イキガミ
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『イキガミ』は、間瀬元朗の漫画作品及びこれを原作とした映画。 漫画は週刊ヤングサンデー(小学館発行)で2004年に読み切りとして登場。その後読者からの大きな反響を受け、2005年9号より不定期で連載。その後2008年に同誌の休刊によりビッグコミックスピリッツへ移籍、同年41号から連載を再開している[1]。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] ストーリー
「国家繁栄維持法」。この法律は国民に「生命の価値」を再認識させることで国を豊かにすることを目的とし、その手段として若者たちを対象にしたある通知を出している。その通知とは「逝紙(いきがみ)」と呼ばれる死亡予告証である。 およそ1000分の1の確率で選ばれた者は、紙を貰ってから24時間後には死んでしまう。
[編集] 登場人物
- 藤本 賢吾(ふじもと けんご)
- 25歳。武蔵川区役所戸籍課勤務の男性公務員。彼は「逝紙配達人」と呼ばれ、逝紙を配る仕事をしている。本人はこの仕事を誇りに持つが、この時世に対してしばしば疑問を抱くこともある。
- 石井(いしい)
- 武蔵川区役所戸籍課課長。藤本の上司で、逝紙の配達を指示する役割を担う。自らも「逝紙配達人」を務めていた経歴を持つ。
- かつては、後述の「全共同」に参加し「安負闘争」を展開していたという設定から、現実の世界でいう団塊の世代に当たる。
- 久保 七湖(くぼ ななこ)
- 国繁サービスセンターの女性臨床心理士(セラピスト)。Episode 5 からは、武蔵川区役所内に新規開設されたカウンセリングルーム勤務。
- 藤本から好意を寄せられる存在だが、退廃思想者と思しき不穏な言動をみせる。そのため、藤本にとっては、憧れの存在であると同時に、警戒の対象でもある。
- 実際には後述の武蔵川ユニオンの中枢メンバーのひとりである。
[編集] 用語
- 国家繁栄維持法(通称「国繁」)
- この法律は平和な社会に暮らす国民に対し、「死」への恐怖感を植え付けることによって「生命の価値」を再認識させる事を目的としている。
- 国民は、この法律によって誰にカプセルが注入されたかを知ることができない。
- 国民はその時期(死亡予定の18~24歳の)が来るまで「自分は死ぬのでは」という危機感を常に持ちながら成長することになる。
- その「危機感」こそが「生命の価値」に対する国民の意識を高め、社会の生産性を向上させる。
- 「一部」からは「国民に命の尊さを分からせる為にロシアンルーレットを行う」ようなものとして批判されているが、その「一部」は退廃思想者として粛清されることになる(下記参照)。
- 国家繁栄予防接種
- 国家繁栄維持法に基づきこの国の全ての国民に義務づけられる予防接種。小学校入学時に実施される。予防接種に使用される全ての注射器(国繁接種用のP5型と呼ばれるもの、全国で一律に使用される)の0.1%に「ナノカプセル」が混入している。なお、誰にナノカプセルが注入されたかは関係者以外わからないシステムになっており、もしも判明してしまった場合は秘密を漏らした関係者は厳罰を受けることとなる。
- ナノカプセル
- 0.1%の注射器に混入している特殊なナノカプセルでカプセルは接種後、体内を漂い最終的に心臓の肺動脈内でとどまる。
- そして生命力がピークに達する18〜24歳までの予め設定された日時・時刻に破裂し、カプセルの保持者は死亡する。
- このカプセルは十数年間も体内を漂っているが、死亡予定時刻を1時間単位で設定可能である。
- 厚生保健省
- イキガミを発行している中央省庁。通称「厚保省」
- 国繁警察
- 国家繁栄維持法を滞りなく施行するために、反国繁法主義を唱える反乱分子を炙り出し粛清する権限を持つ厚生保険省管轄下の秘密警察。史実の特別高等警察がモデルと思われる。劇中では戦時中の「国務高等警察」が前身と語られている。
- 制服を着た職員も存在するが、私服の捜査官が日常社会のいたる所に紛れ込み、国民を監視している。摘発された退廃思想者に対しては「再教育」プログラムを施し、場合によっては、ナノカプセルの注入を行う。
- 国民は退廃思想者を見つけ次第、この国繁警察に通報することが推奨されている。反乱分子の鎮圧に独自の機動隊を運用するほどの大権を持つ。
- 中には、自ら退廃思想者になり済ましながら接触し、誘導尋問を仕掛け、退廃思想者に仕立て上げ検挙する捜査官や退廃思想者グループに潜り込む潜入捜査官も存在するとされ、一般の国民にとって彼らを特定することは困難である。
- 逝紙
- 正式名称「死亡予告証」
- 予告証には、左上に本人の写真、右の上から順に「氏名」「生年月日」「本籍」「住所」、中段下に「死亡予定時刻」と「あなたの御冥福を心からお祈りします。」の文字、一番下に「発行日付」と「○○○知事 ○○○○」及び(おそらく知事印と思われる)「印影」と「バーコード」が記載してある。
- 作者サイドは戦時中日本の赤紙がモデルとしているが、異論もある[2]。当時の近代国家では徴兵制は珍しくなく、日本でも有事に召集されることを国民の義務として受け止められていたが、太平洋戦争が始まり、特に敗戦色の濃くなる戦争末期になると、赤紙は召集令状というよりはほとんど死亡予告書に近いイメージが持たれ、これがそのまま逝紙の基本イメージとなったとされる[3]。
- 対象者の死亡予定24時間前の前後に国繁法についての記載がされている書類とセットで届けられる。
