阪急7300系電車

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阪急7300系電車
非リニューアル車(7324F+7310F)
非リニューアル車(7324F+7310F)
編成 2両・6両・8両
営業最高速度

阪急線内 115km/h

堺筋線内 70 km/h
起動加速度

4M4T・1M1T編成 2.6(45km/hまで)km/h/s

4M2T編成 2.6(50km/hまで) km/h/s
減速度 3.7 km/h/s(常用最大)
4.2 km/h/s(非常)
編成定員 1,180人(4M4T)
全長 18900 mm
全幅 2800 mm
全高 4095 mm
車体材質 普通鋼
アルミニウム合金(7302F以降)
編成質量

248.6t (4M4T,普通鋼製)

220.6t (4M4T,アルミ車)
軌間 1435 mm
電気方式 直流1500V
編成出力

150kW×16=2400kW(4M4T,4M3T,4M2T)
150kW×4=600kW(1M1T)

180kW×4=720kW(7310)
主電動機

直流複巻電動機 TDK8580-A
かご型三相誘導電動機

TDK6125-A(7310のみ)
主電動機出力 150kW
180kW(7310)
駆動装置 TD平行カルダン駆動方式
制御装置

界磁チョッパ制御
ES773-C-M,ES773-E-M

GTOサイリスタ素子VVVFインバータ制御
RG614-C-M(1C4M、7310のみ)
IGBT素子VVVFインバータ制御(2014年更新車)
制動方式 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ(HRD-1R)
電力回生優先ブレーキ付き電気指令式ブレーキ(HRDA-1、1985年度建造分以降)
保安装置 ATS、WS-ATC
デッドマン装置
製造メーカー アルナ工機

阪急7300系電車(はんきゅう7300けいでんしゃ)は、1982年昭和57年)から1989年平成元年)まで製造された阪急電鉄通勤形電車である。

概要[編集]

7000系京都線仕様で、性能は7000系と同等。計83両が建造された。


京都線用で初の界磁チョッパ制御を採用した形式。7000系同様、製造時期の違いから車両によって仕様に差が見られる。

車体寸法は後に登場する9300系同様に、将来の神宝線の車両限界拡張を見込んだ新しい標準車体仕様に準拠している。最大幅は2,800mm、連結面間距離は18,900mmとしており、車体長は中間車で18,300mm、先頭車で18,350mmである。

急行の表示幕については、2200系6000系6300系・7000系初期車の白地に赤文字で「急行」の表示(特急の反転)とは異なり、登場時から全車黒地にオレンジ文字の表示であった。しかし、黒地に白文字の「普通」表示と区別しにくいとの苦情を受け、「急行」表示は1992年から順次快速急行と同じオレンジ地に黒文字に変更された。しかし、現行の京都線ダイヤでは急行は設定されていない。

1990年代大阪市営地下鉄堺筋線用の自動放送装置を搭載する改造がなされた。

本系列が堺筋線への直通を開始したのは1989年11月からである。当初から堺筋線への直通運転も考慮して製造されたが、当時の堺筋線でのMT比規定により、MT比1:1の本系列は堺筋線に乗り入れができない状態が続いていたためである。なお、この時期に規定が見直されたのは、堺筋線側で66系が導入されることになったのが直接の要因である。さらに7300系はワンハンドル車であり操作体系がツーハンドル車と異なるため(すでに堺筋線に乗り入れていた3300系5300系60系と同じツーハンドル車であり操作体系上問題なかった)大阪市交通局は運転士に対して習熟訓練を実施させる必要があったが、導入当「運転士が、異なる二種類の操作方法を習熟しなければならないのはややこしくて面倒である」という理由で導入当時すぐに習熟訓練を実施させなかったことも遠因となっている。

もともと7320・7321・7322は7450・7451・7452と組む1M方式の2連であったがそれぞれ7300・7301・7302と交換されている。梅田寄りに増結2両を連結する際相互に密着連結器・電気連結器が必要となるため組替えされた。

