プロトン (ロケット)
| プロトンロケット | |
|---|---|
プロトンKによる国際宇宙ステーションのザーリャモジュールの打ち上げ。バイコヌール宇宙基地1998年11月20日。
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| 基本データ | |
| 運用国 | |
| 開発者 | OKB-52(クルニチェフ) |
| 使用期間 | 1965年 - 現役 |
| 打ち上げ数 | 384回[1][2] 初期型:4回 プロトンK:310回 プロトンM:70回 (成功342回 初期型:3回 プロトンK:276回 プロトンM:63回 (2013年3月26日まで)) |
| 物理的特徴 | |
| 構成 | 3段 |
| 総質量 | 707 トン |
| 全長 | 50 m |
| 直径 | 4.2 m(コア部分) |
| 軌道投入能力 | |
| 低軌道 | 約20,000 kg 200km / 51.6度 |
| 静止移行軌道 | 約5,000 kg |
| 脚注 | |
| 物理的特徴はプロトンK (SL-13) 型のデータ。プロトンK・ブロックD (SL-12)およびプロトンM・ブリーズMは4段式の構成 | |
プロトン(ロシア語:Протонプラトーン、ラテン文字表記の例:Proton、「陽子」の意味)は旧ソ連で開発された打ち上げ用ロケットである。別名としてUR-500、D-1、SL-12、SL-13などが存在する。
目次 |
概要 [編集]
OKB-52(第52設計局、チェロメイ設計局)が重ICBMとして設計、N2O4とUDMHを用いた液体ロケットエンジンを使用する。ソユーズL1計画(有人月接近飛行計画)では無人のテスト機であるゾンドの打ち上げに使われた。有人月探査計画の中止後はその大推力を生かし、惑星探査機やサリュート、ミール、国際宇宙ステーション等を打ち上げ、現在も静止衛星の商業打上げなどに使用されている。
2013年3月の報道によれば、アンガラ・ロケットがデビューし、打上げ成功率に一定のめどがついた2020年以降には、有毒な推進薬を使うプロトンロケットは退役させる方針が示された[3]。
特徴 [編集]
プロトンロケットには、3段式または4段式のタイプがある。1段目は一見するとコアステージの周りを補助ロケットが囲んでいるようだが、中心部は底にエンジンを持たない単なる酸化剤タンクで、その周囲をRD-253(現在は、推力増強型のRD-275へ移行)エンジンを装備した6本の燃料タンクが囲んだ特有の構造を持つ。
1965年7月16日から翌66年7月6日までに4機打ち上げられた初期型(8K82/UR-500)は、RD-253エンジン6基の1段目とRD-0210エンジン4基の2段目を持つ2段式であったが、プロトンK (SL-13) からはRD-0212エンジン1基の3段目を持つ構成になっている。3段式のプロトンKは主に低軌道の人工衛星打ち上げ用として使われる。
ルナ計画やゾンド計画、その他の静止軌道またはそれを超える軌道への投入計画には、N1ロケット5段目として開発されたブロックDを加えた4段式のプロトンK・ブロックD (SL-12) が使われる(プロトンKの4段目はブロックDまたはブロックDM(RD-58エンジン1基)を使用)。4段式のプロトンKは静止トランスファ軌道に約4.8トンの打ち上げ能力をもつ。
プロトンM・ブリーズM (Proton M / Briz M) はプロトンKの改良型で、2001年4月にデビューした。フェアリングを5mに大型化し、1段エンジンの推力を増強するとともに飛行制御システムをデジタル化した、また4段目もブリーズM(S5.98Mエンジン1基)に変更、打ち上げ能力も静止トランスファ軌道に約5.5トンにまで向上した。なお、2007年7月には機体を軽量化するなどして打ち上げ能力を強化した増強型プロトンM(Proton-M Enhanced)がデビューした。
プロトン K [編集]
プロトン K(プロトン8K82K)は燃料として 非対称ジメチルヒドラジンと酸化剤として四酸化二窒素を使用する。これらの接触するだけで燃焼するハイパーゴリック推進剤の使用により、点火装置が不要で常温で保管できる。これにより低温設備が不要で長期間発射台に配備することが可能になる。(同様の能力はアメリカのタイタンロケットシリーズや中国の長征シリーズやソビエト/ウクライナのツィクロンやソビエト/ロシアのコスモス3やコスモス3Mにもある。)蒸発によって推進剤が逃げていく低温燃料エンジンとは対照的である。ハイパーゴリック推進剤は腐食性があり毒性があるので取り扱いには細心の注意を払う必要があり高度に訓練された作業者によって扱われる必要がある。
任務によっては様々な形式の4段目が追加される。最も単純なブロックDは惑星探査ミッションに使われた。ブロックDは飛行制御を探査機に依存して誘導装置を持たない。3種類のブロックDM派生型(DM, DM2,とDM-2M)は高軌道への打上げに使用された。(低軌道への打上げには4段目は使用しないため、3段に搭載した航法装置を使用。)ブロックD/DMの燃料はエンジンの周囲、酸化剤タンクの後方に設置されたドーナツ形のタンクに貯蔵されるという珍しい方式であった。
45年間使われてきたプロトンKは、2012年3月30日に310機目(1回の打ち上げ前失敗をカウントすると311機目)となる最後の打上げが行われた[4]。
プロトン Kの打ち上げリスト一覧(ロシア語版)はこちらを参照すること。
プロトン M [編集]
| 機能 | 重量物打ち上げロケット |
|---|---|
| 製造 | クルニチェフ |
| 開発国 | |
| 大きさ | |
| 全高 | 53メートル (174 ft) |
| 直径 | 7.4メートル (24 ft) |
| 重量 | 712,800キログラム (1,571,000 lb) |
| 段数 | 3または4段 |
