グレイ (単位)

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グレイ
gray
記号 Gy
国際単位系 (SI)
種類 組立単位
吸収線量比エネルギー分与カーマ
組立 J/kg
定義 吸収線量 : 放射線によって 1 kg の物質に 1 J のエネルギーが吸収されたときの吸収線量
カーマ : 間接電離放射線の照射により直接放出される全荷電粒子の初期運動エネルギーの和が物質 1 kg につき 1 J の仕事に相当するときのカーマ
語源 ルイス・ハロルド・グレイ
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グレイ (gray、記号:Gy) とは、放射線によって人体をはじめとした物体に与えられたエネルギーを表す単位を言う。吸収線量[1]またはカーマ[1]単位[2]として主に用いられる。

医療の現場における被治療者の被曝線量を表す臓器吸収線量の単位などに用いられる[3]

定義[編集]

吸収線量の単位として
電離放射線の照射により物質 1 kg につき 1 J の仕事に相当するエネルギーが与えられるときの吸収線量を1グレイと定義する[1]
カーマの単位として
間接電離放射線の照射により直接放出される全荷電粒子の初期運動エネルギーの和が物質 1 kg につき 1 J の仕事に相当するときのカーマを1グレイと定義する[1]
J/kg、すなわちm2 s-2の次元をもつ。
1989年(平成元年)4月以前は吸収線量の単位としてラド (rad) が用いられていた。1グレイ = 100ラドに相当する[1]
旧単位:ラド (rad)
ラドは、吸収した放射線の総量(吸収線量)を表す古い形式の単位である。表記はradである。単位当りの物質が放射線を吸収し発生したエネルギー(温度上昇)で計測する。
1ラドは0.01 J/kg に相当し、国際単位系では吸収線量はグレイ (Gy) で表す。1グレイ = 100ラドに相当する。

語源[編集]

グレイは、1940年に同様の概念の単位を使用したルイス・ハロルド・グレイ(1905年 - 1965年)を記念して1975年に定められた。ルイス・ハロルド・グレイは、「1レントゲンの放射能によって単位体積の水中に生じるエネルギーに等しい量のエネルギーの増加を単位体積当たりの組織の中で生じる中性子放射線の総量」を単位とした。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e 1992年(平成4年)11月18日政令第357号「計量単位令」
  2. ^ SI組立単位の一つである。
  3. ^ 医療の領域では、数mGyの診断に伴う被曝から、放射線治療に伴う数10Gyに及ぶ線量まで幅広い線量領域の被曝が取り扱われる。そのため、定義から等価線量実効線量は用いることはできない(数Gyに比例する高い線量域において等価線量は適用できない)。この幅広い線量領域で共通して使える線量は、線量概念の基本量としての吸収線量である。 草間(2005) p.22

参考文献[編集]

関連項目[編集]