1998年より、7301Fを皮切りに、検査の再塗装の際に6300系・8300系列と同様に屋根肩部分のアイボリー色の塗り分けがされるようになった。現在は全車完了している。

投入途中の変更点[編集]

7300系は建造期間が長く、内装のグレードアップ、新機構の搭載などバリエーションが多いのが特徴である。

  • 1982年に登場し当初は各停用で6両編成であった7300F(2月竣工)・7301F(3月竣工)は普通鋼製車体であるが、同年の6月以降に製造された車両(7302F以降)はアルミ車体となっている。なお7300F・7301Fはそれぞれ後にアルミ車体の中間車2両が挿入されて8両化された。

なお 以前はアルミ車両についてはHマーク+アルミ車両と表記された青色の銘板が取り付けられていた。

  • 1985年に製造された7320F(2両編成)からは運転室直後の側面の小窓設置、冷房吹き出し口の連続化、車内放送装置の改良、座席袖仕切の形状の変更、車内貫通扉のガラス寸法の拡大などが見られる。小窓の設置に関しては、それ以前に製造された先頭車にも後に改造により設置された。
  • 1986年に製造された7310は東洋電機製造GTOサイリスタ素子VVVFインバータの試験車であり(非同期音は東洋電機製造製のGTO初期型の制御装置を採用しているため、広島電鉄3900形などの東洋電機製造製のGTO素子VVVFインバータ制御装置を採用した路面電車に近い音である)、2010年時点では7324Fの梅田側から3両目に連結されている。
  • 1987年から製造された7306・7323・7906以降の車両は制御器がマイナーチェンジ型のES773-E-Mとなっている。
  • 8300系の投入より後に落成した、本系列の最終増備車(1989年製造)である7327F(2両)+7307F(6両)の8両編成には、車内化粧板の色調が若干濃くなり、客室側窓は自動昇降式(パワーウインドウ)となり、車椅子スペースが設置されるなど、8300系とほぼ同様の車内設備が採用されている。
  • 1985年度以降に建造された車両については、ブレーキに遅れ込め制御が追加され、省エネ率が向上している。

形式[編集]

  • 7300形(7300~7307・7310・7320~7327、17両)
梅田天下茶屋方の先頭に連結される制御電動車。パンタグラフと制御器を搭載し、7800形(増結編成用の車両は7450形)とユニットを組む。先頭部の連結器は当初は自動連結器だったが、現在は7300~7302を除き密着連結器と電気連結器を装備している。20番台車は7450形との2両増結編成用に製造された車両で1C4M制御[1]、製造当初から電気連結器を装備している。7310はVVVFインバータ長期実用試験車で1C4M制御。7990とユニットを組む。下記編成図ではMcと表記。
  • 7400形 (7400~7407・7410、9両)
河原町北千里嵐山方の先頭に連結される制御電動車。MG(7406・7407・7410は静止形インバータ)とCPを搭載、7900形とユニットを組む。下記編成図ではM'cと表記。
  • 7450形 (7450~7457、8両)
2両増結編成の河原町・北千里・嵐山方の先頭に連結される制御車。電気連結器を装備し、MG(7455・7456は静止型インバータ)とCPを搭載、7300形とユニットを組む。下記編成図ではTcと表記。
  • 7900形(7900~7907・7910、9両)
7400形とユニットを組む中間電動車。パンタグラフと制御器を搭載。下記編成図ではMと表記。
  • 7800形(7800~7807、8両)
7300形とユニットを組む中間電動車。MGとCPを搭載。下記編成図ではM’と表記。
  • 7850形(7850~7856・7860~7867・7960・7870~7877・7970・7880~7885・7990、32両)
付随車。特別な機器は搭載していないが、7990はインバーター長期実用試験車で7310とユニットを組み、CPと静止形インバータを搭載している。下記編成図ではTと表記。

リニューアル[編集]

7320Fは2007年11月から2008年8月まで更新工事が施工され、2008年8月28日に出場、9月8日に営業運転を開始した[2]。この編成はほとんど新車同様に改造されている。

