マッドクール (競走馬)

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マッドクール
高松宮記念優勝時（2024年3月24日）
欧字表記 Mad Cool[1]
香港表記 消暑樂祭[2]
品種 サラブレッド[1]
性別 牡[1]
毛色 芦毛[1]
生誕 2019年3月29日（5歳）[1]
父 Dark Angel[1]
母 Mad About You[1]
母の父 Indian Ridge[1]
生国 アイルランドの旗 アイルランド[1]
生産者 Moyglare Stud Farm Ltd[1]
馬主 （有）サンデーレーシング[1]
調教師 池添学（栗東）[1]
競走成績
生涯成績 12戦6勝[1]
中央：11戦6勝
海外：1戦0勝
獲得賞金 3億3346万6000円[1]
（2024年3月24日現在）
勝ち鞍
GI 高松宮記念 2024年
Listed 春雷S 2023年
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マッドクール（欧字名:Mad Cool、香:消暑樂祭、2019年3月29日 - ）は、日本の競走馬[1]。2024年の高松宮記念の勝ち馬である。

馬名の意味は、マドリードで毎年夏に開催される音楽フェスティバル[3]。

戦績[編集]

デビュー前[編集]

2019年、アイルランドにて生産される。当歳時のセールにて、ノーザンファームのゼネラルマネージャー・中島文彦によって購買された[4]。2歳の春には右前脚の剥離骨折が発覚し、3歳の1月までデビューが遅れることとなった。また脚元に問題があり、レース間隔を開ける必要があった[5]。

2022年（3歳）[編集]

2022年1月23日、中京競馬場第6レースの3歳新馬戦（芝1600m）で池添謙一を鞍上にデビュー。道中最内を進むが折り合いを欠く場面もあり、直線で伸びきれず3着[6]。続く3月13日の3歳未勝利戦は初のダート戦となった。スタートから先頭を進みレースを引っ張るが、直線で苦しくなり3着となった[7]。5月28日の未勝利戦では芝に戻し、距離を短縮した。好スタートを切り先頭に立つと、直線で更に突き抜け後続に5馬身差の圧勝劇で初勝利を飾った[5]。7月23日の1勝クラス・大牟田特別では、道中でヨシノイースターに先頭を譲ったが、直線で難なく交わし2連勝[8]。9月25日の2勝クラス・知多特別では単勝オッズ1.5倍の断トツの人気に推されレースを迎えた。道中は2番手に付けて追走。直線で後続に迫られたが並ばせず3連勝[9]。12月11日の3勝クラス・知立ステークスは、鞍上を藤岡康太を背に出走。スタート直前にゲート内で体勢を乱す場面があったが、前目に付けてレースを進める。直線で馬群から抜き出て先頭に立ち、後続からエイシンスポッターの末脚に怯むことなく4連勝。オープン入りを決めた[10]。

2023年（4歳）[編集]

4歳緒戦は初の重賞挑戦となるシルクロードステークス（GIII）に出走。1番人気の高評価を得ていた。道中は先頭で進めレースを引っ張る。直線でも維持していたが、残り100m付近で後続のナムラクレアとファストフォースに交わされ3着となり、連勝が止まった[11]。少し間を空け、4月16日の春雷ステークス（L）にダミアン・レーンを鞍上に置いた。道中2番手で進め、左脚の落鉄というアクシデントもあったが、直線でキミワクイーンとの叩き合いを制し勝利[12][13]。2度目の重賞挑戦の舞台にCBC賞（GIII）を選択し、鞍上は坂井瑠星に戻した。前目で追走し、先頭のジャスパークローネについて行くが、直線で反応なくズルズルと下がっていき9着入線となった[14]。

次走には初のGI挑戦となるスプリンターズステークス（GI・芝1200m）を選択。単勝オッズは6番人気14.0倍で迎えた。道中は逃げ馬3頭を見る形で前目に付け追走。最内を回り、直線では先に先頭に立っていたママコチャとの激しい叩き合いとなったが、ハナ差で敗れてしまい2着[15]。その後は初の海外でのレースを選択。香港・シャティン競馬場で行われた香港スプリント（G1）に出走。鞍上はクリスチャン・デムーロを起用。道中はスタートが少し遅れ中団で追走する形になり、直線で後退していき8着となった[16]。

2024年（5歳）[編集]

