アーバンシー
アーバンシー | |
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デヴィッド・ツィの勝負服 | |
欧字表記 | Urban Sea |
品種 | サラブレッド |
性別 | 牝 |
毛色 | 栗毛 |
生誕 | 1989年2月18日 |
死没 | 2009年3月2日(20歳没) |
父 | Miswaki |
母 | Allegretta |
母の父 | Lombard |
生国 |
アメリカ合衆国 (ケンタッキー州) |
生産者 | Marystead Farm |
馬主 | David Tsui |
調教師 | Jean D.Lesbordes(フランス) |
競走成績 | |
生涯成績 | 24戦8勝 |
獲得賞金 | 1,704,553ドル |
アーバンシー(Urban Sea、1989年 - 2009年)とはアメリカで生まれ、フランスで調教を受けた競走馬である。半弟に2000ギニーを制したキングズベスト(父キングマンボ)がいる。牝馬でありながら凱旋門賞を制し、繁殖牝馬としても優秀な成績を残した。
戦績
1991年9月にデビューし、2着。この年の成績は3戦1勝だった。翌年リステッド競走で2勝を上げたが、重賞タイトルは手に出来なかった。
1993年3月にエクスビュリ賞(仏G3)で重賞初制覇を飾る。8月にもG3を勝ち、凱旋門賞へと出走することになったが、G3・2勝の本馬は注目度が低かった。同じ牝馬でも注目を集めたのは英オークス含むG1・3勝のイントレピディティだったが、13番人気の低評価を覆して見事に優勝、10年振りの牝馬による凱旋門賞制覇となった。このレースは2着にも17番人気のホワイトマズルが入る波乱のレースとなった。ジャパンカップにも招待されて出走したが、10番人気で8着。
1994年は4月にアルクール賞(仏G2)を勝ったが、その後は勝ち星を上げることなく引退。繁殖牝馬となった。
主な勝ち鞍
- 凱旋門賞(仏G1)
- アルクール賞(仏G2)
- エクスビュリ賞(仏G3)
- ゴントービロン賞(仏G3)
繁殖成績
ダービー、アイリッシュダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスを制したガリレオ、2000ギニー、ダービー、凱旋門賞などG1を6勝したシーザスターズ、伊愛でG1・2勝のブラックサムベラミーなどを輩出。2009年3月2日、アイリッシュ・ナショナルスタッドでボーントゥシー(父インヴィンシブルスピリット)を出産直後、合併症により死亡した[1][2]。
生涯で産んだ産駒11頭のうち、G1勝ち馬4頭を含む8頭がステークスウイナーとなり、このうちシーザスターズはカルティエ賞年度代表馬、ガリレオはカルティエ賞最優秀3歳牡馬を受賞。繁殖牝馬としても成功を収めた。ガリレオは英愛リーディングサイアーを12回受賞するなど種牡馬としても大きく活躍したほか、シーザスターズなど他の3頭の産駒もG1勝ち馬を輩出し、アーバンシーの血は世界に広がっている。2018年の凱旋門賞では、上位の1着から8着までがアーバンシーの血を持つ馬で独占された[3]。自身の牝系からも2018年のダービーを制したマサーが出ており、同馬は父のニューアプローチがガリレオ産駒であることから本馬の3×4のインブリードを持っている。
産駒一覧
※出生年順、太字はG1勝ち馬、斜体はステークスウイナー
- アーバンオーシャン(Urban Ocean、1996年生、牡、父ベーリング) - ガリニュールステークス(愛G3)
- メリカー(Melikah、1997年生、牝、父ラムタラ) - プリティーポリーステークス(愛L)、アイリッシュオークス(愛G1)2着 曾孫に2018年ダービーステークス優勝馬マサー
- ガリレオ(Galileo、1998年生、牡、父サドラーズウェルズ) - ダービー(英G1)、アイリッシュダービー(愛G1)、キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス(英G1)
- ブラックサムベラミー(Black Sam Bellamy、1999年生、牡、父サドラーズウェルズ) - ジョッキークラブ大賞(伊G1)、タタソールズゴールドカップ(愛G1)
- アティキャス(Atticus、2000年生、牡、父サドラーズウェルズ) - 不出走
- オールトゥービューティフル(All Too Beautiful、2001年生、牝、父サドラーズウェルズ) - ミドルトンステークス(英G3)、オークス(英G1)2着
- マイタイフーン(My Typhoon、2002年生、牝、父ジャイアンツコーズウェイ) - ダイアナステークス(米G1)
- チェリーヒントン(Cherry Hinton、2004年生、牝、父グリーンデザート) - ブルーウィンドステークス(愛G3)2着、ブレスレット(アイリッシュオークス(愛G1))の母
- シーズレガシー(Sea's Legacy、2005年生、牡、父グリーンデザート) - 不出走
- シーザスターズ(Sea the Stars、2006年生、牡、父ケープクロス) - 2000ギニー(英G1)、ダービー(英G1)、エクリプスステークス(英G1)、インターナショナルステークス(英G1)、アイリッシュチャンピオンステークス(愛G1)、凱旋門賞(仏G1)
- ボーントゥシー(Born To Sea、2009年生、牡、父インヴィンシブルスピリット) - ブレニムステークス(愛L)、アイリッシュダービー(愛G1)2着
血統表
アーバンシー(Urban Sea)の血統(ミスタープロスペクター系/Prince Rose5×5=6.25%、Nasrullah5×5=6.25%(父内)、Alchimist5×5=6.25%(母内)) | (血統表の出典) | |||
父 Miswaki 1978 栗毛 アメリカ |
父の父 Mr.Prospector1970 鹿毛 アメリカ |
Raise a Native | Native Dancer | |
Raise You | ||||
Gold Digger | Nashua | |||
Sequence | ||||
父の母 Hopespringseternal1971 栗毛 アメリカ |
Buckpasser | Tom Fool | ||
Busanda | ||||
Rose Bower | Princequillo | |||
Lea Lane | ||||
母 Allegretta 1978 栗毛 イギリス |
Lombard 1967 栗毛 西ドイツ |
Agio | Tantieme | |
Aralia | ||||
Promised Lady | Prince Chevalier | |||
Belle Sauvage | ||||
母の母 Anatevka1969 栗毛 西ドイツ |
Espresso | Acropolis | ||
Babylon | ||||
Almyra | Birkhahn | |||
Almeda F-No.9-h |
- 半妹Turbaine(1990,Trempolino)の産駒に2014年ドイツリーディングサイアーのTertullian (1995,Miswaki,アーバンシーと3/4同血)がいる。
- 半妹Allez Les Trois(1991,Riverman)の牝系からは、ジョッケクルブ賞に勝ち仏2歳リーディングサイアーになったアナバーブルー、2008年のジャンプラ賞及びジャック・ル・マロワ賞の優勝馬であるタマユズが出ている。
脚注
- ^ “Three million-dollar lots but sobering statistics at Fasig-Tipton Calder Sale”. Racing Post. 2009年3月4日閲覧。
- ^ “凱旋門賞勝ちの名牝・アーバンシーが死亡”. netkeiba.com. 2009年3月4日閲覧。
- ^ “エネイブルが連覇した凱旋門賞、1着~8着がアーバンシーの子孫”. ジャパン・スタッドブック・インターナショナル海外競馬ニュース 2018年10月11日. 2018年10月22日閲覧。
外部リンク
- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ、Racing Post