2014年7月に7303Fが主制御装置をVVVFインバータ制御に更新する工事がリニューアルと同時に行われたが、貫通窓以外は7000系7010F以降と同様の外観となっている[3]

外観[編集]

リニューアルされた7300系7320F(2008年10月3日 長岡天神駅
7320Fとは異なる顔となりVVVFインバータ制御に変更された7303F(2014年7月16日 上新庄駅
7303Fの車内(2014年7月16日
  • 7320Fのみ先頭車前面の形状が、9000系列とほぼ同様なものとなった。窓ガラスは種別幕・方向幕まで拡大され、貫通扉まわりは6300系及び8000系列と同様のステンレス製の飾り板が取り付けられた。車両番号の掲出位置が貫通扉部分から左側の窓下に変更され、それに伴い同部分の種別灯・尾灯の位置が若干下げられた。また、足掛け板の設置に伴い、それまで2000系から7300系までの系列と同じく設置されていた小型の足掛け板は撤去されている。全体的には、9300系8300系を混ぜたような見かけである。7303Fは大幅な外観変更はされなかったが、車両番号の移設や足掛け板の設置が行われている。
  • 種別灯は9000系などと同様のものに交換された。前照灯は、取り付け部が横に引き伸ばされ、そこに8000系などと同様の角型のものに交換された。7303Fは種別灯は丸型のままであるが、前照灯はLEDに変更されている。
  • 前面・側面の種別幕・方向幕は、フルカラーLEDに交換された。9000系列以前の車両で初めてフルカラーLEDの採用例となった。同時に前面の表示窓が大型化され、表示窓の固定方法も押さえ板式から内側からの接着式に変更された。なお、7303Fは幕式のままである。
  • ワイパーは銀色のものから黒色のものに交換され、貫通扉のワイパーは電動化された。
  • 屋根上の冷房室外機ケーシングが製からステンレス製に交換された。
  • 社章は1992年9月制定以来のステッカー式から、側面窓下に移動してステンレス切抜き式に変更された。
  • 後に2009年に7007F、2010年に7008Fが7320Fと同様の改造を受け営業運転に就いている。

車内・接客装備[編集]

  • ドア上部の液晶案内表示が、1300系同様の横長HD液晶ディスプレイ1枚に変更されているものがある(7322F)。
  • ドアのガラス部分が9300系と同じ位置まで下方に延長され、運転席の前面展望が向上した。ドア開閉予告ランプとドアチャイムも設置され、よりバリアフリーが徹底されている。妻部貫通扉も窓を下方に拡大したものに交換されている(但し、妻部貫通扉の自動化は行われていない)。
  • ドアエンジンが改良され、従来と比較して静粛なものとなった。
  • 窓ガラスが全て緑がかったUVカットガラスに交換された。側窓は8000系同様、ドアに隣接するものはパワーウィンドウ化、それ以外は固定窓化された。
  • 日除けが阪急伝統の鎧戸型からロール式カーテンに変更された。これにより日除けを任意の位置での固定が可能となった。
  • 情報伝達性を向上させるため、LCDがドア上部に2基千鳥配置で設置された。9000系列とは異なり、枠が黒色となっている。また堺筋線では、阪急車で唯一駅ナンバリングが路線図上に表示される。路線図は、京都本線のみ・梅田~高槻市及び千里線・堺筋線の三種類が主に使われている。
  • 座席は9000系と同じ仕切り版付きのロングシートに変更された。
  • 日焼け対策で妻面や扉部分の木目板の色は8000系や9300系と同じ濃げ茶色のものに変更された。床材は他の床材更新車と同じタイル状の模様が入るものとなった。
  • 荷棚は物を置きやすいようにパイプ式から9000系と同じ棒状のものに変更された。
  • 冷房吹き出し口、スウィープファンは、車内放送スピーカーを内包したもので、9000系列と同様になった。蛍光灯カバーも従来の角張った形から丸みの帯びた形に交換された。
  • 非常通話装置は貫通扉部分に設置された。
  • 非常ドアコックも従来のドア横の壁に取り付けられた箱式から一般的な座席下へ移動された(操作説明のシールは従来のアルナ工機製の時と異なり日立製の車両に準じたものとされている)。
  • 車内の製造銘板が貼り替えられ、製造年の表記のない「アルナ工機」のみのものとなった。

