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'''チューブラーベル'''(テュービュラーベル)は、[[打楽器]]、[[体鳴楽器]]に分類される[[楽器]]で、教会などで見られるような[[鐘]]を、コンサートの[[舞台]]で演奏しやすいように、ひとつひとつの鐘を管状(チューブラー)にして、[[ピアノ]]の[[鍵盤 (楽器)|鍵盤]]の順番と同様に並べて吊るした楽器である。[[1867年]]に発明された<ref>H.ベルリオーズ・R.シュトラウス、広瀬大介翻訳『管弦楽法』音楽之友社、[[2006年]](訳注部分)</ref>。単に「チャイム」や、「コンサートチャイム」「シンフォニックチャイム」などとも呼ばれる。日本国内においては、「[[NHKのど自慢]]の鐘」と言うと馴染みがある向きも多い。
'''チューブラーベル'''(''Tubular Bells''、[[英語]]ではテュービュラーベルズと[[複数形]]が必須)は、[[打楽器]]、[[体鳴楽器]]に分類される金属製打[[楽器]]
== 形状 ==
教会などで見られるような[[鐘]]を、コンサートの[[舞台]]で演奏しやすいように、ひとつひとつの鐘を管状(チューブラー)にして、[[ピアノ]]の[[鍵盤 (楽器)|鍵盤]]の順番と同様に並べて吊るした楽器である。[[1867年]]に発明された<ref>H.ベルリオーズ・R.シュトラウス、広瀬大介翻訳『管弦楽法』音楽之友社、[[2006年]](訳注部分)</ref>。単に「チャイム」や、「コンサートチャイム」「シンフォニックチャイム」「オーケストラベルズ」などとも呼ばれる。日本国内においては、「[[NHKのど自慢]]の鐘」と言うと馴染みがある向きも多い。


== 特徴・音域など ==
== 特徴・音域など ==
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* [[ドミートリイ・ショスタコーヴィチ]]:[[交響曲第11番 (ショスタコーヴィチ)|交響曲第11番「1905年」]] 第4楽章「警鐘」
* [[ドミートリイ・ショスタコーヴィチ]]:[[交響曲第11番 (ショスタコーヴィチ)|交響曲第11番「1905年」]] 第4楽章「警鐘」
* [[マルコム・アーノルド]]:序曲「ピータールー」
* [[マルコム・アーノルド]]:序曲「ピータールー」
<!--* [[ピョートル・チャイコフスキー]]:[[序曲1812年]]
* [[ピョートル・チャイコフスキー]]:[[序曲1812年]]<ref>楽譜上の指定は本物の鐘だが、用意できないオーケストラが多くチューブラーベルで代用されることも多い</ref>
* [[水野修孝]]:[[交響的変容]] 史上初の10本の使用を指示した作品。
楽譜上の指定は鐘、チューブラーベルは代用
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* [[冨田勲]]:[[イーハトーヴ交響曲]] 第5楽章「銀河鉄道の夜」
* [[冨田勲]]:[[イーハトーヴ交響曲]] 第5楽章「銀河鉄道の夜」


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* [[ジョン・フィリップ・スーザ]]:[[行進曲「自由の鐘」]]
* [[ジョン・フィリップ・スーザ]]:[[行進曲「自由の鐘」]]
* [[ハーバート・オーエン・リード|ハーバート・オーウェン・リード]]:交響曲「[[メキシコの祭り]]」
* [[ハーバート・オーエン・リード|ハーバート・オーウェン・リード]]:交響曲「[[メキシコの祭り]]」
* [[フランツ・レハール]]([[鈴木英史]]編曲):喜歌劇「[[微笑みの国]]」セレクション<!--原曲は管弦楽編成-->
* [[フランツ・レハール]]([[鈴木英史]]編曲):喜歌劇「[[微笑みの国]]」セレクション<ref>原曲は管弦楽編成</ref>
* [[パーシー・グレインジャー]]:[[リンカンシャーの花束|リンカーンシャーの花束]]
* [[パーシー・グレインジャー]]:[[リンカンシャーの花束|リンカーンシャーの花束]]
* [[ジェイムズ・バーンズ (作曲家)|ジェイムズ・バーンズ]]:[[交響的序曲]]
* [[ジェイムズ・バーンズ (作曲家)|ジェイムズ・バーンズ]]:[[交響的序曲]]
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* [[金田真一]]:カプリス
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* トーマス・ゴーガー(Thomas Gauger):「ゲインズボロー」-5人の打楽器奏者のための- ''"GAINSBOROUGH" for 5 Percussion Players''
* トーマス・ゴーガー(Thomas Gauger):「ゲインズボロー」-5人の打楽器奏者のための- ''"GAINSBOROUGH" for 5 Percussion Players''
* [[伊藤康英]]:バリ島からの幻想曲 '84
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== 関連項目 ==
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2016年8月4日 (木) 22:24時点における版

