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{{存命人物の出典明記|date=2013年3月31日 (日) 13:51 (UTC)}}
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{{Infobox 人物
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|氏名 = 近藤 誠
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|職業 = 医師
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|肩書き = 近藤誠がん研究所所長
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|活動期間 = 1973 -
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|受賞 = [[菊池寛賞]](2012年)
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|出身校 = [[慶應義塾]]中等部・高等学校<br/>[[慶應義塾大学大学院医学研究科・医学部|慶應義塾大学医学部]]
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|公式サイト = [http://www.kondo-makoto.com/ 近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来]
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}}
'''近藤 誠'''(こんどう まこと、[[1948年]][[10月24日]] - )は、[[日本]]の[[医師]]。[[慶應義塾]]の中高一貫、医学部を経て[[癌]]の放射線治療の専門家となり、元[[慶應義塾大学]][[医学部]]専任講師。現在は近藤誠がん研究所の所長である<ref name="career"/>。1980年代に乳房温存療法を日本で提唱した第一人者、1996年の『患者よ、 がんと闘うな』はベストセラーとなり近藤の名を一般に広め<ref name="がんは治るか"/>、その他『医師に殺されない47の心得』など<ref name=":0"/>。基本的に「がんは放置」という現代医療の価値観を揺るがす方針を提示しており、2012年には文化的業績に対し菊池寛賞を受賞、他方でこの放置療法について批判も寄せられている<ref name="記者の目"/>。
'''近藤 誠'''(こんどう まこと、[[1948年]][[10月24日]] - )は、[[日本]]の[[医師]]。[[慶應義塾]]の中高一貫、医学部を経て[[癌]]の放射線治療の専門家となり、元[[慶應義塾大学]][[医学部]]専任講師。現在は近藤誠がん研究所の所長である<ref name="career"/>。1980年代に乳房温存療法を日本で提唱した第一人者、1996年の『患者よ、がんと闘うな』はベストセラーとなり近藤の名を一般に広め<ref name="がんは治るか"/>、その他『医師に殺されない47の心得』など<ref name=":0"/>。基本的に「がんは放置」という現代医療の価値観を揺るがす方針を提示しており、2012年には文化的業績に対し菊池寛賞を受賞、他方でこの放置療法について批判も寄せられている<ref name="記者の目"/>。


== 来歴 ==
== 来歴 ==
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[[1976年]]、慶應義塾大学医学部[[放射線科]]助手に就任<ref name="career"/>。1979年からアメリカ合衆国に留学し[[ロスアラモス国立研究所]]の[[パイ中間子]]治療施設で勤務するが、この粒子線治療には見切りをつけ翌1980年に帰国<ref name="career"/>、「各種心疾患例における[[タリウムの同位体|タリウム-201]]心筋イメージング」で慶應義塾大学[[医学博士]]の学位を修得。国立東京第二病院(現[[国立病院機構東京医療センター]])[[核医学]]センターを経て、1983年に慶應義塾大学医学部専任講師に就任。
[[1976年]]、慶應義塾大学医学部[[放射線科]]助手に就任<ref name="career"/>。1979年からアメリカ合衆国に留学し[[ロスアラモス国立研究所]]の[[パイ中間子]]治療施設で勤務するが、この粒子線治療には見切りをつけ翌1980年に帰国<ref name="career"/>、「各種心疾患例における[[タリウムの同位体|タリウム-201]]心筋イメージング」で慶應義塾大学[[医学博士]]の学位を修得。国立東京第二病院(現[[国立病院機構東京医療センター]])[[核医学]]センターを経て、1983年に慶應義塾大学医学部専任講師に就任。


1988年に慶應義塾大学専任講師の肩書きで「乳ガンは切らずに治る」を『[[文藝春秋 (雑誌)|文藝春秋]]』に寄稿<ref name="career"/>。乳房温存療法を日本で最初に提唱したことで著名となる<ref name="がんは治るか">{{Cite journal |和書|author=近藤誠 |date=1999 |title=がんは治るか |journal=医学哲学 医学倫理 |volume=17 |issue=0 |pages=244-256 |doi=10.24504/itetsu.17.0_244 |url=https://doi.org/10.24504/itetsu.17.0_244}}</ref>。その後、1996年に『患者よ、 がんと闘うな』を出版しベストセラーとなる<ref name="がんは治るか"/>。文藝春秋から出版された『がん放置療法のすすめ 患者150の証言』や『医師に殺されない47の心得』といったベストセラーがある<ref name=":0"/>。
1988年に慶應義塾大学専任講師の肩書きで「乳ガンは切らずに治る」を『[[文藝春秋 (雑誌)|文藝春秋]]』に寄稿<ref name="career"/>。乳房温存療法を日本で最初に提唱したことで著名となる<ref name="がんは治るか">{{Cite journal |和書|author=近藤誠 |date=1999 |title=がんは治るか |journal=医学哲学 医学倫理 |volume=17 |issue=0 |pages=244-256 |doi=10.24504/itetsu.17.0_244 |url=https://doi.org/10.24504/itetsu.17.0_244}}</ref>。その後、1996年に『患者よ、がんと闘うな』を出版しベストセラーとなる<ref name="がんは治るか"/>。文藝春秋から出版された『がん放置療法のすすめ 患者150の証言』や『医師に殺されない47の心得』といったベストセラーがある<ref name=":0"/>。


2013年近藤誠がん研究所[[セカンドオピニオン]]外来を設立。2014年3月慶應義塾大学定年退職<ref name="career">[http://www.kondo-makoto.com/career.html 経歴] 近藤誠がん研究所セカンドオピニオン外来 2019年1月閲覧</ref>。[[癌]]のセカンドオピニオン外来を専門とし、独自理論による著書を通じて外科手術・化学療法・放射線療法を批判している。
2013年近藤誠がん研究所[[セカンドオピニオン]]外来を設立。2014年3月慶應義塾大学定年退職<ref name="career">[http://www.kondo-makoto.com/career.html 経歴] 近藤誠がん研究所セカンドオピニオン外来 2019年1月閲覧</ref>。[[癌]]のセカンドオピニオン外来を専門とし、独自理論による著書を通じて外科手術・化学療法・放射線療法を批判している。
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== 主張 ==
== 主張 ==
* 以前は{{いつ|date=2019年1月}}縮小手術を薦めていた。
* 以前は{{いつ|date=2019年1月}}縮小手術を薦めていた。
* [[手術]]、[[抗がん剤]]で治るという医師らを批判。
* 手術、[[抗がん剤]]で治るという医師らを批判。
*[[健康診断]]やがん検診が、無意味どころか、むしろ有害。健康な人に見つかる病気は治療しないほうが長生きできるという比較試験のデータが数多くある<ref name="livedoor">{{Cite web|url=https://news.livedoor.com/article/detail/9804630/|title=livedoorニュース - 医師が明かす健康診断の無意味さ 健康人を病人に転落させる?|accessdate=2019-7-18}}</ref>。
* [[健康診断]]やがん検診が、無意味どころか、むしろ有害。健康な人に見つかる病気は治療しないほうが長生きできるという比較試験のデータが数多くある<ref name="livedoor">{{Cite web|url=https://news.livedoor.com/article/detail/9804630/|title=livedoorニュース - 医師が明かす健康診断の無意味さ 健康人を病人に転落させる?|accessdate=2019-7-18}}</ref>。
* 「がんもどき」は悪化しないので放置しても良く、治らないがんは発症時に生命予後が決まっているため放置して静かに死を迎えるべきだと主張。
* 「がんもどき」は悪化しないので放置しても良く、治らないがんは発症時に生命予後が決まっているため放置して静かに死を迎えるべきだと主張。
*女性は医療の犠牲になりやすい。特に[[乳がん]]検診で受ける[[マンモグラフィ]]は有害。信頼できる海外の比較試験では、約9万人の被験者をマンモグラフィありとなしのグループに分けて追跡したところ、定期的に実施してもがん死亡者数が減らない上、一度の検査で乳がん発症の原因になりうるほどの放射線量を浴びる。日本では乳房を丸ごと切除する"乳房全摘出手術"が増加しているが、近藤の元にセカンドオピニオンで来る患者で、本当に全摘出が必要だった人はほとんどいない。また、[[子宮頸がん]]検診では、寿命が延びたという比較試験はなく、受けるメリットはなく、早期発見・早期治療で不要な手術をさせられ、子供を産めなくなってしまう可能性がある<ref name="livedoor"/>。
*女性は医療の犠牲になりやすい。特に[[乳がん]]検診で受ける[[マンモグラフィ]]は有害。信頼できる海外の比較試験では、約9万人の被験者をマンモグラフィありとなしのグループに分けて追跡したところ、定期的に実施してもがん死亡者数が減らない上、一度の検査で乳がん発症の原因になりうるほどの放射線量を浴びる。日本では乳房を丸ごと切除する"乳房全摘出手術"が増加しているが、近藤の元にセカンドオピニオンで来る患者で、本当に全摘出が必要だった人はほとんどいない。また、[[子宮頸がん]]検診では、寿命が延びたという比較試験はなく、受けるメリットはなく、早期発見・早期治療で不要な手術をさせられ、子供を産めなくなってしまう可能性がある<ref name="livedoor"/>。
*[[胃がん]]検診をやめた[[長野県]]の[[泰阜村]]では、胃がんで死ぬ人が半分以下になった。治療しなければ長生きできた人が、手術を受けたために早く死んだ"治療死"が胃がんで死んだことにされてきた<ref name="livedoor"/>。
* [[胃がん]]検診をやめた[[長野県]]の[[泰阜村]]では、胃がんで死ぬ人が半分以下になった。治療しなければ長生きできた人が、手術を受けたために早く死んだ"治療死"が胃がんで死んだことにされてきた<ref name="livedoor"/>。
* [[ワクチン]]に対しても批判的な立場を取る。2018年に『ワクチン副作用の恐怖』を出版。
* [[ワクチン]]に対しても批判的な立場を取る。2018年に『ワクチン副作用の恐怖』を出版。
*[[メタボ]]は[[厚生労働省]]を巻き込んだ[[陰謀]]の一端。日本では[[BMI]]は22が標準とされているが、実測データでは、男性は25-27が最も死亡率が低い。女性も[[高コレステロール血症]]とされた人の寿命は平均値の人と変わらない。基準値を引き下げるのは薬を売るため。こういう国は他にない<ref name="livedoor"/>。
* [[メタボ]]は[[厚生労働省]]を巻き込んだ[[陰謀]]の一端。日本では[[BMI]]は22が標準とされているが、実測データでは、男性は25-27が最も死亡率が低い。女性も[[高コレステロール血症]]とされた人の寿命は平均値の人と変わらない。基準値を引き下げるのは薬を売るため。こういう国は他にない<ref name="livedoor"/>。


