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「ヤマカガシ」の版間の差分

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== 形態 ==
== 形態 ==
[[File:Rhabdophis tigrinus DSCN2681.JPG|thumb|left|200px|頭部]]
[[File:Rhabdophis tigrinus DSCN2681.JPG|thumb|left|200px|頭部]]
全長60 - 120センチメートル<ref name="toriba1" />。頭胴長は55 - 120cm<ref name=Tomita2007 />。[[丹沢山地]]では[[1972年]]8月、全長142センチメートルで太さが牛乳瓶ほどの個体が捕まったことがある<ref>[[朝日新聞]]横浜支局編『丹沢物語』p.51([[朝日ソノラマ]]){{出典無効|date=2017年7月}}</ref>。体色は地域変異があり、関東地方の個体群は体側面に赤色と黒色の斑紋が交互に入る<ref name="toriba1"/>。関西地方の個体群は体側面の斑紋が不明瞭<ref name="toriba1" />。近畿地方西部から中国地方の個体群では青色型もみられる<ref>鳥羽通久 「[http://doi.org/10.14880/hrghsj1999.2002.68 ヤマカガシの青色型について]」『爬虫両棲類学会報』2002巻 2号、日本爬虫両棲類学会、2002年、68-69頁。</ref>。
全長60 - 120センチメートル<ref name="toriba1" />。頭胴長は55 - 120cm<ref name=Tomita2007 />。[[丹沢山地]]では1972年8月、全長142センチメートルで太さが牛乳瓶ほどの個体が捕まったことがある<ref>[[朝日新聞]]横浜支局編『丹沢物語』p.51([[朝日ソノラマ]]){{出典無効|date=2017年7月}}</ref>。体色は地域変異があり、関東地方の個体群は体側面に赤色と黒色の斑紋が交互に入る<ref name="toriba1"/>。関西地方の個体群は体側面の斑紋が不明瞭<ref name="toriba1" />。近畿地方西部から中国地方の個体群では青色型もみられる<ref>鳥羽通久 「[https://doi.org/10.14880/hrghsj1999.2002.68 ヤマカガシの青色型について]」『爬虫両棲類学会報』2002年 2002巻 2号 p.68-69, {{doi|10.14880/hrghsj1999.2002.68}}</ref>。


頸部背面には黄色の帯があり、幼体でより鮮やかで、成長するにつれてくすんでくる。この黄色の帯も個体によっては表れない。胴中央付近の背面の体鱗数は19列<ref name=Tomita2007 />。鱗には強いキールがある。
頸部背面には黄色の帯があり、幼体でより鮮やかで、成長するにつれてくすんでくる。この黄色の帯も個体によっては表れない。胴中央付近の背面の体鱗数は19列<ref name=Tomita2007 />。鱗には強いキールがある。


=== 毒 ===
=== 毒 ===
頸腺毒とデュベルノワ腺(Duvernoy)毒の2種類を有する<ref>小川弘俊、大村豊、大橋大造 ほか、[https://www.jstage.jst.go.jp/article/ringe1963/47/2/47_2_250/_article/references/-char/ja/ ヤマカガシ咬傷にて死亡した1例および本邦報告例の検討] 日本臨床外科医学会雑誌 Vol.47 (1986) No.2 P.250-253, {{doi|10.3919/ringe1963.47.250}}</ref>。
頸腺毒とデュベルノワ腺(Duvernoy)毒の2種類を有する<ref>小川弘俊、大村豊、大橋大造 ほか、[https://doi.org/10.3919/ringe1963.47.250 ヤマカガシ咬傷にて死亡した1例および本邦報告例の検討] 日本臨床外科医学会雑誌 Vol.47 (1986) No.2 P.250-253, {{doi|10.3919/ringe1963.47.250}}</ref>。


[[1932年]]に咬傷時に出血傾向が見られるなどの数例の咬傷時の報告例はあったが、以前は無毒種であると考えられていた<ref>小川弘俊, 大村豊, 大橋大造, 入谷勇夫, 加藤政隆, 待木 雄一, 「[http://doi.org/10.3919/ringe1963.47.250 ヤマカガシ咬傷にて死亡した1例および本邦報告例の検討] 」『日本臨床外科医学会雑誌』第47巻 2号、日本臨床外科学会、1986年、250-253頁。</ref>。咬傷時の症状が[[ブームスラング]]と一致すること・後述する死亡例などから、[[1974年]]に有毒種と報告された<ref>リチャード C. ゴリス 「[http://doi.org/10.5358/hsj1972.5.3_60 ヤマカガシの毒性について]」『爬虫両棲類学雑誌』第5巻 3号、日本爬虫両棲類学会、1974年、63頁, {{doi|10.5358/hsj1972.5.3_60}}</ref>。
1932年に咬傷時に出血傾向が見られるなどの数例の咬傷時の報告例はあったが、以前は無毒種であると考えられていた<ref>小川弘俊, 大村豊, 大橋大造, 入谷勇夫, 加藤政隆, 待木 雄一, 「[https://doi.org/10.3919/ringe1963.47.250 ヤマカガシ咬傷にて死亡した1例および本邦報告例の検討] 」『日本臨床外科医学会雑誌』第47巻 2号、日本臨床外科学会、1986年、250-253頁。</ref>。咬傷時の症状が[[ブームスラング]]と一致すること・後述する死亡例などから、1974年に有毒種と報告された<ref>リチャード C. ゴリス 「[https://doi.org/10.5358/hsj1972.5.3_60 ヤマカガシの毒性について]」『爬虫両棲類学雑誌』第5巻 3号、日本爬虫両棲類学会、1974年、63頁, {{doi|10.5358/hsj1972.5.3_60}}</ref>。


