阪急9000系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
阪急9000系電車
宝塚線で運用中の9001編成
宝塚線で運用中の9001編成
編成 8両
営業最高速度 宝塚線:100km/h
神戸線:115 km/h
設計最高速度 130 km/h
起動加速度 2.6 km/h/s
減速度 3.7 km/h/s(常用最大)
4.2 km/h/s(非常)
全長 19,000 mm
全幅 2,750 mm
全高 4,095 mm
車体材質 アルミニウム合金
編成質量 237.8t
軌間 1,435 mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
編成出力 200kW×12=2400kW
主電動機 かご形三相誘導電動機
主電動機出力 200kW
歯車比 1:5.33
駆動装置 WNドライブ
制御装置 IGBT素子VVVFインバータ制御
(ベクトル制御・純電気ブレーキ対応)
形式:INV174-C
台車 モノリンク式ダイレクトマウント空気ばね台車
M車:FS-565・T車:FS-065
制動方式 全電気指令式電磁直通空気ブレーキ
電力回生優先ブレーキ対応)
保安装置 AF軌道回路方式ATS
パターン式ATS(神戸線所属車)
デッドマン装置
製造メーカー 日立製作所
アルナ車両(9003F・9006F・9008F、艤装のみ)

阪急9000系電車(はんきゅう9000けいでんしゃ)は、2006年平成18年)より製造を開始した阪急電鉄通勤形電車である。

概要[編集]

京都線用の9300系と同様に日立製作所に発注し、06年5月22日から5月25日にかけて正雀工場に第1編成(8両)が搬入され、同年6月25日西宮車庫へ回送した。ファンクラブ会員のみを対象にした試乗会が、神戸線7月29日に実施され、7月31日神戸線で営業運転を開始し、翌2007年(平成19年)9月18日宝塚線でも営業運転を開始した。

車体[編集]

A-trainをベースとしたアルミニウム合金製車体で、9300系と基本的なデザインは変わらないが、9300系より全長が100mm長く、全幅が50mm短くなっている。これは従来からの神宝線規格に合わせたものである。

内装[編集]

座席は9300系のドア間が転換・固定式クロスシートであるのに対し、全席片持ち式ロングシートとなった。これに伴い座席の背もたれの高さを約10cm拡大している。また、ドア間の座席には3人-2人-3人、車端部の座席には3人-2人に分割する肘掛けを兼ねた仕切り板を設置した。この仕切り板は8200系改造車にも採用された。座席モケットは2300系から8300系までのロングシートと同様に、アンゴラヤギの毛織物である。網棚の形状は9300系の板状から棒状のものに変更された。これも8200系改造車に採用された。照明は9300系に引き続き間接照明である。9002編成以降は車内照明がLEDに変更された。また、貫通扉は9300系同様自動扉である。車内案内表示装置には液晶ディスプレイ(LCD)を採用した。東日本旅客鉄道(JR東日本)のE231系500番台東京急行電鉄新5000系列などと同様にドア上部に2基設置されている(ただし千鳥配置)。左側は広告やニュース、右側は路線案内を表示。ただし、フォントなどの表示フォーマットは、これらとは大きく異なる。

主要機器[編集]

制御装置や主電動機をはじめとした床下の電気機器は、神宝線用車両の慣例により東芝製である。本系列ではIGBT素子による純電気ブレーキ対応VVVFインバータを採用。9300系と同様に定速制御も装備している(阪急内部では惰行制御と呼称)。

駆動装置は神宝線標準のWNドライブである[1]

台車には9300系に引き続き住友金属工業製FS565(電動台車)、FS065(付随台車)を採用。ブレーキ装置には踏面片押し式ユニットブレーキユニットブレーキを装備。

種別・行先表示器フルカラーLEDを採用。8200系の側面表示器以来で、正面では初のLED表示となる。なお、表示フォントは8200系と違って従来の字幕式のものに準じている。

形式[編集]