5歳シーズンは高松宮記念（GI・芝1200m）から始動した。香港から参戦しているビクターザウィナーが先頭に立つ中、道中はコースの内側から前目を追走し、直線で突き抜けていき先頭に立つと後方からナムラクレアが迫ってきたが、アタマ差の大接戦を制しGI初制覇となった[17][18]。アイルランド産馬のJRA・GI勝利は2013年中山グランドジャンプのブラックステアマウンテン以来(平地では2011年エリザベス女王杯のスノーフェアリー、日本調教馬に限れば2002年エリザベス女王杯のファインモーション以来)11年ぶりのことだった[19]。馬主のサンデーレーシングは史上初となる障害を含むJRA・GI全26レース完全制覇を達成した[20]。

競走成績[編集]

以下の内容は、JBISサーチ[21]、netkeiba.com[22]および香港ジョッキークラブ[23]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 格 距離（馬場） 頭

数

枠

番

馬

番

オッズ

（人気）

着順 タイム

（上がり3F）

着差 騎手 斤量

[kg]

1着馬（2着馬） 馬体重

[kg]

2022.01.23 中京 3歳新馬 芝1600m（良） 16 1 1 003.00（1人） 03着 R1:37.5（34.9） -0.1 0池添謙一 56 キタサンシュガー 520
0000.03.13 阪神 3歳未勝利 ダ1400m（良） 16 3 5 003.40（2人） 03着 R1:25.9（38.4） -0.5 0坂井瑠星 56 ヴァンダービルト 528
0000.05.28 中京 3歳未勝利 芝1400m（良） 18 7 14 003.40（2人） 01着 R1:20.4（34.4） -0.9 0坂井瑠星 56 （ドロップオブライト） 526
0000.07.23 小倉 大牟田特別 1勝 芝1200m（良） 17 2 3 002.10（1人） 01着 R1:06.9（33.7） -0.2 0坂井瑠星 54 （ヨシノイースター） 528
0000.09.25 中京 知多特別 2勝 芝1200m（良） 17 5 10 001.50（1人） 01着 R1:07.7（33.9） -0.1 0坂井瑠星 55 （ワンダーカタリナ） 528
0000.12.11 中京 知立S 3勝 芝1200m（良） 16 3 6 001.90（1人） 01着 R1:07.2（33.3） -0.2 0藤岡康太 56 （エイシンスポッター） 530
2023.01.29 中京 シルクロードS GIII 芝1200m（良） 15 5 8 002.50（1人） 03着 R1:07.4（33.6） -0.1 0藤岡康太 56 ナムラクレア 536
0000.04.16 中山 春雷S L 芝1200m（重） 16 5 10 001.50（1人） 01着 R1:08.8（35.0） -0.0 0D.レーン 57.5 （キミワクイーン） 528
0000.07.02 中京 CBC賞 GIII 芝1200m（良） 12 6 8 001.80（1人） 09着 R1:08.2（34.1） -1.0 0坂井瑠星 58.5 ジャスパークローネ 534
0000.10.01 中山 スプリンターズS GI 芝1200m（良） 16 5 10 014.00（6人） 02着 R1:08.0（34.4） -0.0 0坂井瑠星 58 ママコチャ 532
0000.12.10 沙田 香港スプリント G1 芝1200m（Gd）[注 1] 10 7 3 015.00（4人）[注 2] 08着 R1:09.97 -0.72 0C.デムーロ 57[注 3] Lucky Sweynesse 522[注 4]
2024.03.24 中京 高松宮記念 GI 芝1200m（重） 18 1 2 009.60（6人） 01着 R1:08.9（33.7） -0.0 0坂井瑠星 58 （ナムラクレア） 540
  • 海外の競走の「枠番」欄にはゲート番を記載
  • 海外のオッズ・人気は現地主催者発表のもの（日本式のオッズ表記とした）
  • 競走成績は2024年3月24日現在

血統表[編集]

マッドクールの血統 （血統表の出典）[§ 1]
父系 ノーザンダンサー系
 [§ 2]
父

Dark Angel
2005 芦毛
父の父
Acclamation
1999 鹿毛 		Royal Applause *ワージブ
Flying Melody
Princess Athena Ahonoora
Shopping Wise
父の母
Midnight Angel
1994 芦毛 		Machiavellian Mr. Prospector
Coup de Folie
Night At Sea Night Shift
Into Harbour
母

