稲子湯温泉

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稲子湯温泉
温泉情報
所在地 長野県南佐久郡小海町稲子1343[1]
座標 北緯36度2分38秒 東経138度24分0秒 / 北緯36.04389度 東経138.40000度 / 36.04389; 138.40000座標: 北緯36度2分38秒 東経138度24分0秒 / 北緯36.04389度 東経138.40000度 / 36.04389; 138.40000
交通 JR小海線(八ヶ岳高原線)松原湖駅から小海町営路線バス松原湖線・稲子湯行きで下車。
泉質 二酸化炭素硫黄冷鉱泉[1]
泉温(摂氏 7.6 °C
湧出量 毎分44L
pH 4.9
液性の分類 弱酸性
宿泊施設数 1
総収容人員数 80 人/日
外部リンク http://www12.plala.or.jp/Inagoyu/
特記事項 信州秘湯会会員[2]。通年営業。
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稲子湯温泉(いなごゆおんせん)は長野県南佐久郡小海町稲子にある温泉である。北八ヶ岳連峰の山麓松原湖高原に位置する。標高約1500メートル

温泉地[編集]

稲子湯旅館という山小屋風の小さな旅館が1軒あり、通年営業[3]をおこないる。 松原湖から道のり7.5kmほど離れた山深いところで、旅館の周辺は針葉樹林に囲まれている[4]湯治に訪れる客のほか、登山客は本沢温泉天狗岳等、北八ヶ岳へのアプローチに利用できる。 源泉は泉温7.6冷鉱泉であり主に加熱して浴用として利用されている。また源泉は飲泉することもできる[5]。泉質は、二酸化炭素硫黄冷鉱泉で、温泉療養の効能は胃腸病、神経痛、等とされている。

登山口[編集]

稲子湯からはニュウ、中山峠、夏沢峠へのアクセスが便利で、夏沢峠においては、日本で指折りの高所温泉がある本沢温泉を経由する。[6]

来歴[編集]

1868年(慶應4年、明治元年)に、八ヶ岳を越えて諏訪より佐久に至る道路開発に奔走していた原村の原田源吉らによって発見され、1874年(明治7年)より温泉開発がなされる[7]1907年(明治40年)4月23日内務省東京衛生試験所(国立衛生試験所)にて分析を行い冷鉱泉として認可される。

創作作品[編集]

かつて佐多稲子は、名前に同じ字が用いてある温泉地の名に興味をいだき稲子湯温泉を訪れた。そして随筆『稲子湯行き』を発表した[8]。 また、小海町観光協会の公式サイトによれば映画『岳』の撮影に利用されたロケ地である。

交通アクセス[編集]

林道夏沢峠稲子湯線長野県道480号松原湖高原線に接続しており、2014年4月1日現在のダイヤ[9]において、稲子湯まで小海町営バスが利用できる。稲子行きが利用できない場合は、松原湖付近の稲子登山道入口より徒歩となる。但し、松原湖線は概ね11月から4月まで冬期運休となる[1]

稲子行きの場合
JR小海線(八ヶ岳高原線)松原湖駅から小海町営路線バス松原湖線・稲子湯で下車。
稲子登山道入口行きの場合
JR小海線(八ヶ岳高原線)松原湖駅から小海町営路線バス松原湖線・稲子登山道入口で下車、徒歩1時間30分[10]ほど。

周辺の名所[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

参考文献[編集]

  • 佐多稲子 著「稲子湯行き」、荒井武美・ほか編集 編『長野県文学全集』 第3期・現代作家編、第7巻・随筆・紀行編 1、郷土出版社、松本、1990年、17-23頁。ISBN 4-87663-157-3NCID BN02734667全国書誌番号:91014325 
  • 角川日本地名大辞典編纂委員会編, ed. (2009). "稲子湯". 角川日本地名大辞典 長野県. Vol. 20 (オンデマンド版 ed.). 角川学芸出版. ISBN 978-4046229274

脚注[編集]

  1. ^ a b c 稲子湯ホームページ.
  2. ^ 水野茂. “信州の温泉・地区別索引:渋湯田中・志賀高原”. 信州秘湯会. 2022年8月27日閲覧。
  3. ^ 春山期間中の山小屋開設予定/長野県警察
  4. ^ 「稲子湯の周辺」地理院地図(電子国土WEB)”. 国土地理院. 2014年4月28日閲覧。
  5. ^ a b BSテレビ東京 2013.
  6. ^ 登山ルート・山旅スポット. “八ヶ岳おすすめルート 稲子湯から夏沢峠の登山ルート・難易度”. 山旅旅. 2020年9月17日閲覧。
  7. ^ 小海町教育委員会編 編「稲子湯」『近・現代編』小海町志編集委員会〈小海町志 4〉、1997年、212頁。 NCID BA35895273 に記載あり(県道188号の旧路線について知りたい。かつては、茅野から佐久へ夏沢峠を越えていたと思う。現在は茅野市内で終わっているので、佐久側が県道から降格されたなら理由を知りたい。(県立長野図書館)”. 国会図書館サーチ. レファレンス協同データベース. 国会図書館. 2020年8月10日閲覧。)。
  8. ^ 佐多稲子『稲子湯行き』は、『長野県文学全集』(荒井武美・ほか編集)にも収録されている。
  9. ^ 小海町営路線バス時刻表 松原湖線(平成26年4月1日改正) (PDF)小海町
  10. ^ 但し、Google マップにてバス停留所の位置および道のりを確認して、時速4キロメートルで算出した値。
  11. ^ 現地の案内板より遡及入力。