毒牙は上顎の奥歯にあり、0.2センチメートル以下と短い<ref name="sakai">堺淳、森口一、鳥羽通久「[http://doi.org/10.14880/hrghsj1999.2002.75 フィールドワーカーのための毒蛇咬症ガイド]」『爬虫両棲類学会報』第2002巻 2号、日本爬虫両棲類学会、2002年、11-17頁。</ref>。[[毒腺]](デュベルノワ腺)を圧迫する筋肉が無いため、一瞬噛まれただけでは毒が注入されないこともある<ref name="sakai" />。
毒牙は上顎の奥歯にあり、0.2センチメートル以下と短い<ref name="sakai">堺淳、森口一、鳥羽通久「[https://doi.org/10.14880/hrghsj1999.2002.75 フィールドワーカーのための毒蛇咬症ガイド]」『爬虫両棲類学会報』第2002巻 2号、日本爬虫両棲類学会、2002年、11-17頁。</ref>。[[毒腺]](デュベルノワ腺)を圧迫する筋肉が無いため、一瞬噛まれただけでは毒が注入されないこともある<ref name="sakai" />。


毒性は強い[[血液凝固]]作用で、血管内で微小な[[血栓]]形成を引き起こす<ref name="sakai" />。咬傷直後には局所的な激しい痛みや腫れはあまり起こらない<ref name="sakai" />。毒が患部から[[血液]]に入ると、血液凝固作用により[[フィブリノーゲン]]が大量に消費される<ref name="sakai" />。フィブリノーゲン、続けて[[血小板]]が血栓の形成に伴い減少することで全身の血液が止血作用を失う<ref name="sakai" />。並行して血栓を溶かす作用(線溶血性)が亢進し、[[毛細血管]]が多い鼻粘膜・[[歯茎]]・消化器官・[[肺]]からの出血、全身の皮下出血を引き起こす<ref name="sakai" />。出血あるいは血栓が原因と考えられている一過性の[[頭痛]]が起こることがあり、頭痛が発生した場合は毒量が多いと考えられ重症化する例が多い<ref name="sakai" />。[[赤血球]]が血栓で狭窄した血管を通る際に損傷し、赤血球内の[[ヘモグロビン]]が血中あるいは[[尿]]に溶出するため褐色尿も見られる<ref name="sakai" />。重症例では[[脳出血]]・急性[[腎不全]]・[[播種性血管内凝固症候群|DIC]]などを引き起こす<ref name="sakai" />。20グラムのマウスに対する[[半数致死量]](LD50/20g mouse)は静脈注射で5.3マイクログラム、(日本産の他種では[[セグロウミヘビ]]1.7 - 2.2マイクログラム、[[ニホンマムシ]]19.5 - 23.7マイクログラム、[[ハブ_(動物)|ハブ]]沖縄島個体34.8マイクログラム・奄美大島個体47.8マイクログラムなど)<ref name="sakai" />。
毒性は強い[[血液凝固]]作用で、血管内で微小な[[血栓]]形成を引き起こす<ref name="sakai" />。咬傷直後には局所的な激しい痛みや腫れはあまり起こらない<ref name="sakai" />。毒が患部から[[血液]]に入ると、血液凝固作用により[[フィブリノーゲン]]が大量に消費される<ref name="sakai" />。フィブリノーゲン、続けて[[血小板]]が血栓の形成に伴い減少することで全身の血液が止血作用を失う<ref name="sakai" />。並行して血栓を溶かす作用(線溶血性)が亢進し、[[毛細血管]]が多い鼻粘膜・[[歯茎]]・消化器官・[[肺]]からの出血、全身の皮下出血を引き起こす<ref name="sakai" />。出血あるいは血栓が原因と考えられている一過性の[[頭痛]]が起こることがあり、頭痛が発生した場合は毒量が多いと考えられ重症化する例が多い<ref name="sakai" />。[[赤血球]]が血栓で狭窄した血管を通る際に損傷し、赤血球内の[[ヘモグロビン]]が血中あるいは[[尿]]に溶出するため褐色尿も見られる<ref name="sakai" />。重症例では[[脳出血]]・急性[[腎不全]]・[[播種性血管内凝固症候群]]などを引き起こす<ref name="sakai" />。