== 批評 ==
== 批評 ==
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1986年まではFirst Authorとして放射線治療に関する論文を投稿、その後はLast Authorとして乳癌に関する論文を複数所有。独自理論に関する論文はなく、一般向けでのみ展開主張している。
1986年まではFirst Authorとして放射線治療に関する論文を投稿、その後はLast Authorとして乳癌に関する論文を複数所有。独自理論に関する論文はなく、一般向けでのみ展開主張している。


近藤が支持される背景には、過剰な医療処置によって苦しんだ人も多いということがある<ref name=":0"/>。過剰な投薬が命を縮めるという近藤の主張に対しては、少なくない医師の同意も得られる<ref name="記者の目"/>。『医者に殺されない47の心得』の反響として読者葉書は7000通を超え、その内容からは患者の気持ちを尊重した医療への疑問や後悔の気持ちが寄せられている<ref name="反響">{{Cite news |title=「医者に殺されない47の心得」反響から |newspaper=読売新聞 |date=2013-10-17 |author= |url=https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20131017-OYTEW52075/ |accessdate=2019-01-30}}</ref>。名古屋市大薬学部教授の粂和彦は、患者の生活が後回しにされ、近藤による批判が受け入れられやすい社会になってきたとする<ref name="反響"/>。
近藤が支持される背景には、過剰な医療処置によって苦しんだ人も多いということがある<ref name=":0"/>。過剰な投薬が命を縮めるという近藤の主張に対しては、少なくない医師の同意も得られる<ref name="記者の目"/>。『医者に殺されない47の心得』の反響として読者葉書は7000通を超え、その内容からは患者の気持ちを尊重した医療への疑問や後悔の気持ちが寄せられている<ref name="反響">{{Cite news |title=「医者に殺されない47の心得」反響から |newspaper=読売新聞 |date=2013-10-17 |author= |url=https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20131017-OYTEW52075/ |accessdate=2019-01-30}}</ref>。名古屋市大薬学部教授の粂和彦は、患者の生活が後回しにされ、近藤による批判が受け入れられやすい社会になってきたとする<ref name="反響"/>。


経済雑誌の『東洋経済』に掲載の虎の門病院の高野利実の見解では、近藤は独自の「がんもどき理論」を提唱し、外科手術・化学療法・放射線療法に警鐘を鳴らし「放置」も提案している。抗がん剤はダメだと思考停止しており、2000年ごろと比べて全否定的になってきたという<ref>{{Cite web|url=http://toyokeizai.net/articles/-/117054?page=2 |title=近藤誠氏の「抗がん剤全否定」は間違っている 「がん患者放置」は、あまりに無責任だ|author=高野利実|accessdate=2016-07-22|date=2016-05-10|publisher=東洋経済}}</ref>。
経済雑誌の『東洋経済』に掲載の虎の門病院の高野利実の見解では、近藤は独自の「がんもどき理論」を提唱し、外科手術・化学療法・放射線療法に警鐘を鳴らし「放置」も提案している。抗がん剤はダメだと思考停止しており、2000年ごろと比べて全否定的になってきたという<ref>{{Cite web|url=http://toyokeizai.net/articles/-/117054?page=2 |title=近藤誠氏の「抗がん剤全否定」は間違っている 「がん患者放置」は、あまりに無責任だ|author=高野利実|accessdate=2016-07-22|date=2016-05-10|publisher=東洋経済}}</ref>。


[[石井光 (医師)|石井光]]も、著書で近藤誠の「がん放置療法」への疑問・批判を述べている<ref>石井光『医者の嘘 医者は自分の都合でウソをつく』[[幻冬舎]]、2014年、3743頁。ISBN 978-4-344-02656-8。</ref>。
[[石井光 (医師)|石井光]]も、著書で近藤誠の「がん放置療法」への疑問・批判を述べている<ref>石井光『医者の嘘 医者は自分の都合でウソをつく』[[幻冬舎]]、2014年、37-43頁。ISBN 978-4-344-02656-8。</ref>。


[[インフォームド・コンセント]]を日本に広めた一人に近藤は数えられるが、日本医科大学武蔵小杉病院の腫瘍内科教授の勝俣範之によれば、近藤の広めたのは責任逃れのためのインフォームドコンセントで、近藤の持論を説明した後に患者が自己決定するという性質で、そうではなく各治療のメリットデメリットをもっと説明し患者の価値観を踏まえて共に決定しないといけない<ref name=":0">{{Cite web |publisher=日経メディカル |author=勝俣範之 |date=2016-04-12 |url=http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/cr/201604/546480_2.html |title=近藤理論を放置してはいけない |accessdate=2016-06-12}}</ref>。勝俣には『医療否定本の嘘』といった著作があり、近藤の主張を否定している立場である<ref name=":0"/>。
[[インフォームド・コンセント]]を日本に広めた一人に近藤は数えられるが、日本医科大学武蔵小杉病院の腫瘍内科教授の勝俣範之によれば、近藤の広めたのは責任逃れのためのインフォームドコンセントで、近藤の持論を説明した後に患者が自己決定するという性質で、そうではなく各治療のメリットデメリットをもっと説明し患者の価値観を踏まえて共に決定しないといけない<ref name=":0">{{Cite web |publisher=日経メディカル |author=勝俣範之 |date=2016-04-12 |url=http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/cr/201604/546480_2.html |title=近藤理論を放置してはいけない |accessdate=2016-06-12}}</ref>。勝俣には『医療否定本の嘘』といった著作があり、近藤の主張を否定している立場である<ref name=":0"/>。