| 積載量 | |
| LEOへの ペイロード |
22,000キログラム (49,000 lb) |
| GTO (ブリーズ-M)への ペイロード |
6,000キログラム (13,000 lb) |
| GSO (ブリーズ-M)への ペイロード |
3,500キログラム (7,700 lb) |
| 関連するロケット | |
| シリーズ | ユニバーサルロケット |
| 打ち上げ実績 | |
| 状態 | 運用中 |
| 射場 | バイコヌール81と200 |
| 総打ち上げ回数 | 70回(2013年3月26日まで) |
| 成功 | 63回 |
| 失敗 | 4回 |
| 部分的成功 | 3回 |
| 初打ち上げ | 2001年4月7日[5] |
| 1 段 | |
| エンジン | 6基のRD-253-14D14 |
| 推力 | 10,532 kN (2,368,000 lbf) |
| 比推力 | 285秒 |
| 燃焼時間 | 108秒 |
| 燃料 | N2O4/UDMH |
| 2 段 - 8S811K | |
| エンジン | 4基のRD-0210 |
| 推力 | 2,399 kN (539,000 lbf) |
| 比推力 | 327秒 |
| 燃焼時間 | 206秒 |
| 燃料 | N2O4/UDMH |
| 3 段 | |
| エンジン | 1基のRD-0212 |
| 推力 | 613.8 kN (138,000 lbf) |
| 比推力 | 325秒 |
| 燃焼時間 | 238秒 |
| 燃料 | N2O4/UDMH |
| 4 段 (オプション) - Briz-M | |
| エンジン | 1基のS5.98M |
| 推力 | 19.6 kN (4,400 lbf) |
| 比推力 | 326秒 |
| 燃焼時間 | 3000秒 |
| 燃料 | N2O4/UDMH |
| 4 段 (オプション) - ブロック DM-2 | |
| エンジン | 1基のRD-58M |
| 推力 | 85 kN (19,000 lbf) |
| 比推力 | 352秒 |
| 燃料 | RP-1/LOX |
プロトン M(プロトン8K82KM、プロトン8K82M)は最新式のバージョンで3–3.2トン (6,600–7,100lb)の重量物を静止軌道へ投入若しくは5.5トン (12,000 lb)の重量物を静止トランスファー軌道へ投入する。低軌道には最大22トン (49,000 lb)まで国際宇宙ステーションの周回する51.6°の軌道傾斜角に投入できる。
プロトンMの改良点は1段目の構造重量を減らし、推力を増強して推進剤を完全に使うようにした事である。全体的にブロックDやブロックDMの代わりに貯蔵可能な推進剤を使用するブリーズ-Mを上段に使用する事によって複数の燃料の供給の必要性や液体酸素の蒸発の問題を解消したがプロトン-MもブロックDM上段に使用する。(主にウクライナからの)外国製の部材の使用の削減にも注力した。
2007年7月7日にILSはディレクTV-10衛星を載せた最初のプロトン Breeze M Enhancedを打ち上げ軌道に投入した。これは326番目のプロトンの打ち上げで16番目のプロトンM/ブリーズ-Mの打ち上げでもあり41回目のILSによるプロトン打ち上げでもある。[6]プロトン-M Enhancedの特徴は高効率のエンジンを1段目に搭載し航空電子機器を更新しタンクを増量してより強力なバーニアエンジンをブリーズ-M上段に備え重量を軽減した事である。
プロトン Mの打ち上げリスト一覧(ロシア語版)はこちらを参照すること。
インターナショナル・ローンチ・サービス [編集]
詳細は「インターナショナル・ローンチ・サービス」を参照
プロトンロケットの商用販売はインターナショナル・ローンチ・サービス(ISL)社が行っている。これはロシア企業クルニチェフとエネルギア、米企業ロッキード・マーティンの間に設立された企業で、世界でのプロトンロケットを使用した人工衛星の打ち上げの権利を保有している。
関連項目 [編集]
脚注 [編集]
- ^ 1968年7月21日に打ち上げ予定だった、プロトンKの打ち上げ前失敗(1回分)は、打ち上げ・成功いずれにもカウントしていない
- ^ ru:Протон (ракета-носитель)
- ^ “Proton rocket to be phased out after 2020 – head of the Russian Federal Space Agency”. ITAR-TASS. (2013年3月29日) 2013年4月28日閲覧。
- ^ “Russian Proton-K completes 45 years of service with US-KMO satellite launch”. NASASpaceflightnow.com 2012年3月30日閲覧。
- ^ McDowell, Jonathan. “Proton”. Orbital and Suborbital Launch Database. Jonathan's Space Page. 2010年6月27日閲覧。
- ^ “ILS Proton Successfully Launches DIRECTV 10 on First Enhanced Proton” (プレスリリース), ILS, (2007年7月7日)
外部リンク [編集]
- Протон-К (Роскосмос)(ロシア語)
- Протон-М (Роскосмос)(ロシア語)
- Proton-K (Roskosmos)(英語)
- Proton-M (Roskosmos)(英語)
- JAXA プロトンロケットの概要
- スペックシート(英語)
- プロトン | sorae.jp
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