青山美智子

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青山 美智子(あおやま みちこ、1970年6月9日 - )は、日本著作家愛知県出身[1]愛知県立瀬戸西高等学校[2][3]中京大学社会学部社会学科卒業[4]

人物・来歴[編集]

  • 幼少期は千葉県内の数ヶ所で暮らし、中学1年生の3学期に愛知県瀬戸市へ引っ越し同県内で大学卒業まで過ごす[5]。(そのため、母の実家がある埼玉県生まれだが「愛知県出身」としている[1]。)大学卒業後、ワーキング・ホリデーオーストラリアへ行き1年間過ごす。その後、ビジネスビザを取得しシドニーの日系新聞社で記者として2年勤務。25歳の4月に帰国して上京[4]。雑誌編集者を経て執筆活動に入る。現在、神奈川県横浜市在住。夫・息子と3人暮らし。
  • 2003年、「ママにハンド・クラップ!」で第28回パレットノベル大賞小学館)佳作[6]。2007年に第1回ショートストーリーなごやで佳作入選した「街灯りの向こうに」は、奥田瑛二中村優子主演で映像化、2009年ショートショートフィルムフェスティバルで上映された[7]。同作品は、2014年にNHK福井局主催の朗読イベント「東海・北陸文学紀行」でNHK名古屋放送局キャスター石垣真帆が朗読している[8]。2015年より学校や医療施設でアートセラピー講師の活動も行う[9]
  • 2017年8月、単行本『木曜日にはココアを』(宝島社)で小説家デビュー。同作品は、2017年12月に第1回未来屋小説大賞入賞[10]。収録作の第2章「きまじめな卵焼き」が2018年開成中学校入試で国語の長文問題として出題され、その後、入試問題、教材などで著作が多く起用されている[11]
  • 小説家を目指したきっかけは、中学生のときに氷室冴子の『シンデレラ迷宮』を読んでから[12][1]。化石や地層など考古学が好き[13][14]。飲茶が大好物で、お茶を飲み終えたポットにお湯を足してもらうのが幸せ[15]
  • 声優の大原さやかが自身の朗読ラジオ「月の音色」で「木曜日にはココアを」を複数回にわたり朗読作品として取り上げている[16]。2020年3月1日、MBS(毎日放送)アナウンサーによる「コトノハものがたりの世界2020」でも、同作が朗読劇の演目として選ばれた[17]
  • 『お探し物は図書室まで』(ポプラ社)が2021年本屋大賞にノミネート。2位を獲得した[18]
  • 2021年9月21日~23日、『木曜日にはココアを』が演劇制作プリエール主催の朗読劇に起用。花組芝居加納幸和演出・風間杜夫熊谷真実の出演で上演された[19]
  • 『赤と青とエスキース』(PHP研究所)が2022年本屋大賞にノミネート。史上初の連続2位を獲得した[20]
  • 『月の立つ林で』(ポプラ社)が2023年本屋大賞にノミネート。3年連続のノミネートとなり、5位を獲得。[21]
  • 『お探し物は図書室まで』(ポプラ社)が米「TIME」誌で「2023年の必読書100冊」に唯一の日本人作家として選出された。「[22]
  • 『リカバリー・カバヒコ』(光文社)で2024年本屋大賞にノミネート。2021年より4年連続のノミネートとなる。

受賞歴[編集]

  • 2003年 第28回パレットノベル大賞佳作(「ママにハンド・クラップ!」)
  • 2007年 第1回ショートストーリーなごや佳作(「街灯りの向こうに」)
  • 2020年 第1回宮崎本大賞(『木曜日にはココアを』)[23]
  • 2020年 第15回うさぎや大賞3位(『木曜日にはココアを』)[24]
  • 2021年 第18回本屋大賞2位(『お探し物は図書室まで』)[18]
  • 2021年 第13回天竜文学賞(『猫のお告げは樹の下で』)[25]
  • 2021年 第1回けんご大賞(『月曜日の抹茶カフェ』)[26]
  • 2022年 第19回本屋大賞2位(『赤と青とエスキース』)[20]
  • 2022年 第9回みそ屋大賞(『赤と青とエスキース』)[27]
  • 2022年 第1回でら文芸1位(『木曜日にはココアを』)[28]
  • 2023年 第19回本屋大賞5位(『月の立つ林で』)[21]
  • 2023年 読書メーター OF THE YEAR 2023-2024 2位(『月の立つ林で』)[29]
  • 2023年 第7回未来屋小説大賞2位(『リカバリー・カバヒコ』)[30]