著書『抗がん剤は効かない』では
著書『抗がん剤は効かない』では
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としているが、これは誤りであり、実際には日本人の胃癌の年齢調整死亡率は男女とも低下の一途をたどっている<ref>http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/site.html</ref><ref>[http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/annual.html 年次推移]がん情報サービス 2020年2月13日閲覧</ref>(年齢調整とするのは、長生きしただけ疾病罹患リスクが上がるため)。
としているが、これは誤りであり、実際には日本人の胃癌の年齢調整死亡率は男女とも低下の一途をたどっている<ref>http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/site.html</ref><ref>[http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/annual.html 年次推移]がん情報サービス 2020年2月13日閲覧</ref>(年齢調整とするのは、長生きしただけ疾病罹患リスクが上がるため)。


2001年に[[呉共済病院]]の上村直実医師により[[ヘリコバクター・ピロリ]]菌発癌が証明される<ref>Uemura N, et al. Helicobacter pylori Infection and the Development of Gastric Cancer. N Engl J Med 2001; 345:784-789 DOI: 10.1056/NEJMoa001999</ref>。それまで胃がん検診により一万人に一人が検診被曝による胃癌と言われていた。また胃癌[[X線]]検診([[胃透視]])による死亡率低下は認められており、胃がん検診はエビデンスに基いている<ref>[http://canscreen.ncc.go.jp/guideline/igan.html がん検診ガイドライン 胃がん] 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ</ref>。
2001年に[[呉共済病院]]の上村直実医師により[[ヘリコバクター・ピロリ]]菌発癌が証明される<ref>Uemura N, et al. Helicobacter pylori Infection and the Development of Gastric Cancer. N Engl J Med 2001; 345:784-789 {{DOI|10.1056/NEJMoa001999}}</ref>。それまで胃がん検診により一万人に一人が検診被曝による胃癌と言われていた。また胃癌[[X線]]検診([[胃透視]])による死亡率低下は認められており、胃がん検診はエビデンスに基いている<ref>[http://canscreen.ncc.go.jp/guideline/igan.html がん検診ガイドライン 胃がん] 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ</ref>。


{{quotation|六人の早期胃がんを十一~三十六ヵ月にわたって経過観察したところ、いずれも増大しなかった。(Lancet 1988;2<8611>:631)。|「抗癌剤は効かない」 p234.}}
{{quotation|六人の早期胃がんを十一~三十六ヵ月にわたって経過観察したところ、いずれも増大しなかった。(Lancet 1988;2<8611>:631)。|「抗癌剤は効かない」 p234.}}


著書で出典を記載しているが、この論文は胃がんとは全く関係のない[[ALS]]/[[パーキンソニズム]]の論文である<ref>Duncan MW, et al. 2-Amino-3 (methylamino)-propionic acid in cycad-derived foods is an unlikely cause of amyotrophic lateral sclerosis/parkinsonism. Lancet. 1988 Sep 10;2(8611):631-2.</ref>。本邦で早期胃癌を放置し観察した研究では、59%(13/22例)が進行癌となり、46%(10/22例)が胃癌死となっている<ref>https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee1973b/21/9/21_9_1086/_pdf</ref>。<br>
著書で出典を記載しているが、この論文は胃がんとは全く関係のない[[ALS]]/[[パーキンソニズム]]の論文である<ref>Duncan MW, et al. 2-Amino-3 (methylamino)-propionic acid in cycad-derived foods is an unlikely cause of amyotrophic lateral sclerosis/parkinsonism. Lancet. 1988 Sep 10;2(8611):631-2.</ref>。本邦で早期胃癌を放置し観察した研究では、59%(13/22例)が進行癌となり、46%(10/22例)が胃癌死となっているとの報告がある<ref>{{Cite journal|和書 |author=三嶋孝, 奥田茂, 大島明, 宋桂子, 平岡力 |title=早期胃癌の発育経過に関するProspective Study |journal=日本消化器内視鏡学会雑誌 |issn=0387-1207 |publisher=日本消化器内視鏡学会 |year=1979 |volume=21 |issue=9 |pages=1086-1093_1 |naid=130004251157 |doi=10.11280/gee1973b.21.1086 |url=https://doi.org/10.11280/gee1973b.21.1086}}</ref>。


近藤誠は乳癌検診にも否定的な論調を取る。しかし、1960年代1980年代に実施された複数のランダム化試験により、[[コクラン共同計画|コクラン・データベース]]でも、マンモグラフィによる乳癌検診が乳癌死亡率を低下させることが認められている<ref>Cochrane Database Syst Rev 2013; 6:[http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD001877.pub5/abstract CD001877.pub5]</ref>。この検査には議論がある。
近藤誠は乳癌検診にも否定的な論調を取る。しかし、1960年代から1980年代に実施された複数のランダム化試験により、[[コクラン共同計画|コクラン・データベース]]でも、マンモグラフィによる乳癌検診が乳癌死亡率を低下させることが認められている<ref>Cochrane Database Syst Rev 2013; 6:[http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD001877.pub5/abstract CD001877.pub5]</ref>。この検査には議論がある。
{{Seealso|乳がん#検診}}
{{Seealso|乳がん#検診}}


虚偽のグラフ([[前立腺癌]]の論文<ref>Holmberg L, et al. A Randomized Trial Comparing Radical Prostatectomy with Watchful Waiting in Early Prostate Cancer. N Engl J Med 2002; 347:781-789. DOI: 10.1056/NEJMoa012794</ref>を乳癌の論文としてすり替えるなど)を著書やテレビ番組で提示しており、専門医などから批判されている。<ref>http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20140716?fb_action_ids=720957147963821&fb_action_types=og.likes</ref><ref>http://togetter.com/li/691713</ref><br>
虚偽のグラフ([[前立腺癌]]の論文<ref>Holmberg L, et al. A Randomized Trial Comparing Radical Prostatectomy with Watchful Waiting in Early Prostate Cancer. N Engl J Med 2002; 347:781-789. {{DOI|10.1056/NEJMoa012794}}</ref>を乳癌の論文としてすり替えるなど)を著書やテレビ番組で提示しており、専門医などから批判されている。<ref>http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20140716?fb_action_ids=720957147963821&fb_action_types=og.likes</ref><ref>http://togetter.com/li/691713</ref><br>


近藤誠は2014年の「週刊文春Web」<ref>http://shukan.bunshun.jp/articles/-/3497 2014年1月6日</ref>で主張している。
近藤誠は2014年の「週刊文春Web」<ref>http://shukan.bunshun.jp/articles/-/3497 2014年1月6日</ref>で主張している。
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#がんに早期発見・早期治療のメリットはない。}}
#がんに早期発見・早期治療のメリットはない。}}


科学的根拠に基づく[[がん検診]]では、利益と不利益のバランスがどうかについては、がんの種類と検査方法の組み合わせの内、推奨される場合と不利益の方が上回る場合とがもう少し細かくまとめられている<ref>[http://canscreen.ncc.go.jp/guideline/matome.html がん検診ガイドライン 推奨のまとめ] 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ</ref>。とはいえ、医療現場では経営側の方針で不適切な検査が実施されることもある<ref>{{Cite news |title=不適切な画像検査:撮影増は病院利益 被ばくリスク考慮を |newspaper=毎日新聞 |date=2018-1-7 |author=河内敏康、藤野基文 |url=https://mainichi.jp/articles/20180107/k00/00e/040/170000c |accessdate=2019-01-30}}</ref>。
科学的根拠に基づく[[がん検診]]では、利益と不利益のバランスがどうかについては、がんの種類と検査方法の組み合わせの内、推奨される場合と不利益の方が上回る場合とがもう少し細かくまとめられている<ref>[http://canscreen.ncc.go.jp/guideline/matome.html がん検診ガイドライン 推奨のまとめ] 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ</ref>。とはいえ、医療現場では経営側の方針で不適切な検査が実施されることもある<ref>{{Cite news |title=不適切な画像検査:撮影増は病院利益 被ばくリスク考慮を |newspaper=毎日新聞 |date=2018-1-7 |author=河内敏康、藤野基文 |url=https://mainichi.jp/articles/20180107/k00/00e/040/170000c |accessdate=2019-01-30}}</ref>。


