ラインベック

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ラインベック
第36回ホープフルステークス本馬場入場
欧字表記 Rhinebeck[1]
品種 サラブレッド
性別
毛色 黒鹿毛
生誕 2017年4月5日(7歳)
ディープインパクト
アパパネ
母の父 キングカメハメハ
生国 日本の旗 日本北海道安平町
生産者 ノーザンファーム
馬主 金子真人ホールディングス
調教師 友道康夫栗東
競走成績
生涯成績 27戦5勝
獲得賞金 1億4764万7000円
(2024年3月30日現在)
勝ち鞍
Listed 東風ステークス 2023年
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ラインベックRhinebeck[1])は、日本競走馬である。

馬名の意味は「ニューヨーク州の田舎町」[2]

戦績[編集]

デビュー前[編集]

2017年4月5日、北海道安平町ノーザンファームで誕生。三冠馬の父ディープインパクト、牝馬三冠馬の母アパパネはともに金子真人の所有馬であり、両馬の配合は「夢の配合」[3]、「三冠配合」[4]、「12冠配合」[5]などと称される。全兄に2014年生まれのモクレレ、2015年生まれのジナンボーがおり、本馬は第3仔となる[6]

2歳(2019年)[編集]

全兄2頭は美浦の厩舎に預けられていたが[注 1]、本馬は金子真人ホールディングス所有のダービー馬マカヒキワグネリアンを管理する栗東友道康夫厩舎に入厩した。デビュー戦前の1週前追い切りではCWコースでラスト1ハロン11秒4と非凡な瞬発力を披露した。友道師は「能力を感じさせる馬です。いいフットワークをしていますよ」と評価し、大江調教助手も「来年のクラシック路線に乗せたい素材。体の使い方が柔らかいですし、先々まで活躍を見込んでいます」と期待を述べた[7]

6月29日の新馬戦中京競馬場、芝1600m)で福永祐一を背にデビューを迎えた。レースでは緩い流れを2番手で折り合い、ラストは出走馬中最速タイの上がり3F33秒8の脚で抜け出し、新馬勝ちする。レース後、福永は「よく調教されていて、着差はわずかだったけど安心して乗っていた。距離が延びても問題ない」とコメントした[8]

2戦目は中2週で中京2歳ステークスに出走。重馬場でのレースとなったが単勝1.2倍の圧倒的支持を集め、4番手追走から危なげなく抜け出してデビュー2連勝を飾った。福永は「距離を延ばすことを考えれば、ハナには立ちたくなかった。楽勝という感じではなかったですが、こういう馬場も含めていい経験にはなったと思います」と振り返った[9]

休養を経て、重賞初挑戦となる東京スポーツ杯2歳ステークスに出走。それぞれ新馬戦を快勝したコントレイルとアルジャンナ[10]に次ぐ3番人気となったが、レースはコントレイルが2着アルジャンナに5馬身差をつけて圧勝。本馬はアルジャンナからさらに遅れること4馬身差の3着だった[11]。暮れのホープフルステークスもコントレイルの4着となった。

3歳(2020年)[編集]

初戦の若駒ステークスは1番人気に推されたが3着。休養を挟んだ皐月賞は15着、続くNHKマイルカップは8着と精彩を欠くレースが続いた。

その後陣営は矛先を条件戦に変え、さらに初のダート戦となる西脇特別(2勝クラス)に出走。レースではスタートから先手を奪うとそのまま逃げ切って優勝。ダート初勝利を挙げた[12]。この勝利で、ディープインパクトは史上最速となる産駒のJRA通算2200勝を達成した[13]

その後はレパードステークス含めダートで3戦したが、入着に至らなかった。

4歳(2021年) - 5歳(2022年)[編集]

4歳に入ると芝路線に戻り、江の島ステークスを勝利してオープンに昇級したものの、その後はディセンバーステークスの4着が最高で、勝利から遠ざかっている。

5歳の夏に去勢を行った。去勢後初のレースとなった信越ステークスは8着だった。

競走成績[編集]

