KURURU

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長野地域バス共通ICカード「KURURU」
使用エリア 長野県長野地域の一部(長野市須坂市上水内郡飯綱町・同郡小川村上高井郡高山村
導入 2012年平成24年)
規格
運営会社 長野市公共交通活性化・再生協議会
通貨 日本円 (最高チャージ金額20,000円)
プリペイド機能 あり
有効期限 最終利用日から10年
自動チャージ なし
取扱事業者
販売場所
  • くるるカードセンター
  • アルピコ交通営業所・取扱車内
  • 長電バス営業所・取扱車内
  • 長野電鉄一部駅
ウェブサイト https://www.ic-kururu.jp/
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KURURU
使用エリア 長野県長野地域の一部(長野市・須坂市・上水内郡飯綱町・同郡小川村・上高井郡高山村)
導入 2025年3月(予定)
規格
  • NFC
  • FeliCa
運営会社 長野市公共交通活性化・再生協議会(長野市企画政策部交通政策課)
運用 東日本旅客鉄道(JR東日本)
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KURURU[1](くるる)は、長野市周辺の路線バスで利用できる非接触型ICカード方式による乗車カード。長野市公共交通活性化・再生協議会が商標を管理している(登録商標第5514587号)。

概要[編集]

2012年平成24年)10月27日アルピコ交通川中島バス)・長電バスの長野市内発着路線 および ぐるりん号で運用が始まった。その後、順次周辺市町村に利用範囲を拡大し、2018年(平成30年)時点で長野市・須坂市上水内郡飯綱町・同郡小川村上高井郡高山村の2市1町2村で利用できる。

名称は公募されたもので、考案者は「やって来るすべてのバスに乗車できることから考えた」と説明している[2]

2025年春より、JR東日本と長野市公共交通活性化・再生協議会は、長野地域のバスなどへの「地域連携ICカード」を利用したIC乗車サービスを開始することを発表した。これによりJR東日本のSuicaでも長野地域のバスに乗車可能となる一方で、2024年までのKURURUについては新カードに移行するため運用終了が決定している[3]

沿革[編集]

  • 2012年平成24年)
  • 2013年(平成25年)
    • 4月1日 - アルピコ交通(川中島バス)・長電バスのKURURU導入路線の定期券(電車・バス乗継定期券除く)および「おでかけパスポート」がKURURUに完全移行。従来の紙のものはすべて有効期限を迎える
    • 9月30日 - アルピコ交通(川中島バス)・長電バスの回数乗車券(紙)が、KURURU導入路線では使用できなくなる。払戻は2014年(平成26年)3月31日まで受け付ける
    • 10月1日 - 長野市営バス・長野市乗合タクシーと、アルピコ交通(川中島バス)の「通勤ライナー松代」でも利用可能になる[4]
  • 2014年(平成26年)
    • 1月31日 - 長野市営バスの回数乗車券(紙)の発売を終了
  • 2015年(平成27年)
    • 3月31日 - 長野市営バスの回数乗車券(紙)の利用ができなくなる(払戻制度はもともとない)
    • 10月1日 - 「おでかけパスポート」利用時の運賃(利用者負担額)が、従来の100円均一から、110円〜200円の10円刻みに変更となる
    • 10月31日 - すざか市民バスで利用可能になる[5]。ただし、この時点では上高井郡高山村にまたがる長電バス T 山田温泉線には導入されなかったため、須坂地区での回数乗車券販売は継続する
  • 2016年(平成28年)
    • 10月1日 - すざか市民バスで、「KURURU昼割」が始まる[6]
    • 10月31日 - 長電バスの回数乗車券(紙)が、すざか市民バス4路線でも使用できなくなる
  • 2018年(平成30年)
    • 9月28日 - 長電バスの長野・須坂地区における回数乗車券(紙)の発売を終了
    • 10月1日
      • 長電バス T 山田温泉線・高山村内循環バス「ふれあい号」・高山村高井中山乗合タクシーで利用可能になる[7]
      • 高齢者用カードに、飯綱町「IIZUNAであるきバスカード」・高山村「ふれあいパスポート」が追加される[7]
  • 2019年令和元年)
    • 10月1日 - 高齢者用カードに、小川村「まめってぇバスカード」が追加される[8]
    • 12月1日 - 飯綱町iバスで利用可能になる[9]