自身のホームページでは、減塩を批評し
自身のホームページでは、減塩を批評し
{{quotation|ところが、世界中の研究結果を調べてみても、減塩を正当化する研究結果はありません(Am J Hypertens 2016;29:543)。
{{quotation|ところが、世界中の研究結果を調べてみても、減塩を正当化する研究結果はありません(Am J Hypertens 2016;29:543)。
その論文では、こう述べています<br>
そのレビューでは、以下の様に述べてい
世界人口の90%は、6.7g~12.5gの間にあるから、6g未満だと、世界の60~70億人が食事内容を変更しなければならない。<br>
* 世界人口の90%は、6.7g~12.5gの間にあるから、6g未満だと、世界の60~70億人が食事内容を変更しなければならない。
そのような過激な勧告は、確実なエビデンスにもとづくべきだが、エビデンスは存在しない。<br>
* そのような過激な勧告は、確実なエビデンスにもとづくべきだが、エビデンスは存在しない。<br>
肥満や高血圧の人を群にわけ、片方の食塩摂取量を6gに下げた(6g未満ではない)比較試験では、塩分制限は寿命になんの影響も与えなかった。|https://kondo-makoto.com/report/report003.html}}
* 肥満や高血圧の人を2群にわけ、片方の食塩摂取量を6gに下げた(6g未満ではない)比較試験では、塩分制限は寿命になんの影響も与えなかった。|https://kondo-makoto.com/report/report003.html}}
この引用は、レビューであり、研究論文ではない。また極端な減塩は意味がない(A Radical Sodium Reduction Policy is not Supported by Randomized Controlled Trials or Observational Studies: Grading the Evidence)ことを過去の研究を引用し主張している。最適な減塩は 一日あたり2300mgのナトリウム=5.84gの食塩と著者はこのレビューで述べている<ref>https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26817656/</ref>。
この引用は、レビューであり、研究論文ではない。また極端な減塩は意味がない(A Radical Sodium Reduction Policy is not Supported by Randomized Controlled Trials or Observational Studies: Grading the Evidence)ことを過去の研究を引用し主張している。最適な減塩は 一日あたり2300mgのナトリウム=5.84gの食塩と著者はこのレビューで述べている<ref>Am J Hypertens., [https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26817656 A Radical Sodium Reduction Policy is not Supported by Randomized Controlled Trials or Observational Studies: Grading the Evidence.] 2016 May;29(5):543-8, PMID 26817656, {{DOI|10.1093/ajh/hpw006}} </ref>。


== 著書 ==
== 著書 ==
===単著===
===単著===
*『がん最前線に異状あり 偽りのときに終りを』[[広済堂出版]] 1988 「「がん」ほどつき合いやすい病気はない」[[講談社+α文庫]]
* 『がん最前線に異状あり 偽りのときに終りを』[[広済堂出版]] 1988 「「がん」ほどつき合いやすい病気はない」[[講談社+α文庫]]
*『乳ガン治療・あなたの選択 乳房温存療法のすべて』[[三省堂]] 1990
* 『乳ガン治療・あなたの選択 乳房温存療法のすべて』[[三省堂]] 1990
*『患者と語るガンの再発・転移』三省堂 1994
* 『患者と語るガンの再発・転移』三省堂 1994
*『がん治療「常識」のウソ』[[朝日新聞社]] 1994
* 『がん治療「常識」のウソ』[[朝日新聞社]] 1994
*『抗がん剤の副作用がわかる本』三省堂 1994
* 『抗がん剤の副作用がわかる本』三省堂 1994
*『それでもがん検診うけますか 専門医が教える本当の話』[[ネスコ]] 1994 のち[[文春文庫]]
* 『それでもがん検診うけますか 専門医が教える本当の話』[[ネスコ]] 1994 のち[[文春文庫]]
*『がんは切ればなおるのか』[[新潮社]] 1995 のち文庫
* 『がんは切ればなおるのか』[[新潮社]] 1995 のち文庫
*『ぼくがうけたいがん治療 信じる医療から考える医療へ』さいろ社 1995 「安心できるがん治療法 「治療死」しないために」講談社+α文庫
* 『ぼくがうけたいがん治療 信じる医療から考える医療へ』さいろ社 1995 「安心できるがん治療法 「治療死」しないために」講談社+α文庫
*『患者よ、がんと闘うな』[[文芸春秋]] 1996 のち文庫
* 『患者よ、がんと闘うな』[[文芸春秋]] 1996 のち文庫
* 『「治るがん」と「治らないがん」 医者が隠している「がん治療」の現実』講談社+α文庫 1998
* 『「治るがん」と「治らないがん」 医者が隠している「がん治療」の現実』講談社+α文庫 1998
*『なぜ、ぼくはがん治療医になったのか』新潮社 1998
* 『なぜ、ぼくはがん治療医になったのか』新潮社 1998
*『乳がんを忘れるための本 乳房温存療法がよくわかる』ネスコ 1999 のち文春文庫
* 『乳がんを忘れるための本 乳房温存療法がよくわかる』ネスコ 1999 のち文春文庫
*『ぼくがすすめるがん治療』文藝春秋 1999 のち文庫
* 『ぼくがすすめるがん治療』文藝春秋 1999 のち文庫
*『医原病 「医療信仰」が病気をつくりだしている』[[講談社+α新書]] 2000
* 『医原病 「医療信仰」が病気をつくりだしている』[[講談社+α新書]] 2000
*『本音で語る!よくない治療ダメな医者』三天書房 2000 「よくない治療、ダメな医者から逃れるヒント」講談社+α文庫
* 『本音で語る!よくない治療ダメな医者』三天書房 2000 「よくない治療、ダメな医者から逃れるヒント」講談社+α文庫
*『成人病の真実』文藝春秋 2002 のち文庫
* 『成人病の真実』文藝春秋 2002 のち文庫
*『大学病院が患者を死なせるとき 私が慶応大学医学部をやめない理由』講談社+α文庫 2003
* 『大学病院が患者を死なせるとき 私が慶応大学医学部をやめない理由』講談社+α文庫 2003
*『がん治療総決算』文藝春秋 2004 のち文庫
* 『がん治療総決算』文藝春秋 2004 のち文庫
*『新・抗がん剤の副作用がわかる本』三省堂 2004
* 『新・抗がん剤の副作用がわかる本』三省堂 2004
*『大病院「手術名医」の嘘』講談社+α文庫 2004
* 『大病院「手術名医」の嘘』講談社+α文庫 2004
*『データで見る抗がん剤のやめ方始め方』三省堂 2004
* 『データで見る抗がん剤のやめ方始め方』三省堂 2004
*『名医の「有害な治療」「死を早める手術」 患者が知らない医の本音』だいわ文庫 2008
* 『名医の「有害な治療」「死を早める手術」 患者が知らない医の本音』だいわ文庫 2008
*『あなたの癌は、がんもどき』梧桐書院 2010
* 『あなたの癌は、がんもどき』梧桐書院 2010
*『抗がん剤は効かない』文藝春秋 2011 『抗がん剤だけはやめなさい』文春文庫
* 『抗がん剤は効かない』文藝春秋 2011 『抗がん剤だけはやめなさい』文春文庫
*『放射線被ばくCT検査でがんになる』[[亜紀書房]] 2011
* 『放射線被ばくCT検査でがんになる』[[亜紀書房]] 2011
*『医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法』[[アスコム]] 2012
* 『医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法』[[アスコム]] 2012
*『がん放置療法のすすめ 患者150人の証言』[[文春新書]] 2012
* 『がん放置療法のすすめ 患者150人の証言』[[文春新書]] 2012
* 『「余命3カ月」のウソ』[[ベスト新書]]、2013
* 『「余命3カ月」のウソ』[[ベスト新書]]、2013
* 『がん治療で殺されない七つの秘訣』文藝春秋、2013 『何度でも言うがんとは決して闘うな』文春文庫
* 『がん治療で殺されない七つの秘訣』文藝春秋、2013 『何度でも言うがんとは決して闘うな』文春文庫
*『免疫療法に近づくな 長生きするなら「免疫力」より「抵抗力」』亜紀書房 2013
* 『免疫療法に近づくな 長生きするなら「免疫力」より「抵抗力」』亜紀書房 2013
*『「がんもどき」で早死にする人、「本物のがん」で長生きする人』[[幻冬舎]] 2013
* 『「がんもどき」で早死にする人、「本物のがん」で長生きする人』[[幻冬舎]] 2013
*『これでもがん治療を続けますか』文春新書 2014
* 『これでもがん治療を続けますか』文春新書 2014
*『近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか?』[[光文社新書]] 2014
* 『近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか?』[[光文社新書]] 2014
*『がんより怖いがん治療』[[小学館]] 2014
* 『がんより怖いがん治療』[[小学館]] 2014
*『もう、だまされない!近藤誠の「女性の医学」』[[集英社]] 2015
* 『もう、だまされない!近藤誠の「女性の医学」』[[集英社]] 2015
*『クスリに殺されない47の心得 体のチカラがよみがえる近藤流「断薬」のススメ』アスコム 2015
* 『クスリに殺されない47の心得 体のチカラがよみがえる近藤流「断薬」のススメ』アスコム 2015
*『日本は世界一の「医療被曝」大国』[[集英社新書]] 2015
* 『日本は世界一の「医療被曝」大国』[[集英社新書]] 2015
*『近藤誠のリビングノート ガンを安らかに迎えるための読むセカンドオピニオン』[[光文社]] 2015
* 『近藤誠のリビングノート ガンを安らかに迎えるための読むセカンドオピニオン』[[光文社]] 2015
*『近藤誠の家庭の医学』[[求龍堂]] 2015
* 『近藤誠の家庭の医学』[[求龍堂]] 2015
*『がん治療の95%は間違い』[[幻冬舎新書]] 2015
* 『がん治療の95%は間違い』[[幻冬舎新書]] 2015
*『がん患者よ、近藤誠を疑え ベストオピニオンを得るための45のアンサー』[[日本文芸社]] 2016
* 『がん患者よ、近藤誠を疑え ベストオピニオンを得るための45のアンサー』[[日本文芸社]] 2016
*『しあわせに死ぬために 56の言葉』[[双葉社]] 2016
* 『しあわせに死ぬために 56の言葉』[[双葉社]] 2016
*『ワクチン副作用の恐怖』文藝春秋 2017
* 『ワクチン副作用の恐怖』文藝春秋 2017
*『あなたが知っている健康常識では早死にする! 秘蔵データが示す健康寿命の延ばし方』徳間書店 2017
* 『あなたが知っている健康常識では早死にする! 秘蔵データが示す健康寿命の延ばし方』徳間書店 2017
*『がん患者自立学』[[晶文社]] 2017
* 『がん患者自立学』[[晶文社]] 2017
*『近藤誠がやっているがんにならない30の習慣』[[宝島社]] 2017
* 『近藤誠がやっているがんにならない30の習慣』[[宝島社]] 2017
*『健康診断は受けてはいけない』文春新書 2017
* 『健康診断は受けてはいけない』文春新書 2017
*『がん治療に殺された人、放置して生きのびた人』エクスナレッジ, 2018.11
* 『がん治療に殺された人、放置して生きのびた人』エクスナレッジ, 2018.11
*『最高の死に方と最悪の死に方』宝島社, 2018.9
* 『最高の死に方と最悪の死に方』宝島社, 2018.9
*『医者の大罪 医療サギに殺されない39の心得』(SB新書, 2019.10
* 『医者の大罪 医療サギに殺されない39の心得』(SB新書, 2019.10
*『このクスリがボケを生む! 「ケモブレイン」にならない13の知恵』[[学陽書房]], 2019.2
* 『このクスリがボケを生む! 「ケモブレイン」にならない13の知恵』[[学陽書房]], 2019.2
*『眠っているがんを起こしてはいけない。』[[飛鳥新社]], 2019.4
* 『眠っているがんを起こしてはいけない。』[[飛鳥新社]], 2019.4
*『医者が教える「がん」にならない30の習慣』(宝島社新書, 2019.7
* 『医者が教える「がん」にならない30の習慣』(宝島社新書, 2019.7
*『もう、がんでは死なない 二人に一人ががんになる時代の最高の治療法』マガジンハウス, 2020.11
* 『もう、がんでは死なない 二人に一人ががんになる時代の最高の治療法』マガジンハウス, 2020.11
*『医者のデマ 科学的根拠によれば医者の「効きますよ」、実はウソでした』エクスナレッジ, 2020.3
* 『医者のデマ 科学的根拠によれば医者の「効きますよ」、実はウソでした』エクスナレッジ, 2020.3
*『最新がん・部位別治療事典 「延命効果」「生活の質」で選ぶ。』講談社, 2020.4
* 『最新がん・部位別治療事典 「延命効果」「生活の質」で選ぶ。』講談社, 2020.4
*『こわいほどよくわかる新型コロナとワクチンのひみつ』ビジネス社, 2021.4
* 『こわいほどよくわかる新型コロナとワクチンのひみつ』ビジネス社, 2021.4


