Mi-1 (航空機)
Mi-1 は、ソビエト連邦で初めて開発・設計された座席数3席/4席を備えた小型ヘリコプターである。DoDコードはType 32、NATOコードネームは"ヘア"(Hare)。同機は1951年にソビエト・航空ショーで公開された。16年間でソビエト連邦では1000機、ポーランド(SM-1)では1594機が投入された。
開発
Mi-1の初飛行は1948年9月20日に実施され、翌年の1949年に試験飛行が行われた。1951年に試作機が墜落事故で失われているが、同年にはスターリンに寄贈された。
1950年2月21日モスクワの工場で15機が生産され、後に増産が決定される。1952年から1953年にかけては30機がカザンの工場で生産されており、1954年オレンブルクで大量生産された。また、1956年からはロストフでも生産が開始されている。
1956年からは4席の同機がポーランドのWSK PZL-swiduikでライセンス生産が行われ、生産数は1594機に達した。
バリエーション
- GM-1
- Mil Mi-1の試作機。エンジンは空冷星型7気筒のAI-26GRで、出力は500 - 550 hp (後にAI-26GRF)。
- Mi-1
- 3席の多目的仕様。定員は操縦士1名と乗員2名、エンジンはAI-26GRFで、出力575 hp。
- Mi-1T
- 3席の多目的輸送仕様。定員は操縦士1名と乗員2名、エンジンはAI-26V。
- Mi-1KR (TKR)
- Mi-1NKh
- 3席の多目的輸送型。Mi-1Tを基に開発され農業、救急搬送、人員輸送、航空郵便、貨物輸送に使用された。(NKh - narodnoye khozyastvo - National Economy).
- Mi-1A
- 3席の多目的輸送型。1957年に生産開始され定員は3名で操縦士1名と乗員2名。
- Mi-1AKR
- Mi-1Aを改修した、偵察と連絡任務仕様。
- Mi-1U/TU/AU/MU
- Mi-1、T、A、Mを改修した訓練用の機体。
- Mi-1M
- 1957年に生産開始された4席の軽多目的仕様。定員は4名で操縦士1名と乗員3名。
- Mi-1M Moskvich
- アエロフロートが使用した民間仕様。防音設備が備えられ、油圧式操縦制御と金属製ローターブレードを装備。
- Mi-1MNKh
- Mi-1Mを改修した4席の多目的仕様。(NKh - 農業、救急搬送、人員輸送、航空郵便、貨物輸送に使用。(narodnoye khozyastvo - National Economy).
- Mi-1MG
- 1958年に生産されたMi-1Mを改修した水上仕様。(2機のみ生産)
- Mi-1MRK
- Mi-1Mを改修したの軽連絡用。(razvedyvatelno-korrektirovochnoi - reconnaissance-artillery correcting)
- SM-1
- ポーランドでライセンス生産された機種でエンジンはLiT-3。
- SM-1/600
- 1957生産開始。
- SM-1W
- 1960年に生産されたMi-1M(MNKh)のポーランド仕様。
- SM-1WS
- 救急搬送用。
- SM-1WSZ
- 訓練仕様。
- SM-1WZ
- 農業用。
- SM-2
- ロング仕様。
- Mi-3
- 4枚のメインローター型。
運用国
- アルバニア空軍 - 1957年から1960年まで3機を納入
- フィンランド空軍- 4機導入。(1961–1967)
性能・主要諸元(Mil Mi-1)
- 乗員: 1名
- 有効積載量: 乗客2名・荷物255 kg (561 lb)
- 全長: 12.09 m (39 ft 8 in)
- 主回転翼直径: 14.35 m (47 ft 1 in)
- 全高: 3.30 m (10 ft 10 in)
- 円板面積: 161.7 m² (1,740 ft²)
- 自重: 1,700 kg (3,740 lb)
- 全備重量: 2,140 kg (4,708 lb)
- 最大離陸重量: 2,330 kg (5,126 lb)
- 発動機: 1× Ivchenko AI-26V radial engine, 429 kW (575 hp)
- 超過禁止速度: 185 km/h (115 mph)
- 航続距離: 430 km (268 mi)
- 実用上昇限度: 3,500 m (11,480 ft)
- 上昇率: 5.3 m/s (1,043 ft/min)
- 円板荷重: 13 kg/m² (3 lb/ft²)
- 出力重量比: 0.20 kW/kg (0.12 hp/lb)