御上神社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
御上神社
Mikami Shrine Honden.jpg
本殿(国宝)
所在地 滋賀県野洲市三上838
位置 北緯35度03分00秒
東経136度01分38.5秒
主祭神 天之御影命
神体 三上山神体山
社格 式内社名神大
官幣中社
別表神社
創建 (伝)第7代孝霊天皇年間
本殿の様式 入母屋造(「御上造」とも)
例祭 5月14日
主な神事 秋季古例祭(ずいき祭、10月14日
テンプレートを表示
神体とする三上山(近江富士)
(野洲川対岸より)
鳥居

御上神社(みかみじんじゃ)は、滋賀県野洲市にある神社式内社名神大社)。旧社格官幣中社で、現在は神社本庁別表神社

概要[編集]

琵琶湖南岸、「近江富士」の別名もある三上山(標高432m)の山麓に鎮座し、三上山を神体山として祀る神社である。三上山は藤原秀郷(俵藤太)のムカデ退治伝説でも知られる。

境内には国宝の本殿のほか、重要文化財の拝殿・楼門・摂社若宮本殿・木造狛犬(京都国立博物館寄託)が残っている。また、ずいき祭りは重要無形民俗文化財に指定されている。

祭神[編集]

  • 天之御影命 (あめのみかげのみこと)
天津彦根命の子(天照大神の孫)。鍛冶の神である天目一箇神と同一神とされ、日本第二の忌火の神とされる。

歴史[編集]

創建[編集]

孝霊天皇の時代、天之御影命が三上山の山頂に降臨し、それを御上祝が三上山を神体神奈備)として祀ったのに始まると伝える。御上祝は、野洲郡一帯を治めていた安国造の一族であり、当社の祭祀は安国造が執り行っていた。明治から昭和にかけての発掘調査では三上山ふもとの大岩山から24個の銅鐸が発見されており、三上山周辺で古来から祭祀が行われていたと考えられている。

概史[編集]

養老2年(718年)、藤原不比等によって遥拝所のあった三上山麓の現在地に社殿が造営されたという。

平安時代中期の『延喜式神名帳』では「近江国野洲郡 御上神社 名神大 月次新嘗」と記載され、名神大社に列している。

古代から中世にかけては、三上山山麓に東光寺があったとされる。数多くの伽藍・堂舎があったと伝えられ、「三上古跡図」にその様子が描かれている。

明治9年(1876年)、近代社格制度において郷社に列し、大正2年(1913年)に県社、大正13年(1924年)に官幣中社に昇格した。

神階[編集]

  • 貞観元年(859年)正月27日、従五位下から従五位上 (『日本三代実録』)
  • 貞観7年(865年)8月27日、正四位下 (『日本三代実録』)
  • 貞観17年(865年)3月28日、従三位 (『日本三代実録』)
  • 陽成天皇年間、正一位 (社伝)

境内[編集]

本宮[編集]

本殿(国宝)
拝殿(重要文化財)
楼門(重要文化財)

本殿は鎌倉時代後期の造営で、桁行三間、梁間三間、一重、入母屋造、向拝一間、檜皮葺。神社・寺院・殿舎の様式を混合させたような形になっており、その独特な構造から「御上造」と呼ばれることもある。裏側には扉があり、三上山の遥拝所であった名残といわれる。国宝に指定されている。

拝殿は桁行三間、梁間三間、一重、入母屋造、向拝一間、檜皮葺で本殿と似た構造である。かつての本殿を移築・改造したものと伝えられている。国の重要文化財に指定されている。

楼門は鎌倉時代後期の造営。三間一戸、入母屋造、檜皮葺。国の重要文化財に指定されている。

境内前には「悠紀斎田」と呼ばれる斎田が広がっている。昭和天皇即位時、大嘗祭に供える献上米の栽培地として指定された。以来毎年5月には御田植祭として、昔ながらの服装で田植えが行われる。

奥宮[編集]

三上山山頂には奥宮が鎮座し、奥宮前には磐座が残っている。

摂末社[編集]

摂社[編集]

若宮神社(重要文化財)
本殿向かって左手に鎮座。社殿は鎌倉時代の作、一間社流造檜皮葺。国の重要文化財。

末社[編集]

本殿に向かって右手に鎮座。社殿は室町時代の作、一間社流造檜皮葺。滋賀県指定文化財。
本殿に向かって右手に鎮座。
楼門右手に鎮座。
楼門右手に鎮座。

祭事[編集]

年間祭事[編集]


ずいき祭り[編集]

10月14日に行われる、秋季古例祭の通称。古くは「若宮殿相撲御神事」と呼ばれていた。

秋の収穫感謝と子孫繁栄を祈念する祭りで、鎌倉時代以前に始まったとされる。ずいきで作った神輿(ずいき神輿)が5基奉納されるほか、芝原式として子供相撲が奉納される。

中世の宮座の祭祀組織や神事を伝えていることから、国の重要無形民俗文化財に指定されている。

文化財[編集]

国宝[編集]

  • 本殿(附 厨子) - 明治32年(1899年)、当時の古社寺保存法に基づき特別保護建造物に指定。昭和27年(1952年)、文化財保護法に基づき国宝に指定。附(つけたり)の厨子は昭和27年に追加指定。

重要文化財(国指定)[編集]

  • 拝殿(建造物) - 明治32年指定
  • 楼門(建造物) - 明治32年指定
  • 摂社若宮神社本殿(建造物) - 昭和6年指定
  • 木造狛犬(彫刻) - 明治42年指定。京都国立博物館寄託

重要無形民俗文化財(国指定)[編集]

  • 三上のずいき祭 - 平成17年指定

滋賀県指定有形文化財[編集]

  • 摂社三宮神社本殿(建造物) - 昭和35年指定
  • 絹本著色両界曼荼羅図(絵画) - 平成4年指定
  • 木造相撲人形(力士2、行司1)(工芸品) - 昭和32年指定。県琵琶湖文化館寄託
  • 御上神社文書265点(書跡) - 平成13年指定

現地情報[編集]

所在地
交通アクセス

本社まで

本社から奥宮(三上山頂)まで

  • 徒歩 - 登山口は表・裏とも近くに所在。登山口はそれ以外もある。
    • 約35分(表登山道) - 表登山道は岩肌が露出し急峻。
    • 約45分(裏登山道)

補足事項

  • 奥宮へは参詣といえども登山に等しく、山麓と山頂とで気温・天気が異なる場合があり、かつ途中に小屋等はないので注意が必要。
  • 駐車場:本社付近、裏登山道口にそれぞれ有り。

参考文献[編集]

  • 『日本歴史地名大系 滋賀県の地名』(平凡社)野洲市 御上神社項
  • 安津素彦・梅田義彦編集兼監修者『神道辞典』神社新報社、1968年56、頁
  • 白井永二・土岐昌訓編集『神社辞典』東京堂出版、1979年、315頁

関連項目[編集]

外部リンク[編集]