=== 共編著 ===
=== 共編著 ===
*『がん専門医よ、真実を語れ』編著 文芸春秋 1997 のち文庫
* 『がん専門医よ、真実を語れ』編著 文芸春秋 1997 のち文庫
*『「がんと闘うな」論争集 患者・医者関係を見直すために』編著 日本アクセル・シュプリンガー出版 1997
* 『「がんと闘うな」論争集 患者・医者関係を見直すために』編著 日本アクセル・シュプリンガー出版 1997
*『わたしが決める乳ガン治療 乳ガン体験者と医師からのアドバイス』イデアフォー共著 三天書房 1997
* 『わたしが決める乳ガン治療 乳ガン体験者と医師からのアドバイス』イデアフォー共著 三天書房 1997
*『「治らないがん」はどうしたらいいのか』編著 日本アクセル・シュプリンガー出版 1999
* 『「治らないがん」はどうしたらいいのか』編著 日本アクセル・シュプリンガー出版 1999
*『乳がん あなたの答えがみつかる本 よくわかる!最適な乳房温存療法』イデアフォー共著 双葉社 2002
* 『乳がん あなたの答えがみつかる本 よくわかる!最適な乳房温存療法』イデアフォー共著 双葉社 2002
*『医療ミス 被害者から学ぶ解決策』[[清水とよ子]]共著 講談社 2003
* 『医療ミス 被害者から学ぶ解決策』[[清水とよ子]]共著 講談社 2003
*『再発・転移の話をしよう』イデアフォー共著 三省堂 2003
* 『再発・転移の話をしよう』イデアフォー共著 三省堂 2003
*『死に方のヒント 満足のいく「生き方」を享受するために』[[ひろさちや]]共著 日本文芸社 2003
* 『死に方のヒント 満足のいく「生き方」を享受するために』[[ひろさちや]]共著 日本文芸社 2003
**『がん患者よ、医療地獄の犠牲になるな 迫りくる終末期をいかに人間らしく生き遂げるか』パンドラ新書
**『がん患者よ、医療地獄の犠牲になるな 迫りくる終末期をいかに人間らしく生き遂げるか』パンドラ新書
*『どうせ死ぬなら「がん」がいい』[[中村仁一]]共著 [[宝島社新書]] 2012
* 『どうせ死ぬなら「がん」がいい』[[中村仁一]]共著 [[宝島社新書]] 2012
*『「がん治療」のウソ』[[小野寺時夫]]ほか共著 宝島社新書 2014
* 『「がん治療」のウソ』[[小野寺時夫]]ほか共著 宝島社新書 2014
*『野垂れ死にの覚悟』[[曽野綾子]]共著 [[ベストセラーズ]] 2014
* 『野垂れ死にの覚悟』[[曽野綾子]]共著 [[ベストセラーズ]] 2014
*『ねこバカいぬバカ』[[養老孟司]]共著 小学館 2015
* 『ねこバカいぬバカ』[[養老孟司]]共著 小学館 2015
*『先生、医者代減らすと寿命が延びるって本当ですか? 飲んではいけないクスリ、受けると危ない治療がわかる!』[[倉田真由美]]共著 小学館 2015
* 『先生、医者代減らすと寿命が延びるって本当ですか? 飲んではいけないクスリ、受けると危ない治療がわかる!』[[倉田真由美]]共著 小学館 2015
*『世界一ラクな「がん治療」』[[萬田緑平]]共著 小学館 2016
* 『世界一ラクな「がん治療」』[[萬田緑平]]共著 小学館 2016
*『がんは治療か、放置か究極対決』[[林和彦]]共著 [[毎日新聞出版]] 2016
* 『がんは治療か、放置か究極対決』[[林和彦]]共著 [[毎日新聞出版]] 2016
*『がんを忘れたら、「余命」が延びました! 健診、抗がん剤、手術に効果なし』[[高橋三千綱]]共著 ビジネス社 2017
* 『がんを忘れたら、「余命」が延びました! 健診、抗がん剤、手術に効果なし』[[高橋三千綱]]共著 ビジネス社 2017
*『やってはいけない健康診断 早期発見・早期治療の「罠」』[[和田秀樹]]共著. SB新書 2018.3
* 『やってはいけない健康診断 早期発見・早期治療の「罠」』[[和田秀樹]]共著. SB新書 2018.3
*『死ねば宇宙の塵芥』[[曽野綾子]]共著. 宝島社新書, 2018.8
* 『死ねば宇宙の塵芥』[[曽野綾子]]共著. 宝島社新書, 2018.8
*『孟司と誠の健康生活委員会』[[養老孟司]]共著. 文藝春秋, 2019.4
* 『孟司と誠の健康生活委員会』[[養老孟司]]共著. 文藝春秋, 2019.4