変更されなかった点[編集]

  • パンタグラフは変更されていない。
  • 7320Fは主制御装置、主電動機、電動発電機など主要機器は変更されていない。
  • 7300系後期車で採用された連結部の通路蛍光灯は設置されていない。

編成[編集]

2008年9月現在、7320F・7322F・7303F~7306Fの8両編成6本48両、7323F+7321F・7324F+7310F・7327F+7307Fの2+6両編成3本24両、7300F~7302Fの2両編成3本6両、8300系8311Fと連結して8両編成を組成する7325Fの2両編成1本、同じく8304Fと連結して8両編成を組成する7326Fの2両編成1本、7851の休車1両の計83両が在籍している。

梅田
リニューアル 備考
7300
(Mc)
7800
(M')
7850
(T)
7850
(T)
7850
(T)
7850
(T)
7900
(M)
7400
(M'c)
 
7303 7803 7853 7863 7873 7883 7903 7403 2014年7月 VVVFインバータ更新車
7304 7804 7854 7864 7874 7884 7904 7404    
7305 7805 7855 7865 7875 7885 7905 7405   クーラーキセ・ワイパー交換
7306 7806 7856 7866 7876 7881 7906 7406    
7320 7800 7850 7860 7870 7880 7900 7400 2007年11月 - 2008年8月 7320・7850・7880以外は普通鋼製車体
7322 7802 7852 7862 7872 7882 7902 7402 2014年7月 VVVFインバータ更新車
7300
(Mc)
7450
(Tc)
7300
(Mc)
7800
(M')
7850
(T)
7850
(T)
7900
(M)
7400
(M'c)
 
7323 7453 7321 7801 7861 7871 7901 7401   7323・7453・7321以外は普通鋼製車体
7327 7457 7307 7807 7867 7877 7907 7407   パワーウインドウ装備・車椅子スペース設置
7300
(Mc)
7450
(Tc)
7310
(Mc)
7990
(T)
7850
(T)
7850
(T)
7900
(M)
7400
(M'c)
 
7324 7454 7310 7990 7960 7970 7910 7410   7310はVVVFインバータ試験車
7300
(Mc)
7450
(Tc)
8300
(Mc)
8850
(T)
8950
(T)
8850
(T)
8800
(M)
8400
(Mc)
 
7325 7455 8311 8861 8961 8981 8811 8411    
7326 7456 8304 8854 8954 8874 8804 8404    
梅田
備考
7300
(Mc)
7450
(Tc)
 
7300 7450 7300は普通鋼製車体
7301 7451 7301は普通鋼製車体
7302 7452  
7850
(T)
備考
7851 休車

運用[編集]

8両編成は特急快速急行快速準急普通千里線大阪市営地下鉄堺筋線の普通・堺筋準急に使用されているほか、9300系の代走として通勤特急として運行されることもある。 また、8両編成のうち2+6両編成の6両側は、多客期などに嵐山線用の6300系の4両編成の代走として、線内折り返し運用につくこともある。

2両編成は、朝ラッシュの快速急行の増結用として使用される。なお、2両編成には予備車が存在しないため、検査時や故障時には、2+6両編成の2両側が代走する。

脚注[編集]

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  1. ^ 後に本編成に組み込まれた7320~7322は1C8M化。代わりに7300~7302を1C4M制御化し増結編成に組み込んだ
  2. ^ 阪急7300系リニューアル車が営業運転を開始|鉄道ニュース|鉄道ファン・railf.jp
  3. ^ 阪急7300系7303編成が試運転|鉄道ニュース|鉄道ファン・railf.jp