものに見えるため、かえってリアルになる」という逆転のアイデアを思いついた。そこでモーテルでのカーチェイスの後、タンクローリーに轢かれ、それを強奪[4]してサラを追いかける場面を追加した。これによってようやくクライマックスのシーケンスに目処が付き完成に至った。
裁判
設定の一部について、“テレビドラマ『アウター・リミッツ』のハーラン・エリスンが脚本を担当した2つのエピソード(第33話『38世紀から来た兵士』、第37話『ガラスの手を持つ男』)から剽窃したものである”との訴えがエリスン側から起こされ、製作者側は敗訴。キャメロン監督は謝罪し、現在は原案者の一人としてエリスンの名がクレジットされている。
続編
映画のラスト、ガソリンスタンドにいた少年に「嵐が来るよ」と言われたサラが「ええ、わかってるわ」と返すシーンは「機械との戦争が待つ未来」を暗示させるものだが、これは製作陣があらかじめ続編を意識していたことの表れともされている(1996年、『ゴールデン洋画劇場』にて本作が放送された際には、番組司会者である高島忠夫がそのように語っている)。
その他
- 劇中、ターミネーターは銃砲店から奪ったAR-18やUZIをフル・オートマチック(引き金を引いている間は弾丸が発射され続ける)で発砲しているが、比較的銃器に寛容なアメリカといえど、フル・オート機能を持つ銃器の売買には警察およびBATFE(連邦アルコール・タバコ・銃器・爆発物局)の許可が必要である。映画では拳銃の許可証を店員が出す前に射殺した。小説版には、ターミネーターが改造マニュアルを見ながら、フルオート射撃可能な状態へ改造する場面が登場する。ちなみに、これは実際にアクション映画等の銃器担当スタッフがフルオート銃器を調達するために常用する手段(もちろん許可が必要)である。なお、ターミネーターの使用する銃は大半が「自動式」に対し、カイルは手動装填式のショットガンや回転式拳銃という「原始的な構造」の銃を使っている。
- 銃砲店でターミネーターが銃を選ぶ際に「射程400フェイズドプラズマライフル」を指定するが、これは未来の兵器であり、この時代には存在せず、ターミネーターの情報ミスである(本作のパンフレットにて解説が載っている)。これに対応した銃砲店の店主は「見た通りさ、ないだろ?("Hey, just what you see, pal!")」などと疑問もなく受け答えしている。また一部字幕では「なんですそれ?」、テレビ東京版吹替では「ここにある物にしてくれ」などと表現されている。なお、公開時の劇場字幕および当時のノベライズ版の訳は「まだ入荷していません」。
- カイルはパトカーから奪ったショットガンを、ストックを切り落として全長を短くし、使いやすく改造してから右腕にひもでくくりつけ、落としたり奪われないようにしているが、『ターミネーター4』では少年時代のカイルがマーカス・ライトから銃に関する「手品」としてひもでくくりつけるアイディアを教わるシーンがある。
- 映画の宣伝ポスターなどでターミネーターが構えていたのは、AMTハードボーラーという銃で、銃の上に付いているのはレーザーサイト。
- 警察署窓口でのセリフ、「I'll be back.」はシュワルツェネッガーのトレードマークとなり、続編を含む以降の出演作の多くで「I'll be back.」と言うシチュエーションが設定されている。
- サラがターミネーターをプレス機で押し潰すときのセリフ、「You are terminated.(抹殺完了)(お前を抹殺する)」は、『ターミネーター3』でT-850がT-Xを破壊するときにも使用された(『ターミネーター2』では、ジョンの「Is he dead?(死んだの?)」に対し「Terminated.(完全に)」という台詞が発せられている)。
- カイルの回想にてシュワルツェネッガー以外の筋骨隆々のターミネーター(演者はボディービルダーのフランコ・コロンブ)が登場している。
- 岐阜県高山市にある「留之助商店」(オーナーはSFX著書で有名な中子真治)にて、大変貴重な実際に劇中で使用されたT-800の実物大モデルが展示されている。
- カイルがサラに言った「機械のことは信用するな。やつらは悲しみも感情もないのだ」と言うせりふは『ターミネーター2』や『ターミネーター・サラコナークロニクルズ』でサラが頑なに信じている言葉でもある。『ターミネーター2』特別編でT-800のチップを取り出し、叩き壊そうとしてジョンに制止されるシーンがある他、 サラはジョンを助けに来たTOK715型ターミネーター(キャメロン)をも信用してはいない[5]。
- サラの職業は、キャメロンの最初の妻シャロンがやっていた仕事と同じウエイトレスにした(サラは「ボブのビッグバンズ」で働いているが、シャロンは「ボブのビッグボーイ」というレストランで働いていた)。
- 主役を外されたヘンリクセンだが、「ジムにごまかされたと感じたことは、一瞬たりとも無かったね。僕はもうこの業界が長くて、時にはそうなることもあるって分かってるし。確かに自分がターミネーターを演じることができなかったのは残念だけど、それと同じくらいこの映画を作って欲しかったんだよ。」と語った。