以下の内容は、netkeiba.comの情報[14]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2019.06.29 中京 2歳新馬 芝1600m(稍) 9 7 7 001.50(1人) 01着 R1:39.2(33.8) -0.2 0福永祐一 54 (アージオン) 462
0000.07.20 中京 中京2歳S OP 芝1600m(重) 8 2 2 001.20(1人) 01着 R1:36.5(35.3) -0.3 0福永祐一 54 (スズカデレヤ) 456
0000.11.16 東京 東スポ杯2歳S GIII 芝1800m(良) 8 1 1 004.60(3人) 03着 R1:46.0(34.9) -1.5 0W.ビュイック 55 コントレイル 460
0000.12.28 中山 ホープフルS GI 芝2000m(良) 13 8 13 037.20(6人) 04着 R2:02.2(36.9) -0.8 0岩田康誠 55 コントレイル 470
2020.01.26 京都 若駒S L 芝2000m(良) 6 3 3 002.30(1人) 03着 R2.02.8(36.5) -0.3 0武豊 56 ケヴィン 468
0000.04.19 中山 皐月賞 GI 芝2000m(稍) 18 7 15 160.8(14人) 15着 R2:02.4(37.1) -1.7 0岩田康誠 57 コントレイル 476
0000.05.10 東京 NHKマイルC GI 芝1600m(良) 18 5 9 054.0(11人) 08着 R1:33.1(34.6) -0.6 0武士沢友治 57 ラウダシオン 468
0000.07.05 阪神 西脇特別 2勝 ダ1800m(稍) 11 1 1 002.90(2人) 01着 R1:51.1(36.4) -0.2 0川田将雅 54 (ミステリオーソ) 476
0000.08.09 新潟 レパードS GIII ダ1800m(不) 15 4 6 005.60(3人) 07着 R1:50.8(37.9) -1.6 0M.デムーロ 56 ケンシンコウ 488
0000.11.28 阪神 竹田城S 3勝 ダ2000m(良) 15 4 7 003.80(2人) 09着 R2:07.7(40.2) -1.5 0岩田康誠 55 メイショウマトイ 484
0000.12.27 阪神 フォーチュンC 3勝 ダ1800m(良) 16 4 7 008.70(4人) 09着 R1:53.9(39.1) -1.1 0岩田望来 54 スズカフロンティア 484
2021.06.26 東京 江の島S 3勝 芝1800m(良) 8 8 8 008.50(4人) 01着 R1.46.5(33.0) -0.2 0石橋脩 57 (シングフォーユー) 506
0000.09.05 新潟 新潟記念 GIII 芝2000m(良) 17 6 11 009.50(5人) 05着 R1:58.7(34.6) -0.3 0津村明秀 54 マイネルファンロン 512
0000.12.19 中山 ディセンバーS L 芝1800m(良) 16 2 3 004.60(2人) 04着 R1:48.1(35.5) -0.4 0石橋脩 56 ローザノワール 500
2022.01.29 東京 白富士S L 芝2000m(良) 14 7 12 017.10(6人) 14着 R2:00.1(37.2) -2.7 0岩田康誠 56 ジャックドール 500
0000.04.17 福島 福島民報杯 L 芝2000m(良) 16 6 11 014.10(7人) 08着 R2:01.8(38.1) -1.9 0西村淳也 54 アンティシペイト 500
0000.05.08 新潟 新潟大賞典 GIII 芝2000m(良) 15 6 10 022.2(11人) 14着 R2:01.4(38.7) -3.7 0西村淳也 54 レッドガラン 500
0000.10.16 新潟 信越S L 芝1400m(良) 18 3 6 033.2(11人) 08着 R1:20.6(35.2) -0.4 0団野大成 54 ダディーズビビッド 482
0000.11.26 東京 キャピタルS L 芝1800m(良) 18 4 8 027.80(9人) 09着 R1:32.8(34.3) -0.3 0石橋脩 56 ララクリスティーヌ 476
0000.12.10 阪神 リゲルS L 芝1600m(良) 9 1 1 007.40(5人) 02着 R1:33.7(33.6) -0.1 0藤岡康太 56 シャイニーロック 482
2023.03.12 中山 東風S L 芝1600m(良) 11 4 4 018.40(5人) 01着 R1.33.0(34.2) -0.1 0津村明秀 57 (ゾンニッヒ) 482
0000.03.26 阪神 六甲S L 芝1600m(重) 15 3 4 005.70(3人) 09着 R1:36.3(36.0) -0.8 0藤岡康太 58 サヴァ 488
0000.06.17 阪神 米子S L 芝1600m(良) 13 4 5 022.90(7人) 02着 R1:31.9(35.1) -0.2 0藤岡康太 58 メイショウシンタケ 486
0000.08.13 新潟 関屋記念 GIII 芝1600m(良) 17 8 16 012.70(6人) 03着 R1:32.2(33.2) -0.1 0石橋脩 57 アヴェラーレ 480
0000.09.10 中山 京成杯AH GIII 芝1600m(良) 11 7 9 007.50(4人) 08着 R1:32.5(34.5) -0.9 0石橋脩 57 ソウルラッシュ 482
2024.03.10 中山 東風S L 芝1600m(良) 14 1 1 010.70(6人) 11着 R1:34.6(36.2) -1.2 0津村明秀 58 ディオ 488
0000.03.30 中山 ダービー卿CT GIII 芝1600m(稍) 16 2 3 067.7(13人) 10着 01:34.0(35.0) -1.1 0石橋脩 57 パラレルヴィジョン 484
  • 競走成績は2024年3月30日現在