- (配達員が訪問時に本人が不在だった場合、代わりに「不在票」が置かれる。不在票を確認した死亡予定者はサービスセンターを通じて、予告証の配達を深夜・休日も含めて年中要求できる。)
- 「死亡予告証」は予定時刻の24時間内に限り、公共施設及び公共交通機関、国繁加盟店等を自由に使用できるチケットにもなる。また、後に遺族が「国家繁栄遺族年金」を受け取る際の証明書にもなる。
- また、「死亡予告証」の複製、偽造並びに不正使用も、重罪である。
- 国繁遺族年金
- 国繁死した者の遺族に受給される。しかし、自暴自棄になった国繁死対象者が犯罪を犯すと、その受給資格を奪われ、更に遺族が賠償責任を問われる。(ただし刑事責任は問われない。)
- なお、生前に犯罪を犯した国繁死亡者の遺族は「国賊」と見なされ、迫害や監視の対象となる。
- 退廃思想
- 主に「国家繁栄維持法」に反対する思想そのもの。同調意識の強いこの社会において、大抵の場合は家族ぐるみで凄まじい迫害を受ける。退廃思想者にはナノカプセルが注入されることになっている。
- また、その身内にも同様に、迫害の目が向けられ、国繁警察からも監視の対象とされる。
- 安全負担条約
- この作品の舞台となっている時代の56年前(作品の舞台が連載された年と同じなら1951年)に日本と戦勝国との間に交わされた軍事協定。
- 条約の中に国家繁栄維持法も盛り込まれて条約締結の翌年から施行された。
- 8年後に条約の改正があったときに「安負闘争」と呼ばれる大規模な運動があったが、条約は強行採決された。
- その8年後に、「全共同」という学生組織による大規模な反対運動があったが、その最中に最初の国繁死亡者が出たと語られている。
- ちなみに、この「全共同」には過去に石井課長も参加していた。
- 武蔵川ユニオン
- 武蔵川区を拠点に活動する、反国繁法主義を掲げる地下活動組織。自らの行動をレジスタンスや革命と称する。
- インターネットの裏サイトや若者同士のコミュニティを通し構成員を獲得している。会合では、構成員同士の親睦を深める他、自己啓発活動を行ってる模様。
以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。
[編集] 単行本
全てヤングサンデーコミックスで発売。
- 第1巻 2005年8月5日発行 ISBN 9784091532817
- 第2巻 2006年4月5日発行 ISBN 9784091510754
- 第3巻 2006年12月28日発行 ISBN 9784091511492
- 第4巻 2007年9月5日発行 ISBN 9784091512277
- 第5巻 2008年5月2日発行 ISBN 9784091513328
- 第6巻 2008年11月28日発行 ISBN 9784091514059
[編集] 映画
2008年9月27日に公開された。製作候補は53社が名乗りを上げた結果、TBSの製作が決まった。脚本は原作の間瀬元朗が参加し、1年以上かけて執筆。撮影は2008年3月4日から2ヶ月間行われた。興行収入は8.0億円。
[編集] キャスト
- 藤本賢吾:松田翔太
- 島田:劇団ひとり
- 鴨井洋介:浅利陽介
- 下山:鈴之助
- 池谷のぶえ
- 石井課長:笹野高史
- 参事官:柄本明
- 森尾秀和:塚本高史
- 田辺翼:金井勇太
- 田辺美奈子:りりィ
- 達彦:山崎裕太
- 神波:徳井優
- 飯田基祐
- 松尾諭
- ヒロシ
- 伊津野亮
- 谷川昭一朗
- 緒方明
- 北見敏之
- 滝沢和子:風吹ジュン
- 滝沢直樹:佐野和真
- 永倉大輔
- 中沢青六
- 及川いぞう
- 滝沢信利:塩見三省
- 飯塚さくら:成海璃子
- 近藤医師:井川遥
- 江口のりこ
- 角替和枝
- 山田明郷
- でんでん
- 諏訪太朗
- 森康子
- 松林慎司
- 深澤嵐
- 飯塚さとし:山田孝之
- 岩華響
[編集] スタッフ
[編集] 主題歌
- PhilHarmoUniQue「みちしるべ」
[編集] 著作権問題
本作品(特に第一話)が、作家星新一の初期作品「生活維持省」に内容・ストーリー・表現・設定等が酷似していることが問題視されている。
2005年の連載開始時には、設定・内容の類似について日本文藝家協会から指摘を受けた。
また本作品の映画化について、星の著作権を相続した娘星マリナが、本作品と「生活維持省」の類似について、「盗作問題」と考え、頭を痛めている旨メールに書いてきたと、筒井康隆が、2008年9月10日付のブログで明かした[4]。その後、星新一公式サイトでは星マリナの見解[5]および小学館側の見解[3]が掲載された。また同公式サイトには「生活維持省」の全文が期間限定で公開されていた(現在は掲載を終了)。小学館側は「作者・担当編集者はごく最近まで『生活維持省』に触れたことはない」とし、指摘された類似点についても「2作品に多くの相違点を感じます」と反論している。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ 小学館 ヤングサンデー連載作品の今後について
- ^ 詳細は「生活維持省」と「イキガミ」との類似点を参照のこと
- ^ a b 星マリナさんの『イキガミ』に対するお尋ねについて
- ^ 筒井康隆ブログ
- ^ 漫画「イキガミ」について
[編集] 外部リンク
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