利用方法[編集]

「タッチ&ゴー」の動き
  • 乗車時
    • 乗車口のカードリーダ(読み取り装置)にICカードを軽くタッチする。その際整理券は不要である。
  • 降車時
    • 降車口の運賃箱上のカードリーダーにICカードを軽くタッチさせる。
    • 液晶画面に乗車区間の運賃精算額とカードの残額が表示されると精算完了となる。
    • 残高不足の場合は不足金額が表示されるので、運転士にチャージの申し出を行うか、全額を現金で支払う。
  • チャージ(入金)
    • 1,000円単位で残額が2万円までチャージが可能である。バス車内・KURURU窓口・自動チャージ機でチャージが可能。
アルピコ交通「通勤ライナー松代」の場合[10]
  • 乗車時
    • 運転手が持つハンディターミナルにICカードを軽くタッチさせる。
  • 降車時
    • 均一料金であるため、そのまま降車する。
長野市営バス(大岡篠ノ井線を除く)・長野市乗合タクシーの場合[11]
  • 乗車時
    • 均一料金であるため、そのまま乗車する。
  • 降車時
    • 運転手が持つハンディターミナルにICカードを軽くタッチさせる。

カード券種[編集]

一般カード[編集]

  • 無記名式
    • 無記名式の持参人有効のカード。KURURU取り扱い窓口のほか、バスの車内でも購入が可能。
    • 導入時・エリア拡大時に記念カードも発行されている。
      • 「KURURUデビュー記念カード」 - 2012年(平成24年)9月9日から5,000枚限定発売。図柄は長野県PRキャラクター「アルクマ
      • 「すざか市民バスKURURUデビュー記念カード」 - 2015年(平成27年)10月15日から2,000枚限定発売。図柄は長野県PRキャラクター「アルクマ」と、須坂市花と緑のまちづくり事業マスコットキャラクター「かんなちゃん」[12]
  • 記名式
    • カード購入時に氏名・性別などの「お客様登録」をしたカードで、紛失時にカードの利用停止と再発行などが受けられる。定期券機能の搭載も可能。

小児用・障害者用カード[編集]

  • 小児用カード
    • 発行の際には健康保険証などの公的証明書が必要。
    • 有効期限は12歳の4月1日まで。期限経過後には大人用に切り替えが可能。
  • 障害者用カード
    • 身体障害者手帳療育手帳精神障害者保健福祉手帳を持つ人に発行するカード。小児用・障害者介護者用も発売。
    • 発行の際には各種障害者手帳が必要。
    • 有効期限はないが、バスを降車する際、手帳を乗務員に提示する必要がある。
    • 障害者介護者カードは、障害者割引が適用される障害者と同時に同一区間を乗車する場合に限り、利用が可能。

定期券[編集]

  • 年間通学定期券「バスで学校」などの特別な定期券もICカードとなる。
    • 長電バス・長野電鉄の電車・バス乗継定期券はICカードではなく従来の紙の定期券で発行となる。
    • 長電バス・長野電鉄の特殊共通定期券(電車・バス共通定期券)はICカード定期券に「共通」の印が捺された専用のカバーを被せることで対応する。
  • 長野市街地周辺の路線錯綜地帯ではエリア定期券制度が新たに導入された。申し込んだ路線以外にも、近接する路線の同運賃の停留所でも乗降できることがある。購入時に渡される紙片に利用できる停留所の一覧が記載されている。
  • 長野市営バスの定期券はICカード化されない。従来通りの紙の定期券となる。

高齢者用ICカード[編集]