Mad About You
2005 鹿毛 		Indian Ridge
1985 栗毛 		Ahonoora Lorenzaccio
Helen Nichols
Hillbrow Swing Easy
Golden City
母の母
Irresistible Jewel
1999 鹿毛 		*デインヒル Danzig
Razyana
In Anticipation Sadler's Wells
Aptostar
母系(F-No.) (FN:1-l) [§ 3]
5代内の近親交配 Ahonoora 4×3
Northern Dancer 5×5･5 		[§ 4]
出典
  1. ^ [26][27]
  2. ^ [27]
  3. ^ [26][27]
  4. ^ [26]
  • 母Mad About Youは、2009年愛G3グラッドネスステークスの勝ち馬。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 馬場状態の発表は「Good」[24]。これをJRAは「良」と発表した[25]。馬場状態#芝馬場参照。
  2. ^ オッズ・人気は香港ジョッキークラブのもの[24]。日本国内では、単勝オッズ7.8倍の2番人気であった。
  3. ^ 斤量は126ポンドで[24]、メートル法に換算すると約57.15キログラム（小数点第3位以下を四捨五入）。これをJRAは「57.0kg」と発表した[25]。
  4. ^ 馬体重は1153ポンドで[24]、メートル法に換算すると約522.99キログラム（小数点第3位以下を四捨五入）。これをJRAは「522kg」と発表した[25]。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o “マッドクール”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2024年3月24日閲覧。
  2. ^ “消暑樂祭 - 馬匹資料 - 賽馬資訊 - 香港賽馬會”. 香港ジョッキークラブ. 2024年3月25日閲覧。
  3. ^ “競走馬情報 - マッドクール”. 日本中央競馬会. 2024年3月24日閲覧。
  4. ^ 「【高松宮記念】史上初！サンデーレーシングがＪＲＡ・ＧⅠ完全制覇　吉田俊介代表「冷や冷やしました」」『サンスポZBAT!』。2024年3月25日閲覧。
  5. ^ a b “注目馬 マッドクール”. jra-van.jp. 2024年3月25日閲覧。
  6. ^ 「【メイクデビュー】（中京６Ｒ）外から伸びたキタサンシュガーがデビュー勝ち」『ラジオNIKKEI』。2024年3月25日閲覧。
  7. ^ 「【今日の注目ポイント】3歳牝馬の頂上決戦・オークス、柴田善臣騎手の復帰など」『netkeiba.com』。2024年3月25日閲覧。
  8. ^ 「【大牟田特別】（小倉）マッドクールが直線での競り合いを制して抜け出す」『ラジオNIKKEI』。2024年3月25日閲覧。
  9. ^ 「【知多特別】（中京）マッドクールが３連勝で一気に準ＯＰへ」『ラジオNIKKEI』。2024年3月25日閲覧。
  10. ^ 「【知立Ｓ】（中京）マッドクールが人気に応えて勝利しＯＰ入り」『ラジオNIKKEI』。2024年3月25日閲覧。
  11. ^ 「【シルクロードS】マッドクール3着で連勝ストップ　藤岡康「結果を出せずに申し訳ありません」」『スポーツニッポン』。2024年3月25日閲覧。
  12. ^ 「【春雷Ｓ】マッドクールが単勝1.5倍の断然人気に応えた　左脚の落鉄があっても馬がファイト」『スポーツニッポン』。2024年3月25日閲覧。
  13. ^ 「【春雷Ｓ】（中山）１番人気マッドクールが圧倒的人気に応えて勝利」『ラジオNIKKEI』。2024年3月25日閲覧。
  14. ^ 「【CBC賞】1番人気マッドクールは9着　坂井「直線を向くころには手応えが…」」『スポーツニッポン』。2024年3月25日閲覧。
  15. ^ 「【スプリンターズS】ハナ差2着マッドクールの坂井「悔しいの一言」も「力を出し切ってくれました」」『スポーツニッポン』。2024年3月25日閲覧。
  16. ^ 「【香港スプリント】日本馬２頭は完敗　７着ジャスパークローネの森秀調教師「香港の馬は強いね」」『スポーツ報知』。2024年3月25日閲覧。
  17. ^ 「【高松宮記念】マッドクールがG1初制覇！最内を抜け出す　坂井騎手「リベンジできてうれしい」」『日刊スポーツ』。2024年3月24日閲覧。
  18. ^ 「【高松宮記念結果＆コメント】マッドクールが新スプリント王を襲名！坂井「結果を出すしかないと思っていた」」『東京スポーツ』。2024年3月25日閲覧。
  19. ^ “netkeibaのポスト”. X. 2024年3月27日閲覧。
  20. ^ 「【高松宮記念】史上初！サンデーレーシングが馬主によるJRA・G1完全制覇を達成」『日刊スポーツ』。2024年3月25日閲覧。
  21. ^ “マッドクール 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2024年3月24日閲覧。
  22. ^ “マッドクールの競走成績”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd.. 2024年3月24日閲覧。
  23. ^ “MAD COOL - The Hong Kong Jockey Club”. 香港ジョッキークラブ. 2024年3月25日閲覧。
  24. ^ a b c d “Results - Racing Information - Horse Racing - The Hong Kong Jockey Club”. 香港ジョッキークラブ. 2024年3月24日閲覧。
  25. ^ a b c “レース結果：2023年香港スプリント　海外競馬発売　JRA”. 日本中央競馬会. 2024年3月24日閲覧。
  26. ^ a b c “血統情報：5代血統表｜マッドクール”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2024年3月24日閲覧。
  27. ^ a b c “マッドクールの血統表｜競走馬データ”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2024年3月24日閲覧。