- 1984年2月8日から撮影は開始されたが、その直後から、シュワルツェネッガーはキャメロンの完全主義を思い知らされることになった。「あの時のジェームズは凄かったよ。事前に、撮影するショットをとても細かく説明するんだ。その位置が1ミリずれただけで、物凄く凶暴になるんだよ!」と話した。また、ターミネーターが車のフロントガラスを叩き割るシーンで、ターミネーターの体から煙が出ている様子を再現する際、酸をかけて煙を発生させた。スタッフ側は「弱い酸だから大丈夫だ」と主張したが、シュワルツェネッガーは「もっと別の方法はなかったのか」と今でも疑問に思っている。
- 日本での公開日(1985年5月25日)から30年を記念して、2015年に日本記念日協会によって、5月25日を『ターミネーターの日』と認定された[6]。
ソフト化
DVD
- ターミネーター※ 1998/02/25 カルチュア・パブリッシャーズ株式会社より発売。
- ターミネーター※(特別編2枚組)2001/11/22 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンより発売。
- ターミネーター※(アルティメット・エディション)2003/07/04 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンより発売。
- ターミネーター※(アルティメット・コレクション)2006/06/21 ソニー・ピクチャーズ エンターテインメントより発売。
- ターミネーター※ DVDクアドリロジーBOX(ターミネーター1/2/3/4セット4枚組)2009/11/20発売 ソニー・ピクチャーズ エンターテインメントより発売。
- ターミネーター※ 通常版 2010/10/08発売 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンより発売。
- ターミネーター※(完全版2枚組)(初回生産限定)2012/03/16 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンより発売。
Blu-ray disc
- ターミネーター※ 通常版(初回仕様有り)20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンより2012/12/19に発売。
- ターミネーター※【Amazon.co.jp限定】ターミネーター スチールブック仕様ブルーレイ(初回生産限定)20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンより2012/12/19に発売。
- ターミネーター ※ スペシャル・ブルーレイBOX(「ターミネーター」/「プレデター」/「コマンドー」の3作品を収録している。3枚組)(初回生産限定)20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンより2012/12/19に発売。
- ターミネーター〈日本語吹替完全版〉コレクターズ・ブルーレイボックス 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンより2015/6/24に発売。
続編
- ターミネーター2(1991年8月24日公開)
- ターミネーター3(2003年7月12日公開)
- ターミネーター4(2009年6月13日公開)
- ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ(2008年放送)テレビシリーズ
- ターミネーター:新起動/ジェニシス(2015年7月10日公開)
ゲーム作品
- ザ・ターミネーター(Nintendo Entertainment System)
- 日本国外のみで発売されたゲーム。左・右スクロール型のアクションゲーム。カーチェイスステージなどもある。NES仕様なだけに難易度が高く、コンティニューやセーブ等もない。
- ザ・ターミネーター(メガCD)
- 日本国外で発売されたメガCD版。ヴァージンインタラクティブ制作。
- 未来編、敵基地内、現代編とターミネーターの舞台となったシーンを舞台とする2Dアクション。メガCDを活かした映画ムービーの導入やトミー・タラリコ作曲のBGMが特徴。
関連書
- 『ターミネーター』(講談社X文庫)R・フレイクス、W・H・ウィッシャー訳 吉岡平 1984年
- 『ターミネーターの秘密』 HOLLYWOOD見聞会 データハウス 1993年 ISBN 4887181833
- 『『ターミネーター』解剖』 ショーン・フレンチ 矢口誠訳 扶桑社 2003年 ISBN 9784594041007
またダーク・ホース社出版の『エイリアンVSプレデターVSターミネーター』のコミックがある。
脚注
- ^ a b c “The Terminator (1984)”. Box Office Mojo. 2010年1月4日閲覧。
- ^ テレビ東京版の吹き替えでは警部補になっている。
- ^ 今回の注目作:「プレデター」
- ^ この時ターミネーターは、タンクローリーの運転手の一人には手を出さず、降りるように命令している。
- ^ 『ターミネーター2』のT-800に関しては、ジョンが人間に関する事を教えたり、一緒に遊んだりする様子を見て次第に信用していき、別れの際には握手を交わしていた
- ^ “5月25日が「ターミネーターの日」に認定!シュワちゃんもご満悦”. シネマトゥデイ (2015年5月8日). 2015年5月8日閲覧。
関連項目
外部リンク
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