頸部皮下にも毒腺(頸腺)があり<ref name="sakai" />、頸部を圧迫すると毒が飛び散る<ref name="toriba1" />。目に入った場合の症例として刺激痛や[[結膜炎]]・充血・角膜混濁・[[角膜|デスメ膜]]の線状混濁・角膜知覚麻痺・瞳孔反応の遅鈍・縮瞳・散瞳・虹彩炎などがある<ref name="kawamoto_kumada">川本文彦, 熊田信夫 「[http://doi.org/10.7601/mez.40.211 自ら経験したヤマカガシ頸腺毒による眼障害]」『衞生動物』40巻 3号、日本衛生動物学会、1989年、211-212, {{doi|10.7601/mez.40.211}}</ref>。この頸腺の毒は、餌である[[ニホンヒキガエル]]の持つ毒([[強心配糖体|ブフォトキシン]])を貯蓄して使用していることが明らかになった<ref>[http://www.chemeco.kais.kyoto-u.ac.jp/project_snake.html ヤマカガシの毒成分 Toxins of Japanese snake Rhabdophis tigrinus] 京都大学 化学生態学研究室</ref><ref name=SA>{{Cite web|url=http://www.scientificamerican.com/article.cfm?id=snake-bites-the-toxic-toa|title=Snake Bites the Toxic Toad That Feeds It--and Spreads Its Poison|accessdate=2010-12-05|author=JR Minkel}}</ref><ref name=NAS>{{Cite web|url=http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1892995/|title=Dietary sequestration of defensive steroids in nuchal glands of the Asian snake ''Rhabdophis tigrinus'', PNAS,Vol. 104, 2007,pp. 2265-2270|accessdate=2010-12-05|author=Deborah A. Hutchinson et al.}}{{リンク切れ|date=2018年4月}}</ref>。ヒキガエルが生息しない[[金華山_(宮城県)|金華山]]に生息するヤマカガシはこの頸腺の毒を持たないが、このヤマカガシがヒキガエルを捕食すると、この毒を分泌するようになった<ref name=NAS /><ref>[http://blog.miraikan.jst.go.jp/other/20131227post-445.html カエルの威を借るヘビ。] - [[日本科学未来館]] > 科学コミュニケーターブログ(2013年12月27日更新)2018年4月5日閲覧</ref>。
頸部皮下にも毒腺(頸腺)があり<ref name="sakai" />、頸部を圧迫すると毒が飛び散る<ref name="toriba1" />。目に入った場合の症例として刺激痛や[[結膜炎]]・充血・角膜混濁・[[角膜|デスメ膜]]の線状混濁・角膜知覚麻痺・瞳孔反応の遅鈍・縮瞳・散瞳・虹彩炎などがある<ref name="kawamoto_kumada">川本文彦, 熊田信夫 「[https://doi.org/10.7601/mez.40.211 自ら経験したヤマカガシ頸腺毒による眼障害]」『衞生動物』1989年 40巻 3号 p.211-212, {{doi|10.7601/mez.40.211}}</ref>。この頸腺の毒は、餌である[[ニホンヒキガエル]]の持つ毒([[強心配糖体|ブフォトキシン]])を貯蓄して使用していることが明らかになった<ref>[http://www.chemeco.kais.kyoto-u.ac.jp/project_snake.html ヤマカガシの毒成分 Toxins of Japanese snake Rhabdophis tigrinus] 京都大学 化学生態学研究室</ref><ref name=SA>{{Cite web|url=http://www.scientificamerican.com/article.cfm?id=snake-bites-the-toxic-toa|title=Snake Bites the Toxic Toad That Feeds It--and Spreads Its Poison|accessdate=2010-12-05|author=JR Minkel}}</ref><ref name=NAS>{{Cite web|url=http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1892995/|title=Dietary sequestration of defensive steroids in nuchal glands of the Asian snake ''Rhabdophis tigrinus'', PNAS,Vol. 104, 2007,pp. 2265-2270|accessdate=2010-12-05|author=Deborah A. Hutchinson et al.}}{{リンク切れ|date=2018年4月}}</ref>。ヒキガエルが生息しない[[金華山_(宮城県)|金華山]]に生息するヤマカガシはこの頸腺の毒を持たないが、このヤマカガシがヒキガエルを捕食すると、この毒を分泌するようになった<ref name=NAS /><ref>[http://blog.miraikan.jst.go.jp/other/20131227post-445.html カエルの威を借るヘビ。] - [[日本科学未来館]] > 科学コミュニケーターブログ(2013年12月27日更新)2018年4月5日閲覧</ref>。
; 半数致死量
: 20グラムのマウスに対する[[半数致死量]](LD50/20g mouse)は静脈注射で5.3マイクログラム、(日本産の他種では[[セグロウミヘビ]]1.7 - 2.2マイクログラム、[[ニホンマムシ]]19.5 - 23.7マイクログラム、[[ハブ_(動物)|ハブ]]沖縄島個体34.8マイクログラム・奄美大島個体47.8マイクログラムなど)<ref name="sakai" />。