外部リンク[編集]

日本の旗 高松宮記念勝ち馬
   

国際競走指定前：
第01回（1971年） シュンサクオー
第02回（1972年） ジョセツ
第03回（1973年） タケデンバード
第04回（1974年） ハイセイコー
第05回（1975年） イットー
第06回（1976年） フジノパーシア
第07回（1977年） トウショウボーイ
第08回（1978年） ヤマニンゴロー
第09回（1979年） ネーハイジェット
第10回（1980年） リンドプルバン
第11回（1981年） ハギノトップレディ
第12回（1982年） カズシゲ
第13回（1983年） ハギノカムイオー
第14回（1984年） キョウエイレア
第15回（1985年） メジロモンスニー
第16回（1986年） ラグビーボール
第17回（1987年） ランドヒリュウ
第18回（1988年） オグリキャップ
第19回（1989年） メジロアルダン
第20回（1990年） バンブーメモリー

第21回（1991年） ダイタクヘリオス
第22回（1992年） ミスタースペイン
第23回（1993年） ロンシャンボーイ
第24回（1994年） ナイスネイチャ
第25回（1995年） マチカネタンホイザ
第26回（1996年） フラワーパーク
第27回（1997年） シンコウキング
第28回（1998年） シンコウフォレスト
第29回（1999年） マサラッキ
第30回（2000年） キングヘイロー

国際競走指定後：
第31回（2001年） 日本の旗 トロットスター
第32回（2002年） 日本の旗 ショウナンカンプ
第33回（2003年） 日本の旗 ビリーヴ
第34回（2004年） 日本の旗 サニングデール
第35回（2005年） 日本の旗 アドマイヤマックス
第36回（2006年） 日本の旗 オレハマッテルゼ

国際G1昇格後：
第37回（2007年） 日本の旗 スズカフェニックス

第38回（2008年） 日本の旗 ファイングレイン
第39回（2009年） 日本の旗 ローレルゲレイロ
第40回（2010年） 日本の旗 キンシャサノキセキ
第41回（2011年） 日本の旗 キンシャサノキセキ
第42回（2012年） 日本の旗 カレンチャン
第43回（2013年） 日本の旗 ロードカナロア
第44回（2014年） 日本の旗 コパノリチャード
第45回（2015年） 香港の旗 エアロヴェロシティ
第46回（2016年） 日本の旗 ビッグアーサー
第47回（2017年） 日本の旗 セイウンコウセイ
第48回（2018年） 日本の旗 ファインニードル
第49回（2019年） 日本の旗 ミスターメロディ
第50回（2020年） 日本の旗 モズスーパーフレア
第51回（2021年） 日本の旗 ダノンスマッシュ
第52回（2022年） 日本の旗 ナランフレグ
第53回（2023年） 日本の旗 ファストフォース
第54回（2024年） 日本の旗 マッドクール

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