隼駅

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隼駅
駅舎(2007年10月)
はやぶさ
Hayabusa
因幡船岡 (2.0 km)
(2.7 km) 安部
地図
鳥取県八頭郡八頭町見槻中字立縄175-2
北緯35度23分19.5秒 東経134度16分12秒 / 北緯35.388750度 東経134.27000度 / 35.388750; 134.27000座標: 北緯35度23分19.5秒 東経134度16分12秒 / 北緯35.388750度 東経134.27000度 / 35.388750; 134.27000
所属事業者 若桜鉄道
所属路線 若桜線
キロ程 4.4 km(郡家起点)
電報略号 ハフ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
乗降人員
-統計年度-
45人/日
-2018年-
開業年月日 1930年昭和5年)1月20日[1]
備考 簡易委託駅(駅舎外発券)
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隼駅(はやぶさえき)は、鳥取県八頭郡八頭町見槻中字立縄にある、若桜鉄道若桜線

歴史[編集]

駅構造[編集]

若桜方面に向かって右側に単式1面1線のホームを持つ地上駅停留所)。便所は改札外に男女共用の水洗式便所がある。駅本屋およびプラットホームは1929年昭和4年)の建築であり、2008年平成20年)には国の登録有形文化財に登録された[7]

無人駅ではあるものの、駅前の商店に乗車券の販売が委託されているため、簡易委託駅の扱いを受ける。なお詳細は後述するが、駅事務室部分は売店に転用されている[7]

利用状況[編集]

1日の平均乗降人員は以下の通りである[9]

乗降人員推移
年度 1日平均人数
2011年 29
2012年 28
2013年 38
2014年 35
2015年 38
2016年 42
2017年 48
2018年 45

駅周辺[編集]

イベント[編集]

下記のように、『月刊ミスターバイク』誌(モーターマガジン社)の企画をきっかけに、本駅の名称とスズキ・GSX1300Rハヤブサとを掛け合わせる形でのイベント展開やライダーのための環境整備などが行われている[11]

隼駅まつり[編集]

2009年より、毎年8月8日ごろに開催されている[7]。主催は地元有志をはじめとする「隼駅を守る会」[7]。バイクのライダーおよび鉄道ファンが全国から集まり、地元の特産品販売や伝統芸能のステージが行われる。またバイクメーカーのスズキが毎回協賛しており、グッズ販売などのイベントを行っている。

きっかけとなったのは、バイク専門誌『月刊ミスターバイク』の2008年8月6日発売号。「8月8日はハヤブサの日」と銘打ち、スズキの大型バイク「スズキ・GSX1300Rハヤブサ」オーナーに「隼駅に集まろう」と呼びかけた[7]。発売から2日後にもかかわらず当日は7台のバイクが集まり、以来、ハヤブサ乗りの聖地として隼駅にはライダーが集まるようになった[7]

近所の住民は荒れていた駅前を整備して、集まる旅人をもてなした。また若桜鉄道がスズキ本社の協力を受け、駅にハヤブサのポスターを掲示[10]。「地域おこしにつなげては」との町からの助言も得て、2009年3月に「隼駅を守る会」が設立された[12]

  • 2009年8月8日、第1回「8・8隼駅まつり」開催。250台のバイクが集まった[10]。元レーサーの北川圭一も愛車のハヤブサで来場し飛び入り参加した[13]
  • 2010年8月8日、第2回「8・8隼駅まつり」開催。駅近くの隼小学校が会場となり、600台を超えるバイクが集まった[7]。会場ではスズキの試乗キャラバンが行われ、北川圭一もゲストとして参加した[14]
  • その後、2011年8月7日開催の第3回は参加者の増加に対応するために会場は町内の竹林公園に移り、300台を超えるバイクが集まった[15][16]。さらに、2012年8月5日開催の第4回では500台[17]2013年8月11日開催の第5回では700台[18]2015年8月9日開催の第7回では1200台のバイクが集まっている[19]

その他[編集]

  • 2010年4月、駅舎内に売店「把委駆(バイク)」がオープンし、隼駅グッズをはじめとする鉄道グッズ、スズキ公認のハヤブサグッズ、「聖地巡礼之証」を販売している[7]。専用記念スタンプもある[10]
    • 売店は原則として土日のみの開店[7]。冬季休業あり。一部のグッズは若桜駅でも購入できる。
  • 2010年11月25日、ライダーハウスに使用するため、ホーム脇の引き込み線に北陸鉄道から電気機関車(ED301)を譲受・設置[20]。その後2011年1月16日にお披露目イベントが開催された[21][22]
  • 2011年7月7日にはJR四国高知運転所所属だったオロ12 6が搬入され上記の機関車と連結。第3回隼駅まつりの前日となる8月6日にお披露目会が行われた[23]。同車は夜行列車「ムーンライト松山」「ムーンライト高知」に使用されていたことから「ムーンライトはやぶさ」と命名された[23][24]。車内は同様にライダーハウスとして使用されている[23]が、現役時より座席を取り外した上でカーペット敷きにし5区画のセパレーションを取り付ける改造を受けていたため、特に手を加えられることなく活用されている。
    • 当初はJR九州寝台特急「はやぶさ」の車両を誘致する計画であったが、この車両はJR九州が周遊型夜行列車に使用するため、JR四国の車両に変更された[25]
  • 2016年3月20日、「隼ラッピング列車」運行開始。当駅 - 八東駅間で併走パレードが行われた。大型バイクのラッピング広告および併走パレードは共に日本初となる[26][27]

