多目的実験モジュール
多目的実験モジュール(Multipurpose Laboratory Module, MLM)は、ロシア連邦宇宙局の資金で建造し、国際宇宙ステーション(International Space Station, ISS)に接合される最後の区画となる予定の実験施設である。愛称はНау́ка(Nauka)で、ロシア語で科学を意味する。ISSの初期の計画では、「ドッキング装置兼格納区画」(Docking and Stowage Module: DSM)として使用される予定であった。DSMは後に「ドッキング装置兼機器搭載区画」(Docking and Cargo Module: DCM)と名を改めて再び計画に上っていたが、結合場所をザーリャに変更し、ミニ・リサーチ・モジュール1となった。MLMは、建造が中止されたユニバーサルドッキング区画(Universal Docking Module: UDM)(と、2機のロシア研究モジュール)にかわってズヴェズダ区画と結合することになった。
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初期計画 [編集]
1990年代、ISSにおけるロシアの担当区画の計画にはザーリャ(Заря́ - Zarya。『基本機能モジュール(FGB)』とも呼ばれる)とズヴェズダ(Звезда - Zvezda)モジュールに接続するいくつかのロシア研究モジュールが含まれていたが、2000年代初頭に計画が変更された。2004年8月、多目的実験モジュールは、クルニチェフ国家研究生産宇宙センター(Khrunichev)が開発し、90年代の終わりに70%ほどが作られたところで製造が中止されていた「基本機能モジュール2(Functional Cargo Block, FGB-2)」を改造して作ることが決定された。FGB-2は当初はザーリャのバックアップを目的として設計され、1997年初頭にユニバーサルドッキング区画(UDM)として使う事が検討されていたものであった。
またRKK エネルギア(露)とスペース・ハブ社(米)が共同出資で製造することを提案したが却下された商業用のエンタープライズ区画(Commercial Enterprise Module)を基にしたMLMの代替案もあったが、採用されなかった。
現在の作業および打上げ予定日 [編集]
2005年の終わり、欧州宇宙機関(ESA)とロシアはMLMと欧州ロボットアームを一緒に打ち上げ、宇宙空間で組み立てることに合意した。
2004年、ロシア連邦宇宙局はMLMをプロトンロケットで打ち上げることを発表した。しかしながら、MLM計画はその後大幅に遅れた。2006年、ESA広報は2008年の終わりまでには打上げを実現する方向で露宇宙局と交渉していることを表明したが、2008年7月7日の打上げに関する合同表明では、打ち上げ予定日は2011年12月に延期された。[1] [1] 2012年3月現在では、打上げは2013年末にまで延期されている[2]。
用途 [編集]
MLMは実験棟、ドッキング設備、荷物保管区画および搭乗員の作業場や休憩所として使用される。また姿勢制御装置を装備しているため、ISSの姿勢制御の予備用として使用することも可能。結合される場所は、ズヴェズダ・モジュールの下部ドッキングポートである。この場所にはピアース(DC-1)が結合されているが、DC-1はMLMの打上げ前に廃棄される予定。 2010年5月にスペース・シャトルSTS-132によってミニ・リサーチ・モジュール1(Mini-Research Module 1:MRM-1)がISSに運ばれたが、この際、MLMで使用する予定の機器もMRM-1の外壁に取り付けて運ばれた。内訳は、MLMの下部側面に設置される小型の実験用エアロック、MLM用のラジエータパネル、欧州ロボットアームの予備の肘関節、船外作業用プラットフォームである。
主たる研究区画 [編集]
MLMは、ISSのロシア区画のにおける主たる研究区画となる。NASAの公式計画にはMLMと同サイズの2つ目の研究区画も(検討中)の位置づけで挙がっていたがそれらはキャンセルされたため、小型のMRM-1, MRM-2を除けばロシアの唯一の研究区画となる。
諸元 [編集]
- 全長:13m
- 直径:4.11m
- 重量:20.3トン
注記 [編集]
- ^ “Consolidated Launch Manifest”. nasa.gov (2008年). 2008年7月8日閲覧。
- ^ “国際宇宙ステーション計画に関する宇宙機関長会議の結果について”. JAXAプレスリリース 2012年3月20日閲覧。
外部リンク [編集]
- 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
- 国際宇宙ステーションと日本の実験モジュール 開発計画の経緯、進行状況など各種の情報が提供されている。
- 国際宇宙ステーション計画に関する宇宙機関長会議の結果について(平成18年3月8日) 計画見直しについてPDFで紹介。
- MLMの開発状況と写真 2011年11月RSCエネルギア ニュース
- MLMの開発状況と写真2012年12月RSCエネルギア ニュース(MLMがRSCエネルギアへ到着)
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