=== 出演、その他出版物 ===
=== 出演、その他出版物 ===
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* [[船瀬俊介]] - 医療、環境問題を専門とする陰謀論者
* [[船瀬俊介]] - 医療、環境問題を専門とする陰謀論者
* [[丸山千里]] - 皮膚科医、丸山ワクチンの開発者
* [[丸山千里]] - 皮膚科医、丸山ワクチンの開発者
* [[逸見政孝]] - アナウンサー、司会者 闘病生活の様子が、その死後癌治療のあり方に一石を投じた
* [[逸見政孝]] - アナウンサー、司会者 闘病生活の様子が、その死後癌治療のあり方に一石を投じた


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
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2021年5月16日 (日) 21:17時点における版

こんどう まこと

近藤 誠
生誕 (1948-10-24) 1948年10月24日(76歳)
日本の旗 日本・東京都
国籍 日本の旗 日本
出身校 慶應義塾中等部・高等学校
慶應義塾大学医学部
職業 医師
活動期間 1973 -
肩書き 近藤誠がん研究所所長
受賞 菊池寛賞(2012年)
公式サイト 近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来
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近藤 誠(こんどう まこと、1948年10月24日 - )は、日本医師慶應義塾の中高一貫、医学部を経ての放射線治療の専門家となり、元慶應義塾大学医学部専任講師。現在は近藤誠がん研究所の所長である[1]。1980年代に乳房温存療法を日本で提唱した第一人者、1996年の『患者よ、がんと闘うな』はベストセラーとなり近藤の名を一般に広め[2]、その他『医師に殺されない47の心得』など[3]。基本的に「がんは放置」という現代医療の価値観を揺るがす方針を提示しており、2012年には文化的業績に対し菊池寛賞を受賞、他方でこの放置療法について批判も寄せられている[4]

来歴

1948年、東京都開業医の家に生まれる。1964年慶應義塾中等部卒業、1967年慶應義塾高等学校卒業。1973年慶應義塾大学医学部を卒業、同年医師国家試験に合格、同・同放射線科に入局[1]

米国ECFMG (Educational Commission for Foreign Medical Graduates) 取得。学部時代はボート部と茶道部に所属。医学部の同級生と学生結婚をしており、在学中に子供が誕生した[5]

1976年、慶應義塾大学医学部放射線科助手に就任[1]。1979年からアメリカ合衆国に留学しロスアラモス国立研究所パイ中間子治療施設で勤務するが、この粒子線治療には見切りをつけ翌1980年に帰国[1]、「各種心疾患例におけるタリウム-201心筋イメージング」で慶應義塾大学医学博士の学位を修得。国立東京第二病院(現国立病院機構東京医療センター核医学センターを経て、1983年に慶應義塾大学医学部専任講師に就任。

1988年に慶應義塾大学専任講師の肩書きで「乳ガンは切らずに治る」を『文藝春秋』に寄稿[1]。乳房温存療法を日本で最初に提唱したことで著名となる[2]。その後、1996年に『患者よ、がんと闘うな』を出版しベストセラーとなる[2]。文藝春秋から出版された『がん放置療法のすすめ 患者150の証言』や『医師に殺されない47の心得』といったベストセラーがある[3]

2013年近藤誠がん研究所セカンドオピニオン外来を設立。2014年3月慶應義塾大学定年退職[1]のセカンドオピニオン外来を専門とし、独自理論による著書を通じて外科手術・化学療法・放射線療法を批判している。

2012年、文化的業績を称えられて第60回菊池寛賞を受賞[4]。ほかに文藝春秋読者賞などを受賞している。

主張

  • 以前は[いつ?]縮小手術を薦めていた。
  • 手術、抗がん剤で治るという医師らを批判。
  • 健康診断やがん検診が、無意味どころか、むしろ有害。健康な人に見つかる病気は治療しないほうが長生きできるという比較試験のデータが数多くある[6]
  • 「がんもどき」は悪化しないので放置しても良く、治らないがんは発症時に生命予後が決まっているため放置して静かに死を迎えるべきだと主張。
  • 女性は医療の犠牲になりやすい。特に乳がん検診で受けるマンモグラフィは有害。信頼できる海外の比較試験では、約9万人の被験者をマンモグラフィありとなしのグループに分けて追跡したところ、定期的に実施してもがん死亡者数が減らない上、一度の検査で乳がん発症の原因になりうるほどの放射線量を浴びる。日本では乳房を丸ごと切除する"乳房全摘出手術"が増加しているが、近藤の元にセカンドオピニオンで来る患者で、本当に全摘出が必要だった人はほとんどいない。また、子宮頸がん検診では、寿命が延びたという比較試験はなく、受けるメリットはなく、早期発見・早期治療で不要な手術をさせられ、子供を産めなくなってしまう可能性がある[6]
  • 胃がん検診をやめた長野県泰阜村では、胃がんで死ぬ人が半分以下になった。治療しなければ長生きできた人が、手術を受けたために早く死んだ"治療死"が胃がんで死んだことにされてきた[6]
  • ワクチンに対しても批判的な立場を取る。2018年に『ワクチン副作用の恐怖』を出版。
  • メタボ厚生労働省を巻き込んだ陰謀の一端。日本ではBMIは22が標準とされているが、実測データでは、男性は25-27が最も死亡率が低い。女性も高コレステロール血症とされた人の寿命は平均値の人と変わらない。基準値を引き下げるのは薬を売るため。こういう国は他にない[6]

批評

1986年まではFirst Authorとして放射線治療に関する論文を投稿、その後はLast Authorとして乳癌に関する論文を複数所有。独自理論に関する論文はなく、一般向けでのみ展開主張している。

近藤が支持される背景には、過剰な医療処置によって苦しんだ人も多いということがある[3]。過剰な投薬が命を縮めるという近藤の主張に対しては、少なくない医師の同意も得られる[4]。『医者に殺されない47の心得』の反響として読者葉書は7000通を超え、その内容からは患者の気持ちを尊重した医療への疑問や後悔の気持ちが寄せられている[7]。名古屋市大薬学部教授の粂和彦は、患者の生活が後回しにされ、近藤による批判が受け入れられやすい社会になってきたとする[7]

経済雑誌の『東洋経済』に掲載の虎の門病院の高野利実の見解では、近藤は独自の「がんもどき理論」を提唱し、外科手術・化学療法・放射線療法に警鐘を鳴らし「放置」も提案している。抗がん剤はダメだと思考停止しており、2000年ごろと比べて全否定的になってきたという[8]

石井光も、著書で近藤誠の「がん放置療法」への疑問・批判を述べている[9]

インフォームド・コンセントを日本に広めた一人に近藤は数えられるが、日本医科大学武蔵小杉病院の腫瘍内科教授の勝俣範之によれば、近藤の広めたのは責任逃れのためのインフォームドコンセントで、近藤の持論を説明した後に患者が自己決定するという性質で、そうではなく各治療のメリットデメリットをもっと説明し患者の価値観を踏まえて共に決定しないといけない[3]。勝俣には『医療否定本の嘘』といった著作があり、近藤の主張を否定している立場である[3]

著書『抗がん剤は効かない』では

図10-1は日本人男性の胃がん統計です。近年発見数が急増しているのは、高齢者にまで内視鏡検査をするようになった影響と考えられる。他方胃がん死亡数は横ばい傾向です。早期発見理論が正しいとすると、検診で発見される胃がん総数が増えれば胃がん死亡数は減ってしかるべきです。ところが死亡数は変わらない。とすれば、胃がんのうち近年増加した部分は「もどき」であるはずです。 — 『抗がん剤は効かない』 p228.