作品リスト[編集]

著書[編集]

小説
  • 『木曜日にはココアを』宝島社、2017年
  • 『猫のお告げは樹の下で』宝島社、2018年
  • 『鎌倉うずまき案内所』宝島社、2019年
  • 『ただいま神様当番』宝島社、2020年
  • 『お探し物は図書室まで』ポプラ社、2020年
  • 『月曜日の抹茶カフェ』宝島社、2021年
  • 『赤と青とエスキース』PHP研究所、2021年
  • 『いつもの木曜日』宝島社、2022年
  • 『月の立つ林で』ポプラ社、2022年
  • 『リカバリー・カバヒコ』光文社、2023年
共著
  • 『マイ・プレゼント』U-kuとの共著PHP研究所、2022年
  • 『ユア・プレゼント』U-kuとの共著PHP研究所、2022年
ドラマノベライズ

アンソロジー収録[編集]

  • 「アンコール」 - 『3分で読める! コーヒーブレイクに読む喫茶店の物語』宝島社、2020年
  • 「君の夢に出られなくても」 - 『3分で読める! 眠れない夜に読む心ほぐれる物語』宝島社、2021年
  • 「贅沢な貧乏旅行」 - 『思い出ごはん』PHP研究所、2023年
  • 「きのこルクテル」 - 『ほろよい読書 おかわり』双葉社、2023年

解説[編集]

雑誌掲載作品[編集]

小説
エッセイ

WEB掲載作品[編集]

小説
  • 「遊園地ぐるぐるめ」(田中達也とのコラボ企画) - 『web asta』2022年1月配信(ポプラ社)より連載中
エッセイ
  • 「私の好きなヒロインの親友ベスト3」 - 『web Jnovel』2019年10月15日配信(実業之日本社)掲載

翻訳版[編集]

  • 『鎌倉うずまき案内所』(朝鮮語版)직선과곡선 2020年
  • 『猫のお告げは樹の下で』(朝鮮語版)네오픽션 2020年
  • 『木曜日にはココアを』(タイ語版)2021年
  • 『お探し物は図書室まで』(朝鮮語版)달로와 2021年
  • 『木曜日にはココアを』(中国語版)博集天卷(出品)湖南文艺出版社(出版)2022年
  • 『木曜日にはココアを』(朝鮮語版)문예춘추사 2022年
  • 『鎌倉うずまき案内所』(中国語版)湖南文艺出版社 2022年
  • 『木曜日にはココアを』(台湾語版)春天出版 2022年
  • 『猫のお告げは樹の下で』(台湾語版)春天出版 2022年
  • 『月曜日の抹茶カフェ』(タイ語版)2022年
  • 『お探し物は図書室まで』(イタリア語版)2022年
  • 『お探し物は図書室まで』(フランス語版)2022年
  • 『お探し物は図書室まで』(ポルトガル語版)2022年
  • 『木曜日にはココアを』(ベトナム語版)2022年
  • 『ただいま神様当番』(ベトナム語版)2022年
  • 『月曜日の抹茶カフェ』(台湾語版)皇冠出版社 2022年
  • 『お探し物は図書室まで』(シンガポール版)2023年
  • 『お探し物は図書室まで』(英語版)2023年

舞台[編集]