長野市・上水内郡飯綱町・同郡小川村・上高井郡高山村が、70歳以上の住民に発行する福祉乗車証。各市町村共通の事項は以下の通り。

  • 運賃が110円〜200円に割引となる(下表参照)。割引対象外の市町村にまたがって乗車する場合は市町村境の停留所からの乗り越し精算となるが、自動処理される。
  • 70歳以上の身体障害者・知的障害者・精神障害者には、障害者用カードが発行される。
    • 障害者用を発行する際には、各種障害者手帳の提示が必要となる。
    • 障害者用を利用すると、障害者割引運賃(通常運賃の半額)と下表の利用者負担額とを比較して、安価な方が自動的に適用される[13]。障害者割引運賃が適用された場合は、バス乗務員に各種障害者手帳の提示が必要となる。
高齢者用ICカード利用時の運賃(利用者負担額)[14]
通常運賃 利用者負担額
150円〜
380円
110円
390円〜
410円
120円
420円〜
440円
130円
450円〜
480円
140円
490円〜
510円
150円
520円〜
540円
160円
550円〜
580円
170円
590円〜
610円
180円
620円〜
640円
190円
650円〜 200円

長野市「おでかけパスポート」[編集]

  • 長野市内に住所のある70歳以上の者が利用できるカード。
  • 利用資格のある者には、長野市高齢者福祉課より通知がされるのでその後発行の手続きに入る。

飯綱町「IIZUNAであるきバスカード」[編集]

  • 飯綱町内に住所のある70歳以上の者が利用できるカード[15]
  • 飯綱町企画課に申し込むことで発行される。

小川村「まめってぇバスカード」[編集]

  • 小川村内に住所のある70歳以上の者が利用できるカード[8]
  • 小川村総務課総合戦略推進室に申し込むことで発行される。

高山村「ふれあいパスポート」[編集]

  • 高山村内に住所のある70歳以上の者が利用できるカード[16]
  • 利用資格のある者には、高山村村民生活課福祉係より通知がされるのでその後発行の手続きに入る。

利用エリア[編集]

以下の通り、長野市・須坂市・飯綱町・高山村の一般バス路線すべてと小川村の一部路線で利用できる。

現時点では、長野電鉄などの電車での利用はできない。また、Suicaなど他のICカードとの相互利用は現時点でできないが、2025年春頃を目処にSuicaの機能を付加して地域連携ICカード化する検討を開始したことが2022年7月に報じられている。

なお、鷲沢正一長野市長(当時)は、市営バス・乗合タクシーや買い物、公共施設などでも利用できるようにすることを目指す旨を市広報で述べている[17](このうち市営バス・乗合タクシーでの利用は2013年に実現している)。

割引制度等[編集]

KURURUポイント[編集]

KURURU(くるる)のSF機能で運賃を支払うと、支払額に対して以下の割合でポイントが付与される。

利用日 月・火曜日 水曜日[18] 木・金曜日 土休日[19]
付与率 5% 15% 5% 25%

ポイントは1ヶ月分が翌月5日に確定される。確定ポイントは取扱窓口で還元処理を受けると、1ポイント=1円(1,000円単位)として残額に加算され、運賃に充当できるようになる。

なお、2015年(平成27年)の善光寺御開帳期間中には、土・日・祝日に通常の倍の50%のポイントが付与された[20]

乗継割引[編集]

1路線目の下車から90分以内に次のバスに乗り継ぐと、乗継先のバスの運賃から50円(小児30円)が自動で割り引かれる。

エコ定期券[編集]

従来から継続する制度。通勤定期券所持者について、土休日に定期区間外を利用すると社局を問わず1乗車100円となる。KURURU(くるる)導入により、タッチするだけで自動処理されるようになった。

なお、KURURU(くるる)導入前と異なり家族割引はなく、本人(定期券名義人)のみ対象となる。

70急75急など一部路線・区間は対象外。

すざか市民バスKURURU昼割[編集]

すざか市民バスに限り、10:00〜16:00の間に利用すると、50円(小児30円)が自動で割り引かれる。

取扱所[編集]