== 分類 ==
== 分類 ==
[[朝鮮半島]]や[[中華人民共和国]]・[[沿海地方]]の個体群を亜種''R. t. lateralis''(基亜種<狭義の本種>のシノニムとされることもあった)、[[台湾]]の個体群を亜種''R. t. formosanus''とする説もあった<ref name="takeuchi_et_al">Hirohiko Takeuchi, [[太田英利|Hidetoshi Ota]], Hong-Shik Oh, and [[疋田努|Tsutomu Hikida]] "[http://dx.doi.org/10.1111/j.1095-8312.2011.01792.x Extensive genetic divergence in the East Asian natricine snake, ''Rhabdophis tigrinus'' (Serpentes: Colubridae), with special reference to prominent geographical differentiation of the mitochondrial cytochrome b gene in Japanese populations]," ''Biological Journal of the Linnean Society'', Volume 105, Issue 2, The Linnean Society of London, 2012, Pages 395–408.</ref>。2012年に発表された220頭(日本202頭)の[[ミトコンドリアDNA]][[シトクロム]]bの一部の塩基配列を決定し[[最大節約法]]や[[最尤法]]・[[ベイズ推定]]による系統推定では、亜種間の遺伝的距離が同属他種と同程度に大きいと推定された<ref name="takeuchi_et_al" />。そのため亜種を分割して独立種とする説もある<ref name="takeuchi_et_al" />。
[[朝鮮半島]]や[[中華人民共和国]]・[[沿海地方]]の個体群を亜種''R. t. lateralis''(基亜種<狭義の本種>のシノニムとされることもあった)、[[台湾]]の個体群を亜種''R. t. formosanus''とする説もあった<ref name="takeuchi_et_al">Hirohiko Takeuchi, [[太田英利|Hidetoshi Ota]], Hong-Shik Oh, and [[疋田努|Tsutomu Hikida]] "[https://doi.org/10.1111/j.1095-8312.2011.01792.x Extensive genetic divergence in the East Asian natricine snake, ''Rhabdophis tigrinus'' (Serpentes: Colubridae), with special reference to prominent geographical differentiation of the mitochondrial cytochrome b gene in Japanese populations]," ''Biological Journal of the Linnean Society'', Volume 105, Issue 2, The Linnean Society of London, 2012, Pages 395–408.</ref>。2012年に発表された220頭(日本202頭)の[[ミトコンドリアDNA]][[シトクロム]]bの一部の塩基配列を決定し[[最大節約法]]や[[最尤法]]・[[ベイズ推定]]による系統推定では、亜種間の遺伝的距離が同属他種と同程度に大きいと推定された<ref name="takeuchi_et_al" />。そのため亜種を分割して独立種とする説もある<ref name="takeuchi_et_al" />。


この系統推定では日本国内では中国地方西部を除く本州・四国(clade I)と、中国地方西部・九州(clade II)の2系統に分かれるという解析結果も得られた<ref name="takeuchi_et_al" />。clade Iは主に近畿地方を境目に分かれる2つの系統(能登半島・佐渡島を除く本州中部・東部subclade I-A、本州西部・四国・能登半島・佐渡島subclade I-B)と、広域分布しこれら双方の系統とも同所的に分布する系統(subclade I-C)の計3系統に分かれるという解析結果が得られた<ref name="takeuchi_et_al" />。
この系統推定では日本国内では中国地方西部を除く本州・四国(clade I)と、中国地方西部・九州(clade II)の2系統に分かれるという解析結果も得られた<ref name="takeuchi_et_al" />。clade Iは主に近畿地方を境目に分かれる2つの系統(能登半島・佐渡島を除く本州中部・東部subclade I-A、本州西部・四国・能登半島・佐渡島subclade I-B)と、広域分布しこれら双方の系統とも同所的に分布する系統(subclade I-C)の計3系統に分かれるという解析結果が得られた<ref name="takeuchi_et_al" />。
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危険が迫ると[[コブラ]]のように頭を持ち上げ、頸部を平たくし、頭を揺すったりし、この頸腺を目立たせることで威嚇する<ref name=Tomita2007 />。また、それでも相手が怯まない場合、仰向けになり[[擬死]]行動を行う<ref name=Tomita2007 />。それでも相手が怯まない場合は噛みついたり、相手に毒腺のある頸部をすりつける<ref name=Tomita2007 />。性質は一般に大人しいとされているが、中には非常に攻撃的な個体もいるため、注意が必要である。
危険が迫ると[[コブラ]]のように頭を持ち上げ、頸部を平たくし、頭を揺すったりし、この頸腺を目立たせることで威嚇する<ref name=Tomita2007 />。また、それでも相手が怯まない場合、仰向けになり[[擬死]]行動を行う<ref name=Tomita2007 />。それでも相手が怯まない場合は噛みついたり、相手に毒腺のある頸部をすりつける<ref name=Tomita2007 />。性質は一般に大人しいとされているが、中には非常に攻撃的な個体もいるため、注意が必要である。


主に[[カエル]]を食べるが、[[有尾目|有尾類]]、[[ニホンカナヘビ]]、ドジョウ類なども食べる<ref>吉川夏彦「[http://doi.org/10.14880/hrghsj1999.2008.8 ヤマカガシ幼体によるハコネサンショウウオ幼体の捕食例]」『爬虫両棲類学会報』2008巻 1号、日本爬虫両棲類学会、[[2008年]]、8-10頁。</ref>。飼育下の幼蛇の観察例では魚類は死んでから食べることもあり頭から飲み込むことが多いが、カエルは生きたまま捕食し最初に噛みついた場所から飲み込むことが多かったという報告例もある<ref>森哲 「[https://www.jstage.jst.go.jp/article/hsj1972/17/2/17_2_39/_article/-char/ja/ ヤマカガシ(ヘビ亜目:ナミヘビ科)孵化幼体におけるカエルおよびサカナに対する捕食行動の比較]」『爬虫両棲類学雑誌』17巻 2号、日本爬虫両棲類学会、1997年、39-45</ref>。
主に[[カエル]]を食べるが、[[有尾目|有尾類]]、[[ニホンカナヘビ]]、ドジョウ類なども食べる<ref>吉川夏彦「[https://doi.org/10.14880/hrghsj1999.2008.8 ヤマカガシ幼体によるハコネサンショウウオ幼体の捕食例]」『爬虫両棲類学会報』2008年 2008巻 1号 p.8-10, {{doi|10.14880/hrghsj1999.2008.8}}</ref>。飼育下の幼蛇の観察例では魚類は死んでから食べることもあり頭から飲み込むことが多いが、カエルは生きたまま捕食し最初に噛みついた場所から飲み込むことが多かったという報告例もある<ref>森哲 「[https://doi.org/10.5358/hsj1972.17.2_39 ヤマカガシ(ヘビ亜目:ナミヘビ科)孵化幼体におけるカエルおよびサカナに対する捕食行動の比較]」『爬虫両棲類学雑誌』1997年 17巻 2号 p.39-45, {{doi|10.5358/hsj1972.17.2_39}}</ref>。


