朝鮮総督府専売局

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

朝鮮総督府専売局(ちょうせんそうとくふせんばいきょく)は、朝鮮総督府に置かれた外局(朝鮮総督府所属官署)。

煙草人参阿片麻薬モルヒネ)類の専売事務を行う。

沿革[編集]

1910年(明治43年)10月1日、朝鮮総督府所属官署として専売局が置かれた。1912年(明治45年)3月31日、行政機構簡素化のための官制改正により、廃止された。

1921年(大正10年)4月1日、朝鮮煙草専売令(制令第5号)を公布し、7月1日よりタバコの専売を実施。これにともない、4月1日に勅令第53号により専売局を新設した。

1943年(昭和18年)12月1日、朝鮮総督府の官制改正により本府外局としての専売局は廃止され、業務は財務局に新設された専売総務課と専売事業課にそれぞれ移管された。なお、本府直轄の地方外局として京城・平壌・大邱・全州の各専売局(旧・地方専売局)は残った。

機構[編集]

1941年(昭和16年)9月1日現在。中央に専売局が置かれ、地方に地方専売局等が置かれた。

  • 専売局
    • 庶務課
    • 収納課
    • 販売課
    • 製造課
    • 塩蔘課
    • 研究所
  • (地方)
    • 地方専売局(4ヶ所) - 京城・全州・大邱・平壌
    • 出張所(27ヶ所)

歴代局長[編集]

氏名 在任期間 備考
上林敬次郎 1910年(明治43年)10月1日 - 1912年(明治45年)3月31日
(専売局廃止)
河内山楽三 1921年(大正10年)4月1日 - 1921年(大正10年)10月24日 兼任[1]
青木戒三 1921年(大正10年)10月24日 - 1925年(大正14年)8月11日
水口隆三 1925年(大正14年)8月11日 - 1928年(昭和3年)1月31日
松本誠 1928年(昭和3年)1月31日 - 1931年(昭和6年)9月23日
土師盛貞 1931年(昭和6年)9月23日 - 1932年(昭和7年)12月13日
菊山嘉男 1932年(昭和7年)12月13日 - 1933年(昭和8年)8月4日
松田正之 1933年(昭和8年)8月4日 - 1934年(昭和9年)11月27日
安井誠一郎 1934年(昭和9年)11月27日 - 1936年(昭和11年)5月21日
棟居俊一 1936年(昭和11年)5月21日 - 1937年(昭和12年)5月14日
鈴川寿男 1937年(昭和12年)5月14日 - 1940年(昭和15年)5月30日
松沢竜雄 1940年(昭和15年)5月30日 - 1941年(昭和16年)11月19日
諏訪務 1941年(昭和16年)11月19日 - 1942年(昭和17年)10月23日
伊藤泰吉 1942年(昭和17年)10月23日 - 1943年(昭和18年)12月1日

脚注[編集]

  1. ^ 『官報』第2598号、大正10年4月2日。

参考文献[編集]

  • 朝鮮総督府編『施政三十年史』(朝鮮総督府、1940年)
  • 朝鮮総督府編『朝鮮事情 昭和十七年度版』(朝鮮総督府、1941年)
  • 戦前期官僚制研究会編『戦前期日本官僚制の制度・組織・人事』(東京大学出版会、1981年)

関連項目[編集]