チューブラーベル
別称:チャイム、コンサートチャイム、
シンフォニックチャイム
各言語での名称
Tubular bells, Chimes
Röhrenglocken
Cloches tubulaires
Campane tubolari
チューブラーベル
分類

打楽器体鳴楽器

関連項目

チューブラーベルTubular Bells英語ではテュービュラーベルズと複数形が必須)は、打楽器体鳴楽器に分類される金属製打楽器

形状

教会などで見られるようなを、コンサートの舞台で演奏しやすいように、ひとつひとつの鐘を管状(チューブラー)にして、ピアノ鍵盤の順番と同様に並べて吊るした楽器である。1867年に発明された[1]。単に「チャイム」や、「コンサートチャイム」「シンフォニックチャイム」「オーケストラベルズ」などとも呼ばれる。日本国内においては、「NHKのど自慢の鐘」と言うと馴染みがある向きも多い。

特徴・音域など

音域は中央ハから上へ1オクターブ半ほどである。管は長いもので150cmを超え、楽器としてスタンドにセットされた状態では180cm前後の高さになる。管の太さは音程に関わらず同一のものが使用される。このような楽器の形状のため、座っての演奏(座奏)ではなく 立った状態で演奏(立奏)し、管の上部を専用のハンマー(木製・皮製・プラスチック製など)を1本ないし2本用いて打鍵する。専用のスタンドに吊り下げた状態で演奏するが、単音が必要な場合には1本をスタンドから外し、片手で吊り下げて演奏することも可能である。

専用スタンドの下部にはペダル式のダンパーがあり、これを操作することで余韻を調節することができる。手で持って演奏する場合は手で余韻を止める。オーケストラ吹奏楽の楽譜では、単に「鐘」(: bells,Chimes: glocken: cloches: campane)としか書かれていない場合があるが、その場合には、楽譜を見て、演奏の都合などを勘案して、チューブラーベルを選ぶか単体の鐘を使用するか決めるのが普通である。複数の音がある場合(概ね3音以上)は、作曲者はチューブラーベルを指定しているものと、通常は解釈する。

その「鐘のような」倍音構造から、作曲家が音域を正確に把握していない場合もあり[2]奏者がオクターブ上げたり下げたりして演奏することは慣例になっている。厄介なのはアメリカ式は最高音がGだが、ヨーロッパ式は最高音がFのため、しばしばトラブルになる。近年はヨーロッパ式の下限の音域を増やしたFからFまでの2オクターブタイプをベルジュローが制作している。

チューブラーベルの印象的な作品

管弦楽曲クラシック音楽
吹奏楽曲
アンサンブル曲
  • 金田真一:カプリス
  • トーマス・ゴーガー(Thomas Gauger):「ゲインズボロー」-5人の打楽器奏者のための- "GAINSBOROUGH" for 5 Percussion Players
  • 伊藤康英バリ島からの幻想曲 '84
ロック
ポップス
その他

主なメーカー

脚注

  1. ^ H.ベルリオーズ・R.シュトラウス、広瀬大介翻訳『管弦楽法』音楽之友社、2006年(訳注部分)
  2. ^ ジェイムズ・ディロンのL'ECRAN Parfumeの第一小節目は、どのモデルにもない音を出す指示がある。
  3. ^ 楽譜上の指定は本物の鐘だが、用意できないオーケストラが多くチューブラーベルで代用されることも多い
  4. ^ 原曲は管弦楽編成

関連項目