[[水田]]の土中に頭を入れて、土に潜った[[トノサマガエル]]なども捕食する。他の蛇からは嫌われる有毒の[[ヒキガエル科|ヒキガエル]]も食べてしまう<ref name=Tomita2007 />。飼育下では、[[ドジョウ]]や[[金魚]]の[[捕食]]例もある。
[[水田]]の土中に頭を入れて、土に潜った[[トノサマガエル]]なども捕食する。他の蛇からは嫌われる有毒の[[ヒキガエル科|ヒキガエル]]も食べてしまう<ref name=Tomita2007 />。飼育下では、[[ドジョウ]]や[[金魚]]の[[捕食]]例もある。


捕食者は[[シマヘビ]]、[[イヌワシ]]、[[クマタカ]]、[[サシバ]]、[[ノスリ]]、[[モズ]]などが挙げられる<ref>田中幸治、森哲 「[http://doi.org/10.14880/hrghsj1999.2000.88 日本産ヘビ類の捕食者に関する文献調査]」『爬虫両棲類学会報』2000巻 2号、日本爬虫両棲類学会、2000年、88-98頁。</ref><!-- 念のため複数の文献で紹介されている捕食者のみ記述 -->。幼蛇の死骸が[[ガムシ]]の幼虫・[[タガメ]]に食べられた報告例もあり、このうちタガメの例ではタガメの摂食跡の他に目立った外傷もなかったこと・タガメは主に獲物を待ち伏せ捕食すること・タガメ科の別属他種ではヘビ類も襲う報告例があることから捕食された可能性もあると考えられている<ref>森哲・大庭伸也 「[http://doi.org/10.14880/hrghsj1999.2004.78 野外におけるタガメによるヘビ類の摂食例]」『爬虫両棲類学会報』第2004巻 2号、日本爬虫両棲類学会、2004年、78-81頁</ref>。
捕食者は[[シマヘビ]]、[[イヌワシ]]、[[クマタカ]]、[[サシバ]]、[[ノスリ]]、[[モズ]]などが挙げられる<ref>田中幸治、森哲 「[https://doi.org/10.14880/hrghsj1999.2000.88 日本産ヘビ類の捕食者に関する文献調査]」『爬虫両棲類学会報』2000年 2000巻 2号 p.88-98, {{doi|10.14880/hrghsj1999.2000.88}}</ref><!-- 念のため複数の文献で紹介されている捕食者のみ記述 -->。幼蛇の死骸が[[ガムシ]]の幼虫・[[タガメ]]に食べられた報告例もあり、このうちタガメの例ではタガメの摂食跡の他に目立った外傷もなかったこと・タガメは主に獲物を待ち伏せ捕食すること・タガメ科の別属他種ではヘビ類も襲う報告例があることから捕食された可能性もあると考えられている<ref>森哲・大庭伸也 「[https://doi.org/10.14880/hrghsj1999.2004.78 野外におけるタガメによるヘビ類の摂食例]」『爬虫両棲類学会報』第2004巻 2号、日本爬虫両棲類学会、2004年、78-81頁, {{doi|10.14880/hrghsj1999.2004.78}}</ref>。


繁殖様式は卵生。秋期に交尾を行う<ref name="toriba1" />。7月に1回に2 - 43個の卵を産む<ref name="toriba1" />。卵は30 - 50日で孵化する<ref name=Tomita2007 />。
繁殖様式は卵生。秋期に交尾を行う<ref name="toriba1" />。7月に1回に2 - 43個の卵を産む<ref name="toriba1" />。卵は30 - 50日で孵化する<ref name=Tomita2007 />。
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近年は水田の減少、そしてそれに伴うカエルの減少と共に、個体数は減少しているようである。特に都市部では、本種を見かけることは極めてまれである。
近年は水田の減少、そしてそれに伴うカエルの減少と共に、個体数は減少しているようである。特に都市部では、本種を見かけることは極めてまれである。