としているが、これは誤りであり、実際には日本人の胃癌の年齢調整死亡率は男女とも低下の一途をたどっている[10][11](年齢調整とするのは、長生きしただけ疾病罹患リスクが上がるため)。

2001年に呉共済病院の上村直実医師によりヘリコバクター・ピロリ菌発癌が証明される[12]。それまで胃がん検診により一万人に一人が検診被曝による胃癌と言われていた。また胃癌X線検診(胃透視)による死亡率低下は認められており、胃がん検診はエビデンスに基いている[13]

六人の早期胃がんを十一~三十六ヵ月にわたって経過観察したところ、いずれも増大しなかった。(Lancet 1988;2<8611>:631)。 — 「抗癌剤は効かない」 p234.

著書で出典を記載しているが、この論文は胃がんとは全く関係のないALSパーキンソニズムの論文である[14]。本邦で早期胃癌を放置し観察した研究では、59%(13/22例)が進行癌となり、46%(10/22例)が胃癌死となっているとの報告がある[15]

近藤誠は乳癌検診にも否定的な論調を取る。しかし、1960年代から1980年代に実施された複数のランダム化試験により、コクラン・データベースでも、マンモグラフィによる乳癌検診が乳癌死亡率を低下させることが認められている[16]。この検査には議論がある。

虚偽のグラフ(前立腺癌の論文[17]を乳癌の論文としてすり替えるなど)を著書やテレビ番組で提示しており、専門医などから批判されている。[18][19]

近藤誠は2014年の「週刊文春Web」[20]で主張している。

#がん検診は有効ではない。
  1. がん治療のツールとして、手術や抗がん剤は無意味である。
  2. がんに早期発見・早期治療のメリットはない。

科学的根拠に基づくがん検診では、利益と不利益のバランスがどうかについては、がんの種類と検査方法の組み合わせの内、推奨される場合と不利益の方が上回る場合とがもう少し細かくまとめられている[21]。とはいえ、医療現場では経営側の方針で不適切な検査が実施されることもある[22]

自身のホームページでは、減塩を批評し

ところが、世界中の研究結果を調べてみても、減塩を正当化する研究結果はありません(Am J Hypertens 2016;29:543)。

そのレビューでは、以下の様に述べている。

  • 世界人口の90%は、6.7g~12.5gの間にあるから、6g未満だと、世界の60~70億人が食事内容を変更しなければならない。
  • そのような過激な勧告は、確実なエビデンスにもとづくべきだが、エビデンスは存在しない。
  • 肥満や高血圧の人を2群にわけ、片方の食塩摂取量を6gに下げた(6g未満ではない)比較試験では、塩分制限は寿命になんの影響も与えなかった。 — https://kondo-makoto.com/report/report003.html

この引用は、レビューであり、研究論文ではない。また極端な減塩は意味がない(A Radical Sodium Reduction Policy is not Supported by Randomized Controlled Trials or Observational Studies: Grading the Evidence)ことを過去の研究を引用し主張している。最適な減塩は 一日あたり2300mgのナトリウム=5.84gの食塩と著者はこのレビューで述べている[23]

著書

単著

  • 『がん最前線に異状あり 偽りのときに終りを』広済堂出版 1988 「「がん」ほどつき合いやすい病気はない」講談社+α文庫
  • 『乳ガン治療・あなたの選択 乳房温存療法のすべて』三省堂 1990
  • 『患者と語るガンの再発・転移』三省堂 1994
  • 『がん治療「常識」のウソ』朝日新聞社 1994
  • 『抗がん剤の副作用がわかる本』三省堂 1994
  • 『それでもがん検診うけますか 専門医が教える本当の話』ネスコ 1994 のち文春文庫
  • 『がんは切ればなおるのか』新潮社 1995 のち文庫
  • 『ぼくがうけたいがん治療 信じる医療から考える医療へ』さいろ社 1995 「安心できるがん治療法 「治療死」しないために」講談社+α文庫
  • 『患者よ、がんと闘うな』文芸春秋 1996 のち文庫
  • 『「治るがん」と「治らないがん」 医者が隠している「がん治療」の現実』講談社+α文庫 1998
  • 『なぜ、ぼくはがん治療医になったのか』新潮社 1998
  • 『乳がんを忘れるための本 乳房温存療法がよくわかる』ネスコ 1999 のち文春文庫
  • 『ぼくがすすめるがん治療』文藝春秋 1999 のち文庫
  • 『医原病 「医療信仰」が病気をつくりだしている』講談社+α新書 2000
  • 『本音で語る!よくない治療ダメな医者』三天書房 2000 「よくない治療、ダメな医者から逃れるヒント」講談社+α文庫
  • 『成人病の真実』文藝春秋 2002 のち文庫
  • 『大学病院が患者を死なせるとき 私が慶応大学医学部をやめない理由』講談社+α文庫 2003
  • 『がん治療総決算』文藝春秋 2004 のち文庫
  • 『新・抗がん剤の副作用がわかる本』三省堂 2004
  • 『大病院「手術名医」の嘘』講談社+α文庫 2004
  • 『データで見る抗がん剤のやめ方始め方』三省堂 2004
  • 『名医の「有害な治療」「死を早める手術」 患者が知らない医の本音』だいわ文庫 2008
  • 『あなたの癌は、がんもどき』梧桐書院 2010
  • 『抗がん剤は効かない』文藝春秋 2011 『抗がん剤だけはやめなさい』文春文庫
  • 『放射線被ばくCT検査でがんになる』亜紀書房 2011
  • 『医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法』アスコム 2012
  • 『がん放置療法のすすめ 患者150人の証言』文春新書 2012
  • 『「余命3カ月」のウソ』ベスト新書、2013
  • 『がん治療で殺されない七つの秘訣』文藝春秋、2013 『何度でも言うがんとは決して闘うな』文春文庫
  • 『免疫療法に近づくな 長生きするなら「免疫力」より「抵抗力」』亜紀書房 2013
  • 『「がんもどき」で早死にする人、「本物のがん」で長生きする人』幻冬舎 2013
  • 『これでもがん治療を続けますか』文春新書 2014
  • 『近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか?』光文社新書 2014
  • 『がんより怖いがん治療』小学館 2014
  • 『もう、だまされない!近藤誠の「女性の医学」』集英社 2015
  • 『クスリに殺されない47の心得 体のチカラがよみがえる近藤流「断薬」のススメ』アスコム 2015
  • 『日本は世界一の「医療被曝」大国』集英社新書 2015
  • 『近藤誠のリビングノート ガンを安らかに迎えるための読むセカンドオピニオン』光文社 2015
  • 『近藤誠の家庭の医学』求龍堂 2015
  • 『がん治療の95%は間違い』幻冬舎新書 2015
  • 『がん患者よ、近藤誠を疑え ベストオピニオンを得るための45のアンサー』日本文芸社 2016
  • 『しあわせに死ぬために 56の言葉』双葉社 2016
  • 『ワクチン副作用の恐怖』文藝春秋 2017
  • 『あなたが知っている健康常識では早死にする! 秘蔵データが示す健康寿命の延ばし方』徳間書店 2017
  • 『がん患者自立学』晶文社 2017
  • 『近藤誠がやっているがんにならない30の習慣』宝島社 2017
  • 『健康診断は受けてはいけない』文春新書 2017
  • 『がん治療に殺された人、放置して生きのびた人』エクスナレッジ, 2018.11
  • 『最高の死に方と最悪の死に方』宝島社, 2018.9
  • 『医者の大罪 医療サギに殺されない39の心得』(SB新書, 2019.10
  • 『このクスリがボケを生む! 「ケモブレイン」にならない13の知恵』学陽書房, 2019.2
  • 『眠っているがんを起こしてはいけない。』飛鳥新社, 2019.4
  • 『医者が教える「がん」にならない30の習慣』(宝島社新書, 2019.7
  • 『もう、がんでは死なない 二人に一人ががんになる時代の最高の治療法』マガジンハウス, 2020.11
  • 『医者のデマ 科学的根拠によれば医者の「効きますよ」、実はウソでした』エクスナレッジ, 2020.3
  • 『最新がん・部位別治療事典 「延命効果」「生活の質」で選ぶ。』講談社, 2020.4
  • 『こわいほどよくわかる新型コロナとワクチンのひみつ』ビジネス社, 2021.4