  • 9000形

梅田駅寄りの制御電動車。VVVFインバータ2組、蓄電池シングルアーム式パンタグラフを搭載。

  • 9100形

新開地駅宝塚駅寄りの制御電動車。VVVFインバータ2組と蓄電池を搭載。

  • 9500形

新開地駅・宝塚駅寄りから2両目に連結される中間電動車。VVVFインバータ2組、蓄電池とシングルアーム式パンタグラフを搭載。

  • 9550形、9560形

補助電源装置として静止形インバータ2組と電動空気圧縮機を搭載する中間付随車。9550形は梅田駅寄りから2両目、9560形は新開地駅・宝塚駅寄りから3両目に連結される。

  • 9570形

特別な機器は搭載しない中間付随車。

在籍数[編集]

2013年4月1日現在、11編成88両が在籍しており、そのうち6編成が神戸線、5編成が宝塚線に所属している[2]。2012年度は2編成が増備され、6月に宝塚線、10月には神戸線に各1編成が配置されている[3][4]

9000系を運用している宝塚・神戸線間での編成の移動については、2012年10月に神戸線所属の9004編成が一時的に宝塚線で運用されており[5]、同年12月5日には宝塚線所属の9001編成が神戸線での運用を開始していたが、2013年2月に宝塚線に復帰した。また、2013年3月に9003編成が神戸線に転属していたがこちらも同年12月に宝塚線に復帰した。[5][6][7][8]これ以外にも車両の運用状況によって神戸線の在籍車が宝塚線に一時的に転属したりその逆のケースも発生することがある。

編成[編集]

2013年12月13日現在[9]

梅田
所属 備考
9000
(Mc1)
9550
(T1)
9570
(T2)
9580
(T2)
9590
(T2)
9560
(T1)
9500
(M1)
9100
(Mc2)
 
9000 9550 9570 9580 9590 9560 9500 9100 神戸線  
9001 9551 9571 9581 9591 9561 9501 9101 宝塚線  
9002 9552 9572 9582 9592 9562 9502 9102 神戸線 本編成以降車内LED照明を採用
9003 9553 9573 9583 9593 9563 9503 9103 宝塚線 艤装工事はアルナ車両が担当[10]
9004 9554 9574 9584 9594 9564 9504 9104 神戸線
9005 9555 9575 9585 9595 9565 9505 9105 宝塚線
9006 9556 9576 9586 9596 9566 9506 9106 神戸線 艤装工事はアルナ車両が担当[11]
9007 9557 9577 9587 9597 9567 9507 9107 宝塚線 [12]
9008 9558 9578 9588 9598 9568 9508 9108 神戸線 艤装工事はアルナ車両が担当[13]
9009 9559 9579 9589 9599 9569 9509 9109 宝塚線 手すりの形状が変更されている[14]
9010 9650 9670 9680 9690 9660 9510 9110 宝塚線 手すりの形状が変更されている[15]

関連項目[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 広岡友紀『日本の私鉄 阪急電鉄』, 毎日新聞社, 2011年, p.106
  2. ^ 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.64による
  3. ^ 【阪急】9000系9008編成が営業運転開始 - Rail Magazine公式サイト RMニュース (ネコ・パブリッシング)2012年11月1日
  4. ^ 【阪急】9000系9008編成が京都線で試運転 - Rail Magazine公式サイト RMニュース(ネコ・パブリッシング) 2012年10月23日
  5. ^ a b 【阪急】9000系9001F 神戸線で運用|2012年12月7日掲載|レイル・マガジン
  6. ^ 「阪急9000系9001編成が神戸線へ転属|鉄道ニュース|2012年12月7日掲載|鉄道ファン・railf.jp」
  7. ^ 鉄道ファンの記事では9001編成については「神戸線へ転属」、レイル・マガジンでは「一時的なのものか正式な転属であるのかは不明」となっている
  8. ^ 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.64による
  9. ^ 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.64による
  10. ^ 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.64による
  11. ^ 阪急9000系9006編成が試運転 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース 2012年1月30日
  12. ^ 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.64による
  13. ^ 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.64による
  14. ^ 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.64による
  15. ^ 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.64による

外部リンク[編集]