血統表[編集]

ラインベック血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

ディープインパクト
2002 鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
*ウインドインハーヘア
Wind in Her Hair
1991 鹿毛
Alzao Lyphard
Lady Rebecca
Burghclere Busted
Highclere

アパパネ
2007 鹿毛
キングカメハメハ
2001 鹿毛
Kingmambo Mr. Prospector
Miesque
*マンファス *ラストタイクーン
Pilot Bird
母の母
*ソルティビッド
Salty Bid
2000 栗毛
Salt Lake Deputy Minister
Take Lady Anne
Piper Piper Spectacular Bid
Alvarada
母系(F-No.) 9号族(FN:9-f) [§ 3]
5代内の近親交配 5代内アウトブリード [§ 4]
出典
  1. ^ ラインベック 5代血統表2019年9月1日閲覧
  2. ^ ラインベック 5代血統表2019年9月1日閲覧
  3. ^ ラインベック 5代血統表2019年9月1日閲覧
  4. ^ ラインベック 5代血統表2019年9月1日閲覧

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ モクレレは国枝栄厩舎、ジナンボーは堀宣行厩舎に所属。

出典[編集]

  1. ^ a b ラインベック|JBISサーチ(JBIS-Search)
  2. ^ 競走馬登録馬名簿・馬名意味”. JRA. 2019年9月1日閲覧。
  3. ^ 競馬ラボ (2019年6月29日). “競馬ラボ(9月16日戸崎騎手パーティー開催!)さんのツイート”. Twitter. 2019年9月1日閲覧。
  4. ^ 日本が誇る「三冠配合」モクレレがついにデビュー!”最強馬主”金子真人オーナーの集大成「12冠ベビー」の実力は如何に!”. Business Journal (2017年2月4日). 2019年9月1日閲覧。
  5. ^ 【中京2歳S】“12冠配合”ラインベック 単勝1・2倍の断然人気に応える”. デイリースポーツ (2019年7月21日). 2019年9月1日閲覧。
  6. ^ a b ラインベックの血統表”. netkeiba.com. 2019年9月1日閲覧。
  7. ^ 【注目この新馬】ラインベック”. サンケイスポーツ (2019年6月28日). 2019年9月1日閲覧。
  8. ^ 【若駒ピカイチ】ラインベック”. サンケイスポーツ (2019年9月1日). 2019年9月1日閲覧。
  9. ^ 【中京2歳S】父ディープ母アパパネの良血馬ラインベックが危なげなく連勝!”. サンケイスポーツ (2019年9月1日). 2019年9月1日閲覧。
  10. ^ 【東京スポーツ杯2歳S】ディープ産駒三つ巴の様相/JRA重賞予想オッズ | 競馬ニュース - netkeiba.com”. news.netkeiba.com. 2020年8月1日閲覧。
  11. ^ 【東スポ杯2歳S】コントレイル重賞初V JRAレコードを更新 | 競馬ニュース - netkeiba.com”. news.netkeiba.com. 2020年8月1日閲覧。
  12. ^ 【西脇特別】(阪神) ラインベックが初ダートで逃げ切り3勝目 | 競馬ニュース - netkeiba.com”. news.netkeiba.com. 2020年8月1日閲覧。
  13. ^ ディープインパクト産駒が史上最速JRA通算2200勝達成 阪神10Rのラインベックで スポーツ報知、2020年7月5日、2020年8月1日閲覧
  14. ^ ラインベック”. netkeiba.com. 2019年9月1日閲覧。

外部リンク[編集]