隣の駅[編集]

若桜鉄道
若桜線
因幡船岡駅 - 隼駅 - 安部駅

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e “若桜鉄道の隼駅で17日まつり 開業80周年、地元有志ら企画/鳥取県”. 朝日新聞(東京夕刊) (朝日新聞社): p. 28(大阪地方版/鳥取). (2010年1月13日) 
  2. ^ a b c 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、326頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  3. ^ 「七駅を部外委託 米鉄、非採算線区を合理化」『交通新聞』交通協力会、1962年3月18日、1面。
  4. ^ “日本国有鉄道公示第271号”. 官報. (1974年10月31日) 
  5. ^ 「通報 ●若桜線隼駅ほか3駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報日本国有鉄道総裁室文書課、1974年10月31日、2面。
  6. ^ “鳥取のJR若桜線 第三セクター鉄道で再出発”. NHKニュース (NHKグローバルメディアサービス). (1987年10月14日) (法人向けニュース原稿データベースサービス
  7. ^ a b c d e f g h i j “(ひとえきがたり)隼駅 鳥取県、若桜鉄道若桜線 愛車語らうライダーの聖地”. 朝日新聞(東京夕刊) (朝日新聞社): p. 5(夕刊be火曜3面). (2012年6月12日). http://www.asahi.com/travel/hitoekigatari/TKY201206180149.html 2016年4月17日閲覧。 
  8. ^ 우은식. “코레일, 지탄역 - 일(日) 하야부사 역과 무인역 자매결연”, 《뉴시스》
  9. ^ 国土数値情報 駅別乗降客数データ - 国土交通省、2021年3月10日閲覧
  10. ^ a b c d “ライダー、“聖地”巡礼 その名も…隼駅 「ハヤブサ」愛好者、全国から集結/鳥取県”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 27(大阪地方版/鳥取). (2010年5月12日) 
  11. ^ 隼駅まつり”. モーターマガジン社. 2022年5月28日閲覧。
  12. ^ “[とっとりトーク]「隼駅を守る会」会長 西村昭二さん”. 読売新聞 (読売新聞社): p. 28(大阪朝刊). (2011年5月16日) 
  13. ^ 第1回隼駅まつり|スズキ バイク
  14. ^ "8月8日(日)隼駅まつり". スズキバイクショップキャラバンイベントレポート. スズキ. 17 August 2010. 2015年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月31日閲覧
  15. ^ Web Mr. Bike|第3回隼駅まつり
  16. ^ “ハヤブサライダー、隼駅に 全国から八頭に400人集結/鳥取県”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 27(大阪地方版/鳥取). (2011年8月8日) 
  17. ^ “隼駅まつり 500台の大型オートバイが集結”. 広報やず 平成24年9月号 (八頭町役場) (90): pp. 4-5. (2012年9月1日). オリジナルの2021年9月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210901140042/http://www.town.yazu.tottori.jp/secure/2169/NO090.pdf 2022年10月30日閲覧。 
  18. ^ “隼駅まつり 全国から700台が集結”. 広報やず 平成25年9月号 (八頭町役場) (102): pp. 4-5. (2013年9月1日). オリジナルの2021年9月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210901140040/http://www.town.yazu.tottori.jp/secure/2169/NO102.pdf 2022年10月30日閲覧。 
  19. ^ 第7回隼駅まつり”. 過去最高!全国から1,200台集結。. スズキ. 2016年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月17日閲覧。
  20. ^ “電気機関車:八頭・若桜鉄道の隼駅に 魅力PRへ新名所誕生/鳥取”. 毎日新聞 (毎日新聞社): p. 25(地方版/鳥取). (2010年11月26日) 
  21. ^ 隼駅に新しい車両が入りました
  22. ^ “日々彩彩:ED301/鳥取”. 毎日新聞 (毎日新聞社): p. 25(地方版/鳥取). (2011年1月26日) 
  23. ^ a b c “夜汽車でくつろいで 隼駅に休憩所=鳥取”. 読売新聞 (読売新聞社): p. 33(大阪朝刊). (2011年8月7日) 
  24. ^ 第3回隼駅祭り&客車お披露目会のご案内
  25. ^ 『山陽山陰ライン 第4巻』講談社〈【図説】日本の鉄道〉、2012年2月15日、64頁。ISBN 9784062951548 
  26. ^ 【日本初!】鉄道車両に大型バイクのラッピング[リンク切れ]
  27. ^ “若桜鉄道「隼ラッピング列車」運行始まる…初日はバイク並走”. Response. (株式会社イード). (2016年3月21日). http://response.jp/article/2016/03/21/271892.html 2016年4月17日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]