咬傷は主に捕獲時や取扱い時に発生する<ref name="sakai" />。2002年現在本種の咬傷では1972年に[[肺水腫]](咬傷被害は[[1971年]])・[[1982年]][[1984年]]に[[脳出血]]による3例の死亡例が報告されている<ref name="sakai" />。頸腺による被害は本種の頸部を棒で叩いた場合などにより発生する<ref name="sakai" />。1989年現在で14例の症例が報告されている<ref name="kawamoto_kumada" />。
咬傷は主に捕獲時や取扱い時に発生する<ref name="sakai" />。2002年現在本種の咬傷では1972年に[[肺水腫]](咬傷被害は1971年)・1982年・1984年に[[脳出血]]による3例の死亡例が報告されている<ref name="sakai" />。頸腺による被害は本種の頸部を棒で叩いた場合などにより発生する<ref name="sakai" />。1989年現在で14例の症例が報告されている<ref name="kawamoto_kumada" />。


本種の血清は1984年<!-- 出典では表で1984年に死亡例があるが、1985年の死亡例がきっかけで抗毒素~と記述されている -->の死亡例から試作品が作られ、2001年までに11例の重症例で使用された<ref name="sakai" />。2001年に厚生省(現:厚生労働省)の研究班によって製造された試作品が、2002年現在では[[ジャパンスネークセンター|財団法人日本蛇族学術研究所]]、[[国立感染症研究所]]、[[杏林大学]]で保管されている<ref name="sakai" />。
本種の血清は1984年<!-- 出典では表で1984年に死亡例があるが、1985年の死亡例がきっかけで抗毒素~と記述されている -->の死亡例から試作品が作られ、2001年までに11例の重症例で使用された<ref name="sakai" />。2001年に厚生省(現:厚生労働省)の研究班によって製造された試作品が、2002年現在では[[ジャパンスネークセンター|財団法人日本蛇族学術研究所]]、[[国立感染症研究所]]、[[杏林大学]]で保管されている<ref name="sakai" />。
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== 出典 ==
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2018年11月7日 (水) 07:08時点における版

ヤマカガシ
ヤマカガシ
ヤマカガシ Rhabdophis tigrinus
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
亜目 : ヘビ亜目 Serpentes
: ナミヘビ科 Colubridae
: ヤマカガシ属 Rhabdophis
: ヤマカガシ R. tigrinus
学名
Rhabdophis tigrinus (Boie, 1826)[1]
シノニム

Tropidonotus tigrinus Boie, 1826[1]
Amphiesma tigrinum
Duméril & Bibron, 1854[1]
Natrix tigrina Stejneger, 1907[1]

和名
ヤマカガシ[2]
英名
Tiger keelback[1]

ヤマカガシRhabdophis tigrinus)は、有鱗目ナミヘビ科ヤマカガシ属に分類されるヘビ。有毒特定動物

分布

日本本州四国九州佐渡島隠岐島壱岐島五島列島屋久島種子島に分布し、南西諸島小笠原諸島および北海道には分布しない[3][4]固有種

模式標本の産地(基準産地・タイプ産地・模式産地)は長崎[1]

形態

頭部

全長60 - 120センチメートル[2]。頭胴長は55 - 120cm[3]丹沢山地では1972年8月、全長142センチメートルで太さが牛乳瓶ほどの個体が捕まったことがある[5]。体色は地域変異があり、関東地方の個体群は体側面に赤色と黒色の斑紋が交互に入る[2]。関西地方の個体群は体側面の斑紋が不明瞭[2]。近畿地方西部から中国地方の個体群では青色型もみられる[6]

頸部背面には黄色の帯があり、幼体でより鮮やかで、成長するにつれてくすんでくる。この黄色の帯も個体によっては表れない。胴中央付近の背面の体鱗数は19列[3]。鱗には強いキールがある。

頸腺毒とデュベルノワ腺(Duvernoy)毒の2種類を有する[7]

1932年に咬傷時に出血傾向が見られるなどの数例の咬傷時の報告例はあったが、以前は無毒種であると考えられていた[8]。咬傷時の症状がブームスラングと一致すること・後述する死亡例などから、1974年に有毒種と報告された[9]

毒牙は上顎の奥歯にあり、0.2センチメートル以下と短い[10]毒腺(デュベルノワ腺)を圧迫する筋肉が無いため、一瞬噛まれただけでは毒が注入されないこともある[10]

毒性は強い血液凝固作用で、血管内で微小な血栓形成を引き起こす[10]。咬傷直後には局所的な激しい痛みや腫れはあまり起こらない[10]。毒が患部から血液に入ると、血液凝固作用によりフィブリノーゲンが大量に消費される[10]。フィブリノーゲン、続けて血小板が血栓の形成に伴い減少することで全身の血液が止血作用を失う[10]。並行して血栓を溶かす作用(線溶血性)が亢進し、毛細血管が多い鼻粘膜・歯茎・消化器官・からの出血、全身の皮下出血を引き起こす[10]。出血あるいは血栓が原因と考えられている一過性の頭痛が起こることがあり、頭痛が発生した場合は毒量が多いと考えられ重症化する例が多い[10]赤血球が血栓で狭窄した血管を通る際に損傷し、赤血球内のヘモグロビンが血中あるいは尿に溶出するため褐色尿も見られる[10]。重症例では脳出血・急性腎不全播種性血管内凝固症候群などを引き起こす[10]

