ガンマ線

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原子核物理学
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放射性崩壊
核分裂反応
原子核融合

ガンマ線(ガンマせん、γ線、: Gamma ray)は、放射線の一種。その実体は、波長がおよそ 10 pm よりも短い電磁波である。

ガンマ線

概要[編集]

X線とは波長領域(エネルギー領域)の一部が重なっており、ガンマ線とX線との区別は波長ではなく発生機構によっている。そのため、波長からガンマ線かX線かを区別することはできない。正式には、原子核内のエネルギー準位の遷移を起源とするものをガンマ線と呼び、軌道電子遷移を起源とするものをX線と呼ぶ。ただし、発生機構の違いを明確に別ける必要がない場合には、波長領域による区分として一意的に扱い、紫外線を超えるエネルギー領域(短い波長領域)の電磁波をまとめてガンマ線と呼ぶこともある[要出典]。1.022MeV以上のエネルギーを持つガンマ線が消滅するとき、電子陽電子対生成されることがある。逆に、電子陽電子対消滅する際、ガンマ線が発生し、反対方向に0.511MeVのガンマ線が2本放出される。 ガンマ線は光の中で最もエネルギーが大きい。現在、人工的に作ることのできるガンマ線は加速器により数TeVまでに及ぶが、宇宙には数十PeV以上のガンマ線が存在すると考えられている。

発見[編集]

1900年フランスポール・ヴィラールは、透過性が高く電荷を持たない放射線を発見し、この放射線は1903年イギリスアーネスト・ラザフォードによって gamma ray(ガンマ線)と名付けられた。

ガンマ線の放出[編集]

放射性核種崩壊して質量陽子中性子の比率が変わっても、その原子核には過剰なエネルギーが残存している場合がある。このとき、残存しているエネルギーをガンマ線として放出することで原子核は安定に向かう。この現象をガンマ崩壊と呼ぶ。放出するガンマ線のエネルギー領域は核種によって様々である。核種によっては単一領域のガンマ線しか出さないものもあるが、一般的には複数領域のガンマ線を出す。同じ元素でも、同位体によって現象は下の例のように異なる。

  • 81Kr この核種は 275.988 keV の1領域のみ放出。
  • 88Kr この核種は最低 27.513keV、最高 2,771.02 keV の88領域を放出。
    • 割合で多い順から3種挙げると、2,392.11 ke V(34.6%)、196.301 keV (25.98%)、2,195.842 keV (13.18%) である。

理化学研究所によれば、冬期の日本本州日本海沿岸地域において雷雲の活動に伴い自然放射線が増える現象を調査していたところ、雷雲から10 MeV(1×10-9 mSv)のガンマ線を40秒間観測し、雷雲が粒子加速器の働きをしていることが分かった。なお、雷雲からのガンマ線量は1回の胸部X線で浴びる放射線量の2億分の1程度と計算されている[1]

他の放射線との比較[編集]

ヘリウム4の原子核であるアルファ粒子は一枚の紙すら通過できず、ベータ線の実態である電子では1cmのプラスチック板で十分遮蔽できるが、電磁波であるガンマ線では10cmの鉛板が必要となる。
  • アルファ粒子ベータ粒子と比べると透過能力は高いが、電離作用は弱く、放射線荷重係数が小さい。
  • ガンマ線の遮蔽には、比重の重い物質(コンクリートなど)が使われる。一般によく利用される鉛(11.3g/cm3)では、10 cmの厚さで約1/100 - 1/1000に減衰される。ガンマ線は飛程が長い上、電荷を持たないので電磁気力を使って方向を変えられないため、ガンマ線からの防護は他の放射線と比較して難しい。
  • また、ガンマ線の持つ電離作用により、DNAを傷つけることによる発がん作用などがある。致死線量は6グレイ前後である。

利用[編集]

一般的なガンマ線源としては、コバルトの放射性同位体であるコバルト6060Co)が用いられる。これは安定同位体のコバルト59(59Co)を原子炉内で中性子線に晒す事で放射化により生成され、医薬品や医療廃棄物、食品などのガンマ線滅菌、工業的なX線写真(溶接部X線写真)などに使われている。

放射線医学における最低線量[編集]

2003年に米国アメリカ合衆国エネルギー省の低線量放射線研究プログラムによる支援等を受けて[2]米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表された論文によれば、人の癌リスクの増加の十分な証拠が存在するエックス線ガンマ線の最低線量は、瞬間的な被曝では、10-50mSv、長期被曝では5-10mSvであることが示唆されている[3]

脚注[編集]

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関連項目[編集]