選り抜き記事
本項で解説する地方病とは、山梨県における日本住血吸虫症の呼称であり、長い間その原因が明らかにならず住民を苦しめた感染症である。ここでは、その克服・撲滅に至る歴史について説明する。この疾患は住血吸虫類に分類される寄生虫である日本住血吸虫の寄生によって発症する寄生虫病であり、ヒトを含む哺乳類全般の血管内部に寄生感染する人獣共通感染症でもある。
病名および原虫に日本の国名が冠されているのは、疾患の原因となる病原体(日本住血吸虫)の生体が、世界で最初に日本国内(現:山梨県甲府市)で発見されたことによるものであって、日本固有の疾患というわけではない。日本住血吸虫症は、中国、フィリピン、インドネシアの3カ国を中心に、年間数千人から数万人規模の新規感染患者が発生しており、世界保健機関 (WHO)などによって、さまざまな対策が行われている。……
- 『器楽的幻覚』は、梶井基次郎の短編小説。名ピアニストの奏でる演奏曲の音と、鍵盤を弾く演奏者の動作との遊離の幻覚体験を綴った作品。聴覚と視覚の分離の錯覚により孤高の幻想状態に導かれ、人間存在の不条理性に思い至る過程が魅惑的な趣で精緻に描かれている……
- 井亀 あおいは、日本の女子高校生。17歳で飛び降り自殺を遂げてのち、小説や詩、エッセイをまとめた遺稿集『もと居た所』と、日記をまとめた『アルゴノオト あおいの日記』が刊行され、「なみなみならぬ才華」「病的天才」と評価された……
- 沖縄県の神社の歴史では沖縄県の神社、神道、神社行政について、主に歴史的な観点から概説する。日本の神道が、いつ琉球に伝えられたのか明確な記録は残されていないが、日本の仏教と共に神仏習合のかたちで教義が伝来したと考えられている……