頸部皮下にも毒腺(頸腺)があり[10]、頸部を圧迫すると毒が飛び散る[2]。目に入った場合の症例として刺激痛や結膜炎・充血・角膜混濁・デスメ膜の線状混濁・角膜知覚麻痺・瞳孔反応の遅鈍・縮瞳・散瞳・虹彩炎などがある[11]。この頸腺の毒は、餌であるニホンヒキガエルの持つ毒(ブフォトキシン)を貯蓄して使用していることが明らかになった[12][13][14]。ヒキガエルが生息しない金華山に生息するヤマカガシはこの頸腺の毒を持たないが、このヤマカガシがヒキガエルを捕食すると、この毒を分泌するようになった[14][15]

半数致死量
20グラムのマウスに対する半数致死量(LD50/20g mouse)は静脈注射で5.3マイクログラム、(日本産の他種ではセグロウミヘビ1.7 - 2.2マイクログラム、ニホンマムシ19.5 - 23.7マイクログラム、ハブ沖縄島個体34.8マイクログラム・奄美大島個体47.8マイクログラムなど)[10]

分類

朝鮮半島中華人民共和国沿海地方の個体群を亜種R. t. lateralis(基亜種<狭義の本種>のシノニムとされることもあった)、台湾の個体群を亜種R. t. formosanusとする説もあった[16]。2012年に発表された220頭(日本202頭)のミトコンドリアDNAシトクロムbの一部の塩基配列を決定し最大節約法最尤法ベイズ推定による系統推定では、亜種間の遺伝的距離が同属他種と同程度に大きいと推定された[16]。そのため亜種を分割して独立種とする説もある[16]

この系統推定では日本国内では中国地方西部を除く本州・四国(clade I)と、中国地方西部・九州(clade II)の2系統に分かれるという解析結果も得られた[16]。clade Iは主に近畿地方を境目に分かれる2つの系統(能登半島・佐渡島を除く本州中部・東部subclade I-A、本州西部・四国・能登半島・佐渡島subclade I-B)と、広域分布しこれら双方の系統とも同所的に分布する系統(subclade I-C)の計3系統に分かれるという解析結果が得られた[16]

生態

ヤマカガシは水辺を好む
ヒキガエルを捕らえた様子

カガシとは日本の古語で「蛇」を意味し、ヤマカガシは、「山の蛇」となる。しかし実際には平地や、山地でも標高の低い場所に生息し、特に水辺や水田地帯、湿地周辺などに多い[3]

危険が迫るとコブラのように頭を持ち上げ、頸部を平たくし、頭を揺すったりし、この頸腺を目立たせることで威嚇する[3]。また、それでも相手が怯まない場合、仰向けになり擬死行動を行う[3]。それでも相手が怯まない場合は噛みついたり、相手に毒腺のある頸部をすりつける[3]。性質は一般に大人しいとされているが、中には非常に攻撃的な個体もいるため、注意が必要である。

主にカエルを食べるが、有尾類ニホンカナヘビ、ドジョウ類なども食べる[17]。飼育下の幼蛇の観察例では魚類は死んでから食べることもあり頭から飲み込むことが多いが、カエルは生きたまま捕食し最初に噛みついた場所から飲み込むことが多かったという報告例もある[18]

水田の土中に頭を入れて、土に潜ったトノサマガエルなども捕食する。他の蛇からは嫌われる有毒のヒキガエルも食べてしまう[3]。飼育下では、ドジョウ金魚捕食例もある。

捕食者はシマヘビイヌワシクマタカサシバノスリモズなどが挙げられる[19]。幼蛇の死骸がガムシの幼虫・タガメに食べられた報告例もあり、このうちタガメの例ではタガメの摂食跡の他に目立った外傷もなかったこと・タガメは主に獲物を待ち伏せ捕食すること・タガメ科の別属他種ではヘビ類も襲う報告例があることから捕食された可能性もあると考えられている[20]

繁殖様式は卵生。秋期に交尾を行う[2]。7月に1回に2 - 43個の卵を産む[2]。卵は30 - 50日で孵化する[3]

人間との関係

本種はアオダイショウシマヘビとともに、日本本土でよく見かけるヘビの一種である。同じ毒蛇であるニホンマムシと比べても生息数は多く、水田などを活動の場とすることで人との関わりも深い。ヤマカガシはカエルを主な食料とするため、日本の農業、特に水田の発達と共にヒキガエルや他のカエルの繁殖地が増加していき、それに伴って発展していったものと考えられている。

近年は水田の減少、そしてそれに伴うカエルの減少と共に、個体数は減少しているようである。特に都市部では、本種を見かけることは極めてまれである。

咬傷は主に捕獲時や取扱い時に発生する[10]。2002年現在本種の咬傷では1972年に肺水腫(咬傷被害は1971年)・1982年・1984年に脳出血による3例の死亡例が報告されている[10]。頸腺による被害は本種の頸部を棒で叩いた場合などにより発生する[10]。1989年現在で14例の症例が報告されている[11]

本種の血清は1984年の死亡例から試作品が作られ、2001年までに11例の重症例で使用された[10]。2001年に厚生省(現:厚生労働省)の研究班によって製造された試作品が、2002年現在では財団法人日本蛇族学術研究所国立感染症研究所杏林大学で保管されている[10]

日本ではラブドフィス属(ヤマカガシ属)単位で特定動物に指定されている[21]