  • 『木曜日にはココアを』MBS「コトノハものがたりの世界2020」(2020年3月1日)
  • 『木曜日にはココアを』演劇制作プリエール主催朗読劇(2021年9月21日~23日)
  • 『早朝マーブル・カフェ~マスターのひとりごと~』「月の音色200回記念・星月夜の感謝祭」小野大輔による朗読(2022年2月13日)
  • 『月曜日の抹茶カフェ』MBS「コトノハものがたりの世界2022」(2022年3月6日)
  • 『いつもの木曜日』Candy Boyポップアップカフェ 青山美智子×Candy Boyトークイベント 奥谷知弘安孫子宏輔前田大翔による朗読(2022年8月27日)

ラジオドラマ[編集]

CD[編集]

  • 『木曜日にはココアを』大原さやか「月の音色」朗読CD
  • 『Sounds of Love』小野大輔 楽曲CD 朗読ショートストーリー5編を書下ろし提供

脚注[編集]

  1. ^ a b c 【地元作家コラム:青山美智子 先生】~私と地元~ 「愛知県出身です」と、胸を張って言いたい理由”. 三洋堂書店. 2022年1月31日閲覧。
  2. ^ 卒業生(作家 青山美智子氏)によるキャリア教育講演会開催 - 愛知県立瀬戸西高等学校”. 2022年1月31日閲覧。
  3. ^ No.748 小説家・青山美智子さん来訪 | 瀬戸市”. www.city.seto.aichi.jp. 2022年1月31日閲覧。
  4. ^ a b 青山美智子さんの読んできた本たち 自分の成分の2%くらいは石井ゆかりでできている|好書好日”. 好書好日. 2022年1月31日閲覧。
  5. ^ 日本経済新聞社・日経BP社. “作家・青山美智子さん 海外渡航を見守ってくれた両親|エンタメ!|NIKKEI STYLE”. NIKKEI STYLE. 2022年1月31日閲覧。
  6. ^ パレット文庫(小学館)2003年8月1日発行書籍巻末「受賞者発表」
  7. ^ 『月刊Japaralia』2009年7月号P14「Japaralia News」参照
  8. ^ NHK名古屋局アナウンサー・キャスター日記2014年3月12日(水)
  9. ^ 市民タイムス2016年6月1日号(5)松岡病院での講師活動紹介記事参照
  10. ^ 発表!「第1回未来屋小説大賞」
  11. ^ 四谷大塚ドットコム 2018年開成中学入試問題分析【8国語】
  12. ^ 【地元作家インタビュー:青山美智子 先生】『月曜日の抹茶カフェ』”. 三洋堂書店. 2022年1月31日閲覧。
  13. ^ 週刊女性(主婦と生活社)2018年11月20日号「BOOK」インタビュー記事参照
  14. ^ 文蔵(PHP研究所)2019年10月29日号「話題の著者に聞く」インタビュー記事参照
  15. ^ 朝日新聞「好書好日」食いしんぼんインタビュー記事参照
  16. ^ 大原さやか朗読ラジオ 月の音色
  17. ^ MBSアナウンサーコトノハものがたりの世界2020
  18. ^ a b 2021年の本屋大賞受賞作の発表
  19. ^ プリエール公式サイト参照
  20. ^ a b 2022年の本屋大賞受賞作の発表
  21. ^ a b 2023年の本屋大賞受賞作の発表
  22. ^ PRITIMES【選ばれた日本人作家の作品はこの一冊だけ!】米『TIME』誌が発表する「2023年の必読書100冊」に、青山美智子の『お探し物は図書室まで』が選出!
  23. ^ 2020年3月9日朝日新聞デジタル記事参照
  24. ^ 2020年7月2日うさぎやツイッター
  25. ^ 2021年12月12日中日新聞記事参照
  26. ^ 2021年12月16日NIPPANニュースリリース参照
  27. ^ 福井市図書館みそ屋大賞の発表
  28. ^ 三洋堂書店文庫アワードでら文芸結果発表
  29. ^ 本好きが選んだイチオシの一冊 読書メーターOF THE YEAR 2023-2024
  30. ^ 第7回未来屋小説大賞

外部リンク[編集]