共編著

  • 『がん専門医よ、真実を語れ』編著 文芸春秋 1997 のち文庫
  • 『「がんと闘うな」論争集 患者・医者関係を見直すために』編著 日本アクセル・シュプリンガー出版 1997
  • 『わたしが決める乳ガン治療 乳ガン体験者と医師からのアドバイス』イデアフォー共著 三天書房 1997
  • 『「治らないがん」はどうしたらいいのか』編著 日本アクセル・シュプリンガー出版 1999
  • 『乳がん あなたの答えがみつかる本 よくわかる!最適な乳房温存療法』イデアフォー共著 双葉社 2002
  • 『医療ミス 被害者から学ぶ解決策』清水とよ子共著 講談社 2003
  • 『再発・転移の話をしよう』イデアフォー共著 三省堂 2003
  • 『死に方のヒント 満足のいく「生き方」を享受するために』ひろさちや共著 日本文芸社 2003
    • 『がん患者よ、医療地獄の犠牲になるな 迫りくる終末期をいかに人間らしく生き遂げるか』パンドラ新書
  • 『どうせ死ぬなら「がん」がいい』中村仁一共著 宝島社新書 2012
  • 『「がん治療」のウソ』小野寺時夫ほか共著 宝島社新書 2014
  • 『野垂れ死にの覚悟』曽野綾子共著 ベストセラーズ 2014
  • 『ねこバカいぬバカ』養老孟司共著 小学館 2015
  • 『先生、医者代減らすと寿命が延びるって本当ですか? 飲んではいけないクスリ、受けると危ない治療がわかる!』倉田真由美共著 小学館 2015
  • 『世界一ラクな「がん治療」』萬田緑平共著 小学館 2016
  • 『がんは治療か、放置か究極対決』林和彦共著 毎日新聞出版 2016
  • 『がんを忘れたら、「余命」が延びました! 健診、抗がん剤、手術に効果なし』高橋三千綱共著 ビジネス社 2017
  • 『やってはいけない健康診断 早期発見・早期治療の「罠」』和田秀樹共著. SB新書 2018.3
  • 『死ねば宇宙の塵芥』曽野綾子共著. 宝島社新書, 2018.8
  • 『孟司と誠の健康生活委員会』養老孟司共著. 文藝春秋, 2019.4

出演、その他出版物

2003年に、ロシア語翻訳者の米原万里卵巣癌の診断を受け、転移の疑いがあると診断されるも外科手術による摘出、抗がん剤投与、放射線治療を拒否。セカンド・オピニオンで近藤の指示(治療を行わずに放置)を仰ぎ実践。3年後、2006年冬頃に抗がん剤治療へ切替る。同年5月、自宅にて死去、享年56歳。闘病の経緯は米原の著書「打ちのめされるようなすごい本[24]」に掲載されている。

1994年、東京都杉並区在住の渡辺容子(当時40歳)が右乳房にしこりを感じ近藤の診療を受診。2010年、渡辺は癌の全身転移により近藤から余命1年の宣告を受ける。2012年2月、骨転移が原因の激痛に見舞われ1か月後、豊島病院緩和ケア病棟で死去。死亡宣告からの1年は「いのちを楽しむ-容子とがんの2年間」ドキュメンタリー映画が制作された[25][26]

TBS中居正広の金曜日のスマたちへ異端の医師スペシャル」(2014年)出演

ビッグコミック』(小学館)2014年22号より連載されている漫画作品『医者を見たら死神と思え』(原作:よこみぞ邦彦、作画:はしもとみつお)では監修を務める。また同号では表紙イラストに近藤が登場した。

翻訳

  • ジェローム・グループマン『セカンド・オピニオン 患者よ、一人の医者で安心するな!』平岡諦共監訳 PHP研究所 2001

関連書籍

出典

  1. ^ a b c d e f 経歴 近藤誠がん研究所セカンドオピニオン外来 2019年1月閲覧
  2. ^ a b c 近藤誠「がんは治るか」『医学哲学 医学倫理』第17巻第0号、1999年、244-256頁、doi:10.24504/itetsu.17.0_244 
  3. ^ a b c d e 勝俣範之 (2016年4月12日). “近藤理論を放置してはいけない”. 日経メディカル. 2016年6月12日閲覧。
  4. ^ a b c 三輪晴美 (2015年11月17日). “<記者の目>がん治療法巡る論争”. 毎日新聞. https://mainichi.jp/articles/20151117/org/00m/040/003000c 2019年1月30日閲覧。 
  5. ^ 「慶応大学医学部専任講師 近藤誠(現代の肖像)」『AERA』2012年7月19日号、朝日新聞社、2004年7月12日。 
  6. ^ a b c d livedoorニュース - 医師が明かす健康診断の無意味さ 健康人を病人に転落させる?”. 2019年7月18日閲覧。
  7. ^ a b “「医者に殺されない47の心得」反響から”. 読売新聞. (2013年10月17日). https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20131017-OYTEW52075/ 2019年1月30日閲覧。 
  8. ^ 高野利実 (2016年5月10日). “近藤誠氏の「抗がん剤全否定」は間違っている 「がん患者放置」は、あまりに無責任だ”. 東洋経済. 2016年7月22日閲覧。
  9. ^ 石井光『医者の嘘 医者は自分の都合でウソをつく』幻冬舎、2014年、37-43頁。ISBN 978-4-344-02656-8
  10. ^ http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/site.html
  11. ^ 年次推移がん情報サービス 2020年2月13日閲覧
  12. ^ Uemura N, et al. Helicobacter pylori Infection and the Development of Gastric Cancer. N Engl J Med 2001; 345:784-789 doi:10.1056/NEJMoa001999
  13. ^ がん検診ガイドライン 胃がん 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ
  14. ^ Duncan MW, et al. 2-Amino-3 (methylamino)-propionic acid in cycad-derived foods is an unlikely cause of amyotrophic lateral sclerosis/parkinsonism. Lancet. 1988 Sep 10;2(8611):631-2.
  15. ^ 三嶋孝, 奥田茂, 大島明, 宋桂子, 平岡力「早期胃癌の発育経過に関するProspective Study」『日本消化器内視鏡学会雑誌』第21巻第9号、日本消化器内視鏡学会、1979年、1086-1093_1、doi:10.11280/gee1973b.21.1086ISSN 0387-1207NAID 130004251157 
  16. ^ Cochrane Database Syst Rev 2013; 6:CD001877.pub5
  17. ^ Holmberg L, et al. A Randomized Trial Comparing Radical Prostatectomy with Watchful Waiting in Early Prostate Cancer. N Engl J Med 2002; 347:781-789. doi:10.1056/NEJMoa012794
  18. ^ http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20140716?fb_action_ids=720957147963821&fb_action_types=og.likes
  19. ^ http://togetter.com/li/691713
  20. ^ http://shukan.bunshun.jp/articles/-/3497 2014年1月6日
  21. ^ がん検診ガイドライン 推奨のまとめ 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ
  22. ^ 河内敏康、藤野基文 (2018年1月7日). “不適切な画像検査:撮影増は病院利益 被ばくリスク考慮を”. 毎日新聞. https://mainichi.jp/articles/20180107/k00/00e/040/170000c 2019年1月30日閲覧。 
  23. ^ Am J Hypertens., A Radical Sodium Reduction Policy is not Supported by Randomized Controlled Trials or Observational Studies: Grading the Evidence. 2016 May;29(5):543-8, PMID 26817656, doi:10.1093/ajh/hpw006
  24. ^ 株式会社文藝春秋、2006年10月刊(2009年、文春文庫収録)ISBN 9784163684000 (ISBN 9784167671044)
  25. ^ 「自ら考え、決める」貫く がん患者の記録映画 各地で上映 2013年10月17日 東京新聞
  26. ^ 「いのちを楽しむ-容子とがんの2年間」ホームページ

関連項目

  • 内海聡 - 内科医、現代医療の多くを否定している。
  • 船瀬俊介 - 医療、環境問題を専門とする陰謀論者
  • 丸山千里 - 皮膚科医、丸山ワクチンの開発者
  • 逸見政孝 - アナウンサー、司会者 闘病生活の様子が、その死後癌治療のあり方に一石を投じた

外部リンク