出典

  1. ^ a b c d e f Rhabdophis tigrinus. Uetz, P. & Jirí Hošek (eds.), The Reptile Database, http://www.reptile-database.org, accessed 29 Dec 2016.
  2. ^ a b c d e f g 鳥羽通久 「ヤマカガシ」『爬虫類・両生類800図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、324-325頁。
  3. ^ a b c d e f g h i 富田京一、山渓ハンディ図鑑10 日本のカメ・トカゲ・ヘビ、山と渓谷社、2007年7月15日初版、pp. 190 - 195、ISBN 978-4-635-07010-2[出典無効]
  4. ^ 疋田努 『爬虫類の進化』 東京大学出版会 2002 ISBN 4-13-060179-2 p215
  5. ^ 朝日新聞横浜支局編『丹沢物語』p.51(朝日ソノラマ[出典無効]
  6. ^ 鳥羽通久 「ヤマカガシの青色型について」『爬虫両棲類学会報』2002年 2002巻 2号 p.68-69, doi:10.14880/hrghsj1999.2002.68
  7. ^ 小川弘俊、大村豊、大橋大造 ほか、ヤマカガシ咬傷にて死亡した1例および本邦報告例の検討 日本臨床外科医学会雑誌 Vol.47 (1986) No.2 P.250-253, doi:10.3919/ringe1963.47.250
  8. ^ 小川弘俊, 大村豊, 大橋大造, 入谷勇夫, 加藤政隆, 待木 雄一, 「ヤマカガシ咬傷にて死亡した1例および本邦報告例の検討 」『日本臨床外科医学会雑誌』第47巻 2号、日本臨床外科学会、1986年、250-253頁。
  9. ^ リチャード C. ゴリス 「ヤマカガシの毒性について」『爬虫両棲類学雑誌』第5巻 3号、日本爬虫両棲類学会、1974年、63頁, doi:10.5358/hsj1972.5.3_60
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 堺淳、森口一、鳥羽通久「フィールドワーカーのための毒蛇咬症ガイド」『爬虫両棲類学会報』第2002巻 2号、日本爬虫両棲類学会、2002年、11-17頁。
  11. ^ a b 川本文彦, 熊田信夫 「自ら経験したヤマカガシ頸腺毒による眼障害」『衞生動物』1989年 40巻 3号 p.211-212, doi:10.7601/mez.40.211
  12. ^ ヤマカガシの毒成分 Toxins of Japanese snake Rhabdophis tigrinus 京都大学 化学生態学研究室
  13. ^ JR Minkel. “Snake Bites the Toxic Toad That Feeds It--and Spreads Its Poison”. 2010年12月5日閲覧。
  14. ^ a b Deborah A. Hutchinson et al.. “Dietary sequestration of defensive steroids in nuchal glands of the Asian snake Rhabdophis tigrinus, PNAS,Vol. 104, 2007,pp. 2265-2270”. 2010年12月5日閲覧。[リンク切れ]
  15. ^ カエルの威を借るヘビ。 - 日本科学未来館 > 科学コミュニケーターブログ(2013年12月27日更新)2018年4月5日閲覧
  16. ^ a b c d e Hirohiko Takeuchi, Hidetoshi Ota, Hong-Shik Oh, and Tsutomu Hikida "Extensive genetic divergence in the East Asian natricine snake, Rhabdophis tigrinus (Serpentes: Colubridae), with special reference to prominent geographical differentiation of the mitochondrial cytochrome b gene in Japanese populations," Biological Journal of the Linnean Society, Volume 105, Issue 2, The Linnean Society of London, 2012, Pages 395–408.
  17. ^ 吉川夏彦「ヤマカガシ幼体によるハコネサンショウウオ幼体の捕食例」『爬虫両棲類学会報』2008年 2008巻 1号 p.8-10, doi:10.14880/hrghsj1999.2008.8
  18. ^ 森哲 「ヤマカガシ(ヘビ亜目:ナミヘビ科)孵化幼体におけるカエルおよびサカナに対する捕食行動の比較」『爬虫両棲類学雑誌』1997年 17巻 2号 p.39-45, doi:10.5358/hsj1972.17.2_39
  19. ^ 田中幸治、森哲 「日本産ヘビ類の捕食者に関する文献調査」『爬虫両棲類学会報』2000年 2000巻 2号 p.88-98, doi:10.14880/hrghsj1999.2000.88
  20. ^ 森哲・大庭伸也 「野外におけるタガメによるヘビ類の摂食例」『爬虫両棲類学会報』第2004巻 2号、日本爬虫両棲類学会、2004年、78-81頁, doi:10.14880/hrghsj1999.2004.78
  21. ^ 特定動物リスト (動物の愛護と適切な管理)環境省・2017年9月16日に利用)

関連項目

外部リンク

  • ヤマカガシ咬傷で, 蛇毒による出血傾向発現後, 下顎骨骨体部に著明な骨添加を認めた1例 東北大学歯学雑誌 1984-08-15, hdl:10097/31137
  • 秋澤俊史、安原義、加納六郎、三島章義、中嶋暉躬「113 ヤマカガシ頸腺毒中のブファジエノリドについて」『衞生動物』第35巻第2号、日本衛生動物学会、1984年6月15日、NAID 110003819977 
  • (財)日本蛇族学術研究所公式ホームページ(咬傷の診断)