取扱所 カード発売
チャージ 他
自動入金機 営業時間 最寄りバス停留所 記事
くるるカードセンター(TOiGO 10:00-18:30 昭和通り 第2月曜日定休
アルピコ交通川中島バス 長野営業所 × 8:00-19:00 「大塚南」 定期券は自社運行路線分 および アルピコ交通・長電バス2WAY定期券(旧共通定期券)のみ発売
長野駅前総合案内所 6:20-19:00 「長野駅」
戸隠支所 × 6:00-16:00 「戸隠営業所」
新町支所 × 6:20-18:00 新町
松代営業所 × 7:00-19:00 松代高校
長電バス 長野営業所 × 6:00-21:00 柳原 定期券は長電バス運行路線分 および アルピコ交通・長電バス2WAY定期券(旧共通定期券)のみ発売
飯綱営業所 × 平日7:00-19:00 「牟礼」
長野電鉄 長野駅「たびプラザ」 × 9:30-18:30 「長野駅」
権堂駅 10:00-19:00 権堂
信濃吉田駅 × 10:00-19:00 吉田」「北長野駅
須坂駅バス出札口 × 10:00-13:00
14:00-19:00
「須坂駅」
ステーションビルMIDORI長野店1階 × 10:00-19:00 「長野駅」 元日定休
長野市役所 平日8:30-17:15 「市役所前」 窓口:第一庁舎2階 市民窓口課(定期券の取扱いなし)
自動入金機:第二庁舎1階
長野赤十字病院 × 8:30-16:30 「日赤」 開院日のみ
高山村保健福祉総合センター × 平日8:30-17:15 「保健福祉総合センター」 定期券は長電バス山田温泉線のみ発売
バス、乗合タクシー
車内
取扱車 × 運行時間
(停車中のみ)
バスの停車中に限り、無記名カード発売とチャージのみ可
長野市営バス
長野市乗合タクシー
× 運行時間
(停車中のみ)
バスの停車中に限り、チャージのみ可
アルピコ交通
「通勤ライナー松代」
× × カード発売不可。チャージも原則不可

脚注[編集]

  1. ^ 券面のロゴでの表記は「KÜRURU」。
  2. ^ 長野市内バス路線、料金支払い新システム ICカード名称は「くるる」 - 信州Live on 2011年12月21日
  3. ^ 長野地域における「地域連携 IC カード」を利用した IC 乗車サービスの提供について - 長野市公共交通活性化・再生協議会/東日本旅客鉄道株式会社 2022年9月27日 (PDF)
  4. ^ 10月から長野市営バスなどにサービスを拡大します - くるるカードセンター
  5. ^ すざか市民バスでバス共通ICカードKURURUが平成27年10月31日(土)から始まります - 須坂市市民共創部市民課
  6. ^ 「すざか市民バスKURURU昼割」運用開始等について - 長電バス
  7. ^ a b 10月1日から飯綱町、高山村でもKURURUが使えるようになります - くるるカードセンター
  8. ^ a b 広報「おがわ」令和元年8月号 - 小川村
  9. ^ 飯綱町内路線でのICカードくるる運用開始・飯綱病院への乗り入れのお知らせ - 長電バス株式会社
  10. ^ 通勤ライナー(松代→長野) > 通勤ライナーでのICカード「KURURU」の使い方 - アルピコ交通
  11. ^ ICカード二次開発の準備状況について - 第26回長野市公共交通活性化・再生協議会資料
  12. ^ すざか市民バスKURURU(くるる)デビュー記念カード(限定2000枚)を販売します。 - 須坂市市民共創部市民課
  13. ^ 即ち通常運賃200円以下の区間においては障害者割引運賃が適用され、200円を超える区間では高齢者用ICカード利用者負担額となる
  14. ^ おでかけパスポートの利用者負担額が変わりました - 長野市健康福祉部高齢者福祉課
  15. ^ 広報「いいづな通信」平成30年9月 第154号 - 飯綱町
  16. ^ 広報「たかやま」平成30年9月 第462号 - 高山村
  17. ^ 元気なまちへ「公共交通の活性化・再生」 - 「広報ながの」平成24年12月号
  18. ^ ノーマイカー通勤ウィーク期間中も同様
  19. ^ 年末年始・お盆も同様
  20. ^ 善光寺御開帳期間中のKURURUポイントの増加について - くるるカードセンター

外部リンク[編集]

長野市公共交通活性化・再生協議会 発行
ICカード乗車券

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